あれはライトニング

カッ!!ドゴオオオオン!!!
激しい閃光とともに轟音が響き渡り、大爆発が巻き起こった!
その爆発により建物は全て吹き飛び、1つの町が一瞬にして壊滅してしまっていた。
やがて、まだ煙が立ち込めている廃墟の中に1つの人影のようなモノがゆっくりと起き上がる・・・すでにその身体はボロボロのようだった。
「クッ!・・・・じゃあ・・・今までの事は全部、全部本当の事だったっていうのかよ・・・そんな・・・・嘘だ・・うそだあああああ!!」

僕は汗でにじんだ握りこぶしをしたまま身動き出来なくなっていた・・・。
目の前には、昨日予約録画していた『大人気だったあの伝説のロボットアニメ』の続編、「絶叫怒号 ビオ・カム!」の1stシーズン最終回がTVから流れており、ボロボロになっている主役ロボを操縦する主人公が絶叫している。
先週のクライマックスシーンの後、本来ならUPテンポのイントロとともにオープニング映像が流れ始めるのだが、今回の最終回ではタイトルバックのみが出てそのまま本編に突入した。
これはただの演出の場合もあるが、大体はオープニング映像の時間を割き、本編(ストーリー)の尺を少しでも延ばして内容充実させようとする監督、または担当演出の試みだ。
そして物語はいよいよ佳境へと進み、やがて訪れる衝撃の結末・・・・・2ndシーズンへの伏線を含みつつエンドロールが終わった。
「う~んそうきたかぁ~・・・。 」
その結末にイマイチ納得が行かず、ゴロリと横になると目を閉じ想いにふけっていた。
しかし間もなく、身体をおこし作業机に向かった。

「さて、と・・・。」

軽くため息をしつつ、改めてさっきまでテンションが上がる原因だったモノをダンボールから取り出した。
それは僕が購入した『大人気だったあの伝説のロボットアニメ』の限定フィギュアの中になぜか一緒に入っていたちょっと変わった(?)可愛らしいピンクの封筒である。
さっき勢いよく開封をしたものの、どうも中身を確認するのに踏ん切りがつかず悩んでいたが、「絶叫怒号 ビオ・カム!」の1stシーズン最終回の録画分をまだ観ていなかったのを思い出し、そのままにしていたのだ。

改めて先程勢いよく開封したその薄いピンクの封筒をよく見ると、様々なハートの模様があしらわれてめちゃめちゃラブリーだし、その中央の部分の「寿本 様」がわざわざ手書きで書いてある・・・。
今までのパターンだと購入内容の明細書か請求書が入っていたとしてもこんなカワイイ封筒なんかではなかったのだ。どう考えても何か意味深だった。

「・・・・・・・よし」

しばらくの沈黙の後、僕はその謎のピンクの封筒の中身を徐々露わにしていく。
そしてついに中身が封筒から取り出し確認をすると、どうやら手紙らしきモノが2、3枚程あるようだ。
意を決し、まず1枚目を開き読んでみる。

『寿本様、いつも当店をご利用いただき誠にありがとうございます。本当に感謝しております。そこで今回当店では、『クリスマス特別感謝祭』といたしまして当店のみでご利用になれるスペシャルなクーポン券をご用意いたしました。どうぞご利用くださいませ。』

「クーポン券?今までそんなの一度もなかったのに」

一度手紙の本書から、同封されている領収書やクーポン券の方へ目をやる。まず領収書だ、『お買い上げ商品代18000円、送料0円、合計金額18000円 総合ホビーショップ ライトニング工房』。
続いて、クーポン券だ、3枚ほど入っている。
1枚目『商品用5000円』
2枚目『工具用5000円』
3枚目『デート用?円』

「・・・・・・・なるほど」

3枚目にかなり引っかかかるものがあったがあえてスルーし、
再び手紙へ視線を戻し読み始めた。

『あと、大変申し訳ございませんが、クーポン券には使用期限がございますのでご了承ください。それではご利用をお待ちしております。通販担当 田中沙希』

手紙を読み終えると自分の期待してたものと違っていたのかちょっと肩すかしをくらった気分になったが、それがなんだかは自分でもイマイチわかってなかった。とにかくクーポン券に再び目をやり有効期限とやらを確認すると、商品用や工具用は来年の1月末までのようだ。
問題は3枚目のデート用クーポンだ。どうせ女っ気がないんだろうとバカにされている気分にもなるが、せっかくなので確認してみると、今年の12月25日までだ。普段クリスマスのイベントなどは関係がないので気にしてなかったが、ふと携帯の日付を見てみた。

「このクーポン券今日までじゃないかよ!」

僕は、再び汗でにじんだ握りこぶしをしたまま身動き出来なくなっていた。




完結編につづく

眩い光とともにその箱は開かれた(ような気がした)!そこには、「大人気だったあの伝説のロボットアニメ」の限定フィギュアがあった・・・・・たしかにあったが・・・なんか小さくね??
外箱の大きさに反比例して、やけに小さい箱が回りを新聞紙に敷き詰められ存在している。
何度目だろうか『もう!また内容を確認せずに購入したんでしょ?バカね~。』と、もし彼女がいたら言われるのだろう、僕は無意識に小さな溜め息をついてその箱を取り出し、続いてその中身を取り出していく。

コレクターにはそのまま未開封、もしくは中身の確認だけをして保管する人が多いだろうが、僕は取り出してディスプレイをしなければ気が済まないタイプだった。
(うむ!)
たしかに購入前にネットの写真で見た通りの物だ。設定ではなく、「大人気だったあの伝説のロボットアニメ」の画面でのイメージをよく再現していて実に格好良い!手のひらサイズの大きさだという事をを除けば。
「これが1万8千円かぁ・・・・・・あれ?」
よく見ると何やらダンボールの箱底に、手書きで書かれた買主宛にであろう、明らかにこの箱には不釣り合いなカワイイ封筒が入っていた。表に『寿本 様へ』となっていたし、色々2、3秒程考えたが気になって仕方がないので、僕はその封筒もすかさず開封した!

つづく



窓からの強い日差しが僕を現実の世界に誘う・・・すかさず頭にある言葉が浮かんだ・・・
(プラモ日和だ・・・・・。)
朝?昼か?よくわからないが今日はよく晴れているようだ。
パイプベッドから上半身を起こすと、右手はメガネを探し左手はTVのリモコンを探し始める。
今日はどちらが勝つだろう・・・あ、リモコンが勝った、などと思っているとドアから何か音が聞こえてきた・・・。

コンコンコン・・・・・・コンコンコン・・・・・・・・・「スモトざん、お荷物でふゴホッ!、ゴホッ!」
ドア越しからの強い咳こみが僕を現実の世界から突き放す・・・やがてある言葉が浮かんだ・・・
(僕は「スモト」じゃない、「コトブキ モトハル(寿本晴)」だよ・・・。)
宅配便の兄ちゃんに変な病気を伝染されたくはないので(たぶん風邪だろうが)、100円ショップで買ったマスクを掛けさっさと荷物を受け取った。
それはかつてTV番組で大人気だったあの伝説のロボットアニメの限定フィギュアが入っている(であろう)、ネット通販の「ストロン」のダンボール箱だ、僕はすかさず開封する!

つづく



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