うちの近くには、小さな雑貨屋さんとのら猫がたむろする路地がある。
雑貨屋さんに入るのは気恥かしいので、いつも外からちらっと中をみる。
あたたかい灯りの下には、ガラス製の小物が行儀よく配置されている。
いつかは入ってみようと思うのだけれども、まだ”その日”はやってこない。
猫のたむろする路地は、雑貨屋さんの正面に30mほどすっとのびている。
民家が立ち並ぶ路地の奥は、やはり家があって行き止まりである。
いつも2,3匹の猫が、思い思いの場所を陣取り、ちょこんと座っている。
彼らを見るたび、猫になりたい、と思うのだけれど、まだ”その日”はやってこない。
今日も”その日”を、なんとなく、適当に思いながら、小路を抜け大通りに出る。
いつにもまして騒がしい三連休最終日。
曇天と強風の中、僕はカレー屋さんへと向かっていった。