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2004年06月14日

大江健三郎ら、9条の会を結成

自分は日本よりも、どうしても世界の方に目がいってしまう。だから、国益とか愛国心とか言われてもピンとこない。そんなものは二の次だろうと。

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9条をポジティブに押し出していく
改憲派は、護憲派に現実をミヤガレといいますが、現実に対する認識なんぞ改正問題に関心のある人たちの間ではそんなに違いはないでしょう。戦争はなくならないだろうし、威圧外交はそれなりに有効だろうし、アメリカの側につくほうが勝ち組でいられそうなかんじです。しかし、それでいいのか。その路線でものごとを考えていくと、他の案件もどんどん矮小化していくような気がします。

  『9条の会』の記者会見で、奥平康弘氏(東大名誉教授)がこんなことを言っています。
  「9条をポジティブに押し出していく。世界にむけての意味、外交・経済政策にも活かせる意味を引き出していくことが大切だ。」

  舞台となるのが、例えば国連でしょう。対話による紛争解決を基本にかかげる国連と、9条の理念は相性がよいのですが、政府は9条を捨てた上で国連の常任理事国になるつもりのようです。常任理事国になるのだから国連軍を発動する立場上、9条を捨てるべきだという理屈もなりたちます。世界平和にはそのほうが意味があると。
  しかし、常任理事国になるのは世界平和のためでしょうか。残念ながら国益重視でしょう。
  国連の2004−2005年の予算は、約31億6000万ドル(通常予算+平和維持予算に内訳)。ただし、ユニセフや、国連難民高等弁務官事務所などはそれぞれが別会計で、こちらの方は通常予算の一部からと各国拠出による個別支援でなりたっているようです(97年で、総計45億ドル)。
  日本は国連予算の19%+ユニセフなどに自発的拠出金を毎年出しています。と、書くといかにも貢献しているように聞こえますが、実際はそうでもありません。例えば予算の半分弱を占める通常予算は、ちょうど東京消防庁の予算ほどで、ニューヨーク市のわずか4%にすぎません。
  31億+45億=76億ドル(8,210億円)。だいたいこの程度が国連全体の基本予算。こんな程度で何ができるのでしょう。官僚的で非効率と言われるも、それは国連に限ったことではありません。先進国といわれる国の官僚組織はどこも同じような批判を受けています。それよりも圧倒的に金がないことが問題ではないでしょうか。8,000億円なんぞ日本なら補正予算。最大の拠出国と胸を張るほどに貢献しているのでしょうか。ちなみに日本の防衛費は5兆円で、いまやイギリスやフランスと変わりません。
  国益のための国連常任理事国なんてどうでもいい。9条の精神でもっとお金をだして国連に力を発揮させる方がましな選択だと思います。



九条の会
「九条の会」
http://www.9-jo.jp/
「大江健三郎氏ら9人「九条の会」結成 改憲に危機感表明」
http://www.asahi.com/national/update/0610/042.html
「9条の会アピール」
http://www.jcj.gr.jp/statemnt.html#20040612
「9条の会発足記念講演会」
http://www.kenpoukaigi.gr.jp/9jounokai/20040626hossokukinenkouen.htm



国連
「国連の基礎知識・予算」
http://www.unic.or.jp/know/budget.htm
「国連人権高等弁務官事務所は2004年に5480万ドルを要請」
http://www.code-jp.org/wv/MT/archives/000022.html
「General Assembly adopts new $3.16 billion budget - no growth in real terms」
http://www.un.org/apps/news/storyAr.asp?NewsID=9321&Cr=general&Cr1=assembly



関連リンク
「Article 9 Society」
湾岸戦争直後の91年に、オハイオ大学教授のチャールズ・オーバービー博士(現名誉教授)がオハイオ州で設立。 9条の精神こそが21世紀のモデルになると提唱。九条の会とは別系統。
http://www.article9society.org/
  「第9条の会・オーバー東京」
  http://www.a9s.org/overt%20index.htm



サイト内リンク
「ピースロードを、ゆるゆるサイクリング」
http://blog.livedoor.jp/peacewordsproject/archives/9302065.html
「イラク派兵違憲訴訟は、名古屋でいっとく?」
http://blog.livedoor.jp/peacewordsproject/archives/3766955.html
Posted by peacewordsproject at 00:41│Comments(2)TrackBack(0)オルタナティブEdit



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この記事へのコメント
「会」の目的に賛同いたします。
経団連(奥田会長)の改憲策動、武器禁輸の見直し発言など
一連の動きに恐怖と怒りを覚えます。
私は、戦後の日本の大企業の「繁栄」もまた、平和憲法の
賜物だったのではないかと、考えています。
 経団連会長が平和憲法を否定するその考え方が、分かり
ません。商人が権力と結び、独占に走り、戦争を喜ぶような
風潮は、私のリベラルな立場からも、苦々しい限りです。
「経団連、お主も なかなかの悪(わる)よのう」と
悪代官が含み笑いをする時代劇のシーンが目に浮かびます。
Posted by 坂東行和 at 2004年07月25日 13:04
私も「会」に加えてください。
あの戦争で家を焼かれ、ひもじい思いをし。
兄は南方で、兵隊として、つらい思いをし、
疎開先でのつらい思い出。
それ以上に、外国の人々を苦しめた。
そんな中から生み出されたもの、それが憲法9条だったとおもいます。
私は詩人会議の会員です。
詩を通じて、9条をなくすことに反対します。
Posted by 中村信司 at 2004年08月18日 22:36