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竹見 智恵子(ジャーナリスト)
去年暮れ、信じられない文字が新聞紙上に躍った。辺野古移設に関する環境アセスの提出時期を聞かれた防衛省の高級官僚が「犯す前に『犯しますよ』と言いますか」と言ったそうだ。この人物の品性がわかる。
この発言が女性や沖縄市民への蔑視だとして、一川防衛大臣も野田総理も「それが事実なら言語道断だ」と、さっさと防衛局長を更迭してしまった。そのすばやさ! 犯人隠しが上手い。自分たちも大差ない品性の持ち主なのだろう。
繰り返される政治家や官僚の差別発言にもあきれるが、驚いたのは、記事を書いた記者が「オフレコ破り」と責め立てられたことだ。記者は、年内のアセス提出が避けられない以上、かならず「オフレコ取材」の場でクニ側の本音が出ると見て会見に望んだにちがいない。案の定、本音が出たのでそれを書いた。記者としての本道を行ったまでだ。
原発事故でも、外交問題でも、大事な話はすべて「オフレコ」にして市民に隠す。これは権力の犯罪行為だし、メディアの死だと言っていい。この際、市民も、「真実を書かないメディアは、見ない、買わない」などと意思表示をしてはどうか。差別と偏見のはびこる社会では、裁判だって公正を期することはできない。真実に目をつぶって恥じない「オフレコ」社会とはさっさと決別したい。



