2007年07月19日

自殺大国という現実

昨日のZEROで日本の自殺問題が取り上げられていた。9年連続、3万人を超える自殺者。交通事故による死亡者(1万人位と言われている)の数倍に昇る自殺者を生産している日本、異常現象とも言えるのではないか。

内閣府が出しているパンフレットによると、

◆G8諸国の自殺死亡率
・ロシア  34.3%(2004)
・日本   24.2%(2005)
・フランス 17.8%(2004)
・ドイツ  13.0%(2004)
・カナダ  11.6%(2002)
・アメリカ 11.0%
・イタリア
・イギリス

(各国のデータは、各々年度の違いがある)
(テレビで確認できたもののみ記載)


なんと、先進国8ヶ国の中で、ロシアに次ぎ第二位という不名誉な結果が出ている。日本に住んでいる人からすれば、治安等から見て、自殺、殺人の類は、世界に比べて低い、と想像しがちであるが、この公式なデータからすると、この日本という国は、とても住みにくく、安心して生を全うできない環境にあると捉えられる。

平成18年度の警察庁のデータによれば、1日のうちに約90人が自殺しているという。1週間経てば、約630人、1ヶ月経てば、約2700人がこの世を厭い、あの世に旅立っている現実。

国の取組みは、実質、国による24時間体制の対応はしておらず、NPO法人の東京自殺防止センターらの民間に委ねる形になっている。

「なぜ、この国に自殺が多発し、常態化しているのだろうか?」

「いじめ問題の放置」「虐待問題の放置」「労働環境の厳しさ」「社会保障の未成熟」「格差社会」「拝金主義」「なんでもありの風潮(多様性社会を容認)」「金融資本主義」「規律のない規制緩和推進」「弱者切り捨ての風潮」「心の問題への軽視」「利益誘導社会に見られる利益礼賛社会」等が原因として挙げられる。

今、日本社会は、「利益」という恩恵を重視し、「人の命」を軽視する風潮に流されている。利益の為なら、社員の労働環境が悪くてもいい、社員の賃金が低くてもいい、社員の心のケアをしなくてもいい、という経営者および幹部社員の利己主義(エゴイズム)によって、社員の命は日々削り取られている。そして、経営陣に意見するものなら、即退職をほのめかすという悪態すらさらけ出している。

景気回復、経済成長、技術立国を目指すことで、我々国民の安心は確保できるのだろうか?

景気とは、「実体経済の状況に加え、企業や家計の経済活動に対するマインド(意識、受け止め方)を表わす言葉」と解釈されるらしいが、所詮、人間の心で、良い状態なのか、悪い状態なのか、を判断しているに過ぎない、企業家が良いと言えば好景気であり、悪いと言えば不景気というだけのものである。こんな当てにもならない指標に突き動かされて、洗脳されて、身を粉にして働くことが我々国民の安心に繋がるわけがない。そもそも景気という言葉自体廃止して、つまらない指標で国民を隷属することを止めて欲しい。

成長を実感に、で叫ばれているように、世の中の豊かさを経済成長に依存しているが、経済成長とは、どこまでいけば安定するのか、と言えば、そのどこがない、のが現実である。常に、成長を余儀なくされ、常に必要以上の頑張りを強要され、際限のないゲームに参加させられているのが、今の日本国民の悲しい現実である。頑張って、頑張って、やっと報われるという時期に、過労死してしまう。あるいは、疲弊してしまったが為に、自殺を選んでしまう。経済成長という聞こえのいい言葉に騙され、幻想の目標に向かって、馬車馬のごとく働いている我々日本人は、そろそろこの現実を真摯に捉え、不条理さを訴える頃合いに差し掛かっていると思うが、いかがだろうか。

技術立国を目指す、と言われて久しいが、この「技術立国」というのも幻想である。技術の旗頭の役割を果たしているIT。このITが我々にもたらしたものは、正負両面あると考える。正の面が誇張され、さもITが日本人の救世主のように崇められているが、実際はどうだろうか。ITと共に、効率化という言葉が台頭し、必要以上に仕事が忙しくなってはいないだろうか。必要以上に、過剰なまでにサービスを展開しなければならない風潮になってはいないだろうか。負の面をしっかり検証しない中で、技術立国推進に埋没してしまう危険性を今一度、問い直してみて欲しい。

「自殺大国、ニッポン!!」

こんな表現で揶揄される日本が、世界の人々から見て、どう映り、どう評価されているのか、容易に想像できるはずだ。働くだけ働いて野垂れ死ぬ人生を推奨している愚かな国、低次元の国、人間が住む国ではない、との認識を持たれているのではないだろうか。

正直、政治だけの責任とは言いきれないが、少なくとも、小泉改革により、加速度的に日本が劣化、腐敗している事は間違いないであろう。小泉改革の悪しき点は、利益の為なら、規制緩和をバンバン行ったことである。規制緩和とは先進性を想起させる言葉なので、肯定的に捉える方も多いと思うが、諸刃の剣であり、使いようによっては、社会を破壊させてしまう怖ろしい代物である。

私は、この規制緩和の拡大により、なんでもありの風潮が巻き起こり、ライブドア事件や村上ファンド事件などの未曾有の茶番劇事件が起きたと思っている。規制緩和により、悪い意味での自由度が増し、法律に抵触しなけば、何をやってもいい、という感覚から、とんでもない犯罪者を拡大生産したと思うが、皆さんはどう考えるだろうか。

今回の参院選では、こういった命の問題についてあまり触れられることなく、経済成長や税金等の話題に集中し表面的な部分に固執しているように見える。命の問題に国民の目が向いていないという事情から、政治家が軽視している事は、由々しき問題であり、国民の安心・安全を守ることを宣言するのならば、人命という原点に立ち返っての議論があってしかるべきだ。



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passionmaster at 19:00│Comments(0)TrackBack(2)この記事をクリップ!社会 

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