ふくしま共同診療所 9・8報告会・報告

甲状腺エコー検査から見えてきたもの (3)

ふくしま共同診療所院長 松江寛人

18人の子どもたちから小児甲状腺がん

 福島県全体では、18人の子どもから甲状腺がんが発見されました。手術をしてがんと確認されたのが18人です。さらに「がんの疑い」が25人です。福島医大がやっている甲状腺検査の判定基準では、結節があっても5ミリ以下の場合は「二次検査の必要性なし」とされています。しかし、18例のがんのなかで一番小さなものは5・2ミリでした。では4・9ミリはどうなのかというと、それらは完全にスルーされているので、小さながんを見落としている可能性があります。このようないい加減な判定基準は他のがんにはありません。

福島医大の鈴木眞一教授などは、「チェルノブイリで甲状腺がんが見つかったのは5年を過ぎてから」「もともとあったがんを見つけただけ」と言って、放射線の影響を否定しています。私が、超音波を使った検査を始めたのは1980年頃からです。チェルノブイリ原発事故は1086年だったので、今のような超音波の装置はありませんでした。ましてや当時はソ連です。91年頃から日本の研究者もチェルノブイリに行っていますが、それまでの5年間のデータというのはありません。91年頃から見つかったのは、超音波で検査してというのもありますが、2〜3センチと触診でわかるくらいまで大きくなったものだと思います。「事故から5年経っていないから、放射線の影響ではない」というのは詭弁です。

つづく

チェルノブイリ原発事故後

小児・思春期甲状腺ガンの発症率

小児・思春期甲状腺ガンの発症率