週刊 パタパタをArduinoで動かしてみた

電子工作の素人でエアラインファンの人が、ジャンク市で手に入れたかつて空港で使われていた行先表示板「パタパタ」を動かす妄想にとらわれてArduinoやステッピングモーターにお小遣いをつぎ込んでいく趣味の記録です。原則土曜日更新。

カテゴリ: 電子工作

前回までで、とりあえず安定して動作するものが作れました。

もっと良くしたい課題はいくつもあるのですが、その中で最も簡単に取り組めそうな、
「見た目を良くする」
に、今回はトライしました。やってみたのは以下です。

1:ステッピングモーターの配線を短くする
↓ Before
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↓ After
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これは簡単でした。ステッピングモーターからL6470のドライバにつながっている線が長めにとってあったので、これをすっきりさせます。

ついでにストロベリーリナックスで販売している、L6470とステッピングモーターを一体化させる専用のネジでピッタリ取り付けました。モーターと基盤の距離が短くなっているのが分かると思います。これまでは既製品のネジを使っていたので、ちょっとグラグラしていたのですが、これでがたつきがなくなりました。

2:配線に貼っていたビニールテープの見た目を良くする
↓ Before
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↓ After
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どの配線をどのピンにつなげればいいかを、これまではビニールテープに番号を書いて貼っていましたが、さすがに見た目が悪いです。できれば取りたいけど、どこにつなぐか覚えられないので、目印は残したい。(回路図は書いたけど、それを見なくても分かるようにしたい)

…ということで、日本人の大好きな「テプラ」で番号を書いてみることにしました。
少しはきれいになったかな?

ちなみに使ったのは、テプラではなくて前からうちにあったブラザーの2430PCという製品です。安くて便利。ちなみにテプラを製造しているのはブラザーらしいので、中身はおんなじなんですかね。

3:ブレッドボードの試作感を軽減する
↓ Before
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↓ After
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Sparkfunの超小型ブレッドボードを使ってかなりコンパクトになりました。黒いブレッドボードを採用して他の部分となじませたのですが、コンパクト化の結果、どうしてもトグルスイッチを一つ減らさざるをえなかったり、配線が増えてしまい、きれいかと言われると…ですが。
とりあえず、普通のブレッドボードの白い感じで試作感満載だったのがなくなったのでよしとします。

Sparkfunの超小型ブレッドボードは、その名の通り普通のブレッドボードよりすごく小さいです。
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サイズは幅45ミリ、高さ35ミリです。
普通のブレッドボードは幅85mm、高さ55mmでしたので、1/4近い大きさになりますね。
色も白、赤、青、緑、黒と揃っていて、なかなかにかわいいです。 
ストロベリーリナックスや、スイッチサイエンスで販売されています。
スイッチサイエンスさんによると、上記のものは廃盤で、連結ができるタイプに置き換わっていくようです。
しかしこのブレッドボード、普通のと違って配線が直行している部分がありません。
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こんな感じの配線になっています。
これだと、今回のパタパタのように、電流を並列にながしてスイッチを作るようなときにちょっと不便です。上下左右連結できる仕様にするなら、正方形のブレッドボードにしてくれればよかったのに…と思うのは、初心者だからでしょうか?

4:コンセントを一本にまとめる

これまでは、arduinoとステッピングモーターの二つにそれぞれ12V、2AのACアダプタを取り付けてましたが、線が二本になるし、なによりコンセントを二つ使ってしまいます。
実際にはステッピングモーターは1Aあれば足りるようなので、なら一つのアダプタから配線を分岐すればいいじゃない、ということで買ってみました。「DC電源2分配ケーブル」というものです。


共立エレショップという大阪のショップで扱っていました。小さい物なら定形外郵便で送ってくれるので低コストで注文できます。(届かないリスクはありますが…)

一応テスターで計測してみましたが、両方に12Vが供給されているようで、無事動きました。ついでにステッピングモーター側のACの接続端子も少しスマートにして、だいぶコンパクトになりました。


ということで、外観はこんな感じになりました。

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以上、ドレスアップパーツの紹介みたいになってしまいましたが…
言うほど見た目が良くなってない気がするので、今後ももう少し見た目は凝っていきたいです。


    

このGWは「大人の科学マガジン」付録のパタパタ電波時計を作っていました。

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表紙。ミッドセンチュリー風です。

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 こちらが付録のパタパタ電波時計。裏面にフラップのシートが入ってます。

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大きさの目安も掲載されています。これいいですね。
最初に見た印象は、ちょっと大きいかな、でした。

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組み立て手順書に従って作っていきます。
作業時間は正味90分くらいでした。左右の区別をするところが2、3あるので、そこだけ注意すればそんなに大変なところはないかと思います。

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モーター。私が使ったようなステッピングモーターではなく、
普通のミニ四駆とかを動かすようなモーターです。
ギアの組み合わせによって回転比率を変える方式を採用しているようです。
市販のパタパタ時計もこういう仕組みなのかな?

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基盤の写真を取り忘れたので、組み上がったものを撮影(見づらいですが…)
チップらしいものが見当たりませんが、真ん中に黒くカバーされた部分があり、そこにマイコンや電波の受信チップがあるようです。電波時計って最近はこなれてきているんですね。
Leaf Clockという名前が基盤に書かれていますが、詳細はわかりませんでした。
時刻合わせ等を行うボタンはタクトスイッチが使われていて、外側の白いボタンとつながっています。

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取り付けるモーターには左右の別があります。配線が青い方が右。

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パタパタのフリップを差し込むギアも左右があります。すごく見づらいですが歯車にL,Rと書いてあるので、注意して組み立てましょう。

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フリップは手でシートからはがせます。分と時のシートがあるので間違えないように。
ちなみにこのシート、無地のものが5枚500円で追加購入できるそうです。
結構取り外しが面倒なので、どれだけやるかな…という気はしますが。
受付は定額小為替のみの対応、というアナログっぷりが「そこまでして欲しい人にしかお勧めしません!」という意図が感じられて良いです。

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こうやって1枚1枚取り付けていきます。左右水平に取り付けないといけません。
最初にずれていると、最後の最後で間違いに気づいてもだえることになりますので注意。
単純作業ですがフリップがちょっと外れやすいので、あせらずゆっくりと。

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完成です。電池を入れると、電波を受信して自動的に時刻が合います。
窓際に置くのが吉。

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余談ですが電池ボックスはカバーがなくむき出しです。


動いている動画はこちら。
「パタッ」という音は結構大きめです。しかし空港のパタパタは風圧を感じるほどパタパタしますし、 この商品はパタパタのパタパタたるところを感じるための物ですから、多少うるさくてもそこがいいんですきっと。

ということで、パタパタ電波時計、時間もとても見やすくていいです。ご自宅に一台、いかがでしょうか!


大人の科学マガジン本誌では、前述の白紙フリップを使用して、鉄拳さんが「パタパタ漫画」を描いた様子が掲載されています。なかなか根気がいりそうですがオリジナルのパタパタも面白そうですね。
飛行機ネタでは何が考えられるかな…

  
 

以前ブログでもちょっとだけ書いた、雑誌「大人の科学」にパタパタ時計の付録がつく件、
発売日がいつの間にか4/18に決まっていました。

 

早速amazonで予約注文しました。
今日(4/20)届くはずなのですが…どんな仕組みになっているのかな?

「春発売」 とだけ書かれていてしばらく発売日が決まらなかったところを見ると、
結構開発が大変だったのでしょうか?

空港パタパタのほうは、思ったところで止めるのがうまく行かない日々が続いていてちょっと挫折しているので、何か参考になれば良いと思っているのですが…

 面白い記事も載っているといいなー

 

さて、ステッピングモーターとドライバが届きました。

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しかしここで問題が。もとからあった歯車は、軸の太さが4mmに合うものでした。

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以前の小さなモーターは、軸が3mmだったので1mm分パイプを差し込んで合わせていたのですが、今回のステッピングモーターは軸の太さが5mmなのです。太い分にはどうしようもありません。
かといってほかにいいモーターも見つからなそうだし…

ということで、今度は元からあった歯車に似ていて、軸の太さが5mmでもいいやつを探さねばなりません。とは言え、そんなピンポイントな歯車なんてどこで買えばいいんでしょう?

いろいろ調べたところ、歯車のメーカーで、個人にも1つから販売してくれる素晴らしいサイトがありました。
それが、KHK 小原歯車工業です。
 

オンラインショップで扱っている物は、当然ですがすべて歯車。オンラインショップ以外にも「歯車大学」「歯車作図ソフト」「歯数計算ソフト」などマニアックすぎて、見ているだけで楽しいです(笑)

 そこで今回の条件に合いそうな、歯車を2つほど見繕いました。ひとつはSSY1-12A。490円。もう一つはSSY0.8-20A。690円です。
この歯車2個を送ってもらうのに、ヤマト運輸で送料800円。メール便の設定がほしい…
と、とにかく歯車2個のために、2000円近くもはたいたわけですから、 がんばらないと。

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こんな感じで袋に入って届きます。MADE IN JAPANが誇らしい。
軸に固定するためのネジとねじ回しが同梱されています。

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モーターにもぴったりつきました。

これで準備はOK!次回はこのモーターとArduinoをつないでみます。


前回はステッピングモーターをarduinoでまわすところまではうまくいったものの、モーターが小さすぎたのかパワーが足りず、まったくパタパタを動かすことはできませんでした。
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比較すると大きさからしてこんなに違うんですから、冷静になって考えればはじめから分かりそうな物ですがね…

モーターを販売していたサイトにあるスペック表をみると、「出力最大負荷」というのが 「19.6 mN-m」とあります。こういうのに関わってこなかった身には全く見慣れない単位です。wikipediaで調べてみると「N-m」はニュートンメートルという単位だそうです。

ニュートンメートル(newton metre、記号:N m, N・m)は、国際単位系(SI) における力のモーメント(トルク)の単位である。

1ニュートンメートルは、「ある定点から1メートル隔たった点にその定点に向かって直角方向に1ニュートンの力を加えたときのその定点のまわりの力のモーメント」(計量単位令による)と定義されている。


ふむ。よく分からないですが、今回使ったモーターのN-mは19.6m(ミリ)ですから、0.0196N-mってことですかね。なんだか小さそうですね。

そこでいろいろ調べてみると、このサイトでもっとちゃんとした(?)ステッピングモーターが売られていました。

 

12Vの外部電源が必要で、以前第一弾のトライでもちょっと出てきた「ドライバ」ってのも必要らしくて、合計で3000円くらいしちゃうんですけど、スペック表を見ると0.23N-mだったので、 たぶん10倍以上のパワーがあるってことなんじゃないでしょうか。サイズも大きいし。

このドライバの型番である「L6470」と「arduino」などで検索すると、こことかこことか、ドライバをarduinoにつないで使うサンプルコードが公開されている方がいらっしゃいます。素晴らしいですね。

ということで、今度はこれを購入して、再度トライしてみたいと思います。

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