#中小企業(資本金140,000,000円)、オープン・クローズ

前回(【107】)に引き続き、先日のセミナーで仕入れたネタ。
最近聞いた特許の話の中では一番興味深かった。

数年前から、「オープン・クローズ戦略」という言葉が流行っている。ここで、クローズというのは秘匿というより独占というイメージで捉える点に留意する必要がある。
オープン・クローズ戦略とは、これらの知的財産のうち、どの部分を秘匿または特許などによる独占的排他権を実施(クローズ化)し、どの部分を他社に公開またはライセンスするか(オープン化)を、自社利益拡大のために検討・選択することである
2013年版ものづくり白書第1部第1章第3節(その3)より引用
そして、オープン・クローズ戦略では、標準化という話が密接に関わってくる。標準化と特許の関係については、以下のリンク先の図3が理解しやすいと思う。


経済産業省では、標準化を利用した特許の活用パターンとして3つのパターンに整理して考えている。
「A.自社特許が必須特許となっている標準」
「B.自社特許等の周辺レイヤーが標準」
「C.自社特許等を内包した製品を評価する標準」

ここで、タイプCのケースに対して、国も支援に相当な力を入れているようだ。具体的には、「新市場創造型標準化制度」の活用により、日本発のISO規格の発行を進めて、新市場創出を実現しようとしているようだ。

なお、タイプAは日本がDVDを開発したのに、製品のモジュール化とパテントプールのRAND条件との影響で、製品開発費を回収できず(製品開発費>ライセンス料)、市場撤退を余儀なくされた形態かと思う。
タイプBは、巷で騒がれている、いわゆるオープン・クローズ戦略の形態。おそらく、中小企業にとってはハードルが高い。中小企業に、自社技術をレイヤーに分けるほどの余裕はないかと思われる。
タイプCは、中小企業に活用してもらいたいところ。ただし、技術分野が限定されるような気がする。この点は、国(経産省)も模索しているような印象を受ける。




上記「新市場創造型標準化制度」の第1号成功事案が、大成プラスにより提案された「樹脂-金属 異種材料複合体の評価方法のISO規格」とのこと。ちょっと調べると、こんな会社があったんだと驚かされる。今後、大成プラスの成功事例の波及効果が期待されるところだ。

○関連リンク
・東京商工会議所
同社では、『くっつけたもの』を特許出願し、『くっつけるための方法』を秘匿する方針を取ることとなる。接合技術を権利化することもできたが、仮に訴訟になった場合、中小企業の力では、「被告が当社の技術を使って製造している」ことを証明をすることが難しく、事業の核となる技術を守れない恐れがあることがネックとなった。大成プラスにおける「オープン&クローズ戦略」の萌芽である。


○特許傾向
・特許公報123件(公開特許公報234件)
大成プラス株式会社



今回は、大成プラス株式会社の特許の中で、「ISO」という用語が含まれるもののうち、一番古いものを抽出した。


(追記)
標準化活用支援の動きが加速しているようだ。
標準化アドバイザーが一体どこにいてどのように選抜されているのかがよくわからない。




●特許5124129
・優先日:2015/12/8
・大成プラス株式会社+東レ株式会社
・「アルミニウム合金と樹脂の複合体及びその製造方法」
First page clipping of JP2007182071 (A)

【請求項1】
 アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する工程を経て電子顕微鏡観察で数平均内径10~80nmの凹部で表面が覆われたアルミニウム合金部品と、
 前記アルミニウム合金部品の前記凹部に射出成形で侵入して固着され、主成分がポリアミド樹脂で従成分が耐衝撃性改良材である樹脂分組成の熱可塑性合成樹脂組成物部品と
 からなる金属樹脂複合体。

【請求項11】
 数平均内径10~80nmの凹部で覆われたアルミニウム合金部品の表面とする為の、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミンから選択される1種以上の水溶液への浸漬処理工程と、
 該浸漬処理工程が為された前記アルミニウム合金部品を射出成形金型にインサートし、主成分がポリアミド樹脂で従成分が耐衝撃性改良材である樹脂分組成の熱可塑性合成樹脂組成物を射出して樹脂組成物部品として成形すると共にこれを前記アルミニウム合金部品の前記凹部に侵入して接合する工程と
 からなる金属樹脂複合体の製造方法。

 ↓ パテントファミリー
CN101341023 (B)
EP1958763 (B1)
EP2572876 (B1)
KR101062055 (B1)
KR101240756 (B1)
US8057890 (B2)
WO2007066742 (A1)

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