2007年10月24日

「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」に関して

「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」に基づく規制改革要望書が日米双方で、10月18日に交換された。いわゆる「年次改革要望書」と呼ばれるものであり、年1回米国が日本に対して強制力のある要望書を提示する行事である。

◆在日米国大使館HP

◆「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」の下の7年目の対話に向けた要望の交換について

◆「成長のための日米経済パートナーシップ」の現状



★外務省の北米二課に問い合わせをして、現状を聞いてみた。

Q1:「日米規制改革及び競争イニシアティブ」に基づく規制改革要望書は、2001年に始まり、今年で7回目に当たるが、外務省のHPに、4回分しか、米国政府から日本政府への要望書(和訳)がリンクされていないのはなぜか?

A1:2005年、2006年については、まだリンクされていません。(作業が遅れている、というような主旨の弁解であった。)

Q2:10月18日以降の新聞等により報道されていない状況だが、報道規制とかされているのか?

A2:マスコミ等の規制はしていない。(むしろ報道されても構わないとの趣旨説明があった。)日本政府も、様々な要望を米国政府に出しているので、そちらの方をむしろ報道して欲しい。(日本政府としては、毎度強く要望しているが、米国政府はなかなか応じてくれない状況にある、との話。)

Q3:毎年、米国政府より要望があるが、その要望通りに各省庁は政策立案をしているのではないのか?

A3:米国政府の要望には無理なものが多いと認識している。今まででも、断るものは断ってきている。

Q4:一般国民から見ると、米国政府の要望通りに政策が実行しているように見え、少しも断っていないように見えるが、いかがか?

A4:明確に断る、という表現にはなっていないので、一般国民には分かりにくいかもしれない。(官僚用語で断っているか、先延ばし作戦を展開しているか、だと思われる。)

Q5:今回の米国からの要望に関して、どう考えるのか?

A5:現時点、英文なので、和訳を待っている状態である。関係のある各省庁に至っては、独自に和訳を行い始めているのではないかと認識している。米国政府から日本政府に要望がある場合、米国政府が和訳にして要望することが基本であるので、その和訳を待っているのが現状。

Q6:米国政府には検証機関として、米国通商代表部(USTR)があり、日本政府の進捗状況を逐一チェックしているようだが、日本にはないのか?

A6:日本政府にはそのような検証機関はありません。

Q7:沖縄密約のような密約が日米の間に多数あり、それが足枷になって要望書を飲まざるを得ないと見えるが、いかがか?

A7:密約等は一切ありません。日米は対等なものと認識している。

Q8:外務省が積極的にアナウンス(告知)していない現状を感じるので、もっと広報を強化して国民に知らせて欲しい。

A8:承りました。


★次に、在日米国大使館に問い合わせをしてみた。

Q1:「日米規制改革及び競争イニシアティブ」に基づく規制改革要望書の和訳は、いつ頃出来上がる予定なのか?

A1:現在、作業に入っているが、いつ終えるかは未定である。基本的には、英文が正式文書であって、和訳はあくまで仮の訳文という位置づけである。

Q2:和訳が出来上がった段階で、二度出しという形で、再度日本政府に提出する事はあるのか?

A2:再度日本政府に提出することはありません。あくまで、英文の文書が正式なものである。


★外務省の北米一課に問い合わせをして、日米同盟の概要等を聞いてみた。

Q1:日米同盟とは、どういうものか?

A1:日米安全保障体制を中核として、両国が安全保障面をはじめ、政治、経済等の幅広い分野で緊密に協調・協力していく関係、である。

Q2:日米同盟の中には、どういった要素があるのか?

A2:民間航空運送協定(1953年)
友好通商航海条約(1953年)
投資保証協定(1954年)
租税条約(1955年、72年、2004年)
日米安全保障条約(1960年)
犯罪人引渡条約(1980年)
査証免除取極(1988年)
税関当局間相互支援協定(1997年)
独禁協力協定(1999年)
社会保障協定(2005年署名)
刑事共助条約(2006年署名)
日米相互承認協定(2007年署名)
日米軍事情報包括保護協定(GSOMIA)(2007年署名)

Q3:日米同盟と呼ばれるようになったのはいつか?

A3:明確な時期は即答できない。


★外務省の総合外交政策局に問い合わせをして、同盟関係に関して聞いてみた。

Q1:日本と外国との間で、日米同盟に類する関係はあるのか?

A1:軍事同盟関係が要素として含まれないと、同盟関係にはならない。よって、現時点において、日米同盟に匹敵する同盟関係は存在しない。

Q2:米国以外の他国との同盟関係も結ぶという、複数同盟関係構築、という政策は今後しないのか?

A2:日本に米国の軍事施設がある以上、他国との同盟関係というのは現実的ではない。



「年次改革要望書」に関連して、様々調査してみたが、表向きの回答に終始しているように感じた。マスコミ統制はしていない、断るものは断っている、密約等はない、日米は対等である、等々、疑心暗鬼に陥るような内容であり、素直に飲み込むことはできない。しかし、外務省という立場からすれば、これが限界であり、我々国民は、こういった情報から類推し、全体の構図を把握しなければならない。

和訳に関しては、昨年、一昨年と、12月の初旬に公開されているので、その時期に再度検証するしか方法がないようだ。今、現時点において、有志のブロガー方が、和訳を試みているが、かなり強要がましい単語が多く使われている。これは、過去6年間の日本の従米路線に対して、米国が気を良くして、さらに横柄な態度でも許されるという傲慢な姿勢の一端だと解釈するが、いかがであろうか。

1993年7月の宮澤喜一首相とビル・クリントン大統領との会談で決められた「年次改革要望書」は、時を重ねるごとに、その存在が顕著なものとなり、日本として抗しがたい事実となってしまったようだ。

いつまで、この要望書を受け入れ続けるのだろうか。いつまで、米尊日卑の関係を続けるのだろうか。

まず、我々が毅然とした態度でしなければならない事は、こういった事実に対して背を向けることではなく、真摯に向き合うことだ。その上で、民主主義を背景に国民的議論を喧喧諤諤と実行すべきだ。


▼日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html

▼日米安全保障条約(主要規定の解説)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku_k.html

▼アメリカ合衆国
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/index.html

▼年次改革要望書(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E6%AC%A1%E6%94%B9%E9%9D%A9%E8%A6%81%E6%9C%9B%E6%9B%B8


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この記事へのコメント

1. Posted by 買国奴   2007年10月24日 23:37
こういうの見ると、
日米構造(障壁)協議思い出します。
結局、日本ってあのころとほとんど変わってないんですね。ただ、今は新自由主義者が美味しい果実を持って行っちゃってるということで。
まあウヨの皆さんは単純だから、簡単に懐柔できちゃいますよね。
2. Posted by see21   2007年10月25日 10:23
買国奴さん

コメント、トラバありがとうございます。

今、関岡英之氏の「拒否できない日本」を読んでいますが、日米構造協議以前に日米円ドル委員会というのがあって、そこから米国による日本改造が始まったと、関岡氏は述べています。

いままで、安穏と生活してきたおかげか、こういった殺伐とした歴史的経緯を知ると、ホントにゾッとします。

新自由主義の淘汰には、グローバリゼーションを拒否することが必要条件であろうと考えています。
3. Posted by n   2007年10月25日 22:19
昔、スーパー301条、今、年次改革要望書って感じかな?日米修好通商条約の不平等条項が今に至っても存在している感じだな。
4. Posted by n   2007年11月22日 09:44
年次改革要望書の仮和訳が出た。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10056579727.html

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