春遠からじ
渡辺ひろし
子どもの頃は一日が長かった。なかなか夕方にならなかった。近ごろは一年があっという間に経つ気がする。いまさらながら少し考えた。
やはり日常習慣事に忙殺されて時が経つのを忘れるのだろう。
という訳ではないが、やや自分なりに考え、判断する生活をしてみた。
昨秋から暮れにかけ野宿労働者の応援に行った。朝礼、夕礼の寄合いで色々報告し、話し合い、打ち合わせて行く。翌日はそれを行う。
と、それは長い時間だった。何度もふと「あれからまだ1週間経っていない。」と思った。そこでは1週間がそれは長かった。
時間に中味があった。滅多にないことだった。
そうだ裁判の応援もこれで行こう。
できるだけ知識を増やせば、傍聴から得ることは増すだろうし、裁判所の外に呼び掛ける力も増すだろう。
いろいろあったと思えば、短い人生も長く引っ張れる。春遠からじ。
『無罪!』第93号(2013新年号)より



