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労働組合とともに
中野貞男
二十歳台半ばで大病を患い、ほぼ五年間を療養生活で過ごした。その後上京して勤めたのが、社員総数百二十人ほどの小さな化学薬品工場だった。
入社まもなく労働組合結成の動きがあり、集会が開かれた。新参の私が委員長に選ばれたのは、能力や指導力ではなく、集会でちょっと発言したことがきっかけとなり、委員長を押し付けられることになってしまった。
そんなことは十分承知していたが、あまりにも低賃金でかつ労働環境の劣悪さに怒りを覚えたので委員長の職を引き受けることにした。
労働基準法や労災補償法は少しは知っていたが、労働組合法に関しては全く無知だったので早速図書館へ通って勉強しなければならなかった。
ベースアップ闘争の最初は経営者側から高圧的脅迫を受けたり、泣き落とし作戦をかけられたりで怖気づいたり、戸惑ったりの経緯をたどったがどうにかこうにか成果を挙げることができた。
最後まで私は冷遇されたが仕事には誇りを持ち、他の社員とは仲良く楽しい会社生活を送ることができたので、苦しみながらも幸福だったと自負している。


