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希望の地層化のために

宮本 弘典(関東学院大学教授)

 

 年若い知己から嬉しい便りがあった。

「『希望』を語る言葉は、終わりなき苦しみのリストの最後に来るのだ。すなわち、耐えがたさの極点においてなお残されてあるもの、災厄をなめつくした果てに向かいあうもの、それが『希望』にほかならない」(市村弘正『小さなものの諸形態』)

 われわれの希望ならざる希望の「地層」へと辿りつくために私たちは、また幾つもの失敗とその『古典』化の努力が必要です。『もう一度やってみろ。もう一度失敗しろ。ただし、うまく失敗しろ』(ジジェク『ポストモダンの共産主義』)」


 被告人の皆さまとご家族に、そして息長い支援者の皆さまの希望を語り育てる道程の困難と尊さに思いをはせています。

一つひとつの里程が希望を指し示すものではなくとも、未来に向かう眼差しと意志と歩みが、希望の地層化の実践であることを信じています。

今年も皆さまに倣って、その実践に努めたいと願っています。

「無罪!」第81号より2月 紅梅2