Maxにとって人生のマイルストーンとも言うべき、大切な出来事がありました。空手の若初段(黒帯)試験です。
4歳半から始めてはや6年。道場に通い始めた頃は「黒まで行けたらいいな」なんて親子で簡単に考えていたものですが、実際はそんなに易しい話ではありませんでした。「行けたらいいな」は途中から「行けるだろうか?」という疑問符付きに変わりました。
「黒まで行きたい」と本人が本気で考え始めたのは茶帯になってからだったのではないかと思います。入門から黒帯までの全行程のうち、茶帯は中間地点と言われる所以がわかったような気がしました。

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この日の昇級・昇段試験の参加者はいつもより少ない8人でした。若初段の受験者は2人です。写真は指定された型を行うMax。
こんな風に足を交差して立つのは、体幹をひねらないためなのだそう。ひねった体は次の動作に移る場合に、必ずひねりを戻さなくてはなりません。その動きが一瞬を争う場面では大きな無駄なのだそう。体をひねる代わりにひねりを足の部分に持って行けば、直ちに次の動作に移ることが出来るというのがこの交差立ちの意味だそうです。奥が深い。。。
  
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この日の試験はいつも通り、まずは基本動作から。
全員一緒にパンチや蹴りなどの動作を指示通りにやって行きます。

それが一通り終わると、各級・段ごとに指定されている型を行います。

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茶帯くらいから指定される型がぐんと難しく、数も多くなってきました。この日も古武道を入れて4つか5つくらいやっていた様です。
型は一通りやるだけでも結構疲れるので、3つも続けてやると意識して息を整えて行かないと大変そう。

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空手の試験項目に武器を使う古武道も入っています。

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冬に釵(さい)を子どもサイズから大人サイズに変えたところ、釵を振る時に何だかもたつく様な気が...。でも、言うと「あれでいいのっ!」とMaxが言い返してくるので、最近は指摘するのをやめました。

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一応間違えることなく全部の型をクリア。お次はMaxが一番心配していた体力テスト、まずは腹筋からです。

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そしてMaxにとって最大の難関、腕立て伏せ。 若初段は35回。
自慢じゃないけど腕力の無さには自信があるMax、3日前から「腕立て伏せできるかなぁ、ボク、腕が細くて筋肉無いんだから」と二の腕を心配そうに眺めていました。それなら毎日腕立て伏せやって、たくさん出来るようになったら?と言っても、返事は相変わらず「しなくていのっ!」
本人がそれでいいならいいんですけどねー。

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緊張感漂う腕立て伏せを見守る、他の子ども達。最初から深くはやっていなかったのに、20回過ぎたくらいからいよいよ体力が尽きてきて、最後の方は10cmも下がっていなかったのではないかと思います。スパルタ運動部のノリで行けば「そんなの腕立て伏せじゃない!」という状態ながら、Maxは一応35回、潰れないで上下しました。
意地が体力を越えた?

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最後はその場でランニング。やっぱり黒帯が一番長くて1分間。その場で猛ダッシュしているので、1分間でも長く感じます。

型はやり直しをさせられることなく、体力テストは(無意識に)楽なやり方をしつつ一応はクリアし、この日のテストは終了。さすがに車に向う途中はぐったりで、翌朝はしっかり筋肉痛でした。お疲れさま!

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そして次のお稽古日は、試験の結果発表でした。
結果は...




おめでとう、合格です!
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先生から黒帯をもらうMax。顔がにやけていました。もう一人の友達も若初段に合格です。二人ともお稽古の間、目は自然と鏡に写る自分の姿へと吸い寄せられていました。何といっても黒帯ですからね。見とれる気持ちはとても良くわかります。
この日の練習はいつもにも増して気合いが入っていました。

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4歳半で空手を始めた頃、Maxはとても神経質でマイペース、プライドはヨセミテのハーフドームかというくらいの高さで、しかも万年反抗期。
それで心配になって武道を習わせることにしたのが始まりでした。最初の1ヶ月は道場に行く度に泣き、何かちょっと指摘されても落ち込んで涙目になり、お稽古の最後にやる縄跳びの高飛びで勝てなかった時は30分号泣しました。お稽古に遅刻した時など道場前で1時間も大泣き。自分のクラスはとっくに終わっているのに泣き続けるって...。道場の更衣室での着替えは絶対に嫌で、遅刻しそうでも家か車の中で着替えることに強くこだわっていました。

涙目になるのは今でも同じですが、それ以外は随分と逞しくなったものです。

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白から始まって白+黄線、白+黒線、赤、赤+黒線、黄色+白線、黄色、黄色+黒線、橙、橙+黒線、青、青+黒線、緑+白線、緑、緑+黒線、茶色+白線、茶色、茶色+黒線、黒+白線、黒+赤線...と来て、今回の黒帯はMaxの20本目の帯でした。その間には様々な出来事がありましたし、同じクラスにいた子の多数は様々な理由で途中で空手をやめました。

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能力がそれほど優れている訳ではないMaxであっても、転居することなくベイエリアで暮らすことが出来たという幸運と、良い道場に出会えたこと、経済的なこと、私が送り迎えが出来る環境にあったこと、親子で良い友達に恵まれたこと、そして本人が興味を失わないで継続できたこと、全ての条件が揃っていたお陰で今回の節目を迎えることが出来たのだと思います。
師範を始めとして先生方、大人のお弟子さん、道場の友達の皆さんには感謝の言葉もありません。心からお礼を申し上げます。


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努力すれば実りがある。Maxにはこの6年間の歩みによって得られた大きな喜びを、自信につなげて行ってくれたらと願っています。

そして黒帯はゴールではありません。スタートです。茶道でだって茶名をもらってやっと一人前です。空手も黒帯でようやくスタート地点に立てたということでしょう。空手を自分のものにするために、今から本気でお稽古をしなくてはなりません。
これからは年下の子の模範として見られることで、別のプレッシャーもかかってくるでしょう。そんなプレッシャーを楽しみながら、次の目標である大人の初段に向けて飛躍して欲しいということも、欲張りな親である私は密かに願っています。

がんばったね。おめでとう。