#海外ニュース、外国企業、訴訟

引き続き(【048】)、エンプラスvsソウル半導体。

今度は、エンプラスの特許を軸に無効審判(審決取消訴訟)について眺めてみようと思う。なお、日本で争っている特許第3875247号について海外でも争っているのかと推測する。

●無効審判(審決取消訴訟)
1.ソウル半導体のコメント


ソウル半導体は、すでにエンプラスを相手に提起したアメリカ、韓国、ヨーロッパなどの特許訴訟ですべて勝訴したのに続き、台湾の特許無効審判でも勝訴した。特に今回の台湾の無効審判では、エンプラスが特許請求範囲のすべてを自ら削除し、法的対応も放棄したため、今後の他国で進められている特許訴訟の判決に大きな影響を与えるものと思われる。

・(日付不明) ソウル半導体、エンプラスのバックライトレンズ特許3件に対する無効判決の確保 および北米TVメーカーに特許訴訟勝利

米国特許審判部は、去る9月11日、エンプラス社のバックライトのレンズ特許について新規性と進歩性がないとの理由で、審査対象請求項すべてを無効とする判決を下した。エンプラス社の他のレンズ特許2件に対しても、10月15日に同様の理由で審査対象請求項すべてを無効とする判決を下した。このように特許3件の審査対象請求項すべてを無効にさせたことは非常に異例のことである。

  cf 20151209の他の記事

2.エンプラスのコメント
日本国知的財産高等裁判所は、その判決において、当社特許にかかる発明とソウルセミコンダクター社が提出した証拠資料に記載された先行発明とは「基本的な技術思想を異にするものである」と認定判断するなど、ソウルセミコンダクター社の主張には理由が無いとして、請求を棄却しました。
なお、米国において特許無効審判(IPR)を請求されておりました当社米国特許3件のうち1件につきましては、現在審決取消訴訟を提起中であります。また他の2件につきましては、一部の請求項について無効との決定がなされたものの、当社として重要と考えている請求項につきましては、有効な権利として維持されております。更に、日本における特許無効審判については、全面的に当社特許を有効とする審決が出されております。当社は、前記 Light Enhancer Cap™レンズが他社の特許を侵害するものではないと確信しております。


●時系列
・米国US →IPRで無効 →審決取消訴訟を提起中
 ↓
・日本JP →審決取消訴訟で特許維持
 ↓
・台湾TW →台湾特許を無効化(ソウル半導体プレスリリース)

USで無効にできたのに、JPでは無効にできなかった。その後、TWでは無効にできた。この流れからすると、TWの特許はそれ程重要ではなかったので、エンプラスがTWでの訴訟を放棄したのではないかという気もする。また、JPで無効にできなかったことを鑑みると、USでも最終的には無効にできないのではないかという気もする。

●コメント
 インターネットで検索できた情報からは、ソウル半導体が圧倒的に優勢という印象を受けた。しかし、エンプラスのコメントを見てると必ずしもそうでもない気もする。ただ、いずれにせよ、ソウル半導体の方が情報戦略には長けている気がする。特に、英語でのネットニュースからは、ソウル半導体がエンプラスを圧倒しているという印象を受ける。
 また、エンプラスのニュースリリースは全てPDF化されている。一方、ソウル半導体のプレスリリースは、HTML文書で公開されている。単なる憶測だが、こういう点もGoogleのヒット件数とかに影響を及ぼすような気がする。
 さらに、エンプラスのニュースリリースでは、HTML文書で日付すら不明のものもある。PDFのようにファイルが拡散するわけではないので、後日不備が生じた場合に、この方が対応しやすいのかもしれない。日亜vs立花エレテックの事例もあるし(【029】)、侵害だと騒ぐだけ騒いで、侵害でなかったら不法行為にならないように、すぐに訂正するというのが賢い喧嘩の仕方なのかもしれない。日本人の倫理観からは外れているかもしれないが。

(追記)
エンプラスのプレスリリース(特別利益の計上) 2016/8/25
ソウル半導体のプレスリリース 2016/08/26?

(追記2)
もう1件無効審判が請求されていたようだ。

・無効2014-800053(審決日:平成27年3月18日)→請求不成立(特許維持)
 →請求棄却判決(判決日:平成28年4月13日)
・無効2015-800138(審決日:平成28年8月23日) →請求不成立(特許維持)
 →出訴(出訴日:平成28年12月27日)

(追記3)
もう1件の無効審判も請求棄却判決になったようだ。
・無効2015-800138号事件
 →請求棄却判決(判決日:平成29年11月28日)
  平成28年(行ケ)第10277号 審決取消請求事件


●特許3875247
・出願日:2004/9/27
・「発光装置、面光源装置、表示装置及び光束制御部材」
・株式会社エンプラス

【請求項1】
 発光素子からの光を光束制御部材を介して出射するようになっている発光装置において、
 前記光束制御部材は、前記発光素子からの光が前記光束制御部材に入射する光入射面と、前記発光素子からの光の出射を制御する光制御出射面とを備え、前記発光装置の基準光軸に沿った方向から見た形状が略円形形状となるように形成されており、
 前記光制御出射面は、
 前記発光装置の基準光軸近傍で且つ前記基準光軸を中心とする所定範囲に位置する球の一部を切り取ったような凹み形状の第1の出射面と、この第1の出射面の周囲に連続して形成される第2の出射面とを有し、これら第1の出射面と第2の出射面との接続部分が変曲点となっており、
 前記発光素子から出射した光のうち、少なくともその最大強度の光が出射される方向から出射光の強度が最大強度の半分の値となる光が出射される方向までの角度範囲内に出射される光について、前記光束制御部材に入射して前記光制御出射面に到達した前記角度範囲内の光とその到達点(Px)を通り前記発光装置の基準光軸と平行な線とのなす角度をθ1とし、
 前記到達点(Px)を通り且つ前記基準光軸に直交する線(A)と前記到達点(Px)における輪郭線に対する接線(B)とのなす角度をθ3とし、
 前記光制御出射面の前記到達点(Px)から出射する光の出射角をθ5とすると、前記第1の出射面における前記θ3が前記θ1の増加とともに徐々に減少し、前記第2の出射面における前記θ3が前記θ1の増加とともに徐々に増加するようになっており、
 前記到達点(Px)からの出射光が、前記発光素子から出射される光のうちの前記基準光軸近傍の光を除き、θ5/θ1>1の関係を満足するとともに、このθ5/θ1の値をθ1の増加にしたがって徐々に小さくなる方向に変化させる形状に形成されている、
 ことを特徴とする発光装置。

 ↓ 対応US出願

●US7348723B2

1.
 An emission device comprising
 a light flux control member provided with a recess and an light control emission face, and a light emitting element accommodated in said recess, said light emitting element emits light which is emitted from said light control emission face after travelling within said light flux control member,
 wherein said light control emission face is configured so as to satisfy the following Conditions 1 and 2 for at least light which is emitted toward within a half-intensity-angular-range around a maximum-intensity-emission-direction from said light emitting element;
 Condition 1: Relation [theta]5/[theta]1>1 is satisfied except for light emitted toward within an angular-neighborhood of a standard optical axis of said emission device;
 Condition 2: Value of [theta]5/[theta]1 decreases gradually according to increasing of [theta]1;
 where [theta]1 is an emission angle of any light at being emitted from said light emitting element, and [theta]5 is an emission angle of that light of [theta]1 at then being emitted from said light control emission face of said light flux control member.

これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。