刑法(刑事司法)の耐え難い状況
シュペー『刑事裁判官への警告』を読む〔33〕
冤罪被害と司法の罪
(その3)
三人のプロフィールを簡単に紹介しておこう。
カーティス・マッカーティ 警察の鑑定と検察の証拠隠しにより女性殺害の濡れ衣を着せられ死刑判決を受けたが、証拠のDNAが彼のものと異なることが明らかになり、二〇〇七年に再審無罪が確定し、二一年の死刑囚生活から解放された。
フェルンド・バミューデズ 少年殺害の疑いで逮捕・起訴され、検察との司法取引で獲得された被害者の友人の少年三名の虚偽の目撃証言により、アリバイ証言が存したにもかかわらず二三年の刑を受けたが、目撃証言が覆り二〇〇九年に再審無罪が確定し、一八年の収監の後に自由の身となった。
ジョージ・ケイン 上述に加えて、西コネチカット州立大学において、司法と行政部門の准教授として刑事司法の講義を担当している。
筆者もこの数年、シュバイツァー寺のキャンペーンに参加しており、今年も四都市五会場で彼らとともに、刑事司法が生み出す冤罪被害の深刻さとその救済・是正の必要性を訴えた。
彼らの話はいずれも印象的なものだった。冤罪被害者二人がともに語ったのは、冤罪が人間の悪意によってもたらされるものであること、そして「自分にとって不倶戴天の敵であろうとも、自らが受けた冤罪の被害がその者に降りかかってほしくないと思うほど、この体験は過酷きわまりないものだった」ということだった。
つづく



