#ニュースネタ、訴訟ネタ、大企業:東証二部、注目度【高】

◆ネタ元
原田工業株式会社株式会社ヨコオに勝訴(東京地裁)したとのこと。


○両社の簡易比較
 ・原田工業株式会社
  ・303件(1993年~2016年)の特許出願
  ・2016年3月: 連結売上高 43,215 (430億) / 経常利益 379 (3.8億)

 ・株式会社ヨコオ
  ・688件(1993年~2016年)の特許出願 (cf 自動車会社との共願が散見) 
  ・平成28年3月: 連結売上高 39,998 (400億) / 経常利益 822 (8.2億)



(追記)
・もともとは日本アンテナ株式会社が出願した特許で、原田工業株式会社が譲り受けたもののようだ。
 cf 原田工業、日本アンテナから自動車用アンテナ事業を買収 2012/2/23

「ひれ形」車アンテナ特許権侵害 東京地裁、生産差し止め  2016/5/27
 ・1613万円の損害賠償(13~15年に約2億8千万円を売り上げ)


(追記2) 特許件数の比較
○2010年1月1日以降の出願で、現時点(2016年5月31日)で特許された件数は以下の通り。
 ・原田工業株式会社 32件 (筆頭IPC:H01Q 1/32 7件)
 ・株式会社ヨコオ    18件 (筆頭IPC:G01R 1/067 2件、 H01Q 1/22 2件)

  ↓
 ・近年、アンテナ分野においては、原田工業の方がヨコオより積極的な特許活動をしていると思われる。
 ・また、原田工業の方がヨコオより特定の技術テーマに集中して特許出願していると推測する。

○2010年1月1日以降の出願で、現時点(2016年5月31日)で公開された件数は以下の通り。
 ・原田工業株式会社 58件 (筆頭IPC:H01Q 1/32 11件、 H01Q 1/22 5件)
 ・株式会社ヨコオ    56件 (筆頭IPC:H01Q 1/22 7件、 G01R 1/067 4件、 G01R1/073 4件)
 
  ↓
 ・両社の出願件数に大きな差はないにもかかわらず、原田工業の方がヨコオより早期に多数の特許を取得できている。

○IPCの比較
IPC比較‗原田工業vsヨコオ


(追記3) その他のリンク
原田工業(6904) vs ヨコオ(6800)
 この2社はもともとガチンコ勝負しているようだ。
ヨコオ オーダーメード型 特許活動報告書
 こんな報告書がネットで拾えたが、オーダーメード型なのに公開されてよいのだろうか?
 ただ、中身はイマイチよくわからないが、米国特許訴訟リスクを回避するために、ヨコオの人達が真面目に特許活動をしてたのかなぁ、とか想像してしまう。

平成16年度特許流通支援チャート 車載用平面アンテナ
 10年前の情報。P229にヨコオ。


(追記4) 意匠の比較
○2010年1月1日以降の出願で、現時点(2016年6月1日)で権利化された意匠の件数は以下の通り。
 ・原田工業株式会社 2件 (車両用アンテナ 1件、車両用低背型アンテナ 1件)
 ・株式会社ヨコオ    5件 (車両用アンテナ 5件)

  ↓
 ・原田工業よりもヨコオの方が意匠に関しては積極的
 ・ヨコオの意匠権についてはどのような交渉がなされているのだろうか。両社の意匠権及び製品をみると、交渉の余地がありそうな気がするのだが。
 cf 原田工業株式会社のアンテナ
   株式会社ヨコオのアンテナ

原田工業

ヨコオ意匠



(追記5)
判決文が公開されてた
平成26年(ワ)第28449号 特許権侵害差止等請求事件 2016/5/26

 (P12)
被告は,
① 被告製品は容量装荷型アンテナであって金属板は容量装荷板であり,コイル装荷型アンテナである本件発明とは原理が全く異なる,
② 金属板はその固有共振周波数や減衰幅に照らしFM波帯のアンテナ素子ではあり得ない,
③ 共振とは電流量が極大になる現象をいい,金属板が共振しているというためには金属板に流れる電流量が極大でなければならないところ,金属板と巻線を接続しFM波帯で共振している状態において金属板にはほとんど電流が流れていない
旨主張するが,以下のとおり,いずれも採用することができない。

(追記6)
関連案件での判決がでたようだ。
・東京地裁(平成27年(ワ)第22060号)
・特許第5655126号(原田工業株式会社)

今後、この2社の争いはどうなるのだろう。


(追記7)
和解で決着したようだ。(2017/1/17)
原田工業側の完全勝利といった印象を受ける。


(追記8)
最後に株価の変動をメモ。
この訴訟が両者の株価に影響を与えたということはなさそうだ(※)。

※株価に影響を与えたという記事あり


・原田工業1month
harada 1month

・原田工業1year
harada 1year

・ヨコオ1month
yokowo 1month


・ヨコオ1year
yokowo 1year


(追記9)
本件に関して両社から特別利益又は特別損益についてのIR情報が公開されてた。特許とは直接の関係はないが、ヨコオは為替差益が生じていて、原田工業は為替差損が生じているのが興味深い。

○原田工業
 ・特許関連収入(当期の一部117百万円)  →売上高
 ・特許実施許諾料(前記以前分127百万円) →特別利益(受取和解金)
 ・訴訟和解金(前記以前分55百万円)   →特別利益(受取和解金)

 ・売上高    29,873,307千円(300億)
 ・営業利益   1,761,294 千円(17.6億)
 ・経常利益   1,365,579千円(13.6億)
 ・四半期純利益 914,475千円(9.1億)
  cf 為替差損 3億47百万円

○ヨコオ
 ・特許実施許諾料(前記以前分127百万円) →特別損失
 ・特許実施許諾料(当期分の一部117百万円)→営業費用

 ・売上高    32,022,188千円(320億)
 ・営業利益   2,006,535千円(20億)
 ・経常利益   2,255,807(22.5億)
 ・四半期純利益 1,747,340千円(17.5億)
  cf 営業業増益及び為替差益 2億2千1百万円



●特許5237617号
・原田工業株式会社

【請求項1】
  車両に取り付けられた際に、車両から約70mm以下の高さで突出するアンテナケースと、該アンテナケース内に収納されるアンテナ部からなるアンテナ装置であって、
  前記アンテナ部は、
 アンテナと、
 該アンテナにより受信された少なくともFM放送の信号を増幅するアンプを有するアンプ基板とからなり、
 前記アンテナの給電点が前記アンプの入力にアンテナコイルを介して接続されている
 ことを特徴とするアンテナ装置。

特許5237617-4,5



 ↓ (訂正2014-390078

【請求項1】
イ.
 車両に取り付けられた際に、車両から約70mm以下の高さで突出するアンテナケースと、
 該アンテナケース内に収納されるアンテナ部
からなるアンテナ装置であって、

ロ.
 前記アンテナ部は、
 アンテナ素子と、
 該アンテナ素子により受信された少なくともFM放送の信号を増幅するアンプを有するアンプ基板と
からなり、
 前記アンテナ素子の給電点が前記アンプの入力にアンテナコイルを介して接続され、

ハ.
 前記アンテナ素子は前記アンテナコイルと接続されることによりFM波帯で共振し、
 前記アンテナ素子を用いてAM波帯を受信する
ことを特徴とするアンテナ装置。


#請求項8も独立項だった。
 当初こちらをメインに明細書が作成されたと思われる。
 請求項8の方が請求項1よりこなれた記載になっていると思う。

【請求項8】
  車両に対して立設されて配置され面状のアンテナ素子が形成されているアンテナ基板と、
  前記アンテナ素子により受信された少なくともFM波帯の信号を増幅するアンプが設けられ、前記アンテナ基板と重ならないように配置されているアンプ基板と、
  前記アンテナ素子の直下であって、前記アンテナ素子の面とほぼ直交するよう配置されている平面アンテナユニットと、
  前記アンテナ素子の給電点と、前記アンプ基板における前記アンプの入力との間に挿入されているアンテナコイルと、
  前記アンテナ基板、前記アンプ基板、前記平面アンテナユニットおよび前記アンテナコイルが収納され、車両に取り付けられるアンテナケースと
を備え、
  前記平面アンテナユニットの動作周波数帯の中心周波数の波長をλとした際に、前記平面アンテナユニットの上面と前記アンテナ素子の下端との間隔が約0.25λ以上とされている
ことを特徴とするアンテナ装置。

 ↓ 訂正

【請求項8】
ト.車両に対して立設されて配置され面状のアンテナ素子が形成されているアンテナ基板と、
チ.前記アンテナ素子により受信された少なくともFM波帯の信号を増幅するアンプが設けられ、前記アンテナ基板と重ならないように配置されているアンプ基板と、
リ.前記アンテナ素子の直下であって、前記アンテナ素子の面とほぼ直交するよう配置されている平面アンテナユニットと、
ヌ.前記アンテナ素子の給電点と、前記アンプ基板における前記アンプの入力との間に挿入されているアンテナコイルと、
ル.前記アンテナ基板、前記アンプ基板、前記平面アンテナユニットおよび前記アンテナコイルが収納され、車両に取り付けられるアンテナケースとを備え、
オ.前記平面アンテナユニットの動作周波数帯の中心周波数の波長をλとした際に、前記平面アンテナユニットの上面と前記アンテナ素子の下端との間隔が約0.25λ以上とされており、
ワ.前記アンテナ素子は前記アンテナコイルと接続されることによりFM波帯で共振し、前記アンテナ素子を用いてAM波帯を受信することを特徴とするアンテナ装置。

 ↓ 

●US8421693 (B2)
・アメリカではJPの請求項8に基づいて翻訳されたようだ。

1. 
 An antenna apparatus, comprising: 
 an antenna substrate installed upright and on which a surface antenna device is formed;
 an amplifier substrate on which an amplifier for amplifying a signal at least in an FM wave band received by the antenna device is provided and which is installed so as not to overlap with the antenna substrate;
 a flat antenna unit having a patch element capable of receiving circular polarization, installed immediately below the antenna device and approximately perpendicular to a surface of the antenna device;
 an antenna coil to resonate the antenna device in the FM wave band being inserted between a feeding point of the antenna device and input of the amplifier in the amplifier substrate; and
 an antenna case in which the antenna substrate, the amplifier substrate, the flat antenna unit, and the antenna coil are housed and which is mounted on a vehicle, wherein
 if a wavelength of a center frequency in an operating frequency band of the flat antenna unit is λ, an interval between an upper surface of the flat antenna unit and a lower end of the antenna device is about 0.25 λ or more.

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