新年の決意・弁護団
差戻し上告審で無罪を!
(4)
山本志都(須賀・十亀・板垣裁判弁護人)
次々と露呈する判決の破綻
しかし、「刑事裁判の大原則に反する」とお題目のように唱えても、それに全く痛痒を感じない(であろう)のが、裁判所です。やはり、そこでは、裁判所の判決の論理的破綻点を具体的に指摘し、論破していくことが必要になります。
数え切れないくらいたくさんの破綻点があるのですが、紙幅もありませんし、具体的に指摘するのは上告理由書作成後にします。
冤罪事件は、裁判所が新たに判断を示すたびに、新たに冤罪である証拠が発見されるものです。特に今回、控訴審で具体的な事実主張を行ったことで、裁判所がそれを無視し、あるいは、若干の判断を示した点については、その破綻点を鋭く追及していくべきだと考えています。
私は、狭山事件の再審弁護団の末席に名前を連ねていますが、あれだけ長期間、多くの弁護団が関わってきた事件であっても、新たに裁判所の判断が示されるにつけ、新証拠が開示されるにつけ、新たな「これは」という新論点、無罪を示す切り口というのが見つかっています。裁判所が無理矢理こじつけの判断を下さざるをえなかったところが、判断の弱点なのです。
証拠開示を含め、できることを全てやり尽くしたといえるように、最高裁での最後の闘いを展開しましょう。
『無罪!』第105号より
鈴木たつおとともにあゆむ会
スケジュール