平和なレジャーぶろぐ

こんにちわギター弾きの宮脇です。音楽と関係無いネタ満載ですが、何卒ご了承ください(*´д`*)

人それぞれ、で終わる話

ギターパイロットの視点からアドリブを考える

BOSTON 2ndギターパイロットという職業があります。着陸の際には空港の地形に加えて当日の天候(雨・風・雲)などにも大きく左右され、その操縦には熟達された技術が求められます。今日はそのギターパイロットについてのインタビューの模様をお届けします。

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ギターパイロットの注意点
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Q:「早速ですが、ギターパイロットになろうと思ったきっかけを教えて下さい。」

A:「もともとディープ・パープルのハイウェイスターの速弾きにノックアウトされた組です。1弦を5688fと弾くあのソロです。その最後、いわゆる着陸の時のアーミングに痺れましてギターを手に取りました。お客様を快適にもてなす巡航飛行(バッキング)の奥深さを知ったのはむしろ最近になってからです。」
操縦イメージ

Q:「操縦時に於いて気を付けるポイントなどはありますか。」

着陸A:「なんといってもランディング(着陸)です。終わり良ければ全て良しという諺が当てはまる最たる職業がギターパイロットだと思いますね。離陸は誰にだってできるのです。」

Q:「ギターパイロットに於いて離陸は比較的簡単とはいうものの、『はいギターソロどうぞ!』といきなり振られて弾き始めたら弦が切れ、しかもそのギターがフローティングトレモロのセッティングになっていて、チューニングがダダ狂い、地面に叩きつけられるという痛ましい失速事故も何度か見ていますが。脱出ボタンがあったら押したくなるというか。」

canopy2A:「それは整備不良も考えられますね。空気圧点検などはいうまでもないことですが、特に高音弦のブリッジの溝の角が立っていて、それで弦が切れやすくなっている場合が多いのです。」

Q:「ギターパイロットは操縦技術だけでなく、飛行前の入念な点検が欠かせないということですね。」

A:「その通りです。まあ超一流になってギターテクニシャンを引き連れられるようになると、全て任せて演奏に集中できるわけですが、それはギターパイロットの中でもごく限られた人達です。」


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ギターパイロットのスタイル
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Q:「そろそろ本題に入りたいと思います。ギターパイロットの腕の見せ所といえば、いかに自由かつ華麗に大空を飛び回り、最後に着陸を美しく決められるかだと思いますが、その飛行スタイルについてお話を聞かせて下さい。」

A:「ひと口にギターパイロットと言ってもさまざまな人達が操縦桿を握っておられます。大きく分けてギターパイロットには下記のタイプがあります。
3機種


・クラシックギターパイロット

・ロックギターパイロット

・ジャズギターパイロット


なおくれぐれも事前に言っておきますが、何事にも例外がつきものです。ジャズギターパイロットとして普段は操縦桿を握っておきながら、その時の状況次第で歪みモノを踏んでロックモードへ豹変するマイクスターソのような操縦士もいますから、厳密に言えばそもそも仕切ることなど不可能です。このブログは人それぞれと言ってしまうと終わってしまう話を取り上げていますので、各スタイルへの厳密な言及や区分けに関する炎上コメントはお控え下さい。」

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クラシックギターパイロット
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ガット2

Q:「なるほど。ではまずはクラシックギターパイロットからお聞かせ下さい。」

A:「全ての飛行コースが厳密に決められていて、その通り飛びながらいかに個人的な解釈も乗せられるか、ということがこのスタイルの真骨頂になります。」

Q:「早朝トラックのコンビニルート66配送とかと同じですか。」

route66A:「数あるルートのなかで66コースだけはブルースコースで例外扱いになりますが、原則的にクラシックスタイルなのでアドリブはありません。書いてある音符をいかに音楽的に弾けるかということがスローガンです。この人達の特徴は驚異的な技術や読譜能力を持ち合わせながらも、その場の雰囲気に合わせてフレーズを変えていくようなアドリブが一切できないということです。これは若干職種が違いますがクラシックピアノパイロットの人に多く見られます」

Q:「ピアノパイロット?」

鍵盤2

A:「そうですね、たとえば音楽教室の合同発表会などで、その最後に講師のデモ演奏をやることになり、リハーサルに入ったとします。『ではここの[ C ]のところは、講師の先生方のソロ回しということでお願いします』となった展開の時に懸念された事案が生じます。」

Q:「というと?」

A:「ピアノパイロットがちょっとキレ気味に
『すいません私は即興できませんので、どなたか音符を書いていただくか、あるいは当日までの宿題にさせて下さい』
と答えるわけです。」


Q:「で、講師演奏の本番はどうなったのでしょうか?」

A:「クラシックピアノパイロットのソロは、やはり完璧でした。演奏中の譜面を見たら、推敲の上で作曲されたソロフレーズが書いてあり、それを本番で見ながら演奏されていたようです。」

Q:「つまりアドリブではないということなのですね。でもクラシックパイロット界は、驚異的なスキルのある操縦士が多いと聞きますが、なぜかたくなにアドリブを拒むのですか。」

A:「ロックギターパイロットの人達にはきっとその気持ちが理解できないと思います。ロック界はそもそも航空学校にも通うことなく独学で飛行技術を習得し、何も分からぬまま操縦桿を握っている操縦士が多くいます。いわゆる家に置いてあったギターでLPレコードを擦りきれるくらい聴いて耳コピした系です。そういう人達から見ると、技術があれだけあってなおかつ譜面もむちゃくちゃ読めるのに、なんで適当に弾けないんだ?と不思議でたまりません。」

Q:「そりゃそうですよ、何しろロックギターパイロットの人って、譜面通りに弾ける人を秘かに恐れたり憧れたりしつつも、『やっぱ譜面じゃなくて、気持ちだよね。』とかいう防衛機能を働かせる人がやたらめったら多いし。」

A:「クラシック界の人の多くは、幼少時から譜面を見てから音を出す、という作業を疑わずに繰り返しながら楽器を修得しています。与えられた譜面のフレーズがたとえダサく映ったり変えてみたいと思っても、基本的にはクラシックの譜面は絶対的なものであるとの前提で向き合っているのです。」

Q:「ロックバンドのリハだと、あのタブ譜絶対違うよね、本人はもっとハイポジで弾いてると思うよ。とかいう会話がよく交わされていますね。」

boston lifeA:「はい、ロックバンドのタブ譜の多くはライターの人が耳コピして掲載したものであり、長い年月を経ず急いで出版されたものも多く、誤植なども普通にあります。それに対して数百年前から引き継がれているクラシックの譜面ではおおよそそれはありません。つまりクラシックの人達にとっての譜面とは、絶対的帰依の対象でもあります。
クラシックギターパイロットにとって
譜面は紙というより、神なのです。


Q:「なんかシャレを言いたかっただけじゃね? なるほど、神からの啓示に近い尊敬の念を抱きつつ弾くからこそ、絶対的な安心感の中で音を出せるわけですね。だからミスは単なるミスなので許されない、であるからして一生懸命練習すると。」

A:「そうなのです、ロックギターパイロットだったら、指がもつれていて明らかに弾けてないのに、『それがまたいいんだよなぁ』という評価法が存在しますが、それは、正解がそもそも無いところでフレーズを弾いているからなのです。あるとすれば、オレ、ブルースギターの神様なんですけど何か?みたいな。
いわゆる1番エライのオレ様モードですね。

クラシック厨にとっては 譜面は1番 自分は2番。
ロック厨にとっては 自分が1番 譜面は読めん
文明堂にとっては カステラ1番 電話は2番


 3時のおやつは、ということになります。


譜面の音符が神で、それを出力する機会を与えられているのが自分だという認識が強いクラシックギターパイロットは、長年に渡ってその心のモードで音を出してきていますから、唐突に『おまえの好きに弾け』と言われても、不安過ぎて弾けないし、ましてやそこに価値を見出すこともできないというトラジディ(=悲劇)に陥るわけです。」

Q:「今の話を聞きながら『ほらみたことか、ちまちまスケールやら読譜の練習ばっかりやってるヒマがあったらペンタの一つでも自由に弾きやがれ』と思っているロック厨の一部が起死回生のチャンスだと息巻いている気配を背後に感じます....」

A:「まあそう思っているコンプレックス(...というバンド名は今回の内容とは100%無関係です)の塊のようなロック厨はごく一部ですが、存在している可能性はありますね。」

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ロックギターパイロット
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ギターパイロット1

Q:「では本日のメイン、クラシックと正反対ともいえるロック派のギターパイロットについて伺います。そもそも彼らの飛行スタイルとはどんなものなのでしょうか?」

A:「その昔、華麗なるギター野郎という映画が一世を風靡していましたが、イメージとしてはそれに近いと思います。」
華麗なるヒコーキ野郎

Q:「〜野郎という邦題の時点で香ばしさ満点ですね。」

A:「華麗なるライトハンド、意表を突くアーミング、感情直結の泣き叫ぶチョーキングやビブラート。これらはロックギターパイロットならではの技と言えますし、エディーヘイレンが代表的なパイロットして有名です。あ、まちがえました、じゃなくヴァンです。」

Q:「ギター界に於いてはとVanは全く違う意味になりますから気を付けてください、今回の場合はアメリカのパイロットのことですね。ロックギターパイロットのソロのイメージはどんな感じなのでしょうか?」

A:「図解してみましょう。ギター・ソロというのは必ずいつか終わります。つまり離陸したら後は着陸に向かうだけです。着陸した瞬間、そのソロがどうだったか評価されるわけです。」


Q:「何やら雲がかかっていて、着陸先の滑走路が全く見えません。おや、方位の標識だけは立っていますね」

ロックギター操縦

A:「ロックギターパイロットは、方位標識によってまずキーを確認し、それに適合するマイナー・ペンタのポジションに指を置きます。その上でフライト時間の間、自由に飛び回るというわけです。はい終わり、チャンチャン。」

Q:「まじですか?滑走路が見えず、高度(=コード)すら把握できていない状況でよくそんなことができますね。」

A:「フライト時間が終わりに近づいて雲を抜ける時に機体が少し揺れるので、それがソロ終わりの合図となります。すると雲が晴れ目の前に滑走路が見えてくるのです。」

Q:「そういえばロックギターパイロットの中には、ソロがもう終わりなのにうまくフレーズが収められなくてヴォーカルの入りとぶつかって、睨まれるという事案があちこちで発生してますね。」

A:「あるいは逆に、まだ2小節あるのに早く着陸しちゃって、バンド全員が気まずい雰囲気のまま、誰がソロを弾くこともなく残り小節を気恥ずかしく演奏している場面もありますね。また、ソロの終わりで滑走路の位置を確認したものの、飛行機の車輪(=脚)を出すのが遅れて歪んだサウンドのままカッティングに突入してしまうような事例も発生しています。」

Q:「ソロ最後に足が出ずに歪みペダルをOFFれないケースですね。ありがちです。そういえば厚い雲に覆われていている時ほど、宙返りや速弾きを羅列してごまかそうとするソロを聴くことが多いような気がします。」

boston 着陸A:「それが、知らぬが仏アプローチです。キーだけ確認したら小節数もカンで、コードに合うかどうかもすべてカン、それでどうにかなるだろうというアプローチです。もちろんそのアプローチで神業的なラインを生み出しているロックギタリストもいたりします。」

Q:「それってジェフ・ベックですよね。ロック界のレジェンド、ポールさんが言ったと伝えられる『ロック・ギタリストは2種類しかいない、ジェフ・ベックか それ以外だ』
という名言を思い出しました。」


A:「ベックの神業的なソロを引き合いに、ざまあジャズ・ギタリストめ的論調が時折交わされることがあるようですが、ジャズ界に於いてもジェフベックは高く評価されています。間違ってはいけないのは、彼は飛行機の操縦士ではなくあくまでも車のドライバーです、というか車の整備士。」
ベック車

Q:「ツアーとレコーディング以外は常に車のメンテに夢中という話がありますね。」

A:「はい、ベックの場合はジャズのいわゆる伝統的なイデオム、たとえばツーファイブフレーズの類は全くといっていいほど登場しません。その代わりアーミングやトーンコントロールを駆使した、まさしく神業的なニュアンスで、信じられないフレーズがこれでもかといわんばかりに出てくるのです。」

Q:「ということは、理論や練習で追い込んで出てきたフレーズではないということでしょうか。」

A:「恐らくジェフベックほど耳の良いギタリストなら、たとえば嵐の中でのテンジン・ヒラリー空港への着陸も完璧だと思います。」



Q:「あらゆる理論よりも上にあるのが耳である、とはよく言われますがその通りですよね。しかしそんな言葉を鵜呑みにして、カンだけでいいやと思っちゃった、さして耳の良くないパイロット達の運命は悲惨ですね。」

A:「そうなんです。それにジェフベックは超一流ジャズミュージシャンと数多く共演し、対等どころか完全に凌駕するような凄まじいプレイを残してきています。それに案外部分転調などにもきれいに対応していたり。「実は、、ベックは理論詳しいんじゃね?でも、譜面とかバリバリ読めるよ、なんて言わないでおくれよベック!」と疑心暗鬼に陥っているロックギタリストは一人ではないと思います。

ロックは特に人間の反骨精神や怒り・喜びといった、魂の表現、あるいはその瞬間の思いをどう出せるかを重要視していますから、空港周辺の地図を詳細に調べ上げて合法的に作りましたよ的なソロに対しては、親指を下に向ける傾向にありますね。でもそのことを言い訳にして何ら努力もせぬままステージに立って失速しているロック・ギタリストが多いのもこれまた事実です。」


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ジャズギターパイロット
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フルアコ1

Q:「ジャズギターパイロットは、残念ながら深いベールに包まれていて一般的な人への認知度は低いといえます。超有名なジャズ・ギタリストのライブでも乗客が2人でスッカスッカというのは日常茶飯事だと聞いています。どういうイメージか教えていただきたいです。」

A:「雲1つない晴天時に羽田空港から離陸すると、海沿いの倉庫や工場群がリアルに見えて感動することはありませんか?」
羽田絶景


Q:「ありますあります。何か今日は超ラッキー!とか思ってしまいます。」

A:「それがジャズギターパイロットの目指すところです。」

ジャズギター操縦

Q:「は?すいません意味が分かりませんが。」

A:「つまりジャズ厨の人もロック厨の人も自由に飛びたいこと、それは同じなわけです。ただそこでロック厨は、地形があーでこうで気流がどうでとか考えることが感情表現の瞬発力を低下させてしまうと感じ、そこはキーだけ合わせてエイヤッ!と宙返りを試みるアプローチなんですよ。」

Q:「炎上覚悟のえらいザックリした解説ですね。でジャズ厨は?」

A:「まず、地形とか滑走路を見えなくする雲を取り除くために必死で音楽理論を勉強することから始めます。それでどの滑空角度から入ればキレイに着地できるかとか、いろんなツーファイブリックをさんざん練習していきます。また高度についてもしっかり学んでいくので、激しく高度が変わる、言い換えればスケール・チェンジ混じりのコード進行についてもしっかり対応できるトレーニングを積んでいるのです。しかしそのことは他人にはあまり言いません。例の......」

Q:「出たっ、適当だよセリフ吐きながら実は感覚的で弾けてますとステマ主張する類ですね(笑)」

A:「そうそう、それです。さてここでロック厨の人の多くは致命的な推測ミスを犯します。ジャズ・ギタリストという人種は、徹底的に転調とかに対応する練習を積んで本番でそのバリエーションを披露することを目標に掲げていると誤解してしまうのです。」

Q:「え、でもジャズ厨の人はよく、あそこは裏コードできてるから、リディアンセブンスで対処して、とかよく言うじゃないですか。対処してとか。」

A:「確かに対処した演奏なんて別に聴きたくもない気持ちは分かります(笑)。だからといってそんな志の低いジャズ厨しかいなかったら、全便が霧のため欠航という事態になりますよ。

ジャズパイロットの皆さんは、雲をどけて地形が露わになったところで、さあ、自由に飛ぼか!というスタイルなんです。さんざんスケールやらなんちゃら勉強して着陸のパターンも勉強したので、むしろそういう手垢にまみれたフレーズは弾きたくないくらいの気持ちなんです。時にはわざと乱気流を起こしたりとか....」

Q:「わざと乱気流??? ジャズ厨ってマッチポンプなんですかΣ(゚д゚lll)?」

マッチポンプ


A:「いくらなんでもそれは言い過ぎですが、まあ、あえて刺激を求めて不協和音の嵐を起こしまくって着陸しにくくする人もいるかも、ということです。風速2m/sのところで普通に着陸してもおもしろくないから、半音上のコードをいきなり弾いて、わざと気流の乱れを作るとか、そんなことをガンガンやろうとします。あるいは着陸時にわざと脚を出さずに胴体着陸を試みるとか。」

Q:「ちょw それじゃまるで風の又三郎じゃないですか。」

A:「そうですね、小学校の頃に近所の小さい用水路を飛び越えようとしたあの思いですよね。危ないとか死にそうとか、そういうギリギリのところに身を置くことで“オレは生きてる!”感を得て存在を確認するという。改造バイクで真夜中に暴走していて派出所の前に来たところでわざわざエンジンを吹かせてポリ公キタァ!逃げるぜ!みたいな。

ダニエル第二次性徴期後の特に男子が普通に通過する儀式みたいなところですね。ほとんどの人は十代のうちにそれを済ませ、あとの人生は、時折くすぶって残存している自分の風の又三郎を、007のダニエルクレイグを観ながら自分と重ねて処理するとか。まあミッションインポッシブルでもいいんですが。」


Q:「そういえばポップスのサポートをしているパイロット達はどんなスタイルなんでしょうか?」

A:「彼らはまさにANAやJALの737クラスのパイロットと同等であると言えます。プレイの個性で雇用されている場合を除いては、ヴォーカルをいかにうまくサポートしてくれるかが重要なポイントです。またホールでのライティングやカメラ切り替えなどのタイミングもあるので、勝手に宙返りとかしたら酸素マスクが下りてきて機内はパニック状態になります。時刻通りに目的地に着陸できるよう、そして最も揺れないようなフライトを心がけることが1番大事です。譜面が読めるジャズ・ギタリストなら、空港周辺が厚い雲に覆われていても時間通りに着陸することができます。でも物足りなくて耐えられなくなり、♯11thなどのテンション音を入れようと常にスキを狙っています(という人もごく稀にいます)。ロック・ギタリストなら譜面が読めない分、がんばって暗記しているので、音資料として渡されたCD通りに弾きつつ視点が自由になる分だけお客をあおったりして盛り上げることができます。総じていうと基本はロック系好きで、途中からジャズ・ギターの入口くらいまでは弾けるようになった、くらいのパイロットが多いような気がします。」

Q:「ではそろそろまとめをお願いいたします。」

A:「離陸から着陸まで、どんなスタイルで飛行しようとも、そこに優劣はありません。厚い雲がかかっているからこそできる大胆な技もあります。また操る飛行機がボーイング767かセスナかパイパーチェロキーかテレキャスターかによってもソロの印象は変わります。同じ機体でも、エンジンが単発(=シングルコイル)か双発(=ハムバッキング)によって音色は大きく異なります。というわけでそれぞれの飛行スタイルで大空を舞っていただければと思います。」


Q:「以上、アドリブもフライトも人それぞれ、という話でした」


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【補足資料】

【リアル・ロック・ギター・パイロット】
 スティーブ・モーズ(ディープ・パープル ディキシー・ドレッグス)

一時期国内線のパイロットとして勤務していたと言われています。巡航飛行モードになると運指練習をしていた。
steve morse



【リアル・ロック・ヴォーカル・パイロット】
 ブルース・ディッキンソン(アイアン・メイデン)

アイアンメイデンのツアーで使用される747の操縦桿を自ら握っている。
ブルースデッキンソン





レレレレレレ−のおじさん 〜アドナイン野郎の憂鬱

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レの音はなんにでも合うツイート
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Q:「先日、ツイートでレの話が流れてて、それに激しく反応してリツイートまでされていたようですが、何か心当たりでもあるんですか?」
             
A:「ああ、このこーじゅんさんのツイートのことですね。
こーじゅん



私事になりますが30年近く前に、ラックの機材を150万円かけてそろえ、コーラスをかけてコードとかをリッチだぜドヤ顔で鳴らしていたんです。
そして渡された譜面にCコードと書いてあったので疑いもなく、レの音を混ぜてCadd9を弾いたところ、
居合わせたサウンドプロデューサーが言い放ちました。
『ちっ、なんでもかんでもアドナインにすればいいってもんじゃないんだよ。このアドナイン野郎が!』
そんな、現場の静まり返った空気の中で鳴り響いていたCadd9の酸っぱい思い出が甦ったのです。」


Q:「どうしてそんなにadd9が好きだったんですか。」

A:「素朴なドミソの響きが、レの音を加えることによってキュッ!と締まり、清涼感ある印象に変わるわけです。
唐揚げでも、アジフライでも、レモンを絞るとキュッ!となるでしょう?」

唐揚げレモン
アジフライレモン

Q:「確かにそう言われればそんな気もします。ツイートにはなんでもかんでもレモン汁が合うってありましたが、本当ですか?」

A:「こーじゅんさんのツイートは、Cメジャー・スケールのダイアトニック・コードには全部レの音を入れられる、という音楽面に踏みとどまっていますが、食材にまで解釈を広げると、レモン汁もレの音も同じ音には変わりありません。

レモン汁にはビタミンCが豊富というのはよく知られた話ですが、別にCコードに限らず使いまくっても、効果的という試験データがあります。
近年の研究では、高血圧や肥満、骨粗しょう症の改善にも役立つとも言われています。演奏の現場ではレモン汁をCコードだけでなく、AmやFコードなどにも使用するミュージシャンが多くなってきているようです。
CCレモンだからといってCコード専用というわけではないのです。
つまりそのキーのダイアトニック・コードに、
なんでもかんでもレモン汁をかければOKということですね。」

ポッカレモン

Q:「なんでもかんでもレモン汁♪って、なんか流行りそうですが、レモン汁のすっきり効果を実際に聴いてみたい気もします。」

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レモン汁の効果を体感する
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A:「いいでしょう。CーAmーFーGというコード進行にレモン汁を加え、
少し味を引き締め、同時に深みを加えたCadd9ーAm7(11)ーF6ーGsus4を聴き比べてみましょう。」




Q:「確かにレモン汁が加わると各コードの素材の良さが引き立つように感じました。」

A:「素材の織り成すシンプルな食感をいっきにトレンディにしてしまうHi -Fi効果がレモン汁には認められています。そういえばエフェクターやシンセ類の機材が急速に発展を遂げた1990年代、若者達のトレンドはHi-Fiという言葉でした。」

Q:「いまでもお店に入るとまず気になってFreeで飛んでるかどうかパスワードの掲示を探しますよ。」
freewifi


A:「それはwi-fi、こちらが言っているのはHi-Fiです。DVDよりも20億年くらい前にVHSビデオが普及していたんですが、当初は音質が悪かったんです。そのクォリティを一気にCD並に引き上げる規格、それがHi-Fiだったのです。」

Q:「MDですらカスってるくらいなので、よく分からないです。人目に付きにくい野山などに時折大量放棄されているVHSテープを見るくらいです。」

VHS大量投棄


A:「まそんなこともあって、男女7人秋物語などと共に一世を風靡したのがアドナインコードだったのです。」

Q:「確かにナウイ響きがすると思いました。」

A:「とにかくアドナインにするとコードがいっきにオシャレになることから、猫も杓子もアドナインコードを弾いて、そこにTCのアナログコーラスをかけてBメロを弾いていたんです。また鍵盤の人がアドナインを弾くと、『フォスタる君』と言われることもありましたね。デヴィッド・フォスターがアドナイン系コードを多用していたからという説が有力です。けれどもギタリストに対してグレイドンる君と呼ぶことは無かったようですが。」

エアプレイ


Q:「話がちょっとマニアック過ぎて雲をつかむような(Air Play)話になってきたので元に戻すと、大きく分ければ下記のようになるわけですね。

■ コードにずっと9thを加えるアドナイン野郎

■ なんでもかんでもコードにレの音を加えようとするレレレのおじさん


ま確かにレモン汁を加えれば、なんでも美味しくなるように聴こえることはわかりました。」


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レモン汁は涙腺を刺激する
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A:「レモン汁はナウい方向だけでなく、酸っぱいだけに、青春のほろ苦い1ページを振り返るようなMCの後ろで使われることがあるんですよ。時々レモン汁を大量摂取するとほろ苦い酸っぱさで涙が出そうになるじゃないですか、その効果を狙っていると言われています。たとえばこんな感じです。



これはkey=Dなので、Dメジャー・スケールにとってレモン汁に相当する音はE音。ギターでは1弦開放がレモン汁相当になります。」

Q:「あ、このテイスト分かります。対バンが4つくらいあると必ず1つはこのMCです。進路指導していた先生から、『おまえが音楽で食っていくなんて無理に決まってる』と笑われたけど、この大きなステージにオレはこぎつけたぜ当時の先公ザマア!感がハンパないのですが、なぜか涙ぐんでしまいます。」

A:「それがレモン汁のクエン酸効果です。涙腺を刺激すると言われています。」

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レモン汁検証ソングからの学び
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A:「それでは最後に、レレレレレーのおじさんによる、レの音検証ソングを聴いてみて下さい。レモン汁というのはなんでも高級っぽくしてくれる反面、使いすぎると酸っぱくなる、という教訓をこの曲から学んで頂ければ幸いです。もちろんその特性を理解した上で使いこなせたら最高ですが。アドナインがどこかで聴こえてきたら敏感に反応してしてしまう体質になってしまったらすいません」




Q:「個人的にはニールショーンみたいな1:14のオブリが気に入りました」

バンドマンが「君ってナルシストだよね」と言われた時の対応

このQ and Aは、バンド活動をやっている時の打ち上げの楽しい席で
「君ってナルシストだよね」
と冷や水を浴びせられた経験を持つ人に向けて書かれています。
内容を予想して暗くなっちゃいそうな人はここでCLOSEして下さい。

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バンドマンが「君ってナルシストだよね」と言われた時の対応について
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Q:「バンド組んで活動しています。先日飲み会で、ライブの時の写真見せてよ的な流れになり、何人かに見せてたら、A君から『君ってナルシストだよね(笑)。』と言われました。ナルシストって言葉は、時にはナルシとかナルちゃんとか言ったりもして、相手を見下すような感じで使うじゃないですか。その場は周りに人もいたし流れを壊さないように苦笑いしつつ収めたんですけど、なんか腹立ちました。」

A:まずはバンドマン五大要素からチェックしてみることにしましょう。
ナルシ

オレ見て願望:自分が歌い、演奏する姿を見届けて欲しい
オレ見て支払:プライベートな時間を削って来てもらい、チャージを¥1500〜¥2000程度払わせ、しかもドリンクは別料金
演出協力:アンコールの曲をあらかじめ用意しているので、ラストの曲が終わったら拍手し続けてね
動員懇願:きっと後悔はさせないから絶対見に来て、良かったら友達も誘って
育成祈願:もっと上の景色を一緒に見たいから、応援して欲しい。貴方はその過程を応援していくことがきっと幸せだから

バンドマンの一般的なキーワードを並べていくと、バンドることとは、すなわち他者に見られながら興奮しつつの自己愛実現とも言えるので、バンドマンとは、紛れもなく一般的な概念にあてはめればナルシ呼ばわりされかねないことが分かります。

これがたとえば “釣り”という趣味ならこうはなりません。何を釣り上げたかをいちいちSNS投稿する人もいますが、「今度オレ釣りやるんだけど、その様子を見に来てくれないかな?見終わったら俺に¥1500払ってね」という会話が成立しづらいというのは容易に想像できると思います。つまり釣りは特に他人から見られなくても、そして評価されなくても基本的に完結しているのです。他人から見られていない状況では、ナルシストなのかどうかは判断のしようがなく、また判断する価値もありません。つまり釣りとは、誰も知らないシュレーディンガーの猫の命とも言えます。それに対してバンドマンは、どのように観察者から見られているかに命を張っています。

バンドのライブでは
『来てくれたみんなの幸せな笑顔を見たいから、この曲を作りました』

などという種のMCもよく聞かれますが、
みんなが笑顔になることが主目的ではなく、

みんなが笑顔になる原動力の中心には“オレ”がいること。
そのドキュメンタリーを見届けておくれ! 
ということが最終目標になっているバンドもあるようです。

元の顔の造形も分からないくらいに化粧を重ねるビジュアル系バンドだと、
さらにこの傾向は強まります。
これをナルシストと呼ばず他になんと呼ぶでしょうか。」


Q:「おっしゃることは分かるんですが、そもそもそれを言ったら、女性の化粧だって、男性のツーブロック今流行側頭部カットだって、可愛く&カッコ良く見せようとする表れですよね。それなのに何で嘲笑も入ったような表情でナルちゃん呼ばわりされなきゃいけないんでしょうか。」

A:「嘲笑の口元を見逃さなかったところは評価できます。Wikiると分かりますが、ナルシストについてはかなり病的な症状であるように強調されています。しかしナルシストの定義はまさに『人それぞれ』で、広義的には“死んでいない人は全てナルシスト”という見方をする研究家もいるでしょう。死んだ人ですら、自己愛の理想形と現実の自分のギャップに苦悩していたナルシストだった可能性もあります。また、根源的には生物は自らのDNAを残そうと躍起になって生きていますから、それすなわち生きとし生けるものはみなナルシストというわけです。クワガタムシもオケラもミミズもナルシスト。ナル虫と呼んで差し支えありません。つまりバンドマンである貴方がナルシストかどうかで言ったら、いくら僕はナルシストじゃないですと言い張っても、事態は悪化の一途を辿ります。問題の本質は他にあるのです。」

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ナルシスト・モンスターの悲劇
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Q:「僕がナルシかどうかは問題ではない、ということは、あ?A君もナルシストとか?

A:「その通りです。しかも、バンドマンに対して特に口にしなくても良いナルシ発言をあえて繰り出すA君こそ、屈折して肥大化したナルシストモンスター、いわゆる
ナルモンなのです。だから条件反射的な通り一辺倒の返答は、ことA君に対しては飛んで火にいる夏のなんとかになってしまうのです。」


Q:「ひっくり返すような話で恐縮ですが、A君はお世辞にもモテるような顔じゃないし、言葉遣いは荒くいきなりタメ口になったりもするのであちこちから反感を買っています。それに女子と話をしていても自分の自慢話ばかり早口で語るので、あれじゃ結婚対象のラストパーソンにすらならんよ、と女子達は陰で言ってます。そんなA君がなぜナルモンなんですか?

A:「ナルシストとは、何もイケメンであることが前提ではありません。むしろ、文句無しのイケメンの場合、そのイケメンに対して『あなたナルシストですよね』っておそらくA君は言えないはずです。
GACKTさんていつもカメラ目線でナルシストですよね〜。
YOSHIKIさんてナルシストですよね。
タッキーってナルシストですよね。
アランドロンてナルシストですよね。
あるいは友達に、福山雅治ってすごいナルシストだよね〜とか。

そんなこと言ったら最後、ナルシストという言葉は何の意味すらもたなくなります。つまり元々カッコ良い、もしくは社会的にも充分イケメンだと認知されている人に対して、ナルシストという言葉はむしろそぐわないのです。他人がすでに充分カッコ良いと感じているのですから、いちいちナルシる必要もないわけです。むしろ「普段はすっぴんだしぃ」って謙虚風に答える美人が多いワケです。周りがすでに美人て思ってるから自分で肯定したり背伸びしてパワーを使う理由も無いのです。言っておきますけどナルシシズムの学術面から説いているわけではありません。あくまでも一般国民がこの言葉をどう捉えているかという質感から言及しています。」

Q:「つまりA君は、カッコ良くありたいと思っているしそれなりに努力はしている。けれどそれが報われない。というやりきれなくて屈折した心情がさらに空気嫁(KY)の症状を悪化させているということですか。」

A:「そういうことなのです。A君はちょっとだけ貴方のことをカッコいいと思ってしまったんだと思います。それが何より悔しいし自分でも認めたくないのです。加えて貴方は世間的には福山雅治ほどカッコいいとは認識されていないようだと感じ、『カッコ良くもないくせにカッコつけてるヤツだな』という思いでナルシ呼ばわりしているわけです。」

Q:「だいたい分かってきたんですが、じゃあ僕はどんな対応をしたら良かったのでしょうか。」

A:「怒りにまかせてオレはナルシじゃないよ!ナルシストはむしろおまえじゃん!と切り返すのは最も愚かな行為です。それこそ相手の思う壷です。」

Q:「??どういうことですか? だって相手はカッコ良くも無いわけですし、けっこうやり返すことができると思うんですけど」

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怒りにまかせた返答にリターンエースは無い
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A:「浅はかの赤坂とはよく言ったものです。A君は偏差値的には頭のキレる人間ですから、そんなことは織り込み済みです。いやむしろその怒りのリターンをさせる呼び水としてナルシ発言をしているんですよ。ナルシストという定義は否定的な使われ方が多いのですが、ググッっていったりすると、肯定的でまっとうな意味も内包しています。それが罠です。

A君は、もし貴方が『おまこそナルシじゃんかよ!』と怒りながら言ってきたら、必ずこう切り返します。

『なに言ってんの?当たり前だよ。オレは自分のこと大好き人間、おもいっきりナルシストだよ。ま確かにイケメンでも無いし説得力ないかもしれないけど、少しでもいい人間になりたいし、曲だってもっともっと作って、みんなに聴いてもらいたい。だからおまえのことナルシストってほめてんのになんだかなぁ』



Q:「うわぁ、、しちめんどくせぇ。。。つまり世間的な使われ方では嘲笑的なニュアンスとされるナルシストという言葉で攻め込んできて、打ち返したらナルシ言葉の毒気を抜いてみせ、それを批判的に受け止めてるおまえこそが問題なんだ、という攻撃方法なんですね。」

A:「第二次世界大戦のロンメル将軍もこの戦術を使ったと言われています。油断は禁物です。」

Q:「じゃあいったいどうすればいいのですか。無視しようにも周りに会話聞いてる友達がいたりしますし。」

A:「まずもってA君のような人物は、SNSに於いても微妙に主軸からずれたような、流れを堰き止めるようなコメントを入れてくる傾向にあります。いわゆる冷や水浴びせコメ坊です。
フェイスブックの場合は、腹を立てて友達承認まで外すとさらに周囲の人間を巻き込んで長期戦的な戦略で攻め込んでくる可能性があります。その場合はまず友達である設定はそのままで、投稿のプライバシー設定でA君を外しておきましょう。」

Q:「それってバレないんですか?」

A:「本人はまず自ら発信することに重きを置いているので、流れてくるタイムラインには目を通し、自分の書き込める(すなわち自分の存在を主張できる)投稿が無いか常にチェックしています。

あの人には見えてるのに私のところにはその投稿上がってこない!というような、プライバシー設定に敏感になってクレームを入れてくる人は、たいてい恋愛問題などが絡んでいたりします。つまり対象が特定の相手であり、嫉妬パワーなのです。

A君の場合、興味の対象はあくまでも自分ですので、特定の誰かが自分をどう思っているかはあまり重要ではありません。むしろイエスマンだけで周りを固めたいという取捨選択を望んでいるので、あなたをそこまで詮索することにパワーを使いません。」

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具体的な解決策
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Q:「で、結局のところどうすればいいんですか。」

A:「まず『そうなんだよね、思いっきりオレのことナルちゃんて呼んで(笑)こんな顔だしさ、さすがにカッコいいよオレ!とは全然思えないけど、までもそんな顔でも好きになっちゃいけないって法律は無いし(笑)。そういう意味ではA君、キミと同じだよね(笑)! まさにナルシ同志!うはは。』

こんなふうにナルシをあっさり認め、カッコ良くないけど自分はナルシであると明確に定義づけ、あんたも同じ穴のムジナ、ブスナルシだよねと笑顔で問いかける。さすがにA君はそこまでを予想していないので、混乱に陥り、しかしそれを周りに悟られたくはないので、取り急ぎ同調に走ることでしょう。

とにかく重ねて言っておきますが、怒りによる反応はまんまと罠にハマるだけです。
ナルシスト呼ばわりされた貴方が怒り出す、そこもまたA君は想定済みです。むしろそこで怒ってくれたら、
『あらら、ナルシストってほめ言葉で言ってんのに、怒ってるし(笑)』
と嘲笑されるという、貴方の狭量を攻める最悪の展開になります。」

Q:「それにしても、いちいち違和感ある言葉を投下してくる人って、いますよね。」

A:「三十路も越えていてそういう違和感を注入する人は、相対的な優越感と劣等感の中で生きています。つまり他人との比較の中で生きているので常に不安を抱えています。だから違和感コメなどをドカンと入れては相手を落とし、相対的に自分を上げようとする癖が染み付いていきます。そして残念なことにその性根はおそらく一生治りません。
 体調を崩すとか、何らかのトラブルがあって弱音を吐いた時に周りの人間から助けてもらうと、少し改善するものの、普通の生活に戻ると元の木阿弥です。
また、癖は治らないというか、治せとプレッシャーをかけることがいっそうその人の空気嫁感を悪化させてプレッシャーを与えることにもつながってしまいます。

そもそもそういう人は、周りの譲歩と憐憫の情によって生かされていることを感知できていません。だから横柄な態度を取ってしまうのです。

しかし残念ながらというか、それもその人の生き方です。

A君に違和感を頂く人は、相対的にオレの方が標準と思い込みやすい、
その点にはくれぐれも注意して下さい。

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自分が標準と思って判断を下さないこと
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Q:「いつもの展開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!! ここらで
ミイラ取りがミイラになる
という諺を投下する雰囲気です。」


A:「(ちっバレたか)。とにかく世間的に異常者に映っても、自分がノーマルだとは限らないと疑い、自戒を忘れないようにしましょう。だってA君のような人間が95%を占める国家があったら、あなたはきっと異常者ですよ。五線譜に書かれたドレミファソラシドにしても、それが自然で、♭記号や♯記号を付けた音符が違和感だというのは、文部科学省教育に刷り込まれた錯覚に過ぎません。ドレミファ#ソラシドが、標準のように聴こえる民族だっているのです。
私達日本人は、たまたまドレミ文化が力を持っていた世界の中で作られた音楽を標準と定義しているだけなのです。中東圏では、ドレミファソラシドよりもアラビア音階が標準として聴こえているのです。

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人と人は基本的に平行線(人それぞれ)
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Q:「すいません、なぜドレミの話になってきたのか、ぼんやり聞いてしまってました。結論というより最初の質問すら、何を聞いていたのか忘れました。」

A:「A君に対して貴方は『人はこうあるべきなのに』という思いをどこかで抱いている可能性があります。」

Q:「いやいやいや、先生こそナルシモンスター呼ばわりしてたじゃないですかー。」

A:「それはそういう見方もあるかもしれないという、例示に過ぎず、奨めたのは処方箋の一つです。こうあるべきと貴方が説いたところで彼は変わらないし、また変えようとする行為が正しいとは限らないのです。

他人との平行線的な生き方は必ずしも不幸なことではありません。
いろんな生き方や考え方、そして音階達が平等に暮らしていけるという世界こそ、
寛容性に於いてまさにラブピな社会だとも言えるのです。
そこでは、「オレはペンタしか弾かないし...」などというような、
コンプレックスなのか嗜好なのか分からないような防衛線を張る必要もありません。
そこではペンタもコンディミも、ましてはスーパーロクリアンだって平等です。
ストラビンスキー好きもジョンレノン好きも、みんな幸せ者です。
サムスカが吹けなくても案ずることはありません。
「サムスカ?なんスか?」それでいいんです。「Donna Lee?どんなメロディー?」
「Actual Proof?泡吹いてプルプル?」
自分に必要だと思うなら練習すればいい、ただそれだけです。

それぞれがそれぞれで幸せに暮らしていける世界になりますように。
そんな貴方に向けてオリジナル曲を作ってピアノで弾き語ってみましたので聴いて下さい。



わかり合えないということは決して不幸なんかじゃない、
わかり合えるはずという思いこそが不幸を生むことだってあるんだ


Q:「ありがとうございます。なぜ最後に三日月と叫んだのか僕にもさっぱり理解できませんが、A君とは、この先も平行線だということだけはなんとなく分かりました。なんだか今、果てしなく茫洋とした寂しい気持ちに覆われています。。。」

A:「人それぞれに生きるというのは、深いわけですね。」

志位委員長がギターを持つとロックなのか

あいつこそ本物のロックだよ。
ヤツは指は動くかもしれないけどロックがなんなのか分かってない。
女々しいラブソング歌いやがって、ロックというのはな......。
反骨こそロックの源泉だっちゅうに
おまえの刻むビートじゃロックは歌えねぇんだよ!
反体制こそロックの証
ロックは死んだ --- ジョンライドン
タイマーズこそロック・ミュージシャンの鏡なんだよ
ロックはファッションじゃない。生き方だ 宇崎竜童
ジミヘン好きの与党関係者ですがロックやる資格ありますか?
日本共産党志位委員長はロックですか?
ジャーニーはかつて産業ロックと呼ばれましたが、ストーンズは違うんですか?
クスリやってたらロックですか?
今ある境遇が不満だからロックやってるんですか?
ローリングストーンズはロックですか?
管理職でかなり給料もらってますがロックやる資格ありますか?



正直、自分の手に負えませんし、
またここで自説をひけらかすのも気が引けるので、
QandA形式で以下にまとめてみました
(私個人の意見ではありません,どちらかというとbot的です)。


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  与党と野党
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Q:「学園祭でスモークオンザウォーターやったんです。歌詞はよく分からないけどノリが良くって定番曲だし演ってみました。そしたら先輩が
「おまえら盛り上がるだけ盛り上がってそれでシャンシャンかよ!反骨こそロックなんだよ。おまえらのはロックなんかじゃない!」
とキレられました。
 私達バンドのメンバーは、今日まで育ててもらった親に感謝していますし、担任の先生は私達の将来の進路について真剣にアドバイスしてくれます。それに学校は軽音楽部の活動に非常に協力的で、スタジオも作ってくれました。つまり特に何かに不満があるから音を出しているってわけじゃないんですが、それはロックじゃないんですか?」


A:「はい、それはいわゆるロック・スタイルの音楽かもしれませんが、ロックではありません。ロックはもっと反体制であるべきで、現状を打破するために存在しています。反骨こそロックの柱です。反骨する対象が無いとロックは成立しないのです。ロックとは、単に盛り上がるための薄っぺらい道具ではないのです。本当にロックやりたいなら、運指練習なんかやってないで、怒りの矛先を見つけることから始めましょう。」

Q:「反骨・反体制がロックだとしたら、もしかして与党である自民党の人はロックやる資格ないんですか?」

A:「その通りです。その昔、ベトナム戦争や社会の不公平さから大衆の不満が爆発して、その表現のひとつとしてロックが生まれたとも言われています。ですから憲法9条の改正も視野に入れているような与党の人にロックを演る資格はありません。」

Q:「ロックを演る資格?そんな検定試験があるのですか。」

A:「いえ、検定試験は特にありませんが、あいつの演奏はロックだとか、あいつの刻むビートはロックじゃないとか、それをシビアに判定する辛口な評論家はツイッター上にも、フェイスブック上にも無数にいらっしゃいます。特にフェイスブックは基本的に自分の投稿にイエスマンが書き込みますから、その信念はますます強靱さを増していきます。

で、売れた音楽に対して本物かどうかを結論づけ、意見をアップしては厳しく断罪していらっしゃいます。そういえばSNS以前の話ですけどロックご意見番と呼ばれた人達が、かつてバカ売れしたジャーニーに対してあんなの産業ロックで本物のロックじゃない、とこき下ろしていたこともありましたね。「よくぞ言ってくれた!売れりゃいいってもんじゃねぇんだぞ、歌は上手いしギターも17歳の時からカルロスサンタナバンドにいたのかもしれないけど...それがどうした!!」というような、これぞ挽回のチャンス!と言わんばかりに賛同する人達が雨後のタケノコのように現れました。その後のメタル音楽衰退の後にオアシスが登場した時は、ようやく本物のロックバンドが現れたと、認めるような雰囲気がありましたね。」


Q:「つまり、オアシスはロックでジャーニーはロックじゃないと。でもどこまでがロックで、どこからがロックじゃないとか、そんな微妙な判断するの大変じゃないですか?それこそヒヨコの雌と雄を判別するくらいの判断力が必要ですよね。」

A:「ロックを生き方の中枢に据えて人生を送ってきた人にとっては、ロックな生き方を体現していないヤツが、ロックっぽい音楽を演っていることに我慢ならないのです。なぜなら、そんな軽いふわふわした恋愛ラブソングを、歪んだ音に乗せて演奏されたら、自分の歩んできたロック人生を汚されたような気がするからです。」

Q:「分かりました。歪みと汚れの区別が難しいですが話を戻します。与党支持者はロックじゃないとしたら、長年野党畑を歩んでいる日本共産党、そのトップの志位委員長がギターを演奏したら、それはロックなんですか?」

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A:「はい、話の流れとしてはどうしてもそうなりますね。」

Q:「ということは原発賛成派はロックを演る資格が無いということなんでしょうか。」

A:「それについてはシビアな問題なので、回答を控えたいと思います。同時に、左翼についても過激さの程度問題が絡んできますので控えます。日教組についても同様です。ご参考までに、原発賛成!を全面に掲げて演奏するロック・ミュージシャンてあまり見ない気がします。その逆のパターンはよくメディアにも取り上げられていますが。ちなみに放送事故を起こして話題となったタイマーズというグループを、これぞロックの象徴と捉える人は多いようですね。」

Q:「反原発ならロックで、脱原発ならロックじゃないんですか?」

うーん、一字違いですがけっこう意味が違うとも思うのでそれも回答は控えます。とはいえ地球を汚染したり、人の健康を害する可能性のあるものには断固として反対していくエチュードは、ロックの基本理念としてあると思います。かつてロックの合い言葉だったラブ&ピースやコミューンにしても、どこかしら自然共生的イメージありますし。そういえば無農薬な自然野菜を売るお店で働いている人にジョンレノン愛好者が多いと言われるのもうなずける話ですね。」

Q:「そういうラブピなロックを演奏してた人がライブ後の打ち上げを居酒屋でやってて、タバコを延々隣で吸いながら環境汚染の話をしてて、こちら肺にまで煙が入ってすごく辛い思いをしたんですが、それは別問題なのでしょうか。」

A:「その居酒屋は喫煙OKでしたか?」

Q:「特に禁煙という表示は無かったと思いますし、灰皿はテーブルにありました。」

A:「それは法律に違反していないのでOKですね。それにロック演奏では、ステージ上で口にタバコをくわえて弾くのはお約束のようなところもありますので、歴代のロック・ミュージシャンは、喫煙とロックの大音量は、人間の生存権利のひとつくらいに考えていた可能性もありますね。喫煙がなければスモーキンブギや、タバコロードといった名曲も生まれていないのですよ。」



Q:「法律に違反してなければOKとか、その割りに国家にたてついたりと、ロックって深いですね。確かにビートルズの映画「Let It Be」でもみんなタバコをチェーン状態で吸ってたし、ということは、タバコの煙の苦手な人はロックをやる資格無しということなんですかね。」

A:「そこまでは言ってません。シートベルトの着用率と同じで、喫煙者の割合が少数派になった時点で、ロックミュージシャンが大々的に、「人の迷惑かえりみず、喫煙の権利を訴えるヤツは、お役所の既得権益どっぷり悪徳野郎と同じ、マジディスり」とキャンペーンを張る可能性も捨てきれません。
我々の権利を守れ!という主張と、
既得権益にしがみついている悪いヤツらまじ撲滅!
の線引きは紙一重なのです。」


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  ローリングストーンズ
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Q:「ところで、ローリングストーンズはロックですか?」

A:「いきなりど真ん中投げてきましたね。「ミックジャガーなんて狡猾なビジネスマンじゃん!あんなのロックじゃないよ!」という人も中にはいるかもしれませんが、ストーンズがロックじゃないとしたら、いったい何がロックなのか分からなくなってしまう人も多いと思います。ストーンズがロックかどうかを国民投票の2択で決めるとしたら、これはやはり当選確実でしょう。」

Q:「不良っぽい恰好してるからストーンズはロックなんですか?」

A:「そういうイメージはあるでしょうね。七三分けで政府御用達的雰囲気が充満してたら、随分印象は違っていたかもしれません。」

Q:「その昔テレビで、
「ロックはファッションじゃない、生き方だ! 宇崎竜童」
というテロップが流れるファイティング80'sというテレビ番組がありました。ロックはファッションとかじゃ駄目なんですか?」

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A:「それは愚問ですね。というかニューウェーブと呼ばれたファッショナブルなヘラヘラした音楽なんて演奏する以前にバンド名の時点でロック失格ですから。A-HAとか甘い吐息吐いてる場合か!カルチャークラブとか、イオンでやってる習い事か!みたいな。もしジミヘンドリックス&カルチャークラブだったら、なんか締まりないでしょう。もっとネイキッドで、人間の感情をむき出しに訴えかける雰囲気がロックには欠かせません。ガンズなんて、バンド名の冒頭から切迫感MAXですし。」

Q:「原宿テント村でステージ衣装とか沢山売ってましたが、それはファッションじゃないってことなんでしょうか。とまあそんな話はさて置き、つまりミックジャガーは本物のロック・ミュージシャンであると?」

A:「当たり前です。ミックジャガーは60年代の若者の不平不満を代弁する代表者の1人だと言えるのです。」

Q:「近年になって、「60年代に起こったことは壮大なでっち上げだった」と発言しているという話を聞いたんですが、もしそれが本当だとしたら、吉祥寺井の頭公園界隈の共同便所風呂無しアパートに住みつつバイトしながら一人暮らしでチケットノルマに圧迫されペンタスタジオで週二回のバンド練習入ってなんとか動員増やしてメジャーデビューを目指している人達のハシゴを外していることにはならないのですか?その人達って普段からキースの真似してタバコを口にくわえて歩いていて、深夜に養老の滝にいるのをよく見かけます。「やっぱストーンズみたいになりたいよねオレ達」的な会話を時々耳にしたことがあります。」

A:「いろいろな意見はあるかもしれませんが、ストーンズがロックであることを否定してしまったら、最初はそのコピーをひたすら目指していたと言われるエアロスミスまでエセロックということにもなりかねません。あるいは日本のロックで金字塔を打ち立てたと言われるRCサクセションだって他人事ではいられなくなります。

それに、ロックは大観衆を集めヒット曲を祈願しいる点で音楽ビジネスと切っても切れない関係です。だってセールス不振だと契約切られて予算も下りず、ツアーにも出られないですから。
すなわちロックは音楽ビジネスがあったからこそ、レコードやラジオという手段を通して日本の片隅にいた若者にも届いたわけです。多くのロックミュージシャンが目指したメジャーデビューは、4大メジャー・レコード会社
ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)
ソニー・ミュージック・エンタテインメント
ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)
EMI.

の上層部に気にいられるかどうかに尽きたわけです。すなわち
金持ちの豚野郎!
 とか、
こんな社会なんて!
とコキ下ろしながらも、その組織の一部に組み込まれて会社に利益をもたらさなければそれを拡散できないというジレンマがあったわけです。また多くのロックミュージシャンは、本音では金持ちになって豪勢な生活を送りたいと思っていた側面も見逃せません。

2005年にスタートしたストーンズのツアーでは、彼らは500億円以上もの売上を計上しています。これをビジネスと言わないで何と呼ぶでしょうか。つまりビジネスがお金儲けとほぼほぼ同義語であったとしても、ビジネスライクならロックじゃないということにはなりません。

まあ確かにロックを体現してきたレジェンド達が、ツアー先で、ホテルに汚物をぶちまけイスを壊し、クスリをやり過ぎて開演時間を遅らせ暴動に発展し、あげくにはアル中になって吐瀉物を喉に詰まらせて命を絶っています。そういう伝説となってるレジェンドと、ビジネス手腕に長けたミックジャガーのどちらがロックで、どっちがロックじゃないのか、なんだかよく分からないという気持ちも分かります。正直私も分からなくなってきました。

ところでミックジャガーは極めてストイックで健康的な生活を送っていると言われています。でもストーンズに影響を受けて親から就職しろと言われてもプロになるんだと家を飛び出し、バイト生活を続けながらデビューを夢見ている人達が、今夜も酒を浴びるように飲みながらタバコを吹かし、やっぱりロックっていうのはさぁ、とどこかの居酒屋で語っているわけです。
若者「ミックジャガー最高カッコイイ!酒とタバコ、そして女はべらかせた生活!オレ達もああなりたいよな!」
ミック「ごめん、オレもうそこにいないから。ちゃんと朝型生活だし毎朝ジョギングやってるよ
という感じでしょうか。これは非常に興味深いので別の機会にお話したいと思います。


Q:「ところで平和運動やチャリティーなどに、ロックバンドと言われる人達は積極的に参加しているように思います。それもロックであることの証なのでしょうか。」

A:「そうですね、人々が平和に仲良く暮らせる世の中にしていこう、そのためにもあくどい役人や金持ちや社会のシステムに対してデストロイ!と叫ぶのは、ロックの雄叫びとしては非常に健全ですね。」

Q:「でも聞いた話ですが、ロックバンドの多くはギャラの配分をめぐって対立して解散の道を歩んでいますよね。そしてインタビューで元バンドのメンバーのことを「あいつは金の亡者さ」と言ってのけたり。そんでメンバー間で恋人を寝取ったりとか。それでお金を浪費し過ぎて破産宣告を受けそうになり、再結成するも仲は最悪、でもステージ上では仲良しを装ってとか。
正直、そういうミュージシャンが、「みんな仲良く平和を!」と叫んでも、なんか腑に落ちないというか。」


A:「昔からミュージシャンの名言集はよく発刊されています。ボブディランなどはその代表例ですね。クスリやっていようが、結婚を何回繰り返そうが、ホテルを荒らそうが、そんなことは重要ではありません。何十万人もの観客に対峙してステージに立った経験から発せられる言葉は重いのです。健康保険に入らず年金は支払い遅延で親の扶養に入ったままで、病気したら親がそのお金を肩代わり。で実家にお金は入れずにバイト代は全て機材につぎ込みながら、ライブで発する『人はどう生きていくべきか』啓蒙発言、これは普通のサラリーマンではとても言えません。」

Q:「クスリをやる、やらないはロックに関係ありますか?」

A:「まあ昔は規制もゆるかったし、束縛からの自由を求めるあまりクスリに手を出したロック・ミュージシャンは無数にいます。というかビートルズだってLSDにハマっていたし、ジミヘンだってそう、キースだって病院に入ってましたね。いやもう葉っぱ吸ってなかったロック・ミュージシャンはほぼほぼいませんでした。ポールマッカートニーもクスリ問題で長年日本への入国を拒否されていたのです。」

Q:「クスリやってラリらなきゃ、ロックの本当のスピリットは分からないってことなんでしょうか。」

A:「そんなこと一言も言ってません!」

Q:「さきほど日本共産党の志位委員長がエレキ・ギターを弾いたらそれはきっとロックだと言っていたように思いますが、もし日本共産党が政権を奪取して与党になったら、志位委員長がいくらがんばってレッド・ツェッペリン弾いたところでロックじゃなくなるってことなんでしょうか?」

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A:「そうですね、闘争する相手が存在するという前提で決起しているという点では、カールマルクスもロックも同質です。したがって闘争相手がいなくなる、あるいは自らミイラ取りがミイラになると、ロックもそして科学的社会主義も存在意義を消失するかもしれません。

ロックの権化の一人とされるニルヴァーナのカート・コバーンは、バンドの輝かしい成功の後に次の言葉を残しています。そして今この世にカートはいません。

「ロックの核心は反体制、反権力だ。
 成功した俺にもうロックは歌えない。
 聴衆を誰一人ごまかしたくない。」



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  音楽的な手法について
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Q:「具体的に音楽面についてお聞きしたいのですが、何をもってロックというのですか」

A:「ロックの本物偽物鑑定士の先輩達は、ディープパープルのコピバンでハイウェイスターの速弾きを聴いても、あんなのロックじゃねえし、と吐き捨てたりもします。つまりロックとは音楽の語法にあらずです。スピリットです。」

Q:「それって、オレがロックだと言えばフォークだってロック、オレがロックと認めなきゃツェッペリンのコピバンだってロックに非ずということですよね。なんかその先輩のさじ加減でロックか否か判断されるって解せないんですよ。でもやっぱり、クリーンで甘いジャズ・ギターの音色を聞いても、さすがにそれをロック・ギターとは言わないでしょう。ジミー大西を見て、キムタクよりイケメンやでと言うようなものです。そこでロックのスピリット面についてはめんどくさいんでちょっと置いておき、あくまもロックっぽいスタイルとは何かというところで話を進めたいと思います。まずギターサウンドからですが、やっぱり歪みが基本ですか?」

A:「常識です。ベンチャーズみたいなテケテケサウンドでは人間の心の歪みは表現できませんし。歪んだ音であるからこそ人間の歪んだ感情が吐露できるのです。」

Q:「歪みの深さは?」

A:「それはもうその人の生き方次第です。ただしクリーンと歪みの合間、つまりクランチ・サウンドの方が、心のひだがリアルに表現できると思います。クリーンさのかけらもない深いディストーションは、年がら年じゅうダミ声でシャウトし続けているようなものです。」

Q:「ベースはどうでしょうか?」

A:「鬼のルート弾きが基本です。ストラップを高くしてツーフィンガーでタワーオブパワーみたいなファンキーで踊れるようなフレーズなんて言語両断です。可能な限りダウン・ピッキングの連打で限界までがんばります。途中から手首がリキんで硬直して腕弾きになって強弱もヘッタクレがなくなっても関係ありません。ダウン・ピッキングにこだわること、それがロック・ベースなんです。」

Q:「ドラムはどうでしょうか?」

A:「ツーバスが基本ですが、派手で場所を取るセットをあえて排して思いっきりシンプルなセットにする場合もあります。タムがハイ・ミッド・ロート3つちゃんとあるのにタムを1個外して横に置いておくとか。」

Q:「せっかくタムあるんだから使えばいいじゃないですか。」

A:「いやいやそれだとロックじゃないんです。タムを外すというのも、オレ流スタイルの提示ということで大事な演出です。あるいは、24インチのベードラを蹴破れば、それを強いビート武勇伝の一つとして計上することができます。また、ドラムでは手首を柔らかくしてスティックを振るのが基本ですが、あえて硬直させて叩くこともあります。トミーアルドリッチ打法を研究してみて下さい。余談ですが、タムに水を張っておいて叩き、スローモーション撮影するというのもありますね。」

Q:「なんか、やけにカッコ気にしてる印象をもちました。ところでヴォーカルについてはどうなんでしょうか。」

A:「まず、ハイトーンヴォーカルが正義です。クリスレアとロバートパーマーが低音ボイスでロックナンバーを歌ってますが、それはどっちかっていうとフォーマルであり、フランクシナトラに寄ってる印象があります。とても吉祥寺駅南口丸井裏の共同便所風呂無しアパートに住んでメジャーデビュー目指しているミュージシャンの共感が得られるとは思いません。」

Q:「MCについては気を付ける点はありますか。」

A:「オレ達を、そうお前らの力で、もっと上の、大きなステージへと、連れていっておくれ!」
「オレ達と、一緒に夢を叶えよう! 応援よろしく!」
現在のロックバンドでは、反骨メッセージ主張よりも上記のようなMCが多い傾向にあります。まさに選挙演説と同質ですが、当選しなければメジャーデビューという看板が付けられないし、親に納得させられる報告ができないので、みこしを担いでもらうことを嘆願できる能力が問われます。





ロックってなんなのか、
分からなくなってきました。

ロックの定義があるとすれば、
それは定義しないこと。
他者による定義付けからの自由、それに尽きます。

すなわち、誰かに
「おまえの演奏はロックじゃない!」
と言われても気にする必要は一切ありません。

その誰かにとってはロックじゃ無かったとしても
(またそのことを他人が否定できる権限もない)、
それがあなたにとってもロックじゃないかどうかは
全く関係のないことなんです。

つまり、ロックかどうかを決めるのは各個人の心であり、

つまり、、ロックかどうかは、

人それぞれ、ということです。あれ、、話終わっちゃった。。。

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追記
知り合いから、
「C委員長とABE首相、それにE-C-BA元幹事長では
誰が1番ロックしてるの?」
と聞かれ、答えに窮しました。
ロックは当たり前ですが音楽ですから、制作してみることに。。
(超久し振りにロックフレーズ弾いたような)

取り扱い注意的な動画になってしまっていますが、
政治的意図ゼロで、純粋に音楽的視点に立った
与党・野党別ロック測定となっておりますことを予めご了承の上でご覧下さい。

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なぜオレは長髪だったのか、マスキュリニティという側面マジか?

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  ダイエースプレー、目黒鹿鳴館
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楽屋がダイエースプレーの煙で白くなる頃
私は自前の化粧箱からドーランを取り出して顔に塗り、
アイラインを引いていました。
頬にはうっすらとを。
アングロサクソンの造形を意識して
少しでも高く見えるよう鼻筋に陰影を付け
パーマを掛けたワインレッド色の長髪の枝毛を気にしながら。

そして目黒鹿鳴館のステージの幕は開く

20180825-1

モトリークルー新譜のBGMが消えた瞬間、

「ンドドン、パンッ! ジャーンAコード白玉伸ばし(ただし実際は半音下げなのでA♭)

メンバー多少スキップしながらステージ前側へ移動

中指立てて観客威嚇

客席後方を指差し(でも実際は暗くて誰が誰だか分からない)
特に意味も無くうなずく仕草

ヴォーカルが裏声と地声のミックスボイスあたりでMC開始

2曲入りデモテープを用意しているぜと業務連絡
(当時はCD-R普及しておらずカセットテープ)

地底を這う重低音のツーバス連打が始まる

地獄のピック弾きベースがルート音を刻む

ギターは3弦2フレットのトリルを繰り返しながら、
右手を触れさせつつ動かしながらハーモニックス音を出す奏法

頭を振り乱しながら舞う長髪を、バックライトが照らし出す
20180825-2

....この、最後の一行のために髪の毛を伸ばしていたのだ
と長年思ってました。あるいは、
オジーオズボーンにいたギタリストジェイクEリーが長髪だったから
というのもきっと大きな理由で。

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  長髪のデメリットを超えて
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東京都国分寺市にあった喫茶シャノアールの面接に受かったものの、
髪の毛を短く切れないという理由で断りの電話を入れました。

メタルバンドをやっていた大学の先輩の岡田さんは、
長髪を隠すためにカツラをかぶって教育実習に行ってました。

湘南沿いの道を歩いていたら、
後ろから近づいてきた車にナンパされそうになりました。
横を通り過ぎたところで、
「なんだぁよ、男かよ、チェッ」と捨て台詞を吐かれました。

このように実生活に於いて男子の長髪がプラスに作用することは
特にありませんでした。

唯一、交通警備のバイトで長髪を見かけると、
メタル属かどうかの判別が容易だというメリットはありました。
「もしかしてライブとかやられてますか?」
と勇気をもって問いかけても100%の確率で当たっていました。
つまりメタルか否かの判別道具としては明らかにプラスに働いていたのです。

これがパンクスだと大変だったと思います。
ハーレー属との区別が困難だからです。
ハーレー属にもメタル風の長髪はいますが、
濃いぃ男性ホルモン臭が感じられ、
私には嗅ぎ分けることができました。

ギターを始めた頃にコピーをしたギタリストは
例にならって多くがメタル系で、
バックライトに長髪が照らし出された立ち姿
これがエレキ・ギターとセットになっていた。

長い間、そう信じて疑わなかったのです。

そういえばジャズ系、フュージョン系にも長髪ギタリストはいます。
パットメセニーなんてモジャモジャで毛量も無茶苦茶ありそうです。
20180825-9
でも着てる服は間違ってもメタル系じゃないです、それにアクションも。
スケールだって全く違います。
大きい小さいじゃないですよ、使用するスケールが違うって話です。

メタルに近いスリム度といえば、
一緒に演ってたジャコパスの方が勝ってました。
でもジャコもまたメタル系とは趣を異にしています。
20180825-10
少し南米っぽいテイストといいますか。
まあそれ以前に、あの透明なハーモニクス音は、
メタルの埋められた音空間の中ではきっと映えません。
やっぱりアイアンメイデンにはパットメセニーとジャコは合わない気がするのです。

までもこんなことだらだら述べるために書いてるんじゃありません。

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  レッグウォーマー
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私にとっての長髪イメージの先には
常にLAメタルがありました。
なんなら必須アイテムにレッグウォーマーさえ装着して。

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のちに、レッグウォーマーをLAメタルで流行らせた張本人が、
隣のスタジオでダンスの練習やってて、
その恰好をなんとなく真似てみただけなのよ、
それを周りが真似し出してさ、ぷぷぷ(笑) ←確かに笑っていた。
とインタビューで語っていて、
レッグウォーマーを夏なのに装着してステージに立ってた自分を振り返りながら、
なんとなく萎えました。

LAメタルのリストバンドや
ステージ上での白いスニーカー
レッグウォーマー
ピチピチのレオタード
というのは、完全にファッションというか思いつき
の延長線上にあったのかと。

ロケンローラーのポマードリーゼントもファッションなのかも
しれないですけど、
なんかちょっと気軽さとか加減で違いがありそうな気がします。

そういえば北欧系メタルの人は、
白いブーツが多くて、
それ以外のメタラーは、楽屋入りの普段着では
タイトなGパン+黒のコンバースがまるで制服でした。
真夏のスーパーロック’84に
革ジャンと白ブーツで観戦したオレが言ってますので確かです。

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ここまではすぐ分かりそうなことだし、
別にメタル一般のスタイルを外見総括して終わりたいわけではないのです。

こんなところだけで何年間も髪伸ばしてた理由が解せない


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  マスキュリニティという側面からの回想
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最初に断っておきますが、下記に述べていく性差などはあくまでも一般的な通念であり、自己分析に過ぎません。細かくみていくところのトランスジェンダーなどにもあてはまるとか否かは全く言ってませんので悪しからずご了承下さい。


マスキュリ、、、、キューリでもないわけですが
いわゆる男性らしさを示す言葉です。
慣れない言葉ですが、その辺りから相当する記事を見つけました。
ちょいムズイので少しかいつまんで
自分なりに流れを示してみます。


ダーウィン(いきなりここからきます)の主張から
苛酷な自然の中で種を保存しながら生きるため、
男性というのは闘争・暴力的な側面を刷り込まれている

社会においては身体的・体力的な優位性をスーツで封じこめてはいるが、
いったんスーツを脱ぎすてると
そこには強き者に対する憧憬が存在
スーパーマン然り。アメフト選手の分厚い背中然り。
それはスポーツというくくりで昇華されている
  ↑↑まことに健全!!

で、そういう男性を潜在的に女性は求める傾向にあるため、
身体的に強い男からはじかれてしまった男性陣は行き場を失う

そして女性に対して憧れと同時に
怯えるような気持ちを抱く(恨み節?)

・そこで大音量アンプの登場!
・鋲打ちベルトでマッドマックスさアピール!


生存競争に体力的に負けてる人が
でかい音が出る凶器と衣装で武装して蜂起した!

(ちょっと言い過ぎかもしれない)

でもこれだけだと
長髪にする理由が分からない。
だって、ケンカになったら
長髪は髪の毛引っ張られて明らかに不利だから。
メタラー全員がスキンヘッドだったら、
それはそれで納得しますが。

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  女性への嫌悪と内包 そして完全存在への希求
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鹿鳴館の楽屋で化粧をしていた30年前、
楽屋入りの時に挨拶してたなんとも映えない顔したギタリストが、
化粧と衣装によって別人の如く変身する姿を何度も見ました。
それこそ歌舞伎くらいの変わりよう。
そしてステージではスプレーで逆立てた髪の毛を
振り乱して女性客を挑発してるのです。
まさに長髪で挑発!みたいな。

体格も貧弱でひょろっとしてて、
しかも絶対モテなさそーな顔してる人が、
化粧で化けて盛り髪まくりのキャバ嬢のような雰囲気になって
女性を挑発する。しかも大音量の布陣を後ろにしたがえて。。

なんかこの屈折感というか。
でも考えてみればちょっと分からないでもない。

ちなみに僕は現在178cmくらいありますが、
ギターを弾き始めた高一の時は160cmくらいで
クラスで一番前でした。そして当時のあだ名が
チャイルド。
バスケ部の奴らから、「チャイルドー!」と背中を押されて
よく倒れていました。。。。
だからよけいに気持ちが分かるのかもしれません。


さてこれら(自分含めた)貧弱男は、いくら頑張っても
背中が分厚い笑うと白い歯キラリ清涼!みたいなラガーマンにかなわない。
筋トレしても身長は特に伸びるわけでもない。

でも、でもでもでも、
運指練習すればハイウェイスターくらいの速弾きならたいていいける!


さてここでRobert Walser氏は厳しい言葉を並べています(以下引用)。

「ヘビメタ」ファンは圧倒的に10代の男性、
それも社会的・身体的・経済的な力を欠いた、
男社会の「負け犬」的存在であるとする。
またヘヴィメタルは女性蔑視や女性嫌悪の裏に、
女性恐怖を隠し持つジャンルでもある。
女性は男性の自己抑制を脅かす存在として、
性的な不安の源泉として常に立ち現れる。
従ってヘヴィメタルの歌詞やビデオに登場する女性たちは、
男性の幻想が生み出すエロティックな存在であると同時に、
男を脅かすファム・ファタール的な存在でもある。

(※ファム・ファタールとは、男を破滅させる悪女のこと)


メタルが青春の中心だった自分には刺さりまくりの言葉が並んでますが、
かみ砕くと↓こんな感じでしょうか。

モテないコンプレックスの塊だったある男は
女性を嫌いではなかった、いやむしろむっちゃ好きだった
ある日好きになった女性にコクったら、
「テメエみたいなひよわな男、あさって来いよ!」
と罵倒され、女性不信に陥った。
バランスを欠いてしまった男には自己防衛機能が働き、
それはやがて女性を蔑むような気持ちさえ抱くに至った



女性蔑視や女性を嫌う人のことを
ミソジニストと呼びます。
味噌汁が好きなミソシラーとは天と地ほど意味が違いますね

でもそれは罵倒されたりのコンプレックスの裏返しでもあったりして、
性欲が消えたワケではない。
↑そこがポイントですね。

そして次の文章がさらに厳しい(以下引用)。。

「このセルフ・コントロールは音楽的には、
「ヴィルトゥオーゾ」信仰(名人芸的にテクニックをひけらかすこと)や、
ファン自身の演奏活動への傾倒として現れる。
彼らは高度な演奏技術を獲得するために
禁欲的なほどの努力を重ねることを厭わない。
だがこの女に脅かされる男たちは、
自らの性的能力の欠如や男としての自信のなさを露呈させる存在として
女性を意識しミソジニストとなる。」


■ ヴィルトゥオーゾ信仰(名人芸信仰)
→コンサート中盤での超速弾きテクニックの披露タイム?
「すげぇ、すげぇよ!!速過ぎてもはや白玉にしか聴こえないぜ!」

■ 彼らは高度な演奏技術を獲得するために禁欲的なほどの努力を重ねることを厭わない
→10代の頃は部屋にこもって1日8時間は練習したよ(とインタビューで誇らしく語る)

ちなみに自分は名人と言われるテクニックには全く達していませんが、
それに憧れる気持ちは確かにあります。
そしてメタルが、特にその演奏スキルを注視する傾向が強いのもなんとなく分かるような。
しかも速弾きは、ある種問答無用的に分かりやすいテクニックとは言えると思います。

さてその先は、、
もうぐうの音も出ないような文章が続き息もできないので、
ここではそれを要約してみます。
(要約といっても自分主観の言葉なので読みたい人は文末のリンクたどって下さい)

女性敵視や女性蔑視といういわゆるミソジニーは
暴力的な性衝動へと走らない
→その貧弱な体格も関係してるのかもしれない。。

現実の女性からの逃走と同時に、
女性的なものを内側に抱え込むことで
完全な存在になろうとする


長髪.....長髪!!!!??? そして化粧などといった
女性的な記号を身にまとうことで
外見が中性化、ていうか男性と女性の両面が表出?
そういえば中性的なイメージ出してるミュージシャン、、多いような。
までもデヴィッドボウイはメタルじゃないし。

つまり、
男性という性の希求のあまり、
それの敵とまで感じている女性を内部に取り込み
一体化することで女性を消し去り、
やがては完全存在になることを希求


そして完全存在を目指すので
それは寿命が無いことを意味する

寿命が無いというのは
生のみならず
死んでても同じことである。
ただし、死に向かって生きてる、
というような普通の生き方というのは変化があるのでそれに当てはまらず。

生と死のどっちか。

すなわち不変。

そのことを考えると、
下記がグサグサくる人もいるかもしれない(以下引用)。

「へヴィメタルはタナトスにとらわれたイメージを執拗に産出し続ける。タナトスとは動かないこと、変化しないことを望むことであり、それはジャケットに見られる死や髑髏、墓場のイメージのみならず、常に変化を求めない音楽そのものことからも知れる。」

※タナトスとはひらたくいうと死。死への憧れとか。死んでることとか。つまり死んでたら動かない=不変

確かにメタルのジャケ写にはおどろおどろしいのが多い。。。

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ギャーッ!!!!!!

■常に変化を求めない音楽
 地を這うベースのルート音弾き、お約束のハイトーンボーカルと華麗なる速弾き。中間部でのクラシカルなコード・アルペジオ 様式美の正統継承者たる云々 etc…。。。。。常に変化を求めないというのは明らかに言い過ぎだと思いますが、伝統の継承とかそういう表現が多いような気も確かにするような(汗)。

雲行きが怪しい。
ここらで一発入れておかないとヤバイ気がしてきた。。


というように、あまりにも自分の傾向とあてはまるところがあって汗が出てきました。
でも音楽は人それぞれだし、メタルも人それぞれ

それに、
レディースメタルや男女混合メタルはどうなるんですか!
女の子にモテたいと思って始めたのに女性蔑視とか!
スキンヘッドでもろ北斗の拳の敵みたいなメタルの人はそもそも女性度ゼロとしか!
お客さんは9割女の人なんです。それを心の底はミソジニーとか言わないで!
テクニック至上追求とかいって、Hear N' Aidで唯一渋さを放っていたブルーオイスターカルトのドナルド・ローザーは?どーなるど?

ボンジョビの健康ジョギング女子的ジャケットとアイアンメイデンの水分失った雄叫び風ジャケ写は真逆なのにメタルの一言で片付けるな!

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日本人は勤勉で、アメリカ人は陽気で、ドイツ人は合理的で........
???こら!!!じゃあ日本人とアメリカ人のハーフのオレはなんなの????人種差別かい!
この飛行機事故で日本人の乗客はいませんでした.....
オレは日本在住のアメリカ人なのに日本人以外のことはどうでもいいのか?

いえいえとんでもないです。
人それぞれという結論の上で、あえて自分の場合はどうだったのかと回想しているだけで、
貴方のメタル愛やメタル歴の是非を論じているわけでは決してありません。

ふだん女装しているならいざ知らず、
ギターを持つ時に限り、
なぜか長髪志向で時には化粧までしてた自分
原宿テント村で購入したラメのストールを首にかけ
錦鯉模様のピンクのスパッツを履いて
ステージに立っていた。
バックライトに照らされる長髪
ジェイクEリーへの憧れ

果たしてそれだけの理由だったのかと
自問自答したら

なんか変なことになっちゃたよ!という経過説明でした。
そして、この説に自分が納得してるかどうかさえ申し上げないまま 
このブログを閉じたいと思います。

なお、このブログに関しまして
多数引用させて頂きました記事は下記のリンクから飛べます
こちらです
この記事によって、あくまでも自分の10〜20代が少し解きほぐされたような気がします。
ありがとうございました。

ジミヘンジミヘン言う人ほど、SNS投稿が多い傾向

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  感動の共有強制
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ライブを一緒に見ていた友人から、
「3曲目のギターソロ、まじ最強カッコ良かったよね〜」
と言われ、自分もそう思ってたので、
「うんうん、最後のアーミングとかにもグッときたし!」
と答えてまさに感動シェアモード爆発!
・・・めでたしめでたし。
でも、そうじゃない場合は苦しくなります。

返答:「あ、そうだったんだ。ごめんちゃんと聴いてなかった」
とうまく逃げられたならまだしも、
返答:「そうかなぁ、なんかチョーキングとかも音程狂ってて、リズムも前突っ込んでコケてたのに?」
などとレスしようものなら事態はややこしくなります。
友人は、自らの感動の肯定と感動のシェア強制のため
いろいろな策を講じてくることでしょう。

「てか、あそこってAm7からいきなりF7で、しっかりFのリディアン7thに変えててさぁ(以下説明続く...)」
(知らんよそんなの)


「あのソロって、エアロスミスのウォークディスウェイのソロの出だしに似ててさ、オレもそのギター・ソロコピーしてたことあるからなんか嬉しくなってさ」
(エアロ関係無いし、なんならお前がギター弾き始めた頃知らんし)

「ていうか速弾きすごくね? おまえ弾けないだろ?」
(速弾きスキルで感動?それにオレが弾けないことと関係あるんか?)

「あのさぁ、おまえって本物かどうか区別つかないのかもしれないよね。もっと掘り下げて聴いたほうがいいかもね」(出たっ!本物は別格論法)

このなんとも不幸な会話のパターンは、日常的に至るところで見られます。
あるいはこの展開にまで至らず表層上では平穏を保ちつつも、
音楽が感動の共有によってさらに感動を生む
という要素がある限り、
感動の共有強制はこれからも続いていくことでしょう。

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  感動の是正強制
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でも今回の主題は感動の共有強制ではありません。
音楽が放たれ、聴き手が受け止めた時の初期感動は、
原則的には覆すことはできない、すなわち、


覆水盆に返らず

  ↑
なんかこの諺で思い出しました。
例によって中坊時の記憶。

そうだ。

「咳をしても一人」


自由型俳句の第一人者、尾崎放哉の一句。
中学校の時くらいに授業で習ったけど、

すいません特に何も感動しませんでした
(当時はですよあくまでも当時はです)。

でも先生は、これは凄い俳句なんだ!と、
延々と説明を加えました。

普通の人が普通にしていて
たまたま喉に何か引っかかって咳き込んじゃった!
じゃ、ないのである。
だから、これにピーンと来ないヤツは何も分かってないんだ、
という感じで。。

一流企業に入り、アル中でサボり初めて会社を辞め、
友人からの厚意による支配人推薦と借金の連帯保証人という親切も反故にし、
妻も裏切りますますアル中に。。。
その上で出た一句だと言われてます(真偽の確認は不充分です)。
「そりゃ一人になるわな!」
というツッコミも飛びそうですが、

「これが分からないようなヤツは!」という勢いで
この句の素晴らしさを語っていた先生は
よっぽどこの句が好きだったんだろうと思います。
若い頃の自分と重ねていたとかあるのかな。

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  感動要素のすりかわり
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そんなトラウマ?体験が、
最初に対峙した時に理屈無く感じる印象(=感動の度合い)は、
後々の状況説明などを受けても、基本的にはあまり変わらない

ことを意識するきっかけになりました。

変わるとしても、それは変わったのではなく、

納得

だったり、

フェスに行って、
曲は全然良くなかったけど、
隣に偶然居合わせた人とデキちゃって
最高の気分になった
という感動要素のすり替わり
になったりすることの方が多いのではないかと。

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  スライ無理矢理聴かせる
■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□

どんなアーティストが好きかな会話で、
似たような場面にしばしば遭遇します。

「やっぱオレのルーツは、スライかな」
「えなにスライって?ぷよぷよしたやつ?」
「それスライムやん!...ってスライ知らないの?
スライ&ザ・ファミリー・ストーンだよ、
If You want me to stayとか聴いてみな、渋くて最高だよ」


「そうなんだ。。(すでに会話を終わらせたいモード突入)」

「ソウルとか好きなんでしょ、じゃあ絶対聴いたほうがいいって。
ていうかそれ聴いてからソウルとかファンク語れよって感じ(笑)。
スライはさ、けっこういろいろアルバム出してて云々云々云々(以後20分)
ベースのグルーヴがさ、なんといっても云々云々云々(以後20分)」


これで終わればまだいいほう。
相手がスマホとヘッドホンを持ち出して来たら
あなたは恐怖するかもしれない

そこには感動の是正強制が待ち構えているのだから

「ほら、今ユーチューブに上がってるから聴いてみなよ」

感動是正強制の一環として載っけておきますが


(いちおう聴く。でも、自分にとってはあまりピンと来なかったし、まず第一に感動しろよおい!とプレッシャーかけられている状況では、そもそも感動する態勢になりにくいこと理解して欲しいと切実な叫び)

「どうだった?最高でしょ?」
「....う、うん、まあ。。」
「シャウトとか、ベースのノリとかさ、もうなんていうか云々云々(10分)、
おまえもこういう曲作りなよ。
まあでも、このノリはスライじゃないと無理かもしれないけど(笑)」

(やばい、すでにスライと同じ高さの目線でこっち見てる.....)

「だからほら、もう1回聴いてみな、絶対いいって!」
こうやって感動の是正強制は続き、
それにイマイチな反応を続けると
おまえは、分かってないなぁという末路に至ります。
(※ちなみに話はそれますが、あくまで個人的印象ですが、この曲やっぱりベース、ところどころ前にいるなぁ...という感じです..いいとか悪いとか全然言ってませんよ!)


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  文章による感動補正の念
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で、ようやくジミヘンの話です。


レコーディングを重ね、ド派手な衣装でステージに立ち、
ギターを燃やし、
アメリカ国家をアーミングで変奏して
ベトナム戦争の当時の閉塞的な状況を.....
(いやいや、やめておきましょう、すでに説明を加え始めてる自分を確認しました)

ジミヘンはおそらく
当時はフェイスブックをやってなかったと思いますので、
ライブ後にいちいちどうだったとか語ることはありませんでした。
(もちろんインタビューでは答えていたでしょうが、自分発信ではなく他の媒体による他者発信であることがSNSとは異なります)。

ビデオも普及していなかったので、
それを見た観客は思い思いの感動を抱き、
家に帰ってLP盤にレコードの針を落とし、
ライブの模様を思い出しては感慨にふけるのでした。

まさに
音で、本能で感じろ!

それ以外の余分なものは排除するんだ!


うーん、ロックですね。

これはあくまでもなんとなくですが、
SNSロック系ギタリストって、

演奏映像の投稿をするのは全然いいんですが、
とにかく説明がやたら長いことが多いのです。
そんでもってどこかに、

「最近は、子供でもすごい速弾きする映像がアップされていて、もちろんそれはそれで素晴らしいことなんだろうけど、ロックで一番大事な個性とか、魂とか、そういうのが感じられないんだよね。技術に溺れているというかね。」

というような一文が加えられることがある。

で、その人の演奏映像はというと、
ちゃんと弾き切れていなくてグシャーッてなってて、
リズムもよれてたりする。この対比が割と鮮明。
(表現以前に、他人に向けて発信するならもうちょっと練習したほうが...)
と自然に湧いてきてしまう感情が、
その人のほとばしる魂の発露を受信しにくくしてしまいます。

でもそこに、

「今まで世の中に認めてもらえなかったり色んなことあったけど、
思いは自分なりに入れているので、このプレイで感じてもらえたら」

(出た、説明による感動調整局面)

「感情にまかせてのチョーキングもあるけど」
(単にフォームの不安定さからシャープしてるだけかと....)

などなど、場合によっては、

ロックとはどうあるべきか、の定義づけやら、
ジミヘンがいかに凄かったかの説明(に乗っかっていつのまにか自分もジミヘンと同じ目線で語り始めたりなど)

が加わり、
もうそういう余計な情報いらんから映像だけ見させてよ、
という声があがってきそうな様相を呈してたりします。

人が感動したものは後で変えることはできないし、
やろうとするものでもない。

なぜなら感動は人それぞれ違うものだから。。
そして貴方の愛するロックは、そもそも右にならえ的世の中にアンチして、
一人一人の個性を尊重していこうという思いから出発したのではないか。

一人一人 → 各人 → それぞれ

ミイラとりがミイラになってしまってないか?油断するな!
という声がエジプト探検隊から聞こえてきそうです。


以上、

それぞれだから、という話でした。

結局そこかいと。。

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注記:このブログはあくまで一般論の、それもそのうちの一つの見方、
しかも仮定に過ぎず、あなたの思考や生き方を否定するものでは全くありません。
だから、自分のこと言われてるんじゃね?と決して思わないで下さい。
それなのに、自分のことだろ!と腹を立てそうな時は、
小野のりでいさんのブログ
「そんなこと言ってねえ!ネットに増加する「なんでも意見だと思う人」の実態とは?」
をご参照下さい。
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ソロ適当だよと言う人ほど、本当に適当な人をディスる傾向

「さっきのソロ、どうやって弾いてたんですか?」

「適当だよ適当。オレ、スケールよく知らないし。」
・・という人の言葉を鵜呑みにするのは早計です。

明らかに巧いのに適当だよ、という人ほど、
マジ呑み時に本音を語り出すと、
実はきちんとコード進行を把握していて
そのコード・アルペジオなんかも気の遠くなるくらい練習していて、
スケールなども案外理論的にも把握していることが多いのです。


なのになんで適当って言うのでしょうか?

“適当”と言い放った会話の行く果てに、

「結局理屈じゃなくて、耳なんだよね。」
→「オレ、耳がいいから」

という、自慢的結論に持っていきたいがための
前フリの可能性もありますから油断はできません。


そういえば、はるか昔、
「オレ全然勉強してねぇよ」と言いながらいい点取って、
秘かに(オレはもともと出来がいいという)
ポテンシャル自慢していた中坊を彷彿とさせ、
懐かしい気持ちすら湧いてきたりします。

しかし、そんなに薄っぺらいものだけでも無さそうです。

単なる自分耳自慢ではなく、アドバイスという視点に立てば、

「どうやって弾いてたんですか?」
と聞いてくる時点でおまえは間違っている。
音楽とは、もっと本能的な衝動の発露であって、
手法よりもまずはお前が何を弾きたいのか、
そこをもっと突き詰めなきゃいけない。
つまり60〜70年代の、“本物”の音楽をもっと聴いてだね、
云々……(以下5000文字くらい)」


という、音楽に於ける本物偽物判別精神説法へのいざないとも言えます。

ただ、いきなりそこまで言うとめんどくさいオヤジと思われるので、
「適当だよ」ってまず言っておいて、
相手の出方を待っているとも思えます。撒き餌かい。

適当発言とは、トラップなのか。

あと、自己保身という視点に立てば、
準備もあまりせずに弾いてるから
少し割り引いて評価してね。

とか、

耳だけでこんだけ弾けるんだよオレは。
だから事前にもっといっぱい練習してたら
計り知れないよ。
とか、人によってはそういう用法例もあるでしょう。

これって、
「中間や期末テストはダメだけど、実力テストや模試はけっこう点いくんだよね」
というのに似てるのかな。
こういうのは自分の限界ポテンシャルをぼかす、
自身の可能性先送り症候群とも言えます。

あぁ、しちめんどくさい。

自分の胸に手を当ててみると、
テキトーとまではほぼ言いませんが、
知らない曲で弾く順番が回ってきてしまいました、トホホ.....
とつぶやくことがありますね。
「酒の勢いでヨレってますけど」とか付け加えたりして(+_+)。
これも適当、というニュアンスを隠語してるパターンなのか。
認めたくない(笑)
(オレも中坊の頃から成長していないだろうか。)
それに、あまり弾けてませんが、と前置きしても、
さすがにミストーンだらけの映像はアップしないし。



少し話がずれますが、
ジャズの難曲で名高い「Giant Steps」の初レコーディング時に、
いきなり鬼のようなコード・アルペジオを連発し、
「神がかり!」と崇拝を受けたジョンコルトレーンが、
実は事前に河原でコード・アルペジオを
超スローテンポから何百回も練習していた、
という都市伝説も有名ですが、

(それが真実かどうかはさておき)
アドリブ時に神が舞い降りてきたように思わせておいて
実はそのウラでは事前の徹底的な基礎練習があった、
という事例は無数にあります。

これはアドリブをあまり弾かないヘビーメタル系ギタリストだと非常に分かりやすく、
超高速スウィープなども、練習した分だけ表出するので、
レジェンドのギタリストも「一日8時間は練習しないとダメだぜ。」
とインタビューで普通に言い放ちます。
おお、、これはとても良心的と言えます。


ところがジャズでは、
「ピュアな衝動から創出されたアドリブ」
を重要視しているので、
基礎フレーズを事前に練習していても、
それを本番でそのまま弾いたりしないからややこしくなります。
そのまま弾くと失笑されることもあるので。

だからジャズでは、
むちゃくちゃコード・アルペジオの基礎練習を積んでおいた挙げ句、
本番ではそれを変えて弾く

ので、聴き手にとっては元がなんだか分かりません。
だから家でどれだけ練習していたのか推測がつかないのです。
しかも先に述べたように
「本能的に唄うように弾いて出てきたフレーズ」
をジャズでは志向する傾向にあるため、
むっちゃメトロノーム使って練習したんよ!
とはあまり言いたがらないようです(言う人もいますが)。

ちなみに楽器と共に声を出して演奏するジャズミュージシャンがいますが、
それがとてつもなく音痴だったりして、
「本当に心で発したイメージ通りのフレーズを弾いているのか?」
疑わしい気持ちになる場面もあるようです。
(真実はその人のみぞ知るですが)。


ブルースは、、、もっとややこしいですね。
繊細な、メジャーとマイナーを行き来するような
心のヒダを、全力出して演奏するのが
真骨頂。だからなかなかそれを適当とは言えません。

「理論はよくしらないけど、チョーキングに命かけてるから」
という言い方の方が妥当ですね。

「理論をよく知らないし、指板上の音も何の音なのか分からないけど、とりあえずペンタをキーだけ合わせておいて弾く」としても、

「適当」とは言い換えられない何かがそこにある。


さて、こんな例もあります(以下)。

誰もが知っている超レジェンドなジャズ・ギタリストが、
ライブで曲調に見事に合ったメロディアスなアドリブを
毎度毎度絶対に外すことなく披露する。

しかし実はそのウラで、


その曲に沿ったコード・アルペジオやスケール練習を死ぬほど練習
   ↓
アドリブを数十トラック自宅録音
   ↓
聴き直して良いところをコピペし、1本の良いソロを組み上げる
   ↓
自分で採譜して譜面にして、それを必死にコピーして練習
   ↓
本番ではそれを10〜30%ほど崩して演奏する
   ↓
観客「自分のスタイルを崩さず、曲調に合った素晴らしいメロディラインを創作している。まさに天才だ!」


ギタリスト本人以外、
その元となるフレーズを知らないので
その場で100%創作したアドリブに聴こえるという。

そんな門外不出の秘伝のタレ(=元フレーズ)
知りたくなりますね。


適当、という主題からやや散ってしまいましたが、
まとめに入りますと、

適当とよく言う人ほど、
想像以上に練習を実はよくやっていて
(あるいは若い頃にかなり練習していたなど)

ほんとうに適当(いいかえればデタラメ)に弾いて
ミスりまくっている人に対しては、
むっちゃくちゃ厳しい評価を下します(笑)

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適当だよと言う人ほど適当な人をディスる。

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不条理というか諸行無常というか。
つまり適当と言いつつも、
明らかに巧く弾いている人が言う適当とは、

それなりにちゃんと分析したりして、同時に
(相当良いと自負もしている)自分の耳で追える限界点も把握して、
必要な場合にはもちろん理論的な解析も用いて、
その結果の適当、とも言えるわけです。

適当と言いつつそれなりに長い年数ステージに立ち続けている人は、
適当という言葉を、感覚という意味合いで発しているような気がします。

しかもそれは客観的評価を経た上でOKとされた感覚ですから、
一般人レベルの耳よりもずっといいわけです。
それで足りないところはしっかりアナライズで補完している。
で、その補完についてはとくに言わない。。。


つーことは、適当でもなんでもないですね(笑)

10年くらい一生懸命練習していても
いっこうにカッコ良いアドリブが弾けないと悩んでいる人は、
カリスマとか、ヤツは神だ!とか言う前に、
また、あの人も適当って言ってるからオレも適当で.....などと鵜呑みにせず、
やっぱりもっと基礎をちゃんと練習した方がいいかもしれません。
僕もサボり癖あるので地道に練習したいと思います。


以上、

「まぁ、人それぞれじゃないすかね。」
と言われちゃったらそれまで、というどうでもいい話でした。


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今後もこういった斜め下辺り?のネタを書いていこうと思いますが、
自分のこと?とか決して思わないで下さいね(^_^;)
あくまで一般論の、それもそのうちの一つの見方、しかも仮定に過ぎず
あなたの思考や生き方を否定するものでは全くありません。
気になる人は、
小野のりでいさんのブログ
「そんなこと言ってねえ!ネットに増加する「なんでも意見だと思う人」の実態とは?」
をご参照下さい。
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