刑法(刑事司法)の耐え難い状況
差戻し控訴審判決の罪と罰
(その1)
六月二七日の差戻し控訴審判決は、残念ながら「やはり」というべきか、茶番ともいえないほどのあざとい不条理劇に終始した。いかにも好人物を装いつつ、しかしその眼には一片の柔和さをも感じさせない裁判長・山崎学は、「凡庸な悪」さながらに俯いて判決理由を延々と読みあげ続けた。山崎のその様は、主客転倒して被告人席に縛り付けられた裁判官が、屁理屈にもならぬ苦し紛れの虚ろな抗弁を強いられているかの如くであった。
およそ二時間に及ぶその時間は、裁判官の良心に伴う矜持も、人権の擁護者としての職業倫理も、もはや裁判官に対しては「ない物ねだり」であることを改めて痛感する時間でしかなかった。「静かにしなさい!次は退廷ですよ!」と顔を上げて語気をやや強めて告げる山崎の声も、判決理由の悪辣さと虚ろさの前には、まさにニホンの刑事裁判の廃墟に木霊する、公正な裁判の挽歌として響くのみであった。
つづく



