刑法(刑事司法)の耐え難い状況

シュペー『刑事裁判官への警告』を読む〔33〕

冤罪被害と司法の罪

(その2)

宮本 弘典(関東学院大学 法学部教授)

西の無実を訴えて全国を托鉢行脚した古川泰龍は、西の無実を証明し、冤罪被害から西を生きてこの社会に取り戻すまで、「私はわらじがぬがれない」と詩を詠じた。その悲痛な決意をタイトルとする生命山シュバイツァー寺の福岡事件再審キャンペーンは、今年も10月19日から28日まで、全国八都市で開催された。

今年のキャンペーンには、古川龍樹がイタリアで出会い、古川の最審運動に深い感銘を受けて協力を申し出た三名のゲストがアメリカからやってきた。そのうち二人は雪冤再審運動を展開する国際NGOのイノセンス・プロジェクトで活動する元死刑囚と元受刑者、いま一人はコネチカット州の死刑廃止ネットワーク理事長で、同州のリッジフィールド警察コミッショナー委員長を務める現職警察官である。

つづく
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