2008年12月
2008年12月24日 21:05
やっと終わった!今年のお預かり時計の修理
時間12月24日21時
最後の数日は、焼肉よし田さんの肉のおかげ!
上京区千本中立売りの原田さんにもお世話になりました。
私の仕事は「眼・視力」が命。
烏丸五条西入るの「よし田」さんのお店で視力と気力を回復。
疲れたらどうなるのか?
答えは、「出来ませんでした」と、お客様に返す。それだけ。
結果は、この世から名品がきえてしまうのです。
この時計の小さな世界でも、私の力が役に立っていると思うと、私のために役に立つすべてを利用します。
焼肉のお店もそのひとつ。選定条件は視力のために役たつことのみ。
飲食店をはじめ、皆様のおかげで名品を次の世代に継ぐことができました。
ありがとうございました。
写真は今年の最高の名品のひとつです!
2008年12月23日 23:08
時計工房の水準器
時計の修理では作業台が地面と水平である事が大切。
「平が出ている」といいます。
「私のしごと館」の時計ブースを視察した時計メーカーの皆さんがあきれた事がありました。
時計造りのテーブルのうえにパチンコ玉を置いたらころころと転がるではありませんか!
まったくの素人が作ったブースなどどこのメーカーも応援、支援は丁重にお断りに、なってしまいました。
私の工房でもこの程度の水準器がないと作業ができないのです。平である事が、基本中の基本!
工房は古い京町家です。毎日、作業台をチェックして作業を始めます。
教会のグランドファザークロックの調整など、振り子が長い時計は平行な作業台でない場合、大幅な狂いが発生します。
12月の忙しい時ほど、基本から忠実に作業を進めます。
クリスマスミサに出席される場合、時計も楽しんでください。
「正確」なのです!
今週は海外旅行特集
時計の本場ヨーロッパでは、一日7回のお祈りの時間を正確に把握する事。が、時計造りのスタート。12世紀の後半から機械式時計の歴史が始まったのです。
ながーい歴史があります。
海外旅行でヨーロッパへ行かれる皆さんは特に教会の時計に注目してください。
時計は街の誇りで宝物です。芸術品以上のものです。
ちなみに、海外旅行では、必ず時計は持っていってください。
「私!時計は嫌いやねん!」
海外で結構、見かけるあほ!
「休みは時計をはずして、時間を忘れる!」のコピーを信じている人が意外と多い。
休みほど時間の管理が大切。
集合時間に遅れてみなに迷惑をかけることになります。
カシオのベビーGで充分、またさらに、使い慣れた時計がなお、いいのです。
ロレックスなどを着けて危険区域でふらふらしている人がまた多い!
道を横切るのでさえ危険なところで、
「襲ってください、私はお金持ち!」の意味。は、周りに迷惑。
海外のアンティーク時計には手を出さないでください!
日本人好みの偽物が多く時計を狙うなら、現行の新製品「日本未発売モデル」
特に機械式時計は日本で販売したくないメーカーが多い。
出発前に、百貨店などの時計コーナーで下見をさせてもらって知識をたくわえる。
(生産数か少ないモデルなどは、日本ならブランド名で売れるので、希少品は日本にわざわざいれたりしない)
スイス人とフランスの関係。
フランス革命で国王を守るため全滅するまで戦って死んだのはスイス人たちだった。
また、30年戦争で、スイス人の傭兵同士が戦って全滅した村もあった。
などなど、フランスと、スイスのつながりは深く、ジュネーブはフランス領みたいなもの。ウオッチはフランスでお買い物を楽しんでください。
エルメスは時計のベルトも安く、品揃えもいいので余分に買っとく。
ついでに、クラッシック音楽の楽譜が安い!
ただし、オープン展示がないので、売り場のおねーさんに歌ってきかける。
テレビは面白くないから、お部屋で楽譜を楽しむなり!
フランスなら、ラベル、ドビッシー、サンサン、など、そのご当地作曲家狙い。おねーさんとも仲良くなれる?
うまくいって、デートのときの食べ物は、生ものには気をつけて!サラダなども私は食べない。(特にアジアでは絶対に食べない)。麺類のスープも飲まない。
現地に慣れるまでは、一度、火を通したものだけにしたほうがいいと思う。トイレと仲良しになってしまう!1時間位、くらってしまうぞ!
腕時計はジュエリーショップ。掛時計は家具屋さん。どちらも見学お勧めコース。
見て損はないと思う。日本ではお目にかかれないデザインの時計がすごいのです。
フランスの、アルチザンたちのデザイン力を楽しんでください。
アンティーク時計よりはるかに楽しい発見ができます。
2008年12月17日 11:48
クリスマスシーズンは各方面から修理品が殺到します。
時計屋さんは忙しい季節です。
通常月の2.5倍のいそがしさなのです。
お出かけ修理も写真のようにピンセットは、各番号2本ずつ木箱に入れて持って行きます。
一本は予備。修理中にピンセットが使えなくなったとき用です。もちろんメンテナンスは始業前にすべて終わっている事。つまり仕事中に砥石でごしごしやっていては、時計師は失格なのです。
掛時計の写真は昭和初期のセイコー社の製品。「日本髪」のような時計のデザインはなんともユーモラス。
一日7回のミサの時間を告知するために生まれてきた時計。
キリスト教は一定リズムの生活で健康管理もかねている宗教。キリスト者は健康なのです。その分、時計の精度には厳しい要求がありました。
時計を贈ることは、贈る相手のつつがない健康も祈ります。クリスマスに時計を贈る習慣があります。
当然、工房にやってくる時計たちは、持ち主よりも長寿。当初、購入されたお客様は亡くなっているのです、子孫の健康発展のアイテム。やさしいキャンドルの明かりと、お香時計でお迎えします。
一般のお客様から修理を受け付けるようになって2回目のクリスマス。
倒産した「ウオッチマン」も3年前の事なりました。
なくなった会社のアフターサービスのために工房を開いたことをご存知の方も増えてきました。
「なぜ、ウオッチマンは倒産したの?」よく聞かれます。
私が退職して3年目の出来事でしたから、詳しい事情は不明です。
差し入れにケーキを持って入った京都の店では売り場がなくなっていました。呆然としたのを今でも覚えています。
例えばこのようなことだと思います。
呉服屋さんの営業マンと女性の関係に似ています。
「少し、売り上げが足りないから、着物買って!」
「うち、お金ない」
「実家がお金もちやから、銀行さんを紹介する、もちろん将来は僕ら結婚するのや」
働き者で、綺麗になっていく女性と結婚するといってくれます。男性の一族は大金持ち。
「私の一族は、黒字で働いていたら、潰す事はないから、安心して!」
女性は信用して、男性の言うままに借金を増やしていきます。
ところが、結婚(連結決算)の日が近づきました。
男性は、今まで積もり積もった借金が、一族にばれると困ります。
また、結婚すると、今までのように、爺さんの小遣いや、年取った番頭さんの退職金は、自分の小遣いから出すことになります。
「働いて黒字の女性を離婚できない」条件があります。
男性は困りました。
そこで、「君と、結婚したい人がいるから」と、別な男性を連れてきてむりやり結婚させてしまいました。
怒ったのは、銀行です。「今まで、お金持ち一族の一人やから貸していたんや!わけ解らん男と一緒になるのやったら、全額返してもらう!」大騒ぎです。
とうとう、女性は倒れて(倒産して)しまいました。
おしまい!
こんなところだと思います。女性は「ウオッチマン」男性は、、、
今後、不況が続きます。皆さんの会社もこのようなことにならないよう、特に「商社」の目的は「お金」です。お金が正義!15年間で学習しました。
現役のころは毎年の退職引当金の手配など余計な支出が多く、また、無理な出店、改装など嫌になっていました。
役員は親会社の皆さんで固めています。
無理な経営が当たり前のように引き継がれ、
そのたびに改装費用などに困り、メーカーの皆さんに迷惑をかけていました。いまだにメーカーの皆さんには頭が上りません。
ライバルの時計店のオーナーが放漫経営無駄使い年間2億円くらいで、やっと競争ができるくらいでした。もちろん、そんな、会社はありません。結局、社員の給料を抑えて対応していました。
「理想は、海外のお買い物の価格で、安心なアフターサービス」
いまだに、「私はアフターサービス部門の責任者。」のつもりです。
今年は時計の故障が増える3年目。いつでも修理を受け付けます。
2008年12月10日 12:23
お客様は可動品としてお買い上げ!
裏から見たら問題ない時計が、表の文字盤サイドから見たらサビだらけの時計。
時計は動くけど、時間あわせができないモデル。
今週はこのような時計がよく集まってきた。
アンティーク時計のブームだそうで、パスティーシュ工房を利用されるお客様も増えて来ました。
今年はオリンピックイヤーで海外でお買い物をされた人も多く、時計も楽しみで購入されたのでしょう。今週はカルチェ・オメガ2本のコピー商品が来ました。ユーザーは本物と思って買われたとのこと。悪質な手口に腹が立ちます。
お客様もがっかりしていますが、立ち会う私も大きなダメージを受けます。同じ時計を扱う技術者として恥ずかしいものです。
当工房の利用条件をお知らせいたします。
一般のお客様は無条件で利用できます。
インターネットのお買い物で写真のような手口でだまされた。などなどご相談ください。メーカーに修理で出す場合、修理不可能で返却されるような時計もできるだけ対応しています。
ただし、アンティークの機械式時計は20歳以上のユーザーである事がが条件。
「中学生の子供に渡して、すぐに壊した。」など充分な知識がない世代に放り出して使わせるのは、せっかく修理した私たちに失礼ではないでしょうか。
40歳台くらいまでは日常使いの時計はクオーツ時計で、機械式時計を使用していない、世代の知識は非常に少ない。あぶない。
「私のしごと館」で3万人以上の子供たちに時計造りを教えていましたが、「リューズを巻いて、」時間あわせができない子供さんが圧倒的に多いのです。携帯電話の普及。デジタル世代なのです。
いきなり、アンティーク時計を渡したらすぐに壊してしまいます、日用品の生活習慣が違うのです。
無免許運転のひとにポルシェを与えるようなものです。
二番目に、「アンティーク取り扱い業者さん」の来店は、一部を除きお断りしています。
仲間修理を受け付ける場合、結構厳しいのです。
現在 時計屋さんの修理を受け付けている場合の条件
1 10年以上の営業年数。
2 過去にコピー商品の取り扱いがない事。
3 老齢化などにより修理ができなくなった正当な事由があること。
などです。
まず、名刺を交換して、経歴をお聞きしてなど手続きが必要です。
「時計。直して欲しかったら、あたまをさげろ!」の世界です。
アンテークの取り扱い業者さんの特徴は
「ロレックスの修理はナンボ?」いきなり時計も持たずに切り出します。
「リダンはナンボ?」
こちらは、「また来たあ〜」作業を中止して相手をしなければいけません。
工房では、文字盤の書き換え(リダン)などしません。お客様の時計の持つ価値が一度に下がるからなのです。
リダンされて、真っ白になった時計を高額な値段で販売したいのでしょう。私は気持ち悪くて触りたくありません。
一般のお客様がリダン済み、中サビの時計を持ち込まれることが一番つらいのです。
目的は「みえみえ」文字盤とケースがまともなら売れるのです。
ロフトの時計コーナーなど、良心的な時計の修理工房では一般のユーザーのために文字盤お書き換えをしています。どうしても気になるのでしたらロフトの様なお店をご利用ください。
時計のメ−カーでは汚れた文字盤は交換します。ロレックスの場合最低10万、テンポイントダイアつきの文字盤は最低20万。他のメーカーも同じ価格の程度でしょう。
最後に、北区のパスティーシュ工房は、一般のお客様のために造った工房です。
販売のために時計を修理したい業者さんは、特に12月はご来店は控えてくださいますようお願いいたします。
正規の時計屋さんの依頼修理で限界です。
不況の中、頑張っている時計屋さんたちを応援したい!気持ちでいっぱいです。
2008年12月03日 13:21
スイスムーブメントETAグループ
「ベルノワーズ」と中華料理「ぜぜかん」のパンフレットです。
どちらも時代を超えた懐かしさと現代に対応できるアイテムです。
食事代と修理料金が同じ!ベルノワーズの時計を修理して、ご褒美にぜぜかんで食事。エントランス待合室から悠然と過ごせる空間です。こんなお店があるので仕事の励みになります。
近辺には「ガスパール」・「いち」・など和洋のお勧め名店がずらりとひしめいている錦通室町界隈。楽しい街になりました。
「私のしごと館」が閉鎖決定。
派遣会社のコングレが委託を受け運営が始まってからは、参加していませんでしたが館のオープン前からのボランティアとして時計組み立てブースをサポートしていました。
「テーブルにパチンコ玉を置いたらころころと転がる数百万円のテーブル。」「ガラスの隙間から家具ブースのホコリ、臭い、騒音が容赦なく入ってくる」
夏季は30度以上の室温で汗が時計の中に入る!
家具ブースでは「作業台の足が1本だけのおしゃれな外国製テーブル」
「お湯の出ない!」「製菓ブース」の洗い場。
私たちの同業者が視察に来るたび私が設備のいい加減さを指摘され、怒られました。
この設営責任者が民間の社員でしたら部長クラスまで首が飛ぶようなお粗末な設備。
企業に例えると、「総務・人事」のひとが、工場を造りたかったのでしょう。気持ちはわかります。「エリートです」出来るような気がするのですね。
日ごろから人に聞くのが苦手な部署にいますので、勝手にお金をかけて、「お掃除、メンテナンスの会社」など、取り巻きの人たちを集めて造ったのでしょう。
お掃除会社はいろいろな工場を見ていますがやはり無理なのです。
私が参加する前に、へんてこな時計造りブースが出来上がっていました。
来館者、体験者からも「おっさん、ここでナンボ儲けとるのや?」テレビ・マスコミの報道などで、大阪の中学生はまずこのような指摘をします。
厚生労働省の職員は、事務所に入ったまま出てきませんので、お客の怒りはわれわれ講師か、パートの皆さんに向けられるシステムが出来上がっていました。パートの皆さんの「我慢強さ」には驚きます。
「しごと館」の営業員は全国の校長先生の天下り先なのだ。お客を集めた事などないのだから、学校関係者のお客のみ。無理やりつれてこられる生徒がかわいそうだ。子供たちの怒りもわかる。そこで、学校がお休みの土日は無人館となる。
当然、しごと館の館長は館内には不在。4年間のうちで一度も見かけませんでした。大阪の中学生はこのような人にはクレームを言えないシステムだ。
「経済産業省」「文部科学省」など私たち物つくり人つくりに密接なお役所なら、このような悲劇は起きなかったことは明らか。
自転車部品メーカーの講師の方が、立派なレポートを、提案された事もありますが、返答は一度もありません。
講師は有名メーカーのOBが多く、キャリアの中で「経産省」の職員と付き合いが長く「厚労省」の違いにあきれていた。
厚生労働省の職員たちの事を「ブラックホール」と呼んでいました。機械メーカーの講師の方が在庫管理の指導の提案も、さまざまな働きかけもブラックホールに吸い込まれたのです。
それでも講師の皆さんは伝統工芸の講師を筆頭に頑張っていたと思います。
時計ブースでは、機械式時計の製作企画まで用意していたのをはじめ、それぞれ業界の代表として、自分のキャリアのすべてを伝えようと真剣に指導しています。
閉鎖が決まってほっとしたでしょう。「もうあのような不便で遠いところまで通勤しなくていいのです」
ただ、講師間で、残念なことは、公務員の仕事と、民間の仕事にボランティア報酬の格差があり嫌な思いをしました。役人のいやらしさが、このような面にもでています。
出入り業者も、街路樹の苗1本が100万円するのがおかしいと思わない人たちなのです。
このような無駄使いの悪夢は、たちきり、製造業の派遣制度は90年以前に戻すための費用として欲しい。「私のしごと館」が、マスコミから、取りざたされているときは、ほかの不祥事のための国民の目をそらす「当て馬」の役割もありました。
「子供たち」へ正しい事を、伝える場所としてはいい材料になったと思います。
何らかの障害を持つ人は10%の確立で生まれてくる。
「どのような方法で社会に役にたてるか、考えよう!」
「私のしごと館」がなくなっても、この障害を持つ人たちが多く活躍する時計の仕事のテーマを忘れないで頂きたいと想います。