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 国籍法改正を考える上でどうしても考えなければならないのが認知である。弁護士でもある稲田朋美衆議院議員は11月27日付産経新聞朝刊に掲載された「【正論】衆議院議員弁護士・稲田朋美 『国籍付与』は国会の重い課題」において、

「民法は『親子関係=生物学的親子』という考え方をとっておらず、法的親子関係は子の安全な成長を確保するための法制度である。安易にDNA鑑定を取り入れることは、生物学的親子関係をすべてとする風潮につながりかねない。」

と述べている。これは日本の伝統的な概念において生みの親より育ての親というものがあり、それを前提として民法の法体系が作られていることを示していると言えよう。例えば他人の子を認知する届けに養子縁組の効果を求めた判例すらあるのである。したがって産経新聞の阿比留瑠比記者が「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」「国籍法改正案審議で田中康夫氏が示した視点」で紹介している田中康夫参議院議員の

「私は今回の国籍法のいわゆる『改正』に疑義があると考えております。そして、DNA鑑定制度を導入するべきであり、そのことを明記すべきだと考えています。実は、人権保障を尊重するならばなおのこと、このDNA鑑定の導入が必要である」

という発言は検討するにも値しない。そして民法789条1項の

「父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。」

という準正の規定とのバランスから国籍法3条1項の

「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。」

の規定は民法の準正の規定の改正とともでなければ改正することができない。しかし、認知に加えて婚姻届を提出するだけで日本国籍を取得するというこの条項自体悪用が可能な条項であり、これに対する考察がなければ国籍に対する考察が十分であるとは言えない。それではどのようにすべきか。

 国籍取得のための認知を防ぐためには厳罰化で対応できる。刑法の公正証書原本不実記載罪を規定している刑法157条の3項以降を次のように改正すればいいのである。

「3 不正の目的をもって戸籍簿に不実の記載をさせ、戸籍簿の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、3年以上7年以下の懲役に処する。」

「4 前3項の未遂は、罰する。」

可能であるなら最低刑を3年を超えるものとしたいところであるが、通貨偽造や詔書偽造の罪と比較した法体系のバランスから3年を超えるのは難しいであろう。3年を超えるものとしようとしたのは執行猶予付与の条件との兼ね合いである。また刑の上限については仮に7年としたが検討の余地があろう。これにより認知や婚姻を要件として日本国政を取得する場合のいずれにおいても公正証書原本不実記載罪より厳しい刑罰を背景にして歯止めがかけられる。国籍取得において重要なのは国籍法の改正を阻止することではなく、国籍を取得する要件である認知や婚姻における不正を防止することなのである。



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