弁理士Tajの発明研究ブログ

『発明にこだわる弁理士』を目指したいと考えています。
※掲載内容についての完全性・正確性は保証しておりません。

カテゴリ:★一日一特許 > ・実務ネタ(外国)

#実務ネタ(米国)、最高裁(米国)

ノンビリしてたら既に3か月以上経過してしまった。
本件は特許関係者にとっては今年一番の話題になりそうな話だ。


◆概要
インクカートリッジの再販売が特許侵害に該当するか否か。原則として、使用済みインクカートリッジは特許権が消尽(※)しているので、インクを補充して再販売するのは合法と認められる。ただ、それだと、すぐに互換品が作られて、インクカートリッジを開発した人の儲けが減ってしまう。そこで、インクカートリッジを開発した人は、再販売されないように契約等で工夫することがある。

本件では、原告のLexmark社は、インクカートリッジの販売に際して2つのオプションを提示していた。一つは、条件なしでそのまま販売するというもの。もう一つは、1回使用後にLexmark以外に譲渡しないなら20%引きで販売するというもの。

後者の条件でインクカートリッジを購入したのに、Lexmark以外に譲渡した場合に、特許権侵害が問えるか否かが問題になった(論点1)。加えて、海外での販売に対して特許権が消尽するか否かも問題になった(論点2)

※消尽
 特許権の消尽というのは、一度適法に流通に置かれた特許製品については、特許権が用い尽くされたとして特許権の効力が及ばない状態になることをいう。国内消尽と国際消尽というのがある。
Q3.特許権にかかる並行輸入(経済産業省)


◆判例
IMPRESSION PRODUCTS, INC. v. LEXMARK INTERNATIONAL, INC. (2017/5/30)

〇結論
論点1,2の何れについても特許権は消尽し、特許権を行使することはできない
ただし、契約法で相手方と争うことは可能(特許法では争えない)。

〇原告の製品
原告(Lexmark)は1回使用のみ認める条件の製品に対しては、再使用を禁止するためのマイクロチップを搭載していた。

〇被告の行為
被告(Impression)はこの再使用を禁止するマイクロチップの効果を無効化して、原告の製品を再販売していた。

〇修理と再生産
原告の製品のマイクロチップの効果を無効化して、再使用できるように改造する行為は、『修理』の範囲とみなされるようだ。これが『修理』ではなく『再生産』とみなされるのであれば、特許権は消尽しないのだろう。この点が、モンサントの事件(【093】)や、日本のインクタンク事件(【094】)とは異なるのかと思う。

(疑問点)マイクロチップの内容が特許クレーム上に明記されていれば、修理ではなく再生産とみなされる可能性があったのだろうか?


◆国際消尽
米国では、国際消尽が認められたことになる。
日本では黙示の実施許諾が採用されているので日米間の判断に相違がある。

国際消尽が認められると、次のような話になるのかと思う。
・A社が米国で特許権を取得する。
・A社が米国でその特許権に係る製品Xを1300円で売る。
・A社がインドで製品Xを1000円で売る(物価を考慮して安い価格設定)。
・B社がインドで製品Xを買い占める。
・B社が米国で製品Xを1200円で売る(B社製品がA社製品よりも安くなる)。
 ⇒このとき、A社はB社に米国特許権を行使できない(∵国際消尽)。


◆Lexmarkと船井電機
さて、このLexmarkの事業であるが、船井電機が引き継いでいたようだ。
ただ、どうも良くなかったようだ。



◆Lexmarkの特許

米国特許 出願日 特許ファミリー文献
US5337032 1993/2/26 DE69312675 (T2)   EP0613063 (A1)   EP0613063 (B1)   JPH06274032 (A)  
US5634169  1996/2/16 AR005618 (A1)   AT248389 (T)   AU1257097 (A)   AU693732 (B2)   CA2197620 (A1)   CA2197620 (C)   DE69724305 (T2)   DE69733700 (T2)   DE790536 (T1)   EP0790536 (A2)   EP0790536 (A3)   EP0790536 (B1)   EP1291732 (A1)   EP1291732 (B1)   EP1522904 (A2)   EP1522904 (A3)   ES2109910 (T1)   GR980300007 (T1)   JP3581894 (B2)   JPH1026872 (A)   SG45532 (A1)   TW315429 (B)   US5942067 (A)   
US5758231  1996/12/20   DE69720936 (T2)   EP0849641 (A1)   EP0849641 (B1)   JPH10198152 (A)   MX9710430 (A)   
US5758233  1996/12/20 AR011042 (A1)   AU4841997 (A)   AU722655 (B2)   BR9706419 (A)   BR9706419 (B1)   CA2225310 (A1)   CA2225310 (C)   DE69719705 (T2)   EP0849643 (A1)   EP0849643 (B1)   JPH10186821 (A)   MX9710426 (A)   TW385378 (B)   
US5768661  1996/12/20 AU4835497 (A)   AU722538 (B2)   BR9706402 (A)   BR9706402 (B1)   CA2225299 (A1)   CA2225299 (C)   DE69727900 (T2)   EP0849647 (A1)   EP0849647 (B1)   JPH10186819 (A)   MX9710329 (A)   
US5802432  1996/12/20 AU4841897 (A)   AU722848 (B2)   BR9706455 (A)   BR9706455 (B1)   CA2225710 (A1)   CA2225710 (C)   DE69724929 (T2)   EP0864945 (A1)   EP0864945 (B1)   JPH10221942 (A)   MX9710429 (A)   
US5875378  1996/12/20 AR011296 (A1)   AU4835397 (A)   AU723165 (B2)   BR9706427 (A)   BR9706427 (B1)   CA2225307 (A1)   CA2225307 (C)   DE69720156 (T2)   EP0849642 (A1)   EP0849642 (B1)   ES2196271 (T3)   JPH10198151 (A)   MX9710290 (A)   SG53132 (A1)   TW370635 (B)  
US5995772  1996/12/17 AR010782 (A1)   AU4829897 (A)   AU728152 (B2)   CA2225021 (A1)   EP0859290 (A1)   JPH10198150 (A)   MX9710288 (A)   SG68644 (A1)   TW390979 (B)   
US6009291  1998/02/18
(1997/01/27)
CN1154024 (C)   CN1204072 (A)   DE69821421 (T2)   EP0903644 (A2)   EP0903644 (A3)   EP0903644 (B1)   JPH11102097 (A)   TW378285 (B)   
US6078771  1999/09/22  AU5951600 (A)   AU771370 (B2)   BR0004380 (A)   BR0004380 (B1)   CA2320384 (A1)   CA2320384 (C)   CN1290872 (A)   DE60026242 (T2)   EP1087266 (A2)   EP1087266 (A3)   EP1087266 (B1)   JP2001100518 (A)   KR100831696 (B1)   KR20010050553 (A)   MXPA00009291 (A)   TW512260 (B)   
US6397015  2001/05/31 BR9700989 (A)   BR9700989 (C1)   US6009285 (A)   US6169860 (B1)   US6295422 (B1)   US6397015 (B2)   
US6459876  2001/07/18 WO03009067 (A1)  
US6487383  2001/04/12 AT528696 (T)   EP1430365 (A1)   EP1430365 (A4)   EP1430365 (B1)   US6487383 (B2)   WO02084409 (A1)   
US6496662  2002/06/19 AU2003238275 (A1)   EP1535117 (A1)   EP1535117 (A4)   WO2004001511 (A1)  
US6678489  2002/01/15 US2004126133 (A1)   US2005147430 (A1)   US2007019986 (A1)   US6678489 (B1)   US6879792 (B2)   US7139510 (B2)   US7305204 (B2)   
US6816692  2003/05/21 US6816692 (B1)  
US6871031  2003/03/20 US6871031 (B2)  
US6879792  2003/12/15 US2004009007 (A1)   US2005147430 (A1)   US2007019986 (A1)   US6678489 (B1)   US6879792 (B2)   US7139510 (B2)   US7305204 (B2)   
US7139510  2005/02/14 US2004009007 (A1)   US2004126133 (A1)   US2007019986 (A1)   US6678489 (B1)   US6879792 (B2)   US7139510 (B2)   US7305204 (B2)   
US7233760  2004/12/13 US7233760 (B2)  
US7305204  2006/09/26 US2004009007 (A1)   US2004126133 (A1)   US2005147430 (A1)   US6678489 (B1)   US6879792 (B2)   US7139510 (B2)   US7305204 (B2)   

◆コメント
上記(疑問点)に関連し、プログラムの特許がないかをチェック。以下の特許などは関連していそうな気がする。マイクロチップのプログラムを元に戻すことであれば『再生産』になると思うのだが、単にプログラムを無効化するのは『修理』になるということだろうか。それであれば侵害回避は容易だろう。




US5634169
・Multiple function encoder wheel for cartridges utilized in an electrophotographic output device 
・Filing date:Feb 16, 1996
・Priority date:Feb 16, 1996
・Original Assignee:Lexmark International, Inc.

1.
A cartridge for an electrophotographic machine, comprising:
a sump for carrying an initial quantity of toner;
a shaft mounted for rotation in said sump, and a paddle mounted thereon in such a manner that when said shaft rotates, said paddle rotates therewith, into, through and out of engagement with toner carried within said sump;
an encoder wheel mounted on said shaft, externally of said sump; said encoder wheel positioned for mating coaction with a code wheel reader when said cartridge is in a home position in an electrophotographic machine; and
a torque sensitive coupling connected to said shaft for connection to a drive means in said machine, when said cartridge is installed in said machine, to effect rotation of said shaft, paddle and encoder wheel;
said encoder wheel configured for indicating, in conjunction with said coded wheel reader, one or more cartridge characteristics to said machine.

 ↓ 対応JP特許

【発明の名称】電子写真機械用のカートリッジ
【出願日】平成9年2月17日(1997.2.17)
【優先日】平成8年2月16日(1996.2.16)
【特許権者】レックスマーク・インターナショナル・インコーポレーテツド

【請求項1】
 トナーを担持するサンプと、
 前記サンプ内で回転するように取り付けられたシャフト、および前記シャフトが回転した際に、パドルがそれとともに回転し、前記サンプ内に担持されたトナーに入り、トナーを通り、そしてトナーと係合しなくなるようにシャフト上に取り付けられたパドルと、
 前記シャフト上の前記サンプの外部に取り付けられ、カートリッジが電子写真機械内の基準位置にある場合に、コード・ホイール・リーダと対となって協働するように配置されたエンコーダ・ホイールと、
 前記カートリッジを前記機械内に設置した場合に、前記シャフト、パドルおよびエンコーダ・ホイールの回転をもたらすために、前記シャフトを前記機械内の駆動手段に間接的に接続するように前記シャフトに接続されて、前記サンプ中のパドルの動きに対するトナーによる抵抗を感知可能なトルク感知継手と、
 前記コード・ホイール・リーダを用いて、複数のカートリッジ特性を前記機械に示すように構成された前記エンコーダ・ホイールと
 を含む、電子写真機械用のカートリッジ。


【0021】
本発明の他の目的は、供給EPカートリッジと関連する単一のエンコーダ・ホイールに、これらに限定されないが、PCドラム・タイプ、無許可のカートリッジが機械内で使用されるのを防止する「ベンダー(売り手)  ID」、元のカートリッジ容量を示す情報、トナーがMICRトナー(銀行小切手用の磁性物質など)であるのかまたは非MICRトナーであるのか、およびカートリッジ・サンプ内のトナーのレベルの検出を含む情報を提供することである。


続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

#実務ネタ(米国)、最高裁

米国特許関連では著名なFesto事件。古い話だが、特許業界人としては知っておくべき話だろう。
とりあえず、均等論で出願経過禁反言は「flexible bar」ということを覚えておけば良いのかと思う。

◆事案の流れ
Festo社(独)が、2件の特許権(ストール特許、キャロル特許)を有して、焼結金属工業株式会社(SMC株式会社)を訴えたという事案
cf Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co.(wiki)

Festo I 1994/10/27 マサチューセッツ
地裁(陪審)
侵害 1988年~
Festo II 1995/12/14 CAFC 侵害 地裁判決を支持
Festo III 1997/3/17 最高裁 --- Warner Jenkinson事件(1997/3/3
Festo IV 1999/4/19 CAFC 侵害  
Festo V 2000/11/29 CAFC(en banc) 非侵害 complete bar
Festo VIII 2002/5/28 最高裁 --- flexible bar (3つの基準)
Festo XIII (2007/7/5) CAFC 非侵害 予見可能性

○原告特許
・補正で「一組のシールリング」という構成を追加した。
・ストール特許ではスリーブが「磁化可能な材料からなる」という構成も追加した。
  ↓
○被告製品
・被告製品は「シールリングが1つ」しかなかった。
・スリーブが「合金」でできていた。
  ↓
○裁判の争点
・被告装置は特許クレームの文言内に入るものではなかった。
・原告は均等であるとして侵害を主張した。
  ↓
○結論
・原告の請求は認められなかった。(非侵害)
 均等の成立を検討する際に、complete barとflexible barという考え方があり、最高裁判決(Festo VIII)でflexible barが妥当ということが確認された。


◆判決文
※斜字は追記
(III-B)
Does the estoppel bar the inventor from asserting infringement against any equivalent to the narrowed element or might some equivalents still infringe?

The Court of Appeals held that prosecution history estoppel is a complete bar, and so the narrowed element must be limited to its strict literal terms.***, we disagree with the decision to adopt the complete bar.

<Flexible bar>
There are some cases, however, where the amendment cannot reasonably be viewed as surrendering a particular equivalent.
(1) The equivalent may have been unforeseeable at the time of the application;
(2) the rationale underlying the amendment may bear no more than a tangential relation to the equivalent in question; or
(3) there may be some other reason suggesting that the patentee could not reasonably be expected to have described the insubstantial substitute in question.
In those cases the patentee can overcome the presumption that prosecution history estoppel bars a finding of equivalence.

(1)均等物が出願時(補正時※)に予見できなかった可能性がある
(2)補正を行なった論理的根拠が争点である均等物に対してほとんど関係がない
(3)争点である非本質的な代替物を記載しておくことを特許権者に期待することが合理的ではないと示唆する他の理由が存在する


◆メモ
とりあえず、以下のように侵害、非侵害の判断が入れ替わること認識すればよいのかと思う。

・文言侵害(非侵害
  ↓
・均等論(要件が満たされれば侵害
  ↓
・出願経過禁反言(該当すれば非侵害
  ↓
・Flexible bar(反駁できれば侵害


・Magnetically coupled arrangement for a driving and a driven member
・October 12, 1982 (Filed: May 28, 1980)
・Inventors: Stoll; Kurt

1.
In an arrangement having a hollow cylindrical tube and driving and driven members movable thereon for conveying articles, the improvement comprising
wherein said tube is made of a nonmagnetic material,
wherein said driving member is a piston movably mounted on the inside of said tube,
said piston having a piston body and plural axially spaced, first permanent annular magnets encircling said piston body,
said piston further including first means spacing said first permanent magnets in said axial spaced relation, the radially peripheral surface of said magnets being oriented close to the internal wall surface of said tube,
said piston further including plural guide ring means encircling said piston body and slidingly engaging said internal wall and first sealing rings located axially outside said guide rings for wiping said internal wall as said piston moves along said tube to thereby cause any impurities that may be present in said tube to be pushed along said tube so that said first annular magnets will be free of interference from said impurities,
wherein said driven member includes a cylindrical sleeve made of a magnetizable material and encircles said tube,
said sleeve having plural axially spaced second permanent annular magnets affixed thereto and in magnetically attracting relation to said first permanent annular magnets and second means spacing said second permanent annular magnets in said axially spaced relation, the radially inner surface of said magnets being oriented close to the external surface of said tube,
said sleeve having end face means with second sealing rings located axially outside said second permanent annular magnets for wiping the external wall surface of said tube as said driven member is moved along said tube in response to a driving movement of said piston to thereby cause any impurities that may be present on said tube to be pushed along said tube so that said second permanent annular magnets will be free of interference from said impurities.

※審査過程で以下の限定事項を導入した。
「シールリングが複数」である
「スリーブが磁化可能な材料」からなる

 ↓ 対応JP特許

特公昭62-052170
【発明の名称】磁気接手機構
【出願日】昭和55年6月2日(1980.6.2)
【優先日】1979年6月1日
【出願人】クルト・シュトル
ストール特許


キャロル特許は以下の参照。
US 3779401 B1 (特公昭55-025034
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

#実務ネタ(欧州)

欧州特許に関しては、inescapable trap(逃れられない罠:トラップ)について語られることが多い。

これは、審査段階で新規事項を追加した特許が認められ、その後に異議申し立てされたときに、その新規事項を削除することができないために(EPC123(3))、新規事項追加違反(EPC123(2))で特許が取り消されてしまうという話だ。

トラップに関しては、G01/93の審決で判断の方針が言及されており、これを引用する審決が多数公開されている。この中で、英語で出願されており、対応する日本語特許公報が存在し、比較的理解しやすいものを探してみたところ以下の事件があった。

◆事件
T 0567/08 () of 28.9.2009
・異議申し立てにより特許が取り消された事に対して、特許権者が審判請求した。
 (権利者)   Unilever PLC, et al (ユニリーバ(wiki))
 (異議申立人1)PLASTICOS GONZALEZ S.A.
 (異議申立人2)Colgate-Palmolive Company (コルゲート・パーモリーブ(wiki))

〇経緯
・出願時の明細書等には「base footprint」という用語は使われていなかった。
・審査段階で「base」を「base footprint」に補正して特許を取得できた。
・異議申し立て段階で、異議申立人から「base foot print」が新規事項に該当すると主張された。
・審判段階で、特許権者は「base footprint」を「base」に戻す補正をしようとした。
・審判段階で、特許権者は「base footprint」と「base」は同じ意味だと主張した。

〇判断
・「foot print」という用語は複数の解釈ができる。
 ・タイヤのフットプリント    →接触面のみを意味する
 ・コンピュータのフットプリント →外側の丸み形状なども含むものを意味する。
・どちらの解釈も一般的であるが、2番目の解釈の場合、この情報(「base footprint」)が、ショルダー部に対して技術的貢献をもたらすことになる。
・これは権利者に不当な利益を与え、第三者への法的安定性を害する。
 ・このことは新規事項を追加しない解釈ができることとは関係ない
・請求棄却(特許取消)

◆審決の内容
〇請求人(特許権者)の解釈
 「base」と「base footprint」は同じ意味
EP1175165 審決f1


〇異議申立人(被請求人)の解釈
 「base」と「base footprint」は違う意味

EP1175165 審決f2


〇審判部
 2番目の解釈の場合に、技術的貢献をもたらすことになる。

EP1175165 審決f3
EP1175165 f1


5.5 The second interpretation however is more specific than the teaching derivable from the original disclosure (section 3.2 above). It adds new, more precise information on the location of the shoulder, which is not derivable from the original application. Moreover, in the context of the problem of stability (see section 2) this information is technically significant; by defining a more limited range of possible shoulder positions it provides a technical contribution to the invention.

5.6 This possible interpretation gives the proprietor an unwarranted advantage and is damaging to the legal security of third parties. It does not matter that the claim can also be read in such a way that it does not add subject-matter. The fact that in one reasonable interpretation of the claim it does do so is decisive. 

◆請求項の内容
(出願時)
1.
A package suitable for dispensing a flowable cosmetic composition comprising:
(i) a container
with opposite first and second ends,
the first end being closed by a planar externalsurface that enables the package to stand upright, the second end defining a mouth which comprises a seating for a roll-ball;
the container having a principle axis extending longitudinally and second axis orthogonal to the mouth, the second axis being acutely inclined to the principle axis;
(ii) a ball which is rotatably seated within the seating and is partially proud of the seating, the centre of the roll-ball being located vertically above the first end of the container; and
(iii) a cap seatable over the roll-ball.


(登録時)
1.
A package for topical application of a flowable cosmetic composition to an armpit comprising:
(i) a container (1) having 
a capacity of from 20 to 120 mls comprising a body (2) and head (3) and having opposite first and second ends, 
the first end of the container being closed by a base (7) comprising a planar external surface that enables the package to stand upright and the second end defining a mouth which comprises a seating (12) for a roll-ball (13),  
the container (1) having a principle axis (5) and a secondary axis (6) inclined acutely to the principal axis, 
the container body having opposed front and rear sidewalls (8a, 8b) extending upwardly from the base (7), 
the front sidewall (8a) being aligned with the principle axis (5) and the rear sidewall (8b) aligned with the secondary axis (6) and converging towards the front sidewall to form a waist and thereafter diverging outwardly beyond the base footprint to form a support (9) underneath the roll-ball seating (12);
(ii) a ball (13) which is rotatably seated within the seating (12) and is partially proud of the seating, and
(iii) a cap (4) seatable over the roll-ball (13).


(審判請求時に補正しようとした内容(主請求))
1.
A package for topical application of a flowable cosmetic composition to an armpit comprising:
(i) a container (1) having 
a capacity of from 20 to 120 mls comprising a body (2) and head (3) and having opposite first and second ends, 
the first end of the container being closed by a base (7) comprising a planar external surface that enables the package to stand upright and the second end defining a mouth which comprises a seating (12) for a roll-ball (13), 
the container (1) having a principle axis (5)  extending longitudinally and a secondary axis (6) inclined acutely to the principal axis, 
the container body having opposed front and rear sidewalls (8a, 8b) extending upwardly from the base (7), 
the front sidewall (8a) being aligned with the principle axis (5) and the rear sidewall (8b) aligned with the secondary axis (6) and converging towards the front sidewall to form a waist and thereafter diverging outwardly beyond the base footprint to form a support (9) underneath the roll-ball seating (12);
(ii) a ball (13) which is rotatably seated within the seating (12) and is partially proud of the seating, the centre of the roll-ball being located vertically above the first end of the container and
(iii) a cap (4) seatable over the roll-ball (13) in which the mouth plane (11) is orthogonal to the secondary axis (6) and the head is inclined to the body at an angle of less than 30°.


◆審査経緯
そもそも、「footprint」という用語を追加したのが問題なのだが、なぜこんな用語を追加してしまったのだろう。審査経緯をみると、国際調査報告でD1(EP0167110A)という文献により新規性が否定されていた。確かに、一目見て似ている気がする。D1との差異を主張するためには、ショルダー部(傾斜した部分)の形状の差を表現する必要があったのだろう。

EP1175165 D1



◆コメント
個人的には、図面から読み取れる内容を認めてもらえるなら反論できる気がしてならない。出願時に文章でもう少し表現していれば、特許取消の事態は回避できたのではないかと思う。ただ、明細書には種々の雑多な情報も記載されており、努力した結果の上での出来だったのだろう。この事案で救済措置がなかったというのは少し厳しいという印象を受ける。やはり、inescapable trapについても意識しておく必要はあるように思う。



・PACKAGE FOR DISPENSING A FLOWABLE COSMETIC COMPOSITION AND PRODUCT
・UNILEVER PLC [GB]; UNILEVER NV [NL] 

1.(※再掲)
A package for topical application of a flowable cosmetic composition to an armpit comprising:
(i) a container (1) having 
a capacity of from 20 to 120 mls comprising a body (2) and head (3) and having opposite first and second ends, 
the first end of the container being closed by a base (7) comprising a planar external surface that enables the package to stand upright and the second end defining a mouth which comprises a seating (12) for a roll-ball (13),  
the container (1) having a principle axis (5) and a secondary axis (6) inclined acutely to the principal axis, 
the container body having opposed front and rear sidewalls (8a, 8b) extending upwardly from the base (7), 
the front sidewall (8a) being aligned with the principle axis (5) and the rear sidewall (8b) aligned with the secondary axis (6) and converging towards the front sidewall to form a waist and thereafter diverging outwardly beyond the base footprint to form a support (9) underneath the roll-ball seating (12);
(ii) a ball (13) which is rotatably seated within the seating (12) and is partially proud of the seating, and
(iii) a cap (4) seatable over the roll-ball (13).

 ↓ 対応JP特許

【発明の名称】流動性化粧品組成物の分配用パッケージ及び製品
【出願日】平成12年4月6日(2000.4.6)
【優先日】平成11年4月23日(1999.4.23)
【特許権者】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ

#登録細項目記事 年金不納による抹消 存続期間満了日(平32.4.6) 本権利消滅日(平23.12.12)

【請求項1】
 流動性化粧品組成物を腋の下に対して局所適用するためのパッケージであって、
 (i)20~120mlの容積を有し、本体(2)とヘッド(3)を備え、対向する第1端部及び第2端部を有する容器(1)であって、
  容器の前記第1端部はパッケージを直立させ得る平らな外面を備えるベース(7)により閉鎖されており、
  前記第2端部はロールボール(13)用座(12)からなる口部を規定し、
  前記容器は主軸(5)と前記主軸(5)に対して鋭角に傾斜している第2軸(6)とを有し、容器の本体はベース(7)から上方に延びる対向する非対称な前側壁及び後側壁(8a,8b)を有し、
  前側壁(8a)は直立して主軸(5)及び第2軸(6)の一方と並列しており、
  後側壁(8b)は主軸(5)及び第2軸(6)の他方と並列しており、前方且つ上方に延びてヘッドに近い腰部を形成し、その後ベースを越えて外側にそれてロールボール用座(12)がその上に載るショルダー(9)を形成する前記容器(1)、
 (ii)座(12)内に回転可能に嵌合されており、座から部分的に盛り上がっているボール(13)、及び
 (iii)ロールボール(13)上に嵌合可能なキャップ(4)
を含むことを特徴とする前記パッケージ。


【0034】
好ましい具体例では、パッケージの容器部分は特に傾斜ヘッドを有するアンビル形を有する。アンビル形により、容器は2つの対向する側壁(前及び後)がそれぞれ主軸及び第2軸と並列している利点を得ることができる。ヘッド部分と本体部分の接点に補強ショルダーが存在することが好ましい。アンビル形は、高い(すなわち、容器のヘッドに近い)位置にある腰部を有する後側壁を使用することにより得られる。腰部の下の後側壁は前方且つ上向きに延びて手と接触させるための傾斜面を形成しており、腰部の上の側壁は後方に、しばしば鋭角に突出してショルダーを形成している。ロールボール及びその座からなるヘッド部分はショルダー上にある。しばしば、ショルダーを形成する、腰部の上の垂直線に対する側壁の角度は、腰部の下にあり、手で握る後側壁の部分の少なくとも2倍である。側壁の腰形状により手を置く容器の位置が決められ、手を置くことができる下方表面を有するショルダーが形成され、ヘッドは所望の方向に向けられる。こうして、使用者に手がかりが与えられるだけでなく、容器を使用する快適さが助長される。
【0035】
多くの実施態様において、ショルダーは容器の第1端部(ベース)の後部から垂直に上向きに延びる理論平面またはその近くまで延びている。近くとは、ショルダーの縁が通常理論平面のd/5(ここで、dは容器ベースでの容器の後-前直径である)以内にあることを指す。ショルダーそのものは、容器の背面で理論平面から同等距離だけ延びているヘッドに対するバランスウェイトとして機能し得る。これにより、容器の安定性が改善される。ヘッドを容器の前及び後まで延ばすことにより、容器の直径よりも大きいサイズのロールボールを使用し、同時に手が入れられるように形成された側壁を備えることができる。

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

#実務ネタ(中国)

中国の特許実務で一番気になるのが誤訳リスク。これについて、前から気になっていた案件をチェックすることにした。

中華人民共和国専利法(改正) 2009年10月1日施行
専利審査指南 2010 2010年2月1日改正

 cf 中国への特許出願における誤訳訂正の機会 2012/8/28


◆前提
・出願書類の範囲を超えた補正はできない(専利法33条)。
・中国語で特許出願書類を提出する必要がある(実施細則3条)。
・PCTルートの場合、登録前であれば中国語翻訳のミスを訂正する機会がある。(実施細則113条)。
・登録後の訂正は請求項に限られる(審査指南第四部第三章4.6.1)

◆事件
○案件番号(※中国の判例が入手できない状況)
・北京市高級人民法院行政判決2011年11月4日付(2011)高行終字第829号 

○概要(※中国の審査履歴も入手できない状況)
・出願時に「請求項」及び「明細書」のいずれにも誤訳が含まれていた。
・中間処理時に「請求項」の誤訳を訂正した。
・無効審判が請求された。

○結論
・請求項の補正は明細書の記載範囲を超える
・明細書の記載がPCT原文を超える
 ⇒無効確定(誤訳が実質的な補正にあたり、原明細書の記載範囲を超えてしまう)



◆明細書等の誤訳箇所
「welded by chemical bonding(化学的に連結によって・・・接着)」の記載を「化学連接粘接」ではなく、「化学粘合剤粘接(化学接着材によって・・・接着)」としてしまった。

PCT出願
WO02/03825

CN 1330266 C
特許庁の機械翻訳
(CN1330266C)
対応JP特許
特許4756182
The inventor of the present invention has devised a sealing slide fastener which avoids the drawbacks described above, by virtue of the fact that the teeth and the tapes which they join are made from materials which can be welded together chemically in such a way that, when the teeth are formed by injection-moulding in position on their respective tapes, they are welded by chemical bonding to the tapes without leaving pores or holes through which water can penetrate.
明内容
由于如下事
明的明人设计一种避免上述缺陷的密封滑动紧固件,即该齿和它们连接的子由下述方法化学合在一起的材料制成,方法是当该齿是通在它各自子上注射模制就位来形成,它化学粘合剂结该带子上而没有留下水可渗透出的孔或开口。
発明の開示
次の通りの事実本件発明者によって回避上記の欠陥の密封スライドファスナーを設計し、すなわちこの歯とそれらが接続したテープが下記方法化学結合から一緒にいる料は作成して、この方法はこの歯はでありよりそれらのそれぞれのテープに射出形成は設置し形成する時、それらは化学的結合剤からこのテープに水透過性が出したホールあるいは開口を残さないことと結合する。
【発明の開示】
本発明の発明者は、歯がそれぞれのテープ上の所定の位置で射出成形によって形成されるときに、水が浸透できる細孔または穴を残すことなくそれらが化学結合によってテープに溶着されるような仕方で化学的に溶着することができる材料から、歯および歯で接合されるテープを作成することによって、前記欠点を回避する封止用スライドファスナを提供できることを見出した。
The teeth 3, 4, which are formed by the known method of injection moulding, adhere by chemical bonding, at the moment of their forming, to the said tapes 1, 2, remaining securely fixed to these and without generating possible pores or holes through which a liquid, whether under pressure or not, can infiltrate.
由已知注射模制方法形成的齿3,4在其形成的刻由化学粘合粘接到所述子1,2上,保持固定其上,并且没有生液体不管是否在力下从中渗透出可能的开口或孔。 既知の射出成型法がから形成される歯3,4からその形成する時刻が化学的結合剤から前記テープ1,2に接着する上に、その上を保持固定して、そして液体を生成して可能な開口あるいはホールを圧力下にて中から浸透的に出すかどうかかにかかわらず。
【0016】
周知の方法の射出成形によって形成される歯3、4は、それらが形成される瞬間に、これらに確実に固定されたまま、圧力下であるか否かにかかわらず液体が浸透ことのできる、可能な細孔または穴を生成することなく、前記テープ1、2に化学結合によって接着する
This is because this result is achieved, as mentioned above, by the fact that the materials used to make the teeth 3, 4 and at least the outer layers le, 2e of the tapes 1, 2 can be welded together chemically.
如上述,是由于此果是通以下事实实现的,即用来制成齿3,4和至少子1,2的外部1e,2e的材料可化学合在一起 上記のとおり、これはこの結果によって以下の事実によって実現して、すなわち歯3,4を作成するのに用いて少なくともテープ1,2の外部層1eは、2eの材料可化学結合が一緒にいる
【0017】
これは、この結果が、前記の通り、歯3、4およびテープ1、2の少なくとも外層1e、2eを形成するために使用する材料が化学的に溶着することができるという事実によって達成されるからである。

◆コメント
本件で特に留意したいのは、登録前であれば誤訳訂正が可能であったというところだ。登録前の手続で、メインクレームの用語と、対応する明細書の用語との整合性の確認が重要だと思う。いくらなんでも、こんなミスで重要な権利が無効になるというのは残念でしかない。

◆その他
本事案は止水ファスナーに関する発明で、ririというスイス(イタリア?)会社の特許がYKK(wiki)に無効審判請求された事案のようだ。おそらく、このAQUAzip®に関連する発明だろう。結構、重要な特許だったのではないかと思う。YKKからしたら無効にできてラッキーだったのではないだろうか。

線ファスナー(wiki)の分野ではYKKが世界首位のようだが、今後の展開が興味深い。日本の製造業にグローバルに活躍してもらいたい。
 cf The $13 Billion Zipper Wars 2016/11/16


・带有结合在由其连接的带子上的齿的密封滑动紧固件 
・優先日:2000年7月11日
・克雷卢克斯控股公司

1.
 密封滑动紧固件(10),
 包括两条由弹性材料制成的带子(1,2),它们的边缘(1b,2b)相对,并由闭合滑动件(8)的通过所造成的两组对齐的齿(3,4)的连接使所述边缘相互压靠,
 其中,每个所述带子(1,2)包括两层外部层(1e,2e)和一介于该两层外部层之间的加强层(7),
 每个所述齿包括两个半件(3a,3b,4a,4b),每个半件设置在所述带子的每一侧上,
 其特征在于,
 所述齿的半件(3a,3b,4a,4b)是注射模制而施加到两个带子(1,2)的外部层(1e,2e)上,所述两带子(1,2)的由热塑性材料制成的至少所述外部层(1e,2e)与
 所述齿的半件(3a,3b,4a,4b)是化学结合在一起,使得所述半件在它们由注射模制形成的时刻由化学连接粘接至所述带子(1,2)的相对的外部层上。

 ↓
WO02/03825

1.
Sealing slide fastener (10) comprising two tapes (1, 2) of elastic material with their edges (lb, 2b) facing each other,
which are pressed against each other by the coupling of two sets of aligned teeth (3, 4) caused by the passage of a closing slider (8),
characterized in that
at least the outer layers (le, 2e) of the said two tapes (1, 2) and the said teeth (3, 4) are made from materials which can be welded together chemically.

 ↓
対応JP特許
【発明の名称】接合されるテープに溶着された歯を備える封止用スライドファスナ
【出願日】平成12年7月11日(2000.7.11)
【特許権者】リリ  エッセ  アー

【請求項1】
 相互に対向する縁(1b、2b)を持つ弾性材料の2つのテープ(1、2)を備え、2組の整列した歯(3、4)が閉止スライダ(8)の通過によって連結されることで前記両テープの縁が相互に押しつけられるように構成された封止用スライドファスナ(10)であって、
 前記テープ(1、2)はそれぞれ、2つの外層(1e、2e)と、前記2つの外層(1e、2e)の間に挿入された補強層(7)と、を含み、
 前記歯(3、4)はそれぞれ、前記テープ(1,2)の両側に1つずつ配置された2つの半体(3a、3b、4a、4b)を備え、
 前記歯(3、4)の前記半体(3a、3b、4a、4b)は射出成形されて、間にいかなる他の層をも挟むことなく、両方の前記テープ(1、2)の前記外層(1e、2e)に直接的に付けられることによって、前記両方の前記テープ(1、2)の前記外層(1e、2e)と直接的に溶着しており、
 前記2つのテープ(1、2)の少なくとも外層(1e、2e)は熱可塑性エラストマ材料でできている、
 封止用スライドファスナ。

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

#明細書作成情報(中国)、補正

中国での補正に関する判例。
#中国でも頑張って対応すれば妥当な判断が得られることを示した事案だと思う。


◆論点1:半導体メモリ装置をメモリ装置に補正した点
◆論点2:図面のみ開示された特徴に基づいて補正した点

以下のリンクの内容を参照。
知財管理Vol.65No.5 2011
 ・知財管理Vol.63No.1 2013

◆論点1
〇事案 
出願人(セイコーエプソン)はPCT経由で移行した中国出願の分割出願をした。分割出願時に、親出願の「半導体メモリ装置」の記載を「メモリ装置」に補正した。審判部では新規事項の追加に該当するとして無効審決とされたが、北京高級人民法院では、新規事項の追加に該当しないと判断された。その後、最高人民法院に再審請求されるも却下された。

北京高級人民法院も最高人民法院も、新規事項の追加に該当しないと判断した点では同じだが、半導体メモリ装置をメモリ装置と同じ意味で捉えることができるか否かという点で判断が異なる。要するに、事実認定は誤りだが、補正に対する判断は維持するという結論となった。

〇北京高級人民法院の判断
・明細書の記載から当業者は本発明における「メモリ装置」が「半導体メモリ装置」を意味するのは一義的に確信できる(※)
 ※原告(セイコーエプソン)は意見陳述書で『「メモリ装置」は図7(b)に示す「半導体メモリ装置」と解釈している』と述べていた。(補正制限と禁反言の関係)

・補正後の「メモリ装置」は「半導体メモリ装置」を意味して使用される
  ↓
 新たな技術的意義が追加されないのは当業者にとって明らかである
  ↓
 新規事項の追加に該当しない


〇最高人民法院の判断
・明細書に記載の「メモリ装置」は「半導体メモリ装置」と限定解釈する記載根拠は見当たらず、上位概念的な用語と理解するのが相当

・当業者であれば、当初明細書等(親出願の公開明細書等)から、他のタイプのメモリ装置で半導体メモリ装置を代用して、本件発明のインクカートリッジを容易に想到できる
  ↓
 補正後の内容は、当業者により当初記載から直接的明確に導かれる内容と比較して、新たな技術的内容を導入していない
  ↓
 新規事項の追加に該当しない


最高人民法院は以上を総括し,出願書類の補正に係る 3 つの法律適用問題について,次の 3 点の指導な意見を提示した。

1.元の出願書類(明細書,図面及び請求の範囲)に明確に表現された内容及び当業者が元の出願書類から自明として直接的,明確に推論できる内容であれば,該内容は新規事項の追加ではなく,元の出願書類に記載された範囲に属する。
2.出願人は,自発補正期間に補正する際は,その補正が特許法第 33 条に合致しさえすれば,請求項の補正において,保護範囲を拡大することも,縮小することも可能である。
3.出願人が出願書類を補正する際,その補正が特許法第 33 条に合致しさえすれば,禁反言の原則は該補正の範囲に適用しない。

◆論点2
 図面のみの内容に基づいて、「第二の壁(手前の回路基板が取り付けられている壁)の幅は前記ケースの他の壁より広い」と補正
  ↓
 当初明細書等から一義的に得られるものではない
 ※図面は機械製図ではなく、当該発明の構造と位置関係の開示に留まる

◆リンク(再掲【094】



CN1154568C
・精工爱普生株式会社
・「墨盒」
#国際出願(PCT/JP99/02579)

1.
一种装于喷墨打印设备的托架上的墨盒,用于通过一供墨针向喷墨打印设备的打印头供应墨水,该墨盒包括:
多个外壁;
一供墨口,用于接纳所述供墨针,形成于多个壁的第一个上;
存储装置,由所述墨盒支承,存储关于墨水的信息;
一电路板,安装在与所述多个壁中的第一壁交叉的所述第二壁上,所述电路板位于所述供墨口的中线上;
和多个触点,形成在所述电路板的外露表面上,用于将所述存储装置连接到喷墨打印设备,所述触点形成多个列。

 ↓ cf. 「中韓文献 翻訳・検索システム」

【請求項001】
1.
インクジェット印刷装置に取り付けるブラケット上のインクカートリッジは、一インク供給針によってインクジェット印刷装置の印刷ヘッドがインクを供給することに用いて、このインクカートリッジは以下を含む:
 複数の外壁;
 一インク供給口は、前記インク供給針を受け入れ、多重壁の第一のに形成する;
 一蓄積装置は、前記インクカートリッジから支持して、インクの情報に関して記憶する;
 一プリント基板は、前記多重壁中の第一側交差との前記第2の壁上に取り付け、前記プリント基板は前記インク供給口の中心線上に位置する;
 複数の接触部は、前記プリント基板の露出表面に形成され、前記蓄積装置をインクジェット印刷装置に接続することに用いて、前記接触部複数個形成列。

 ↓ cf. google 翻訳

インクジェット記録装置を介してプリントヘッドへのインク供給針がインクを供給するためのインクジェット記録装置のキャリッジに搭載され、含むインクカートリッジ。
外壁の複数;
複数の壁のうちの第1に形成されたインク供給針を受けるためのインク供給口。
カートリッジは、インクに関する情報を格納する、と述べたがサポートしている記憶手段;
第二の壁に第一壁と交差する複数の壁を搭載した回路基板は、回路基板は、インク供給口の中心線に配置されます。
そして複数のコンタクトは、回路基板は、前記記憶装置を接続するために、前記の露出面上に形成されたインクジェット記録装置、複数の列を形成するコンタクトすることを意味します。
 
●親出願(CN129530C
1.
一种喷墨打印设备,包括:一个往复移动的托架,在托架上形成一个供墨针、一个墨盒支架、和一个与所述供墨针连通的用于喷出墨滴的打印头;
和一个墨盒,它安装在所述供墨针上,具有存储油墨信息的半导体存储装置,其中,所述供墨针设置在沿垂直于所述托架往复移动方向的方向的一侧的端部附近;
一个电路板安装在所述墨盒的一个壁上,在形成所述供墨口的一侧的附近;
在所述电路板的外露表面上形成用于连接到外部控制装置的多个触点;
从所述外部控制装置经所述触点访问所述半导体存储装置
设置有一个杠杆,杠杆在所述供墨针一侧由一个轴支撑从而使杠杆可以转动并可装配到另一端的一侧;
并且至少在与所述供墨针对置的区域对所述杠杆设置一个弹性件,用于弹性地压迫所述墨盒的上表面。

【請求項001】
1、
インクジェット印刷装置は、以下を含む:1個の往復移動したブラケットは、ブラケットに1個のインク供給針、1個のカートリッジホルダーと、1個と前記インク供給針を形成して連通していてインク滴を吐出する印刷ヘッドに用いる;
1個のインクカートリッジと、それは前記のインク供給針上に取り付け、インク情報を塗る半導体記憶装置を記憶することを有し、そのうち、前記インク供給針は垂直に前記ブラケット往復移動方向の方向の片側の端部近傍に沿うことに設置する;
前記インク供給口を形成片側である近くに、1個のプリント基板は前記のインクカートリッジの1個の壁上に取り付ける;
前記プリント基板の露出表面に外部制御装置を接続する複数の接触部に用いることを形成する;
前記外部制御装置から前記接触部を経て前記半導体記憶装置をアクセスする;
梃子を設置し、梃子は前記インク供給針片側に1個のシャフト支持からこれにより梃子を且つ他端の片側に組み立てることができることを回転することができさせる;
その上少なくとも前記梃子に前記インク供給針と対面する領域に1個の弾性体を設けて、弾性前記インクカートリッジを圧迫する上面に用いて。

 
●JPファミリー

セイコーエプソン(中国インクカートリッジ)

  出願番号 公開番号 特許番号 審判番号
1 特願平11-557793 - 特許4434323 不服2009-019139
不服2009-018762
2 特願2002-186326 特開2003-011388 - 不服2004-021494
3 特願2002-186327 特開2003-011389 特許3402366 訂正2004-039275
4 特願2002-188232 特開2003-011390 - -
5 特願2002-229479 特開2003-054003 特許3603960 無効2006-080160
6 特願2004-226922 特開2004-306618 特許4099670 -
7 特願2006-013279 特開2006-168377 - -
8 特願2006-138939 特開2006-213068 - -
9 特願2006-138940 特開2006-213069 - -
10 特願2008-214959 特開2008-279783 特許4431903 -

 ※無効2006-080160(請求人:法人 フューチャーウェルホールディングリミテッド
 
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ