MacPeopleの年賀状特集の安心感と伏兵・・・【レビュープラス】大前研一氏と「親」論を考える【レビュープラス】

2009年12月21日

カーストの現代をクーリエ・ジャポンで読む【レビュープラス】

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カースト制度。
インドの身分制度として、歴史の授業で聞いたことがあるだろう。
しかし、現存することを理解するのは難しい。

クーリエ・ジャポンは一足先に2010年入り

レビュープラスから献本いただいたクーリエ・ジャポン2010年1月号。
表紙は、「壁」が崩壊してから20年たったドイツ、ベルリンが登場。

題して、「新世紀ベルリン-壁とアートと接吻」

20年前、ドイツに旅行中だったのに、混んでそうだからと
ベルリンに行かなかったのが残念でならない。

しかし、わたしの興味は別の記事にひきつけられた。

中島岳志の連載「地元紙が伝える インドの現在」の
「オバマのノーベル賞受賞を機に“カースト差別”の根絶を考える」だ。

またしてもインドネタに反応してしまうのは、
わたしが幼少期に住み、学生時代に歩き回ったからだろう。

とはいえ、最後にインドにいってから、20年近くたつ。
そのときのことを思い出してみる。

外国人と不可触賤民

インドにいると、とにかく見つめられる。

街中を歩いていると、
文字どおり頭の先からつま先まで凝視される。
こちらもまじまじとみつめかえすと、慌てて立ち去る。

観光地でお金をせがまれたり、お土産を売り込まれる以外は、
一定の距離をとりつつ、見物されることが多かった。

明らかにわたしは異物だった
異物である外国人は、興味を喚起する。

だが、「ダリット」、ヒンズー語で「抑圧されたひと」を意味するひとびとは、
同じインドに住みながらも拒まれる。触れても見てもいけないとされる。

※記事内では「不可触民」と表記。アウトカースト、アンタッチャブル、不可触賤民(ふかしょくせんみん)とも呼ばれる。

かつてインド独立の父、ガンジーは「ハリジャン(神の子)と呼んだ。
新興国と呼ばれて久しい現代インド社会は彼らとどう関わっているのか。

※参考:「不可触賎民 - Wikipedia」「カースト - Wikipedia」

「オバマのノーベル賞受賞を機に“カースト差別”の根絶を考える」の難しさ

まず、カーストは二重構造になっている。

歴史の授業で学んだ「バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、スードラ、そしてアウトカースト(ダリット)」という4プラス1の大きな概念。
そのそれぞれが、職業と関連づいた3000を超えるともいわれる「ジャーティ」に区分される。

とわたしは理解している。

その他、記事内に専門用語があるので補足する。
一方、「ジャーティ」とは、共通の職業を単位とする内婚集団のことで、全国に総計3000以上も存在するとされる。
(同記事から引用)
現地にいた一外国人としては、
ジャーティとは、職業にひもづいた相互補助のしくみをもつ共同体、
と理解していた。

就職を含めて守られる一方で、制限・制約もある。
そのひとつが、共同体の構成員同士で結婚する、それが内婚だ。

※参考:「ジャーティ - Wikipedia」
独立後のインドでは「留保制度」というアファーマティブ・アクションが導入され
(同記事から引用)
ある特定のカーストに属するひとびとに対して、職や学校への優先枠が設けられている。
現地にいたころ、実感することはなかったが。

※参考:「ポジティブ・アクション - Wikipedia」

このカーストは、果たしてどう現存するのだろうか。

わたしのカースト体験

インド駐在員とその家族は当たり前のように「カースト」に触れる。
  • テーブルのうえを拭いていた使用人に、床を拭くように指示したら怒って辞めた。
    →おそらく、床を拭くのは記事内にも登場する清掃人のカースト「バンギー」だったのだろう。
  • インド人を家に招く場合、予め食事のポリシーを確認してメニューを選ばなくてはいけない。
    具体的には、菜食主義かどうか。さらには菜食だけど、卵はいい、といった細かい区別があった。
    →カーストにつながる重要な区分だからだ。
  • カーストによって買い物をする市場がちがう。取り扱っている商品や値段が異なる。
    →カーストによって食生活が異なることから起因しているだろう。
少なくとも当時、カーストは社会のしくみや生活に溶け込んでいた。

そして、カーストの話でもっとも衝撃的だったのが、
名前で出身地や所属するカーストがわかる、ということだった。

英語圏でも職業から名前をもらうケースはある。
スミスが鍛冶屋だったり、パン屋がベーカーだったり。
※参考:「名前の由来」

しかし、職業が変わることによって、由来でしかなくなった。

だが、インドはさきほどから紹介している「ジャーティ」が存在する。
職業にひもづいた共同体に属しているため、
職業と名前が直結し、そのままカーストにつながる。

なかには、自ら名前を変えるインド人もいる。
しかし、それはジャーティという共同体からの脱出であり、
相互補助を受けられない、という厳しい選択だ。

記事では、現代インドにおいて、ジャーティの変化を伝えているが、
同時にアウトカーストへの差別が現存することを伝えている。

さて、このカーストは日本とは関係ない話だろうか。
単に、江戸時代の士農工商のような過去の制度に過ぎないか。

カーストから日本が考えること

今後、少子化にともなう国内労働人口の減少に対して、
移民政策が強化される可能性がある。

周辺諸国から日本にやってくるひとも増えるだろう。

さて、日本は彼らをどう扱うだろうか。

相撲界のように、“しきたり”をおしつけるのか。
街中のように注目すれども“見ないふり”をするのか。
それとも、クーリエ・ジャポンを読んで、世界とつながるか(笑)

すでにその答えはでつつある。

同誌の「姜誠のエスニックメディアが見たNIPPON」では、
民主党の掲げる高等教育無償化が外国人学校を含めるかどうか
その現実を取り上げている。

いずれ直面するであろう未来に向けて、考える価値があるテーマだ。

ほかにもいろいろ

というインドの記事のみならず、幅広い記事がクーリエ・ジャポンの魅力だ。
  • インタビュー「マイケル・ムーア」→オバマ大統領に対する見解は厳しい
  • 2009年TIMEが選ぶ世界の発明品BEST50→果たして日本発の発明はいくつあるだろうか。
  • 気鋭の写真家が捉えた、素顔のベルリーナーたち→見事に多彩
  • 世界最大の砂アート→ナスカの地上絵を思い出す
今月も知的好奇心を刺激してくれたことに感謝。

関連サイト
国際ニュースのセレクトショップ|クーリエ・ジャポン
公式ブログ「クーリエ・ジャポンの現場から」

※この記事は、レビュー専門ブログネットワークレビュープラスに参加しています。
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 1月号 [雑誌]COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 1月号 [雑誌]

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passionhack at 12:55│Comments(0)TrackBack(0) とにかく読む! 

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