2009年10月26日

Platinum “Pocket Cherry” 22K

プラチナ ポケット・チェリー 22K   
Platinum Pocket Wood 01  今回お届けしますは、ガマが勝手に“ポケット万年筆の女帝(万年筆は“嫁に行かせる”とか、女性に例えることが多いので……)”と勝手に命名している万年筆になります。
 材質は不明ですが、紛れもない“木軸”のポケット万年筆です!
 モデル名は分かりませんが、ペン先が22金(!)であることから、おそらくプラチナポケット22の木軸バージョンであると考えられます。
 但し、ガマがこれの他に所有しているプラチナポケット22の黒樹脂軸(通常のポケット万年筆です)と比較すると、もう一回り太い軸になっています。
 さて、この木軸のポケット万年筆、実はペン先が14金のバージョンはヤフオク等で何度か見かけたことがあったのですが、ガマが見ていた限り、その落札価格のほとんどは諭吉越えという、とんでもなく“お高い”ポケット万年筆でして、何度か落札にチャレンジしたものの、正直「こんな額は絶対に無理っ!」と、その入手を諦めていたペンだったのです。 Platinum Pocket Wood 03
 ところが、運命の巡り合わせというものは数奇なもので、今年の初旬くらいにカーボンやチェリーと共に訪れた津山のタツヤ万年筆の店の奥の棚にひっそりと、この娘が鎮座していたのです! これを見つけた時の心臓のバクバク感といったら、今でも忘れられません……。
 当然すぐさま店の店主に、「アレって売り物ですか?」と指を差して聞いたのですが、店主は「あぁ、あれ? あれは売り物じゃないなぁ」と最初は取り合ってくれませんでした。
Platinum Pocket Wood 02  「やっぱり駄目かぁ」と思ったのですが、どうも店主と話を続けていくと会話が噛み合わない。そして、店主が「あれのキャップは銀だし、パイロットの中では珍しい万年筆なんだよ。あれは売れないなぁ……」ということをボソボソと言った時、「ん? 何の話をしてるの?」と、奥の棚をもう一度よく見ました。
 すると、この木軸のポケット万年筆横に総銀軸のパイロット・エリートのショート万年筆とキャップのみが銀で作られているパイロット・エリートのショート万年筆が鎮座しているではないですか!
 「こんなのものまで隠してあったのか!w」と正直思いましたが、ガマにしてみれば“木軸のポケット万年筆は売れない”と店主が言っていたわけではないことを確信したので、気を取り直して再度交渉をしてみることに。
 もう一度、「いや、そのエリートではなくて……あの木目調のポケット万年筆は売り物ですか?」と店主に尋ねると、「ん? ああ、これ? こっちは売り物ですよ。高いけどね」という大変有り難い言葉を頂きました。
 「やっぱ、高いのか……」と、その言葉を聞いて、かなり身構えてしまったのですが、それでも欲しい万年筆だったので値段を聞かないわけにもいきません。恐々と「幾らですか?」と聞いてしまいました。
 すると店主は「これは昔のポケット万年筆の中でも最高級の部類に入るからねぇ……当時(昭和30年代)の定価5000円からまけることは出来ないんだよ。ポケット万年筆にしたら、きっと高いと思われるだろうけどねぇ」と、まるで信じられない御言葉。当然、すぐさま5000円+消費税を店主に支払い、この娘を見受けしたのは言うまでもありません。
 万年筆が好きな方にとっては当然のことなんですが、今時、5000円なんかで木軸の万年筆、しかも22金の金ペンなんて絶対に買えません。本当にこれを入手できたのは、発売当時の値段で売ってくれたタツヤ万年筆の店主サマサマです。このプレミア価格は決して付けないという辺りが、昔から“万年筆屋”の暖簾を掲げているお店のプライドとも言えるところでしょうか……。掘り出し物が無いかと、あちこちの万年筆屋を巡っていると、往々にしてこういうことがあります……。
 その後、店主(このお爺ちゃんも筋金入りのコレクターでしたw)と万年筆談義で意気投合し(倉庫から出てきたという昔のパーカーのメモパッドみたいなものまで頂いてしまいました)、“売り物ではない万年筆”を百本以上じっくり見せて頂きました。その中で一番衝撃だったのは、パイロットの48本入りのケースにびっしりと敷き詰められた赤軸のパーカー21の山だったんですが(最初パーカー51かと思ったんですが、どうもパーカー51は店主自身に思うところがあったようで、全て手放されたということでした)、それ以外にも国産万年筆の希少品を沢山見せて頂いて、とっても眼福を味わった一日になったのを今でも覚えています(カーボンも木軸のポケット万年筆を手にして幸せ一杯のガマを余所に、クアトロやらホスカルのBニブやら、かなり珍しい部類の万年筆をしっかりゲットしていましたが……)。


 何だか、このペンにまつわる思い出話みたいになっていますが、この万年筆は今でもガマ自慢の一品です。おそらく、インクを入れて使うということは今後もないと思いますが、今でも眺めて、その美しさに惹き込まれてしまう最高の万年筆になります。
(木工に詳しい方で、この木軸の材質が何か分かる方は、是非とも教えてくれると有り難いです。宜しくお願いしますm(_ _)m)


先日、日本を代表をする万年筆コレクターである、すなみまさみち先生からまたもや当ブログにメールを頂き、モデル名が判明致しました。
 “プラチナ・チェリー”というモデルだそうです。発売年は1972年とのことで、これまた貴重な情報を頂きました。当然、名前から分かると思いますが、軸は“桜木軸”であるそうです(なんとおめでたい木!)。  尚、これはガマの無知さ故なのですが、俗に“ショートタイプ”の万年筆と呼ばれているものは、パイロットでは“ショート”、プラチナは“ポケット”、セーラーは“mini”という呼称であるということも御指摘頂いたので、それも合わせて正確な呼称になるよう、記事の修正を行っております(すなみ先生、御指摘有難う御座いますm(_ _)m)。 !
(2009年12月2日加筆)




by ガマ


pen_parade1000 at 00:10│Comments(2)TrackBack(0)国産万年筆 | 金ペン

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この記事へのコメント

1. Posted by 白髪猫   2009年10月26日 21:53
こんばんは
なんてうらやましい。
ショートで木軸って、見当たりませんものね。
しかも22K!
ぼくも近郊の文具屋は一通り回りましたが、
万年筆自体を置いている店が絶滅危惧種です。
2. Posted by ガマ   2009年10月27日 23:21
白髪猫さま

 ガマです。
 確かに、最近は文具屋でも「万年筆」と口走った途端、「もう置いてないよ」と言われることが多くなったと思います。
 もっとも、意外と大きな文具屋では確実に復権してきてるようにも思うんですけどね……でも、そこにあるのは現行品ばかりで、特段惹かれないわけで……もうこうなってくるとジレンマですねw

 22Kのプラチナ・ポケットはそんなに珍しくないと思います(結構、フラッと行った古い文具屋に結構残っていたりします)が、木軸はこれ以外、売っているのを見たことがありません。自力で見つけたという点でも、自慢の一品ですね。

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