弁理士Tajの発明研究ブログ

『発明にこだわる弁理士』を目指したいと考えています。
※掲載内容についての完全性・正確性は保証しておりません。

カテゴリ:★一日一特許 > ・中小企業

#中小企業、サービス業

空飛ぶペンギン社
社名につられてしまった。

「ペンギンは空飛ばねぇよ」と突っ込みながらホームページ等を見てしまった。
最初はふざけた人達の会社かと思ったが、ホームページ等をみると元気で好感が持てた。
元気な人達が工夫するから、発明も生まれるのだろう。

この会社は結婚式をプロデュースする事業を行っているようだ。
そこで、フォトシュシュというサービスを提供している。
スマートフォンで撮影した写真を「シュ!」と飛ばすとリアルタイムにスクリーンに飛んでいくゲスト参加型演出。

さて、この会社の特許であるが、平成28年5月9日に、異議申立てがされていた。
⇒異議2016-700399

真の異議申立人が誰かは不明だが、異議申立ての陳述書に「クロスライン株式会社」という名前がでてくる。
こちらの会社も同様のサービスを提供しているようで、この特許が邪魔なのかと思う。

本特許の技術は一見して簡単な技術だし、後追いも可能だろう。
だからこそ特許を取っておきたいし、特許を取られると邪魔でしょうがない。
サービス業で、上手く特許を使っている好例のような気がする。

今後、サービス業でも特許が使える事例は増えていくように思う。
私も柔軟な思考でサービス業における発明支援ができるようになりたいと思う。


(追伸)
リアルタイムで結婚式会場の写真を飛ばすようだが、間違え等で不適切写真を飛ばしたらどうなるのだろう?
そういうところもケアできる発明があれば、それはそれで特許になるような気がする。
サービス上、そんなところまでケアする必要はないのかもしれないが。


【発明の名称】リアルタイム写真表示システム
【出願日】平成26年7月18日(2014.7.18)
【早期審査対象出願】
【特許権者】株式会社空飛ぶペンギン社

【請求項1】
 撮影された写真をリアルタイムで表示するリアルタイム写真表示システムであって、
 
写真撮影ウエブアプリケーションと
 映像表示アプリケーションを有するサーバと、
 
表示装置と
を備え、
 
前記写真撮影ウエブアプリケーションは、
  写真を撮影する端末装置から、撮影された写真を記録した写真データを前記サーバに送信し、
 
前記映像表示アプリケーションは、
  前記写真データを受信するとともに受信した1以上の写真データを用いて該1以上の写真データのそれぞれに記録された写真の全てを含む映像を生成し、
  前記写真データとともに該写真データを前記映像に含めた時刻を記憶し、
  該時刻からの所定の時間が経過した後には前記写真データに記録された写真を該時間が経過する前よりも縮小して映像に含め、
 
前記表示装置は
  前記映像又はその一部を表示する
ことを特徴とする、リアルタイム写真表示システム。

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#中小企業、実務(日本)
#関連ネタ【135】


シートカッター事件の特許が分割されていた。
こちらの特許は、異議申し立て(異議2015-700055)でも訂正が認められており、甲第2号証(米国特許出願公開第2006/0201000号明細書)との対比でも新規性・進歩性が認められている。この甲第2号証は、シートカッター事件の乙13と同じ文献なので、本特許権を使って権利行使すれば、シートカッター事件とは異なる判断が得られるのかと思う。

シートカッター事件では、明細書の記載量が特許権の強さにどの程度の影響を及ぼすのかが不明のまま終ってしまった(記載量の少ない明細書でどこまで戦えるのか?)。こちらの特許権で改めて戦ったらどのような結論になるのだろうか。非常に興味深い。


◆時系列
  原出願
(特許5374419)
分割出願
(特許5745000)
2010/2/15 出願  
2010/5/7 審査請求  
2012/7/2 補正  
2013/3/11 補正  
2013/5/14 拒絶理由通知  
2013/7/11 面接  
2013/7/16 補正  
2013/8/27 ★特許査定  
2013/9/17   出願
2013/10/15   審査請求+補正
2013/12/? 東京地裁・提訴  
2014/1/6 無効審判・請求  
2014/7/15 無効審判・審決  
2014/8/22 審取訴訟  
2014/9/30   拒絶理由通知
2014/10/30 東京地裁・判決  
2014/11/6   面接
2014/12/1   補正
2014/12/26 知財高裁・控訴  
2015/5/15   ★特許査定
2015/10/5   異議申し立て
2015/12/16 知財高裁・判決
審取訴訟・判決
 
2016/1/6 最高裁・上告申立
訂正審判・請求
 
2016/10/18 訂正審決・確定
→訂正OK
 
2016/6/19   異議申し立て・決定
→訂正OK
2017/7/10 最高裁・判決  


◆コメント
面白いのは、拒絶理由通知後に、請求項1を補正せずに、従属項2~4を追加する補正をしている点だ。そして、異議申し立て段階で、請求項1を削除し、請求項2,3を独立項にして権利を維持している。要するに、審査段階で従属項2~4を追加する補正が、異議申し立て段階で役に立っており、従属項を追加する補正が非常に良い対応だったと思われる。



【発明の名称】シートカッター
【出願日】平成25年9月17日(2013.9.17)
【原出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)

○異議申し立て時
【訂正事項2】
 第1の刃と、
 第2の刃と、
 前記第1の刃と前記第2の刃を設けた本体と、
 前記本体と略平行に接続され、前記第1の刃または前記第2の刃と略平行であり、前記本体の下端部から少なくとも一部が露出している平板状のガイド板とを有し、
 前記本体を前記ガイド板に対して傾けることにより前記ガイド板から前記第1の刃または
 前記第2の刃が該ガイド板に隣接した位置から該ガイド板と略平行に出る
 ことを特徴とするカッター。 

【訂正事項3】
 第1の刃と、
 第2の刃と、
 前記第1の刃と前記第2の刃を設けた本体と、
 前記本体と略平行に接続され、前記第1の刃または前記第2の刃と略平行に設けられた平板状のガイド板とを有し、
 前記本体は平板状であり、
 前記本体を前記ガイド板に対して傾けることにより前記ガイド板から前記第1の刃または
 前記第2の刃が該ガイド板に隣接した位置から該ガイド板と略平行に出る
 ことを特徴とするカッター。

※請求項1を削除し、請求項2,3をクレームアップ

 ↑
○拒絶理由通知後
※請求項1は補正せず
※従属請求項2~4を追加

 ↑
○審査請求時
【請求項1】
 第1の刃と、
 第2の刃と、
 前記第1の刃と前記第2の刃を設けた本体と、
 前記本体と接続されたガイド板とを有し、
 前記本体を前記ガイド板に対して傾けることにより前記ガイド板から前記第1の刃または前記第2の刃が出る
ことを特徴とするカッター。

※従属請求項ナシ

 ↑
○出願時
【請求項1】
 カッターナイフの刃の横に、ガイド板(4)を設けたシートの切断道具であるシートカッター。

※従属請求項ナシ

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#中小企業

前回(【129】)、「座椅子事件」を眺めたのだが、その際に面白い事案を見つけた。
座椅子業界で、特許権だけでなく意匠権も使って訴訟をしていた事件があった。
結論として、特許権非侵害・意匠権侵害と判断されたようだ。
知的財産権による多面的保護という観点で興味深い。


◆当事者
○原告:向陽技研株式会社 (専用実施権者)
・資本金 6000万円
・従業員数 本社70名(パート・アルバイト含む)・中国工場160名

○被告:株式会社ヒカリ
・資本金 1000万円
・従業員 30名


◆知的財産権の関係
○特許権(特許4895236)
角度調整金具事件

○意匠権(意匠登録1379531、意匠登録1399739)
 ⇒特許出願を分割し、意匠登録出願に変更して権利化ている

角度調整金具事件ー意匠権

○発明者
 向陽エンジニアリング社長
◆特許訴訟(特許4895236
平成24(ワ)3276  特許権侵害差止等請求事件(大阪地方裁判所第21民事部)
 ⇒請求棄却

 (27,28頁)
(2) 上記を踏まえた構成要件Cの意義
 上記検討した原出願の内容,本件明細書の記載及び出願経過を参酌すると,原出願は,くさび形窓部を第1アームのケース部に形成することで,くさび効果による押圧力で揺動を抑制する構成が開示され,その分割出願である本件特許発明において「くさび形窓部」が「くさび形空間部」にやや上位概念化されたと認められるから,構成要件Cは,第1アームのケース部自体にくさび形空間部を設けることを意味するものと解すべきであり,このように解する限りにおいて,本件特許の分割出願は適法と認められる(争点(4))
 原告が主張するように,構成要件Cについて,第1アーム側にくさび形空間部が形成されていればよく,その具体的構成は問わない(あらゆるくさび形の空間部の形成方法が包含される)との意義であるとすると,原出願との関係において新たな技術的事項を導入するものというべきであって,分割出願である本件特許の構成要件Cの解釈として,取り得ないところと言わなければならない。

(3) 被告構成について
 被告構成cについては,前記1(3)のとおりであるところ,第2アーム 2 の2枚のギア板部 45,45 による部分は,構成要件Cと同じであるものの,くさび形空間部の形成は,平行に配置された2枚の外壁部 17,17 の内部に,連結壁 A2,A2 を付属させた中本体(受け部材)A と,中板 B(保持板 1c)によって形成されており,第1アームのケース部自体に形成されるくさび形空間部によってはおらず,これとは異なる技術的手段によりくさび形の空間部を形成したものと認められるから,前記(2)のとおりに解される構成要件Cを充足しないものというべきである。


◆意匠訴訟(意匠登録1379531意匠登録1399739

平成23(ワ)9476  意匠権侵害差止請求事件(大阪地方裁判所第26民事部)
 ⇒被告は,別紙イ号製品目録,別紙ロ-1号製品目録及び別紙ロ-2号製品目録記載の各製品を製造し,使用し,譲渡し,輸出し又は輸入してはならない。

角度調整金具事件ー意匠比較


◆コメント
特許クレームの表現をもう少し工夫できなかったのだろうかとも思ったが、それは酷だと思うに至った。やはり、構造物を特許化するには少なからず限定する必要がある。一方で、構造物なので、他社は侵害にならないように設計することが比較的容易だろう。
このような状況で特許出願から意匠登録出願に変更していた点は特筆に値すると思う。結果として、意匠権侵害ということで差止請求が認められた。この事案は中小企業の知財戦略を考える上で非常に参考になる事案だと思う。

意匠権侵害が認められて、特許権侵害が認められなかったとすると、この分野では特許より意匠の方が重要というような雰囲気になっているように思う。ただ、構造物でも特許が威力を発揮した例(【021】【055】)もある。構造物の創作と特許との関連について、もう少し考察を深めていきたいところだ。


特許4895236
【発明の名称】角度調整金具
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【原出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【特許権者】山下  直伸

【請求項1】
第1軸心(C1)を中心として相互揺動可能に枢結された第1アーム(1)と第2アーム(2)とを備えた角度調整金具に於て,
上記第2アーム(2)は,上記第1軸心(C1)を中心とした円弧線に沿って形成されたギア部(4)を備え,かつ,該ギア部(4)は一枚の板体(40)を所定間隔をもって平行となるように折曲加工して成る2枚のギア板部(45)(45)をもって構成され,
さらに,上記第1軸心(C1)を中心側とした場合に上記ギア部(4)の外周歯面より外方側位置に,上記外周歯面との間にくさび形の空間部を形成するくさび面(8)を,上記第1アーム(1)側に於て形成し,
しかも,該くさび形の空間部内に移動可能であって,かつ,一面側が上記ギア部(4)の外周歯面に噛合可能な歯面(7)とされ,他面側が上記くさび面(8)に当接する当接面(9)とされた浮動くさび部材(6)を,備え,
上記浮動くさび部材(6)の上記当接面(9)が上記くさび面(8)に当接し,かつ,上記歯面(7)が上記ギア部(4)に噛合し,上記ギア部(4)とくさび面(8)との間に挟まれた浮動くさび部材(6)のくさび作用により,上記第2アーム(2)が上記第1アーム(1)に対して展開方向へ揺動するのを抑制す
るように構成し,
さらに,上記浮動くさび部材(6)の左右端面が対応して該浮動くさび部材(6)の左右方向への脱落を防止するための左右側壁(34)(34)を,上記第1アーム(1)側に備え,かつ,
上記左右側壁 (34)(34) が橋絡壁をもって橋絡されて横倒略コの字状として,上記左右側壁 (34)(34) と橋絡壁は薄板体から一体ものに形成され,
上記2枚のギア板部 (45)(45) を有する上記ギア部(4)に上記浮動くさび部材(6)は,左右幅方向の2箇所で,噛合し,かつ,
上記浮動くさび部材(6)の左右方向への移動による脱落を,上記左右側壁 (34)(34) を上記浮動くさび部材(6)の左右端面に対応させて防止するように構成した
ことを特徴とする角度調整金具。 

 ↑

○原出願(特許4418382
【請求項1】
 ケース部(3)を備える第1アーム(1)と、
 該ケース部(3)にて該第1アーム(1)と第1軸心(C1 )廻りに揺動可能に枢結されると共に相互に平行な2枚のギア板部(45)(45)から成るギア部(4)を備える第2アーム(2)と、
 該第1アーム(1)の該ケース部(3)に形成されるくさび形窓部(5)と、
 該くさび形窓部(5)内にて移動可能に配設されかつ一面側が上記ギア部(4)に噛合可能な歯面(7)とされ他面側が上記くさび形窓部(5)の外方側のくさび面(8)に当接する当接面(9)とされて該歯面(7)が該ギア部(4)に噛合しかつ該当接面(9)が該くさび面(8)に当接し上記第2アーム(2)が上記第1アーム(1)に対して展開方向へ揺動するのを抑制する浮動くさび部材(6)と、を具備し、
 さらに、上記ケース部(3)内にて上記第1軸心(C1 )廻りに揺動可能に枢着され、上記第2アーム(2)の上記ギア部(4)を上方から覆うように配設された異物侵入防止部材(26)を、具備する
ことを特徴とする角度調整金具。

【請求項2】
  ケース部(3)を備える第1アーム(1)と、
 該ケース部(3)にて該第1アーム(1)と第1軸心(C1 )廻りに揺動可能に枢結されると共に相互に平行な2枚のギア板部(45)(45)から成るギア部(4)を備える第2アーム(2)と、
 該第1アーム(1)の該ケース部(3)に形成されるくさび形窓部(5)と、
 該くさび形窓部(5)内にて移動可能に配設されかつ一面側が上記ギア部(4)に噛合可能な歯面(7)とされ他面側が上記くさび形窓部(5)の外方側のくさび面(8)に当接する当接面(9)とされて該歯面(7)が該ギア部(4)に噛合しかつ該当接面(9)が該くさび面(8)に当接し上記第2アーム(2)が上記第1アーム(1)に対して展開方向へ揺動するのを抑制する浮動くさび部材(6)と、を具備し、
 さらに、上記ケース部(3)を左右外側から包囲するように配設され、上記浮動くさび部材(6)が上記くさび形窓部(5)から脱落するのを防止する脱落防止カバー(33)を、具備する
ことを特徴とする角度調整金具。

#原出願の方がスッキリしている気がする。
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#実務(日本)、中小企業?

先日、特許セミナーに参加したのだが、講師が「中央」といった用語は「center」のように限定解釈されないような工夫が必要という解説をしていた。詳しい解説はなかったが、「座椅子事件」について言及していた。

講師の考えとしては、クレームで位置や形状を特定する場合には、そこから多少ずれてもよいように明細書に定義を記載するのがよいとのこと。これにより、裁判に行かずに事件が解決できたり、均等に頼らずに文言侵害を主張できたりするかもしれないとのこと。

もっともな説明で当然といえば当然である。
だが、改めて「座椅子事件」眺めてみると、均等の話など出てこないし、明細書に用語「中央」の定義もない。どちらかと言えば、この事件は、明細書に用語の定義がなくても妥当な判断をしてもらえる可能性がある、というのに使える事案ではないかと思う。


◆判例
平成21(ワ)31831  特許権侵害差止等請求事件
 別紙
 ⇒原告の請求をいずれも棄却する。

○争点(1)技術的範囲の属否(構成要件B,Cの充足)
 ⇒技術的範囲に属する
 (21,22頁)
 しかし,この場合の「座面中央」とは,本件明細書の段落【0003】に記載されている本件発明の目的「(略)」 ,や 段落【0005】に記載されている本件発明の効果「(略)」からすれば,その位置は厳密に解されるべきものではなく,要するに,座部の座面に臀部が落ち込む円穴を設けたこと自体で,座面に対する臀部の前後左右方向の位置ずれが防止できればよいのであって,そのためには,当該円穴の位置は,上記目的及び効果を達成できる程度の範囲をもって,座部の中央部の辺りに存在すればよいというべきである。
 そうすると,「前後の略2対1の比率位置 は 上記の意味合いで座部の 」,中央部の辺りということができるから,被告製品の中空孔80は,構成要件Bとの対比においては,なお「座面中央」に位置するものと評価できる。

○争点(2) 無効事由の有無(特許法104条の3の抗弁の成否)
 ⇒本件特許権を行使することができない
 (39頁)
ウ 以上によれば,本件発明の相違点a,bに係る構成は,引用発明に,乙3及び乙5に記載された周知の技術的事項(座椅子の座部が座面中央に座面側に向かって次第に拡大する形状の円穴を設けること)及び乙6,乙7,乙9及び乙10に記載された周知の技術的事項(椅子用のクッション材として上層に低反発クッション部材を配設すること)を組み合わせることにより,当業者が容易に想到できたものと認められる。
※引例
(乙1)実願昭63-57584号(実開平1-159873号)のマイクロフィルム
    =引用発明


◆当事者
○原告:株式会社H
#ネット検索でもあまり引っかからないので、伏字を使用。
 意匠権も保有している。

(意匠権)
ヒロプランズ意匠

○被告:明光ホームテック株式会社
・資本金: 2600万円
・従業員: 30名(海外連結:36名)
・売上高: 22 億円 *2016年5月期 (海外連結:30 億円)
#この業界では大きな会社なのかもしれない。


◆「座椅子」業界の特許動向(簡易検索)
「座椅子」というのは面白い商品だなと思い、もう少し調べて見ることにした。
結果として、現在あまり特許活動はされていないという印象を受けた。

○発明の名称=座椅子+座いす
 ・特許公報 (特公・特許(B)) =66件
 ・公開特許公報 (特開・特表(A)、再公表(A1)) =327件
 ・公開実用新案公報 (実開・実表・登実(U)、再公表(A1)) =243件
 ・実用新案公報 (実公・実登(Y)) =25件

 cf「意匠に係る物品=座椅子+座いす」
 ・意匠公報+意匠公報(国際意匠) =178件

○公開特許公報 (特開・特表(A)、再公表(A1)) 上位出願人
出願人 件数 直近の出願日
株式会社ヒカリ 9 2008年2月12日
明光ホームテック株式会社 7 2014年5月27日
フランスベッド株式会社 7 2005年4月18日
株式会社ヤマザキ 6 2012年7月25日
株式会社日宏 5 2003年2月10日
株式会社サーメル 5 2002年8月7日
中鉢 照雄 4 2012年5月7日
株式会社大日工業 4 2005年5月17日
松下電工株式会社 4 2002年3月18日
アラコ株式会社 4 1998年11月25日
専田 司郎 他 4 1998年5月6日
ユティ・カラー新潟株式会社 4 1995年9月28日
株式会社宮武製作所 3 2015年8月27日
大東電機工業株式会社 3 2015年6月24日
明和グラビア株式会社 3 2007年10月11日
岸 征男 3 2005年5月23日
松下電器産業株式会社 3 2003年8月29日
日本製紙株式会社 3 1997年9月29日
冨士高工業株式会社 3 2000年10月30日
株式会社日本クリンエンジン研究所 3 1997年9月25日

○特許公報 (特公・特許(B)) 上位出願人
出願人 件数 直近の出願日
株式会社ヤマザキ 3 2012年7月25日
フランスベッド株式会社 3 2005年4月18日
株式会社日宏 3 2003年2月10日
山下 直伸 2 2013年2月15日
株式会社ヒカリ 2 2005年6月7日
日本製紙株式会社 2 2001年11月7日
株式会社佐藤製作所 2 1996年10月3日
専田 司郎 他 2 1994年8月23日

○会社規模の比較
フランスベッド株式会社は別格として、30名程度の人数の会社が中心のような印象を受ける。
逆に言れば、フランスベッドのような大企業と、どう戦うか。そのための知財戦略というのがあるような気がするが、そのような検討フェーズは既に終了したということだろうか。

フランスベッド株式会社
 資本金 56億450万円
 従業員数 1,374名
 資本金 1,200万円
 従業員数 24名

株式会社ヒカリ
 資本金 1000万円
 従業員 30名

◆コメント
座椅子業界では、既に特許活動が収束しているような印象を受ける。座椅子の構造に関しては技術的に飽和しているのだろうか。座椅子にとっては素材の影響が大きい気がするが、それはまた別のプレーヤーの技術のような気がする。特許より意匠での争いが激化していく業界のような気がする。

座椅子事件では、特許が無効にされて権利行使ができずに終ってしまった。こんな簡単に特許を無効にされてしまっては(※被告は物凄い努力の末に特許を無効にしたのだとは思うが)、特許権を保有していても意味ないと思う雰囲気が生じてしまう気がする。本件で、無効を覆せて、権利行使できていたら、この業界における特許活動も活発になっていたかもしれないなと思ってしまう。


特許4132056
【発明の名称】座椅子
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【特許権者】株式会社ヒロ・プランズ

【請求項1】
A 座部と前記座部に対して傾倒自在な背部とを備えた座椅子において,
B 前記座部は座面中央に座面側に向かって次第に拡大する形状の円穴を有するとともに,
C 当該座部の垂直断面において上面側表層カバー部材の直下に円穴の内周面側から座部の外周面側にかけてその長さ方向の中央が高く全体として弧状になるように配設された低反発クッション部材
D を有することを特徴とする座椅子。

ヒロプランズ特許

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#中小企業(資本金140,000,000円)、オープン・クローズ

前回(【107】)に引き続き、先日のセミナーで仕入れたネタ。
最近聞いた特許の話の中では一番興味深かった。

数年前から、「オープン・クローズ戦略」という言葉が流行っている。ここで、クローズというのは秘匿というより独占というイメージで捉える点に留意する必要がある。
オープン・クローズ戦略とは、これらの知的財産のうち、どの部分を秘匿または特許などによる独占的排他権を実施(クローズ化)し、どの部分を他社に公開またはライセンスするか(オープン化)を、自社利益拡大のために検討・選択することである
2013年版ものづくり白書第1部第1章第3節(その3)より引用
そして、オープン・クローズ戦略では、標準化という話が密接に関わってくる。標準化と特許の関係については、以下のリンク先の図3が理解しやすいと思う。


経済産業省では、標準化を利用した特許の活用パターンとして3つのパターンに整理して考えている。
「A.自社特許が必須特許となっている標準」
「B.自社特許等の周辺レイヤーが標準」
「C.自社特許等を内包した製品を評価する標準」

ここで、タイプCのケースに対して、国も支援に相当な力を入れているようだ。具体的には、「新市場創造型標準化制度」の活用により、日本発のISO規格の発行を進めて、新市場創出を実現しようとしているようだ。

なお、タイプAは日本がDVDを開発したのに、製品のモジュール化とパテントプールのRAND条件との影響で、製品開発費を回収できず(製品開発費>ライセンス料)、市場撤退を余儀なくされた形態かと思う。
タイプBは、巷で騒がれている、いわゆるオープン・クローズ戦略の形態。おそらく、中小企業にとってはハードルが高い。中小企業に、自社技術をレイヤーに分けるほどの余裕はないかと思われる。
タイプCは、中小企業に活用してもらいたいところ。ただし、技術分野が限定されるような気がする。この点は、国(経産省)も模索しているような印象を受ける。




上記「新市場創造型標準化制度」の第1号成功事案が、大成プラスにより提案された「樹脂-金属 異種材料複合体の評価方法のISO規格」とのこと。ちょっと調べると、こんな会社があったんだと驚かされる。今後、大成プラスの成功事例の波及効果が期待されるところだ。

○関連リンク
・東京商工会議所
同社では、『くっつけたもの』を特許出願し、『くっつけるための方法』を秘匿する方針を取ることとなる。接合技術を権利化することもできたが、仮に訴訟になった場合、中小企業の力では、「被告が当社の技術を使って製造している」ことを証明をすることが難しく、事業の核となる技術を守れない恐れがあることがネックとなった。大成プラスにおける「オープン&クローズ戦略」の萌芽である。


○特許傾向
・特許公報123件(公開特許公報234件)
大成プラス株式会社



今回は、大成プラス株式会社の特許の中で、「ISO」という用語が含まれるもののうち、一番古いものを抽出した。


(追記)
標準化活用支援の動きが加速しているようだ。
標準化アドバイザーが一体どこにいてどのように選抜されているのかがよくわからない。




●特許5124129
・優先日:2015/12/8
・大成プラス株式会社+東レ株式会社
・「アルミニウム合金と樹脂の複合体及びその製造方法」
First page clipping of JP2007182071 (A)

【請求項1】
 アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミン化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する工程を経て電子顕微鏡観察で数平均内径10~80nmの凹部で表面が覆われたアルミニウム合金部品と、
 前記アルミニウム合金部品の前記凹部に射出成形で侵入して固着され、主成分がポリアミド樹脂で従成分が耐衝撃性改良材である樹脂分組成の熱可塑性合成樹脂組成物部品と
 からなる金属樹脂複合体。

【請求項11】
 数平均内径10~80nmの凹部で覆われたアルミニウム合金部品の表面とする為の、アンモニア、ヒドラジン、及び水溶性アミンから選択される1種以上の水溶液への浸漬処理工程と、
 該浸漬処理工程が為された前記アルミニウム合金部品を射出成形金型にインサートし、主成分がポリアミド樹脂で従成分が耐衝撃性改良材である樹脂分組成の熱可塑性合成樹脂組成物を射出して樹脂組成物部品として成形すると共にこれを前記アルミニウム合金部品の前記凹部に侵入して接合する工程と
 からなる金属樹脂複合体の製造方法。

 ↓ パテントファミリー
CN101341023 (B)
EP1958763 (B1)
EP2572876 (B1)
KR101062055 (B1)
KR101240756 (B1)
US8057890 (B2)
WO2007066742 (A1)

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