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今月のマンスリーピックアップは女性監督・安藤ボンさんにインタビュー。
前半に引き続き後半もお楽しみ下さい。

◇ ◇

女流SM安藤ボンさんに、今回は日常に潜むエロティシズムについて広く語っていただこうと思います。井戸端会議が100倍エロく感じる秘訣や、パートナーとのSMプレイの楽しみかたまでじっくりと伝授して頂きましたよ。

─安藤監督のファンは女性が多いのですか?
「多くいらっしゃいますね、ありがたいことに。被虐願望をお持ちの方とか、レイプ願望を持つ女性は多いですよね。でも、実際にされたいとは思わないでしょうし、彼氏に求める方もいらっしゃらないでしょう。けれど、それをAVに求めている方が多いんですよね。女が女を縛ってこんな風に撮ってる作品は、私のものだけだと思うので、気軽に楽しんで頂けているのだと思います」


─特殊な趣味を持つ人だけのものではないんですよね。食わず嫌いは勿体ない?
「そうだと思いますよ。その個々のエロティックなイメージが、作品の中のエロとリンクしたものがフェチズムだと思うんです。フェチと言っても様々なジャンルがありますし、緊縛もその一部。難しいと思われがちですけど、まず少しでも苛められたい、もしくは縛りに興味がある方はまず見ていただきたいですね」



─安藤作品の作品は様々な面で女性らしい気配りが行き届いてますよね。SとMの役割りを決めつけず、自由な発想で入れ替わったりするなんて斬新で驚かされっぱなしでした。

「案外、自分はMだと思っていても私の作品を観ていて縛る方に感情移入しちゃう人もいると思いますよ。なぜって、ここにでてくるSの女性もMの女性もどちらも等身大の女性で、完全なM女でもS女でもないんです。ただ、そういう面を持ってるだけで」


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(新世界4より)


─性癖ってそう簡単に分かってしまうものではないんですね?
「そういうこと。だから、私の作品を観たことでいろんなエロの楽しみがあることが分かっていただけると思うんです。言葉でいびることも、いびられることも興奮の材料になるし、どんな女性でもそういう要素は持っているんじゃないかと思うんです。たとえば近所の寄合みたいな席で普通の井戸端会議しながら『私、あの奥さんなら縛れるなぁ』なんて妄想できるようになったら楽しいですよ、毎日が(笑)」


─視姦!?(笑)
「あははは…逆に自分が縛られちゃってる妄想してもいいですよ。そこまでエロを楽しんでもらえれば、私としてもしてやったりだし(笑)」


─作品を観て終わりじゃないんですね。その興奮が日常にまで影響するって女性ならではかもしれませんね
「それもあるでしょうね。要は私の作る作品には終わりなんてないってことですよ。あえて完結させずにずるずる続いていくであろう2人の関係性をみせるんです。そこで、寄りの映像ばかりではなく、あえて引きの映像もいれ2人の関係性を客観的にみせるようにしているんです」


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(新月より)


─ところで、一般の方がSMプレイに興味を持った場合は、どうしたらいいでしょうか?
「まず私の作品をみて自慰をしてもらって、さらにパートナーと実際にやってみたいと思ったらいきなり本格的というのは難しいのでバスローブの紐で軽く手首を縛ってみたり、スカーフで目を閉ざしてみるのもいいと思いますよ。人って視覚を奪われるだけでだいぶ敏感になるんですよ」


─いきなりマニアックな道具はいらないんですね?
「いらないと思います。まず、パートナーと身近なものを使って何をしたいか、何をされたいかを確認しあってからでいいでしょうね。道具を買いに行くのは。十分なコミュニケーションと取ってからショップに行って道具を探してみること。それだけでプレイの一環にもなるんです。精神的なものですからね、道具はその後でも」


─包帯だとまねできそうですね。
「でも、包帯も注意が必要ですよ。伸縮性のあるものは使わない方がいいです。長時間しばったままにしてると鬱血してしまいますから。私は撮影の時は伸縮しないものを使ってます。どうしても時間がかかるものですから。感覚が分からないうちはキツく縛らないことですね。あくまでアイテムも妄想の種なんですよ」


─本気で自由を奪う必要はない?
「そうですね。夫婦のセックスのマンネリを解消するとか、そういうツールのひとつだと思って貰えれば」


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(新世界5より) *荊子監督作品


─そう考えるとSMって非日常というより、日常に即してるものなんですね?
「そうですよ。日常の中にあるから面白いんですよ。私、生まれが鹿児島で実家が宮崎なんですけど、田舎ってヘンなおじさんとか名物おばさんとかいるでしょ? 自転車でふらふら走ってるだけのおじさんとか、一升瓶かかえてブラついてるおじさんとか。そういう人たちと実際に交わることもないし、何かをされたこともないんですけど、そういう社会の異物というか、人の中に眠ってる狂気みたいなものに私はゾクゾクっとエロスを感じるんです」



─普通なら目を反らしてみなかったふりをするような人達ですよね?
「でも、私は目も当てられないような気持ち悪い人とは思わないんですよ。すっごく気になっちゃうの。昨日はあっちにいたのに、今日はコッチに座ってる。何の目的があるんだろうとか考えてるとゾクゾクしてくるんです」



─なるほど、幼児体験の中でインパクトに残っている人たちを、綺麗なお姉さん(=荊子さん)に置き換えたのが安藤監督の作品なんですね?
「そうですね。そういった人たちがインスピレーションを与えていますよね。一見、忌み嫌われている人達で、大人には近づいちゃだめよと言われてる人にこそ興奮を覚えるんです。誰でもこういうものってあるんじゃないでしょうか? 狂気じみた女に異世界に惹きづり込まれて、弄ばれていたようで気が付けば自分も一緒になって遊んでいた。まさにごっこなんですよ」


─それからウェット&メッシと呼ばれる食べ物を使って弱者を汚すというフェチプレイもよく使われていますよね。これもこだわりですか?
「メッシに限らず、私は食事のシーンをよく入れるんです。食事としながら旦那がテーブルの下で奥さんの股間をいじってたりするシーンとか。それは、食べ物を使うことでイメージがダイレクトに入って来るから。卵焼きがでてくれば味とか匂いとか瞬時に想像できて、それをきっかけに映像と観ている人が一瞬でバシッとシンクロすることができると思うから。ダイレクトに伝わって来るでしょ?」



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(新世界5より) *荊子監督作品



─今後、女性にどんなエロ作品を提供していきたいとお考えですか?
「そうですね。セックス自体が低年齢化してるじゃないですか。安易にセックスに快楽を求めがちですよね。でも、私はそういう男女の肉と肉の摩擦以外のエロティシズムや官能などをもっと知って欲しいんです。そういうものを知るだけで日常ってもっともっと楽しくなると思うんです。知ることでセックス自体も変わって来るでしょうし、エロスというものが楽しくて楽しくてしかたなくなると思うんです。セックスと嫌な思いを感じた経験を持ってる女性もいると思うのですが、エロ=セックスではないんですよ」



─エロティシズムとは自己の欲望を解放することに喜びがあるのであって、セックスすればいいというわけではないと。そう考えるとセックスレスで悩んでる女性も抑圧から解放されていきそうですね?
「まさにそうなんですよ。そこで自分を閉ざしていてはいけないんです。旦那がセックスしてくれないからって、我慢する必要はないんですよ。オナニーすることをためらっている人もいるかもしれない。だから私はそんな女性のための材料になりたいんです。もっと女性はオンナの部分を解放していいんですよ。男がイメージしてる女でいる必要はないんですよ。押し付けではなく、醸す程度の女らしさでいいんです」



─では、最後に読者さんにメッセージをお願いします!
「あまり自分はこんなタイプだと決めつけないことですね。Mだとか、そういうことはね。常識に囚われないで、妄想なりセックスを楽しんでみて下さい。私はその材料になれればと願っています。女性の皆さん、肩の力を抜いてときにはエロスの世界を楽しみましょう!」



 安藤監督の描く緊縛の世界は、異次元のものではなく生活の中に潜んでいる隠されたエロスの結晶。女と女が縛りあう妖しい世界を存分にお楽しみ下さい。



(取材・文=文月みほ)


安藤ボン
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さまざまなAVメーカーで監督をしながら、自身でも独特のタッチでSMのインディーズ作品を縛師・荊子と共に撮 りつづけている。2006年には初のVシネマ『サバイブ #2』(フルメディア/バイオタイド)を監督。また映像だけではなく、緊縛ライブやロックとエロスをミックスしたイベント「Beatic Circus」プロデュース、トークイベントやパラダイスTV等出演。
2011年「東京女子エロ画祭」を主催、女性の手によって生み出されたエロスイメージの可能性を探る創作活動の発信とその支援を目的に、広く一般女性より作品を募集し、上映するイベントを開催。監督演出以外にも多岐にわたって活動中。


PeachJoy 7月配信の安藤ボン作品

後家と隣人5
(人気男優のムーミン君が下宿のお母さんと・・!)=月額見放題

介護と性のはざまで3
(かつての恩師の介護をすることになった若い男は・・)=月額見放題

介護と性のはざまで4
(こちらもムーミン君が出演。勃起不全の夫を奮い立たせるためにとった妻の行動は)=月額見放題

新世界4 黄色い泉の女=単品販売

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新世界6 曝されたパート派遣外交員、熟した恥部に喰い込む股縄=単品販売

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