新年の挨拶 証拠を提出して頂いた方々

極めて精度が低い
福嶋さんの警察指紋鑑定

岸田悟(鳥取大学教授)

私は指紋による本人・個人認証に関する研究を行っております。

指紋による個人認証システムは、採取ユニット、前処理ユニットそして判定ユニットからなっています。それぞれのユニットの働きは認証システムの性能に大きな影響を与えます。例えば、指紋を画像として採取する場合には指圧・かすれなどによる誤差が生じ、結果として端点などの特徴点の位置や数が変わってきます。

現在、マニューシャ法による特徴点が確定していると仮定した場合、認証システムの判定器はどの程度、正しく認証できるかを定量的に求めております。

「指紋が一致する」という場合に、その認証精度(定量化)と根拠を明確に説明する必要があると考えられます。理論的には天文学的数値となる認証精度も、指紋画像の不鮮明さなどの誤差を考慮すると、そうではなくなります。

こうした観点から、福嶋さんの警察指紋鑑定について指紋認証装置を用いて検証しました。その結果、「万人不同」とか、一千億分の一とかいう精度で福嶋さんの指紋と一致したという警察の指紋鑑定が、実際には極めて低い精度でしかないことが判明しました。

今年も宜しくお願い申し上げます。

『無罪!』第93号(2013新年号)より