ふくしま共同診療所 9・8報告会・報告

松江
甲状腺エコー検査から見えてきたもの
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ふくしま共同診療所院長 松江寛人

「蜂の巣」状に広がる嚢胞が多数

しかし検査していくうちに、ちょっと信じられないようなことがわかってきました。小さな嚢胞が甲状腺全体に無数に広がっているという症状が多く出てきたのです。

嚢胞というのは水のたまった袋のことで、嚢胞からがんになるということはありません。大人の場合には1〜2センチのはっきりした嚢胞が2,3個見つかることはよくあります。

ただ、福島の子どもたちをエコー検査してわかったことは、1ミリ以下の嚢胞が無数にある症例が多数あるということです。私は「蜂の巣」と言っていますが嚢胞が見つかった子どものうち、実に36%は蜂の巣のように無数にあったのです。

ここから考えられるのは、甲状腺全体が何らかに侵されているのではないかということです。それが放射線の影響ではないかと疑うのは常識ではないでしょうか。嚢胞自体はがんではないけれども、甲状腺全体に何らかの異常が起きているわけで、これから甲状腺のどこかにがんが出てくる可能性があるのではないかと、非常に心配しています。

共同診療所では、一度検査を受けたあとも6ヶ月ごとに定期的な検査を行い、甲状腺の機能が低下していないかどうかという変化を見ながら、治療にあたっていくという体制をつくっています。

つづく
チェルノブイリ4号炉 2