しばらく前の話になりますが、レッスンの際にMaxはバイオリンの先生からちょっと変わったおまけの宿題を出されました。

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それはYouTubeで動画を探して見ること。
教則本『Sevcik』の隅っこに先生がメモをしてくれたのは、先生が先月、遠路はるばるChicoへリサイタルを見に行ったというデュオの名前でした。サクラメントより更に北上、車で片道3時間半以上かかる場所まで見に行くほど価値のあるアーチストとはいったい???
ちなみにSevcikというのは写真の黄色い表紙、ピアノで言えばハノンの様な左手の練習用テキストです。この他にSevcikのボウイング(右手)練習用1冊、第3ポジションの練習用1冊、曲2冊(交互に使用)、それから小学校のオーケストラの楽譜もあるのでMaxが現在使っているのは6冊となります。全部乗せたら楽譜立てが重い筈ですわ。
I&J1


閑話休題。
I&J3
楽譜の隅っこに先生が書いてくれたデュオの名前は”Igudesman and Joo”(イグデスマン&ジュー)。イグデスマン氏はロシア生まれのバイオリニスト、ジュー氏は韓国人の両親を持つイギリス生まれのピアニストで、12才の時にイギリスのユーディ・メニューイン音楽学校(Yehudi Menuhin School)で出会ったのが最初だそうです。それぞれにコンテストで入賞したりオーケストラで活躍したりと音楽家としての力量は折り紙付き。ジュー氏はビリー・ジョエルの編曲と録音を担当したこともあるとか。それぞれこれまでに第一線で活躍してきました。

その二人が2004年に結成したIgudesman and Jooでは、クラッシックを多くの人に楽しんでもらおうという目的で演奏活動をしているそうなのですが...。
そこまでやるか?! と意表を突かれる、もの凄〜い演奏っぷり。
"A Little Nightmare Music"のダイジェスト版から、まずは動画をご覧下さい。

IGUDESMAN & JOO (音量注意)


このお二人、とにかく上手い。上手いのにこんなことをしちゃってるので、安心して大笑いできます。Max大喜び、Sarahまで大喜び。二人で毎日のように動画を見て色々研究をしています。(何を?)
一見、ただの音楽の漫才みたいなんですが、Maxにとってはいろいろ学ぶこともあった様です。曲の強弱や緩急など変化の付け方、最後の拍手のもらい方、楽譜と演奏の関係、最近ピチカートの入った曲をやったばかりなので、その奏法の効果など。でも、一番は「ここまで弾けるとかっこいい」「音楽って楽しい」ということ。
いくつか子ども達のお気に入りの演奏を紹介します。


I Will Survive

途中で出てくる演奏ツールはYouTubeのコメントによれば、カプチーノ用のミルク泡立て器ではないかということでした。こんなので弾けるんですね。しかも後ろではピアノをピチカートで弾いてるし。無茶な演奏をしてることもあり、イグデスマン氏はバイオリンの弦を1ヶ月に一回交換しているそうです。
Sarahは途中でJoo氏が乱入して歌い出す所が一番お気に入り。
(この曲、Gloria Gaynorのオリジナルはこちらです。)


Mozart Bond

Maxの一番のお気に入り。モーツアルトと007のジェームズボンドのテーマを混ぜることが出来るという発想に感動したんだとか。(オリジナルのJames Bond 007 Movie Theme Music


Ticket to Ride

Sarahの一番のお気に入り。何を思ったか「お父さんがこれやってくれたらいいなぁ」とリクエストして、即却下されていました。最近のSarahはこれをよく鼻歌で歌っています。「下手でも思いっきりやったら、みんな拍手してくれる」「楽しそうにやったら、みんなも嬉しくなる」は最大の発見かな?


Rachmaninov Had Big Hands

これを頭の中で考えた人はこれまでに大勢いたでしょう。でも、観客の前で実践した人、この奏法?でこれほどの演奏を披露した人はいないのではないでしょうか。

Igudesman and Joo - Riverdance

冒頭の楽譜の短さに爆笑。楽譜が変わると演奏も即座に変わる所にMax、感動していました。アイリッシュダンスも演奏しながらここまで出来たら立派です。


And Now...Mozart (Alla Molto Turca)

トルコ行進曲のアレンジ。聴いているうちにこっちが本来の曲かもしれないと思えてしまうところが不思議。


BEING GIDON KREMER Trailer

ギドン・クレーメルとクレメラータ・バルティカとの共演。Igudesman and Joo のステージを観て感銘を受けたクレメールが共演を申し出たのがきっかけで、実現したそう。演奏者が皆楽しんでいる雰囲気が伝わってきて、エネルギーをもらえる様な気がします。この規模でこの演奏ができるというのは素晴らしいという以外に言葉が見つかりません。
  ○Fistful of Dollars
  ○We Will Survive: Igudesman & Joo + Kremer & Kremerata
  ○Ave Astor Piazzolla
  ○Riverdancing Violinists
  ○Where is the Remote Control?


Igudesman & Joo at Trondheim Chamber music festival

インタビューの様子。
言い方はインタビュアーをからかってますが、多くの人にクラッシックを楽しんで欲しくて真面目に演奏しているっていう部分は本気なんでしょう。


こんなステージだったら4時間かけても聴きに行くと納得しました。MaxとSarahも「何時間もかかっていいから、今度こっちに来たら聴きに行きたい」と話しています。
Igudesman and Jooのオフィシャルウェブサイトに「Where should we play next ?」次の演奏地はどこにしたらいいかの投票があったので、近くに来て欲しい方は一票を投じてみてはいかがでしょう。

公式サイト:http://www.igudesmanandjoo.com/