刑法(刑事司法)の耐え難い状況
シュペー『刑事裁判官への警告』を読む〔33〕
冤罪被害と司法の罪
(その4)
よく指摘されるとおり、ニホンの自白依存型司法に比して、米国の刑事司法は被疑者・被告人の防御権保障が手厚く、手続的にも無罪推定や「疑わしきは被告人の利益に」の原則が貫徹されているとされる。事実、大学教員であるケインばかりか他の二人も、ニホンの刑事司法のガラパゴスぶりに対する国連人権委員会や拷問禁止委員会による批判に言及し、冤罪誤判防止に向けたニホンの刑事司法の改革と、冤罪被害の救済の必要を繰り返し主張した。
興味深いのは、米国の刑事司法においても、新自由主義の台頭によるゼロ・トレランス志向と厳罰要求の高まりとともに冤罪誤判への懸念が深刻化しており、現に一九八九年から現在まで二千人を超える再審無罪が確定し、それには一四二件の死刑判決が含まれているという。また、イノセンス・プロジェクトの推計では、二三〇万人(!ニホンは約七万八千人)の受刑者のうち、五〜一二%は冤罪誤判が疑われるともいう。
つづく



