#非上場、商標事件

商標事件。
元代表者Aが同一人物の会社間で、数十年後に紛争が生じたようだ。
ところで、この代表者Aは、榊原郁三という方で、本田宗一郎の師匠だったようだ。


◆判決文
 平成27年(ワ)第28491号 商標権侵害差止等請求事件
 ⇒原告勝訴

〇当事者
・原告:アート金属工業
・被告:平塚金属工業株式会社 /平塚金属工業株式会社(古いHP) +α

〇登録商標
・原告商標1:商標登録0578770
・原告商標2:商標登録1488595-1

〇時系列
アート金属工業vs平塚金属工業_商標

〇判決文(摘記)
 (P20)
(1) 商標の類否の判断方法
商標の類否は,対比される商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に,その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかも,その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁判20 所昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁,最高裁判所平成9年3月11日第三小法廷判決・民集51巻3号1055頁参照)。
(P21)
エ 類否判断
 上記ア及びイのとおり,原告各商標と被告標章3とは,その外観が,前者の文字数が3文字の「ART」であるのに対し,後者の文字数が4文字の「HART」である点で異なる。両者は,後半3文字を共通にするものの,文字数が少ない英単語において語頭の文字が相違することは外観上の相違を看者に印象付けるものというべきである。
(P25)
 上記の本件使用許諾契約の締結の経緯,内容,性質等を考慮すると,本件使用許諾契約は無償ではあるものの,原告が被告平塚金属の同意なく同契約を一方的に解約するには,原告と同被告との間の信頼関係が取引関係を継続することができない程度に損なわれ,その修復が困難であることや,同被告が原告各商標のブランドイメージを損なうような背信行為を行ったことなど,その解約を正当とする理由が必要であると解すべきである。
 なお,本件使用許諾契約には終了事由の定めはないので,上記の理由が存在する場合に同契約が当然に終了したと解するのは相当ではなく,本件使用許諾契約が終了するには解約の意思表示を要するというべきである。
(P31)
(2) 使用料率
 (略)
 証拠(乙33の資料3)によれば,商標権の売上額に対する使用料率に関する実態調査によると,全分類の平均が2.6%であり,そのうち第7類(加工機械,原動機〔陸上の乗物用のものを除く。〕その他の機械)における平均が1.8%,最大値が9.5%,最小値が0.5%であったと認められる。
 上記の実態調査の結果によると,第7類(加工機械,原動機〔陸上の乗物用のものを除く。〕その他の機械)における平均は1.8%であるが,原告各商標は原告及び被告平塚金属が長年にわたり使用してきたものであり,国内では大手の自動車メーカー等にも製品を納入し,海外においても,需要者,取引者の間で原告の製品を示すものとして,相当程度の自他識別力,顧客吸引力を獲得するに至っていると考えられることを考慮すると,原告各商標の使用料は売上高の3%と認めるのが相当である。


◆特許について
 アート金属工業株式会社の特許件数を調べたら31件がヒットした。そのうち25件が共有特許権だった点が興味深い。あまり特許に価値を見い出していないように思われる。ただ、近年、単独特許出願が微増している。何か方針変更があったのだろうか。2016年4月19日にアイシン精機株式会社と経営統合の基本合意をしているが、これが影響しているのだろうか。
アイシン精機株式会社とアート金属工業株式会社との経営統合に関する基本合意書締結のお知らせ
(2016年4月19日)

アート金属工業(特許件数)

今回はアート金属工業単願の特許で一番新しいものを抽出した。


【発明の名称】内燃機関用ピストン
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【特許権者】アート金属工業株式会社

【請求項1】
 内燃機関用エンジンのピストン頂部の外周壁部に環状の冷却空洞が形成された冷却装置を有する内燃機関用ピストンにおいて、
 該冷却装置は、
 ピストンの軸方向において円周方向に傾斜した状態の噴射ノズルを備え、
 冷却空洞に向かって噴射ノズルによってピストンの軸方向において円周方向に傾斜した方向に噴射された冷却オイルを取入れる冷却オイル用取入口を有し、
 前記冷却空洞の冷却オイル用取入口との連結部のピストン頂部側に、噴射された冷却オイルが略直角に当るように前記冷却空洞内の一部にピストンの円周方向に傾斜した分配壁が設けられており、
 前記冷却オイルが前記冷却オイル用取入口から前記冷却空洞内を流れる
ことを特徴とする内燃機関用ピストン。