運用上のお知らせ赤城問題の本質は何か?

2007年07月31日

今回の参院選を終えて

今回の参院選は、現政権に「ノー!!!」を突きつけた格好で終幕を迎えた。年金記録漏れ問題、政治とカネの問題、閣僚の不適切発言等による与党への逆風がそのまま最後まで吹き荒れ、安倍内閣への不信任が明かになったのは当然といえば当然である。

年金記録漏れ問題は、安倍内閣のみに責任があるわけではない、と擁護する意見もあるが、昨年6月の時点で既に「宙に浮いた年金問題」として指摘されたことを踏まえると、今年2月以降の内閣の非積極的な対応が国民には、年金記録漏れ問題への軽視と判断されたのであろう。しかも、6月上旬の内閣支持率急降下を受けて、支持率確保のためだけに安易な年金対策で対応するドタバタぶりが、安倍内閣への不信をいっそう増幅させたのは言うまでもない。

政治とカネの問題についても、迷走に迷走を重ねることで、安倍内閣への不信を増幅させることだけに寄与した。赤城農相の件については、両親の弁の急展開により、グレーゾーンから限りなくブラックであることを裏付ける格好となり、その後の安倍首相による擁護発言も虚偽の上塗りに終始するに留まったわけで、なんら透明性を訴える結果にはなり得なかった。安倍内閣の方針に追随した赤城農相が優柔不断な態度を世間に晒すことで、安倍内閣の政治資金に対する態度への不信は決定的になった。

閣僚の不適切発言に関しては、柳沢発言、松岡発言、そしてトドメとなった久間発言で、安倍首相の任命責任と危機管理能力が問われる格好となったが、終始擁護し続け、任命責任を無視してきた事で、政治家としては致命的となる政治家としての資質問題にまで発展したのではないか、と感じる。仲良し内閣、論功行賞内閣と揶揄され続けた中での閣僚不適切発言の連発は、安倍内閣の脆弱性を国民に印象づけ、不信任の最大の根拠になったと言えよう。

ところが、安倍首相は、最終結果を待たずに、「続投」を宣言してしまった。自民党内でも、この拙速発言に対しては不快感を露わにする有力議員もいて、その稚拙な行動は国民の常識では図ることはできなく、ここにも永田町の論理が強く働いたと見るのが妥当かと思う。青木参院会長、森元総理、中川幹事長の3者会談が、事前に行われ、安倍続投を決めたとされ、その後に官邸に入った麻生外相も続投支持を表明したという。

国民の審判を仰ぎたい、と豪語していた安倍首相が、この期に及んで、国民の不信任という審判を無視するという暴挙に出た、と感じるが、いかがであろうか?

昨夜のNHKの討論スペシャルで、与野党の幹部が集合し、参院選の総括と今後の国会運営について討論を交わしていた。そこで、見られた風景は、参院選前では恐らくあり得ない風景そのものであった。それは、与党側が、野党の意見にも耳を傾け、野党と協調しながらの国会運営をさせて頂きます、という低頭ぶり、へと姿勢転換を恥ずかしげもなく行ったという惨状。この豹変ぶりには、ビックリであり、人間の強欲、貪欲を垣間見たようであった。政権運営をさせて頂けるならば、野党にも土下座をするという信念なき姿勢には呆れを通り越して、人として情けなくなる。自分達の権力やポジションが危うくなって初めて、自分達の悪行に気づくとは、自浄能力がない無能集団と揶揄されても仕方があるまい。

政治家が政策ありきで政治をしているのではなく、政権ありきで政治をしているのが、今回の与党発言でよく理解できた。権力と地位さえ与えられれば、信念も誇りも人としての一分も、何もいらないという事であり、こういった腐敗した人間に国政を任せることはできないのが実感である。

今回の参院選では、与野党逆転を念頭において述べてきたが、個人的に応援していた天木直人氏が落選してしまったことは、非常に残念である。今の政治腐敗を真っ正面から糾弾し、世界における日本の立場の危機を訴え、憲法9条の意義を説いていた天木氏の奮闘は、今の汚れた日本社会にとっての唯一の光であったわけで、今回の落選は、日本社会にとっての大きな損失と言えよう。

それと同時に、無党派層の方々に、いかに分かりやすく、いかに生活に密着した内容を送り届けるのか、そして、憲法9条の堅持がいかに最高の安全保障になりえるのかを分かりやすく説明するのか、そういった課題が浮き彫りになったのではないか、と思う。

2010年以降、憲法改正発議はいつでも出来るような環境にある中で、護憲勢力は、知略、戦略を結集して、なにがなんでも憲法9条を堅持しなければいけません。一度、タガが外れてしまえば、あとはなし崩し的に徴兵制度を含めた「軍事国家」に変貌する可能性は高いわけで、今、我々日本人は、喫緊の、そして最優先とする課題に目を向けなければならない。



下記に、参院選の雑感及び憲法9条の堅持の為の戦略等をまとめてみた。意見等があれば、コメント下さい。

▼焦点は何だったのか?
’金問題⇒将来への不安
∪治とカネの問題(事務所費問題)⇒政治不信
3嬶修良堙切発言(不祥事が起きた場合の内閣の危機管理能力)⇒政治不信

▼焦点にならなかったもの
〃法9条改正論議(日本の重大問題)⇒喫緊の課題
地域格差等の格差問題(地方切り捨て政策)⇒将来への不安
I郎ち悄兵綣圈⊆禺圈砲離察璽侫謄ーネット問題⇒現実の問題

▼無党派層の動向・傾向
・テレビ等のマスコミが煽り立てるセンセーショナルな話題(事務所費問題)に関心を寄せる
・直接的に生活に関わる話題に関心を寄せる(年金問題)
・増税に関心を寄せる(消費税問題)
・知名度のある人に投票する傾向にある(川田龍平、横峯良郎、義家弘介、丸山和也、丸川珠代)
・基本的に政治・社会に対して疎い(マスコミの情報のみで判断している)
・憲法改正等の難しい話題には耳を貸さない
・投票率59%程度ということから、政治不信、政治無関心が依然続いている

▼選挙において必要なこと
・政党としての知名度
・個人としての知名度
・資金力(広告等の宣伝能力)
・マスコミの活用(テレビ、ラジオ、雑誌、本など)
・無党派層にも分かる説明の仕方(噛み砕いた表現)
・無党派層にも関心を持ってもらえる話題の確保(生活密着の話題)
・無党派層には正論だけでは、基本的には通じない
・現段階ではインターネットは戦力になり得ない

▼有権者は何を見ているのか?
・政党としての政治力の有無(胡散臭いと思われる政党には投票しようと思わない)
・政治家個人としての実績の有無(県知事、県議会議員等の実績)
・タイムリーな政治課題の話をしているのか
・その政治家が全ての政治課題を把握しているのか
・政治家の資質、政治遂行能力の有無を感覚的に見極めようとする
・政治課題に対して、全体的視野を持った上で、しっかり優先順位をつけているのか

▼なぜ、憲法9条改正問題は庶民の心を捕らえないのか?
仝充体イ譴力辰吠垢海┐襪ら(トンデモ話に聞こえる)
憲法改正に関連した「国民投票」に対する実感が湧かないから
戦後60年以上経ち、完璧に平和ボケしているから
し法9条が改正されたら、日本にどういう危険が及ぶかが具体的に分かっていないから
シ法9条の重みが実感できないから(9条の果たしてきた役割が理解できない)
Α峽法9条」と「安全保障」の関係が不透明で分かりづらい
Щ埔豸桐主義社会に埋没していて、憲法9条を考える余裕がないから
日米同盟を盲信していれば、平和であると思い込んでいるため
現実は厳しい生活を強いられているのに、理想主義的な主張を喧伝しているように聞こえるから(理想主義的な主張を聞くと苛つく人間が多くなっている)
一部の若い世代は、今の不条理な社会に嫌気がさしており、違う社会を求めているから(破滅的思考、憲法改正容認傾向)
自民党が喧伝している、日本国民による憲法草案という考えに心酔しているから
バーチャル世界が浸透し、戦争に対する垣根が低くなっているから(リセット思想)
自国の安全は、自分達で守るという考えにあるから(他国の思想から影響)
現実逃避の風潮にあり、世界における日本の危機を認識しようとしないから

※について、ご指摘があり、その指摘が妥当であったので、修正を施します(8/9付)

▼護憲政党の敗北
・日本共産党、社民党、9条ネット
・無党派層は、政治・社会に関心が薄く、「憲法9条を守ろう」というスローガンだけではその真意を理解できない
・なぜ、今9条を堅持しなければならないのか、を具体的に、体系的に、分かりやすく伝える必要がある。
・現実離れの話にならない範囲で、現実に即した分かりやすい話の内容を緻密に戦略的に作る必要がある。

▼憲法9条堅持を訴える上での戦略
・憲法9条堅持という政策の他に、ウルトラC級の政策を2つ挙げ、3つの政策で訴える
・選挙前から、様々なメディアでこの3本柱を流布しておく
〃法9条堅持
⊂暖饑乃嫂弊の解消、累進的課税方式に変更(ウルトラC)
8務員制度の抜本的改革(ウルトラC)


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passionmaster at 13:31│Comments(13)TrackBack(3) 選挙 

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1. すべては選挙制度から  [ そもそも どーなの? ]   2007年07月31日 14:29
選挙前の記事に書いたように、今回の参議院選挙で私は比例区は天木直人氏、選挙区は川田龍平氏に投票しました。結果は川田氏が見事に当選してくれました。私の票が死票にならなかったのは久しぶりのことです。無所属
2. 民主350議席、自民89議席  [ そもそも どーなの? ]   2007年08月01日 15:36
今回の参議院選挙の結果に関しては、与党の自滅により民主党が勝ったのであって、民主党が積極的に支持されたわけではない、という評価が一般的なようです。それとともに、民主党に政権担当能力はあるのか、などと言
3. ネットの力 と 今後の展望  [ わんばらんす ]   2007年08月05日 21:29
「へのこマーク」 を しあわせのマーク に変えよう! 沖縄の危機は日本の危機です。 みんなで真剣に反対しましょう! みんなでバナーを貼りましょう! 24時間TVのTシャツをこのマークにして欲しい! ま〜日本T

この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2007年07月31日 15:52
自社連立みたいな民主党で、憲法論議をして、現行憲法存続でまとまりますでしょうか?民主党が政権をとった場合、安定保障の面での、日米関係が、心配でなりません!その時は、私がノーというかも知れませんね!
2. Posted by うろこ   2007年07月31日 16:20
すみません、7/28が最新記事かと思い、そちらにもコメントしてしまいました;すみません;;
天木氏の落選は痛かったですね。護憲派党が議席を減らしたのも…有権者の意識が変わらないと駄目だな、と強く感じました。
軍事力拡大は賛成。でも戦争は嫌、って矛盾した事言う人が多いような気がします。しかも矛盾している事に気付いていない;
今後の課題はとても分かりやすいですね。少しでも近付けるようにしなきゃ、と思いました。ありがとございましたv
3. Posted by see21   2007年07月31日 23:10
>おるおる君へ

民主党一辺倒で応援はしていないので、民主党に関してもしっかり監視していかねばなりません。

安全保障面に関しては、憲法9条堅持を基点として考えねばならない、と思ってます。



4. Posted by see21   2007年07月31日 23:18
>うろこさんへ

有権者の意識、もっと言えば無党派層の意識は、余程のことが起きない限り、変わらないと思います。

そういった無関心な方々にも、関心を持っていただくような方策を構築するのが先決であるように思います。噛み砕いた表現にする等の細かい配慮が鍵であるように感じますね。(表現の敷居を下げる)

あと、政治に関心を持って貰う方法として、もっと政治ブロガーを増やす、というのも有りだと思います。全体のブロガーに対する政治ブロガーの比率はたかが知れているみたいなので、その底上げが急務だと考えます。

ブログはやられていますか?
5. Posted by ココロ   2007年08月01日 02:01
目についたところだけ・・・

・基本的に政治・社会に対して疎い
これは、それ以前の問題かと。それは日本自体「政治」「宗教」「学校」の話はタブー視されていますからね。だから、「政治」の話なんかした日にゃ〜「あの人変わってるよね」とか「いったい、どうしちゃったの〜?」とかってなことに。
・政治家個人としての実績の有無(県知事、県議会議員等の実績)
これが本当ならば、上原さんも浅野さんも当選するはずですよね。


6. Posted by ココロ   2007年08月01日 02:04
▼なぜ、憲法9条改正問題は庶民の心を捕らえないのか?
 ,海譟現実に起こりうるという認識はないですね。
対岸の火事でしかないという意識かと。
◆ー卒兇ないんじゃなくて、逆に「明るい兆し」に聞こえます。「国民‥が選ぶ」という言葉に完全に騙されていますね。民主主義の象徴のように聞こえますから。だいぶ以前、私がそう思っていましたからよくわかります。
〜─,箸砲く無知が原因だと感じます。憲法9条って何?って感じでしょう。難しい条文の一つのことで何騒いでんの〜?ってとこです。
7. Posted by ココロ   2007年08月01日 02:05
 「実現しない夢で、ご飯は食べられない」
実現しないという諦めがキーポイントかと。実現性ゼロのものに労力と時間は掛けられませんし興味が湧くわけないです。
 そうだと思います。まず、憲法と法律の違いすら理解していないので・・・憲法を変えれば、今の閉塞感(アメリカの圧力)がなくなると思っているのではないでしょうか?
 さすがに、それはないでしょう。
 そんな気骨のあるヤツは少ないかと。
8. Posted by ココロ   2007年08月01日 18:08
遅くなっちゃいました。ごめんなさい!^^;

私の単なる感想ですし、たいしたことじゃないです。さっそくこんなに分析してくれて本当に凄いです!本当にお疲れさまです。ほんと素晴らしいですよ。私には、出来そうもないので嬉しいかぎりです。そうです。こんな感じにみんなで考えたいって思いましたので、エントリーに書きました。それぞれの分野でできることを‥な〜んてチャッカリしてますけどね。

こういう叩き台からじょじょに絞り込んでいけたらいいですね〜みんなの意見で。そしたら、何かが見えてくるかな〜?って思ってます。天木氏の選挙後のブログの文章をみると、「これで懲りたからオシマイ」という感じではなく、何か先を見据えていらっしゃるように感じました。

9. Posted by ココロ   2007年08月01日 18:09
もし、その時があれば、それに間に合うように私たちも洗練した戦い方をしなければ、また元のもくあみで、無駄な努力に終わってしまいます。セコウに負けるな!^^

そのためにも心ある人々の力で‥カマヤンさんが常々書いておられる「ネットを守ること」と「ネット中心の公平な選挙」を実現するようにしたいものですね。私はほんの端っこにいるだけですが。(ま〜アンテナショップのお客みたいなもんです。^^)

本題ですが‥
see21さんにお任せします。「誰の意見」とかは関係なく、どんどん修正して良いものを作ってください。名前なんか関係ないですから。私は、取り入れていただけるだけで参加している、これが大切ですよね。誰のためでもない日本のためですものね。

11. Posted by 村野瀬玲奈   2007年08月08日 08:38
こんにちは。いつもTBありがとうございます。

この記事、とても重要だと思いましたので、少しでも多くの方々の目に触れるように転載させていただきました。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-357.html
12. Posted by ぅきき   2007年08月08日 13:55
はじめまして。
気になる書き方があったので指摘させていただきます。
>若い世代は、今の不条理な社会に嫌気がさしており、違う社会を求めているから(破滅的思考、憲法改正容認傾向)

私は20歳で若い世代ですが、「破滅的思考、憲法改正容認傾向」などはもっていません。

「若い世代は」とひとくくりにして考えると、それに当てはまらない考えをもつ若者は排除されてしまいます。

「破滅的思考」とはどういう意味ですか?

若者のステレオタイプにも結びつきかねないですし、「若者は破滅的思考をもつ」などと言われたら私は非常に気分が悪くなります。

憲法改正容認思考ではなく、新しい憲法をつくろうという動きも若者の間で起きています。
http://blog.goo.ne.jp/saypeace/e/46b4de17657a67cc87e94bc8c5980313

の文章を訂正していただけるとありがたいです。
13. Posted by see21   2007年08月09日 22:43
>村野瀬玲奈さん

こんにちは。以前、権力、カネ、軍隊の3つを打破する方法についてコメントさせて頂きました。

ほぼ毎回TBさせて頂いてます。お世話になります。

転載、どんどんして下さい。政治ブロガー、普通の方のブログ含めて、ある意味、結束して良い方向に持っていかないと、現在の権力者は容赦がないので、いつのまにか自由のない軍事国家になっている可能性もあります。その為にも、力を合わせて、頑張りましょう♪
14. Posted by see21   2007年08月09日 22:51
>ぅききさん

ご指摘ありがとうございます。私なりに考え、私なりの修正をさせて頂きました。

若い世代に対する偏見的な見方があった事は素直に認めます。不快感を与えた事に関して申し訳ありませんでした。

破滅的思考というのは、極論的見方を含ませた見方であり、それは、「こんな不条理な日本社会なら、軍隊を持って戦争ありきの世の中にしてもいいんじゃない」、という意味合いで使いました。

一部の傾向として、自国の安全は自国民が守って当然だ、的な発想があるのも気になるところなので、憲法9条堅持の話題に関しては、必要以上にナーバスになってしまいますね。

今後も、稚拙な文章ですが、忌憚のない意見をお願いします。

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