新年の挨拶・被告団のご家族

20年前にタイムスリップして

須賀陽子

昨年の暮れ、机の引き出しを整理していると、ちょうど20年前の古いノートが出てきました。須賀ら3人が獄中にいて、私たち家族がせっせと面会・差し入れに通っていた頃のものです。

その中に「東拘風景」と題して、当時詠んだこんな歌がありました。








透き通る空の青さを直角に切り取りて立つ無機質の壁



前後ろ揃いて同じ角曲がるあの人は誰を訪ね行くのか



ぽつぽつと氷雨降り来て行き急ぐすれ違う人の肩いからしつ



壁際に沿いて伸びゆく道の端名知らぬ花にそっと会釈し



ふりかえる塀のかなたに叫びたき声にならぬ出せぬ言葉を



曇天の川面低くに鳥群れて冬枯れの土手に薄日きらめく



2002年の保釈奪還から10年ですっかり忘れていましたが、ちょっとタイムスリップした気分。

当時は「絶対不可能」と言われていた保釈をかちとり、2004年の無罪判決をかちとった地平は、現在の裁判所をも依然として追いつめている。

差戻し審で政治判決としての逆転有罪を出しても、彼らを再収監できなかったのは、司法権力のそのたじろぎの現れです。

正義がどちらの側にあるかはもはや明白!

今年は、獄中38年の星野文昭さんを奪還する年であると同時に、3人の完全無罪判決戦取への扉を開く年。そして福嶋さん再審への道をこじ開ける年にしたいですね。

『無罪!』第93号(2013新年号)より 白梅2