#AIレベル4

月末なので急いで更新。

最近見たAI関連特許だが、請求項1の文字数が短くて驚いた。
VAE(Variational AutoEncoder、変分自己符号化法)の応用をそのまま特許化したような発明。
この範囲で権利化されたら将来困る人は多いのではないかという気がする。
海外での権利化、無効理由が気になるところ。


◆VAE
 既にネット上ではいろいろな解説がされているが、最初に提唱されたのは2013年12月のようだ。
 ・Auto-Encoding Variational Bayes
 結果として、VAEは自己符号器ネットワークとほとんど同じように、xからzを生成するニューラルネットワークの後ろに、zからxを生成するニューラルネットワークをつなげた上で、通常の逆誤差伝播法で学習できる。このようにして、データxの潜在変数zが学習される。潜在変数は、各次元が独立であるような事前分布から生成されているため、元の表現よりも学習しやすい表現になっている。VAEで獲得された表現を用いることで、はるかに少ない教師ありデータで、通常の教師あり学習とほぼ同じ精度の学習を達成できる。


◆特許情報(特許6214922)

〇概要
 データ圧縮の技術。正確には、入力データの「統計的性質の記録」(段落0026)。

〇明細書(気になる箇所)
【0030】
 ・・・具体的には、VAE(Variational Auto Encoder)、GAN(Generative Adversarial Nets)、GMM(Generative Moment Matching)、EP(Energy Based Probabilistic Model)などの深層生成モデルが考えられる。・・・
【0031】
 深層生成モデルによる処理は、例えば、入力データの統計的性質を反映させた多次元同時確率分布p(x;θ)のパラメータθを推定するための学習を行う処理である。・・・
【0032】
 具体的には、VAEに基づく生成モデルの推定について説明する。入力データの多次元同時確率分布p(x;θ)を推定するために、図2の左側の深層ニューラルネットワークにおいて、潜在変数の多次元ガウス分布性を仮定して、深層ニューラルネットワークの隠れ層に平均μ分散σである多次元ガウス分布が現れるように、深層ニューラルネットワークにおいて学習を行う。この際、図2の右側の深層ニューラルネットワークによって、潜在変数から入力に近しいデータが出力されるように学習させる。結果、入力に近しい再現データが得られる。この再現データと元の入力データとの間に差ができるだけ生じない状態が最適な状態である。そこで、誤差逆伝播法などを用いて、このニューラルネットワークのパラメータθが最適な状態となるように、深層ニューラルネットワークの各層を最適化する処理を繰り返し行う。最終的に、再現データと元の入力データとの間の差が所定範囲内となった時のパラメータθ*を採用して、多次元同時確率分布p(x;θ*)を決定する。最適状態となった学習モデルの深層ニューラルネットワークの隠れ層には、入力データの特徴的な統計量が現れる。
【0038】 [第2の実施の形態] 航空機のフライト中には様々なデータを計測
【0052】 [第3の実施の形態] 個人の端末で計測した様々な健康データ
【0060】 [第4の実施の形態] 自動車のセンサデータの保存


○審査経緯

・出願当初の請求項(2016/10/03)
【請求項1】
 それぞれが所定間隔でデータ取得対象からのデータを取得する複数のデータ取得部と、
 複数のデータ取得部によって取得した複数のデータについて多次元同時確率分布の形で圧縮データの生成を行うデータ圧縮部と
 を具備してなるデータ圧縮装置。

【請求項2】
 前記データ圧縮部は、前記複数のデータ取得部からの複数のデータを入力として、深層ニューラルネットワークによる深層生成モデルを用いて多次元同時確率分布からなる圧縮データを生成するようにした
 請求項1記載のデータ圧縮装置。

【請求項6】
 請求項1から5の何れかのデータ圧縮装置による圧縮データを受信し、当該圧縮データの多次元同時確率分布を用いてランダムサンプリングすることで、元データの統計的性質を引き継いだデータを再現するデータ再現部
 を具備してなるデータ再現装置。

【請求項7】
 前記データ再現部は、圧縮データである多次元同時確率分布のパラメータに対してノイズを入れてランダムサンプリングを行うプライバシー機能を有している
 請求項6記載のデータ再現装置。

 ↓
・拒絶理由通知
 請求項2は特許性あり
 請求項7がサポート要件違反

 ↓
・意見書(2017/8/21)
 請求項2の内容で限定

 ↓
・拒絶査定(2017/11/07)
 請求項6(当初請求項7)のサポート要件違反が残ったまま

 ↓
・補正書(2018/02/07)
 請求項6を削除して特許



特許6214922
【発明の名称】データ圧縮装置、データ再現装置、データ圧縮方法、データ再現方法及びデータ転送方法
【出願日】平成28年10月3日(2016.10.3)
【早期審査対象出願】
【前置審査】
【特許権者】株式会社Preferred  Networks

【請求項1】
 それぞれが所定間隔でデータ取得対象からのデータを取得する複数のデータ取得部と、
 前記複数のデータ取得部からの複数のデータを入力として、深層ニューラルネットワークによる深層生成モデルを用いて多次元同時確率分布からなる圧縮データの生成を行うデータ圧縮部と
 を具備してなるデータ圧縮装置。

【請求項7】
 それぞれが所定間隔でデータ取得対象からのデータを取得する複数のデータ取得手段からデータを取得するデータ取得手順と、
 取得した複数のデータを入力として、深層ニューラルネットワークによる深層生成モデルを用いて多次元同時確率分布からなる圧縮データの生成を行うデータ圧縮手順とを
 含むデータ圧縮方法。


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