October 19, 2005

Private4

Private

イタリア人監督による、突然イスラエル兵に自分たちの家を占領された家族を通してパレスチナ問題を描く作品。

ムハンマドはパレスチナに住む学校の教師。できるだけ紛争からは距離をとり、それなりに充実した中流といっていい生活をしていたが、ある日近辺で起きた紛争のため彼と彼の家族の生活は一変する。イスラエル軍が突然、高台にある彼の家に踏み込み、占拠して監視塔として彼の家を使用すると一方的に宣告する。家族の反対にもかかわらず家に留まることを決意したムハンマドだが、我が家の片隅に押し込められ、自由に自分の家の中も歩けない生活が始まる。彼の家族、特に決意盛んな息子と娘はそんな彼の姿に失望してイスラエル兵に対して戦うべきだと主張するが、ムハンマドはひたすらに黙従の生活を彼らに強いる。痺れを切らした娘はイスラエル兵が占拠していて立ち入り禁止となっている2階へと忍び込んで彼らの様子を探ろうとするが・・・・

これは非常に小品のこじんまりとした映画であるにもかかわらず(映画は殆どこのムハンマドの家の内部でだけ進行する)、見事なまでにパレスチナ問題全体に対する描写をしている映画だと思う。長い間自分達が平和に住んでいた家に突然武力を持って侵入・占領したよそ者、それに対するパレスチナ人各自の対応。自分の家であるにも関わらず、イスラエル兵によって一方的なルールと立ち入り禁止区域を決められ、立ち入れば射殺される、またそのために広大な家のごく狭い一室に閉じ込められて自由にトイレにも行けないなどという描写は、パレスチナ全体の姿のメタファーであることは容易に了解されうる。映画の中で、家の外の世界で何が起こっているかは殆ど主人公達にも観客にも知らされず、閉じ込められた暗闇の中で恐怖におびえながら暮らす感覚を共有させられる。

またこの映画が一方的でないのは、こっそりと2階の様子を伺う娘の目を通して、この非道で暴力的な行為を行うイスラエル兵士たちにもそれぞれの名前や人生や喜怒哀楽というものがあるということが示される。行き詰る映画の中でもわずかながら救いを感じさせるシーンである。それだけに、終幕のこれからのトラブル、終わりの無い争いと暴力を予期させるシーンは印象に残る。低予算で撮られたであるにも関わらず、非常に大きな問題をひとつの家の中、家族内の問題として二重写しとして見事に描き出したイタリア人監督のSaverio Costanzo の手腕は特筆ものだと思う。決して気軽に見れる映画ではないし、ヘビーな作品だけど多くの人に見て欲しい作品。

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October 14, 2005

ご報告

いろいろとまぁ事情はあったり、前から考えていたことなんですが、このたび日本に帰国することにしました。ということでここを読んでいる知り合いの皆さんには帰国後落ち着いたら連絡する予定なので。

話は変わりますが、先週初めてクラブでDJしました。もちろん前座の前座ですが。どうしていいか分からないし、時間も1時間弱しかなかったのでディープなウォームアップに向いてそうな手持ちの曲の中から自分が好きな奴を掛け倒しました。最初の2曲は思いっきりミックスをミスったり、初めてのクラブの爆音とシステムに自宅で自信とか感覚を完全に狂わせられるというか圧倒させられて、あっという間の1時間だったけれども、それでも楽しかったですな。初めてって事でかなりミスしまくって不満の残る赤面物のセットでしたけど、それなりに反応も良かったのでまぁいいとしますか・・・・早くももう一度やりたくてしょうがないんだけれども。一度やったら止められないって本当だね。

perfectkiss at 05:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々雑感 

September 20, 2005

DJ - Morgan Geist (モーガン・ガイスト、Metro Area)

かつてのディスコや初期ハウス・テクノの音と快感を、現代的でディープかつシンプルな感覚で蘇らせたユニット、Metro areaの片割れ、モーガン・ガイストがダブリンにやってきたので、彼のUnclassicsアルバムに完全にやられた身としては矢も楯もたまらず見に行きました。会場のRi-Raは普段はどっちかというとソウルとかファンク系が掛かっていて客もクラブ系と言うよりは普通のリラックスした夜遊びにきていれうタイプが多いけど、今夜だけはよくテクノ系のギグで見かける面々がちらほら。予想もしなかった人と出くわしたりもしました。

3時間のセットだったけれども、予想よりもかなりゆるめの音で始めてビルドアップに入るとほとんどディープハウスだろうという選曲で少しずつ暖め始めて、1時間ぐらいした時点から彼のプロダクションのトレードマークとも言えるディープでハウジーなレトロディスコ調に移っていくんだけれども、Metro Areaよりもさらにミニマルでシンプルな音。それを見事にレイヤーを重ねて何とも言えないテクノとディスコが共存している不思議なグルーブを作り出す。あえて呼ぶならミニマル・ディープ・ディスコとでもカテゴライズするか。ピークに入ってもそのストイックな選曲・音構成は変わらないにも関わらず、フロアの方はもう完全に上がりきって掌握されてる。かくいう自分も我を忘れて踊りまくってしまいました。とにかくシンプルな音なのに、微妙なニュアンスで人間の音の快感を突いてくるのは彼自身の作品と同じ。余計な物を削ってかつてのディスコの快感だけを取り出した骨組みをテクノの文脈で掛けているという、文章で書くと何だそれは日本語かっていう感じですが、そうとしか書きようのない音。最高の夜でした。

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September 17, 2005

「奇術師」クリストファー・プリースト著・ハヤカワ文庫

日本から持ってきて積ん読にしておいたこの本、いい加減読んでみるかと思って手に取ったらこれがとんでもない名作にして怪作、久々に時間も忘れて最後まで一気に休み無しで読破してしまいました。

ストーリーを詳しく書くとこれから読む人の興を削ぐので簡単にまとめると、現代の新聞記者がふとしたことで自分の先祖、19世紀末の有名な奇術師アルフレッド・ボーデンの書いた手記を、そのボーデンのライバルであった奇術師、「偉大なるエンジャ」の子孫の女性から渡される。かつてこの二人はお互いに憎しみあいつつも不可思議な運命で結ばれていたらしい。やがてこの両者の残した手記を読んでいくうちに、想像を絶した真実が現れてくる・・・・

こういう本だとどうやって書けばネタバレしないでこの本の凄さを伝えられるのか分かりにくいけれども、ある意味で一種の叙述トリックを読者に対して仕掛けてある。読んでて「おや?」と違和感を感じる説明が何度かあるのだけれども、それが終盤になって全てが繋がってくる。しかもそういう仕掛けが二重にしてあって。複雑に入り組んだ入れ子構造となっていて、読み手を絡め取る。一度読み終わった後にすぐにもう一度最初から読み直したくなる。一度真相が分かった上で読み直してみると「ああ!」と思わず嘆声を上げたくなるシーンが数々。他にも直接謎には関わらない事件の描写でも、2人の立場によってその説明や細部が異なっていたり。一体真実はどこにあるのか。

この本、どうにもジャンル分けし難い不思議な本で、ミステリーであり、SFであり、ゴシック歴史ロマンでもあり、最後にはホラーの要素すらある。とにかくこんな本を読んだことないという点ではかつて京極夏彦作品を初めて読んだときの衝撃に近い物がある。本の構成以上詳しいことは書けないけれども、絶対にお勧め。

perfectkiss at 01:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々雑感 

September 15, 2005

チャーリーとチョコレート工場

原題 Charlie and the chocolate factory

ロアルド・ダールの名作児童小説を「バットマン」のティム・バートンがジョニー・ディップを主演に映画化。

貧しい少年チャーリーの唯一の楽しみはワンカ印のチョコレート。みんなが大好きなワンカ社のチョコレート工場の内部は秘密とされていた。ある日ワンカ社が、世界中で売られているチョコレートの中に5枚だけ入っている黄金のチケットを当てた子供をチョコレート工場のツアーに招待するという宣伝を町中に張り出す。誰もが見たかった秘密の工場の中が見れるとあって、世界中でチケット争奪戦が巻き起こる。お爺ちゃんから貰ったなけなしの6セントでチョコレートを買いに走るチャーリーだったが・・・・

原作の本は読んだことないし、昔のジーン・ワイルダー版の映画はそのキッチュさでカルト的な人気があるということぐらいしか知らなかったんだけれども、このバートン版はかなり楽しかった。とにかくバートンの持ち味が炸裂。かなりダークな笑いといい、子供っぽさと大人の悪意が溢れた筋立てといい。何より特筆するべきはその極彩色の工場内部。キノコは至る所に生えてるし(・・・大丈夫なのかコレ?)、何か夢(半分悪夢か)の世界をそのまま映像化したようなトリッピーな強烈な色彩と各部屋の装飾は必見。

お話自体は「悪い子や言うことを聞かない子は酷い目に遭うけど、いい子にしていればご褒美がもらえますよ」っていう結構教訓的な話なんだけど、それを吹き飛ばす主演のワンカ役のジョニー・ディップの怪演。白塗りっぽいメイクに手袋、甲高い声で、世間から隔離された夢の国に住んでいて、子供が好き・・・・明らかに特定人物をモデルにしてるような気がするんですが。っていうかマイケル。子役はみんな上手い。主役のチャーリー役の子はディップの前作「ネバーランド」にも出ていたね。

ティムバートン好きには問題なしに薦められる作品なんだけれども、この映画の本来のターゲットである子供層にはこの映画、結構キツいんじゃないかという気もする、結構怖いし。夢に出てくるよコレ。でも最後は結構ほろりとさせる感動路線で綺麗に締めてみせる当たり最近のバートンは大人になったなぁと思わせる。あとこれ、あっちのキノコ食べる系の人なら間違いなくDVDは必携ではないかなぁ。

公式サイト日本版

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September 12, 2005

予定

色々あって忙しくて更新をさぼっていましたが(ちなみに最近どうもこう躁鬱気味でそのアップダウンが激しいのでよろしくないなぁと思っているところ)、これじゃぁいかんということで心機一転明日ぐらいから溜まっている分を書いていく予定です。

とりあえず予定


映画の感想

スリ
El Perro
Private
Dig!
シン・シティ
チャーリーとチョコレート工場
太陽 (イッセー尾形の天皇)
珈琲時光
Festival

音楽関係
Sonar
Metro arena の Morgan Gesit
ドラッグとかセックスとかと音楽の関係について
Electric Picnic フェスティバル

読書関係
「奇術師」
「マルタの鷹」
「Last night DJ saved my life」

予定は未定で2日にいっぺんぐらい上げていきたいですな。

あと人から招待状貰ったんでMixi始めてみようかとも思ってます。興味のある人の日記を読むだけになるかもしれないけど。


perfectkiss at 06:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々雑感 

August 27, 2005

海外でレイブパーティーの鎮圧に軍隊が出動

少し趣を変えて、久々にダンス・フェスティバル関係なんですが。

2週間ぐらい前、ダブリンの山の中でやったフリー・パーティーというかレイブに行ってきまして。行く途中の人影まばらな山の中でバスがエンストして1時間くらい立ち往生とか色々ありましたが、警察とかの邪魔が入ることもなく夜11時から朝9時までほぼ10時間ノンストップの楽しいパーティーでした。音楽も最高だったし、山のてっぺんの森の中で、朝になると雲海の上でなかなか感動的な光景でした。参加者が撮ったパーティーの写真へのリンクを張ろうと思っていたけど、何か凄い状態の自分が映っているので止めにしました。見たい人はメールくれればリンク送ります。

で、この手のイベントに関して結構ショッキングな出来事が最近立て続けにありまして。

一つは先月末、チェコであったダンス・フェスティバルのお話。まぁ論より証拠、とりあえず下の参加者が撮ったフォトアルバムを見てください。
http://www.techno.cz/party/report/fotky.php?dir=foto/2005/0730ct_flash

最初の数ページは普通に平和なのどかなフェスティバルの光景ですね。太陽の下みんな音楽聞いて楽しんでいて。ところが4枚目あたりから信じられない展開に。暴動鎮圧用の機動隊が何百人も出動してきて、放水車に催涙弾、警棒でもってフェスティバルの参加者をめった打ちに。このフェスティバル、完全に合法的なもので、ちゃんと主催者は場所の使用許可も土地の所有者から取り、届け出もしていたのにそこに突如として襲撃を掛けたという。この混乱の中でフェスティバル参加者の青年が死亡したことにより国際的な非難が巻き起こっているという。ダブリンでもチェコ大使館に対しての抗議運動がありました。

詳しくはここで(英語)http://www.freetekno.org/


ところが先週末、アメリカのユタ州でも似たような事件がありました。これはある意味もっとひどいし、ほとんど冗談みたいな大げささ。

まぁとりあえずこの動画みてください。映画じゃなくてマジです。
http://fatbaron.com/fascism.wmv



ユタ州の人里離れた渓谷でレイブ・パーティーが開かれていたんですけれども、このパーティー、土地の使用許可も取り、地元の役所にもちゃんと届け出をして許可を取り、専門のセキュリティー会社を雇い、入り口では厳重に薬物、危険物の持ち込みがないようにチェック。念には念を入れて巨額の保険まで掛けていたという、下手なロックフェスやコンサートよりも真面目に開催したパーティーだったんだけれども、その真っ最中に突如ヘリコプター(!!)、警察犬、などでもって重武装のSWATチームが急襲、パーティーを解散させて逮捕者多数とか。今に至るまで、どのような法的根拠に基づいてこの作戦が行われたのかは当局から説明されていない。詳しい情報については続報を待っているところなんだけれども。


引用

Utah RAVE Raided by SWAT Team
Monday, August 22, 2005


The "war on drugs" took on a literal meaning this past weekend when
SWAT Team agents in full military combat regalia stormed a RAVE an
hour outside Salt Lake City, Utah. Covered in a recommended blog on
Daily Kos is a firsthand account detailing what transpired at the
event on Saturday, August 20, where military soldiers swooped on the
crowd of about 1,500 people in the Spanish Fork canyon. The event's
promoter claims to have attained all the necessary permits to host the
RAVE and even had an insurance policy of 2 million dollars.

この問題に関する掲示板はこちら(英語)
http://www.utrave.org/showthread.php?t=20020




こういうのを見ると、日本では語られない要素だけれども、如何にダンスとかパーティーの力が強いか、というか当局者、管理側にとっては恐れるべき物なのかっていうことを実感する。権力者が一番嫌うのは多数の人間が管理を外れて一カ所に集まることなんだけれども、ダンス音楽というものにはその力があるわけで。しかも本来的に反権力・マイノリティ・反管理・反日常という要素を持っているために、そんな若いのが何千人も集まられたら、これは僕らなんかが想像するよりもはるかに権力側にとって恐ろしい事態なんだと思う。得体の知れない若者が一堂に会することとそのエネルギーというのは現代の国家において如何に恐るべきことであるか。だからこそイギリスではセカンド・サマー・オブ・ラブに対して野外で複数の人間が「反復的音楽」を鳴らすことを禁止し逮捕するという、それまでのイギリスの法体系から考えるとほとんど治安維持法のような極端にして強力な法律を導入したわけで。この辺から当局の過大評価としか思えないダンスへの恐怖心が伺えると思う。言い訳として使われるドラッグなどの問題は枝葉末節に過ぎず、ライブによる社会不安・流動化というか未確認要素が恐ろしかったんじゃないかな。ちなみに皮肉なことにこの法律が成立し、施行される頃には既に野外・倉庫などでの違法レイブは自ら自然鎮火して、管理されて合法的な金儲け主義の常設クラブへと既に移行していたのだけれども。

まぁ基本的にはこれを読んで考えた事って言うか、半分受け売りなんですけどね。ただ、こうした要素は日本ではほぼ語られることはなく、基本的にダンス音楽というのは娯楽の一部としてしか当事者も当局も見ていないのだけれども。それはそんなことをしなくても日本が管理社会のせいのか?ダンスで世界が変わる可能性なんて想像すら出来ないのは事実だけれども・・・。権力や日常からの解放と言う要素は薄いよね。

perfectkiss at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽 

August 25, 2005

コメント欄について

なんか絨毯爆撃のように無差別に怪しげなコメントがこのブログに付けられていたんだけれども(「ヨン様〜」とか、「かれんの私生活公開〜」とか」)、言うまでもなくスパム関係。とりあえずうざいんで消去しましたが、どうやってこんなマイナーなところまで大量に爆撃していくのか。当然、自動化されているんでしょうが正直興味ないでもないですね、あんなんでどうやって儲けるのか。ランダムに更新されたブログを選んで爆撃しているのか?

飛ぶ先のアドレスと「スパム」とか「詐欺」でくくるといろいろ掛かりますね。おかげでまともなコメントが見えなくなってた。

にしても手広くやっているスパム行為みたいだから、Livedoorのほうでこのアドレスからのコメント受け付けないようにしてくれればよかったのにと思わずにはいられないですな。

perfectkiss at 06:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々雑感 

August 24, 2005

今更ながらウィキペディア

何を今更と思われるかもしれないけど、現在ウィキペディアにハマリ倒しています。決して軽いサイトではないので、この間までダイアルアップだったウチだと見るのが大変だったので、調べ物があるときだけたまに使っていたんだけれども、しばらく前にADSLと無線LANを導入したので、気軽に使えるようになりました。そしたらもう、うっかりすると時間を忘れて読みふけってしまうことしばしば。やはりリンクが色々貼られているので、何か一つの事を調べようと思っても、記事中にある気になる項目をついクリックしてみてしまう。それを繰り返しているうちに思いも寄らないところまでたどり着いてしまう。

今日などはロールス・ロイス>飛行機エンジン>ボーイング社>ジャンボ(747)>日航機事故>事故>タイタニック>洞爺丸>青函トンネル(北斗星)>国鉄>下山事件>国鉄>東急>自分の実家のある町の歴史とか最寄り駅の変遷、という風に色々途中で寄り道しながら(ハワード・ヒューズとか、戦後三大国鉄事件とか日航機事故の真相とかソ連の宇宙開発の歴史とか)あっという間に数時間過ぎてしまいました。

昔から百科事典とかは大好きで、よくヒマなときはパラパラと当てもなくめくってはいたけれども、ここまで気軽にひょいひょい項目間を跳べなかったし、CDロムの辞典でもここまで内容が細かくマイナーなジャンルまで網羅していなかったし。タブブラウザを使っているので気になるとページは片っ端から開き倒して後から順々に読んでいけるし。

なんていうか初めてネスケ(懐かしい響きだね)でインターネットを見てみたときとか、初めて2ちゃんねるを覗いた時みたいな新しい世界が開けていく感動があって最高です。豆知識的なものが大好きな自分としてはかなり危険な世界ですねこれは。時間を完全に占領されている今日この頃です。

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August 19, 2005

In my father's den

原題 In my father's Den

シアトル・トロントなどの映画賞を受賞しているニュージーランド映画。久しぶりに故郷に帰ってきた男と、それによって引き起こされる事件を描く。

ピューリッツア賞を受賞している著名な写真家ポールは、父親の死の知らせを受けて、10数年ぶりに、かつて逃げ出るかのように立ち去った故郷のニュージーランドの寒村へとやってくる。驚きながらも彼を受け入れる弟のアンドリューとその妻ペニー。しばらく腰を落ち着け、父の残した小屋(father's den)に住むことにした彼はかつてのガールフレンド、ジャッキーの娘であるセリアと出会う。セリアが自分の娘ではないかと思ったポールは彼女と親密になるが、やがてそれが思わぬ事態を引き起こし・・・

この映画、最初は人間ドラマ、内面に傷を抱えた男の故郷への帰還の物語、そして彼と少女の交流の物語ように見えるのだけれども、中盤以降でそのムードは一変してスリラー、そして彼の過去の暗い記憶をめぐるサスペンスへと変化していく。舞台となっている町は明らかに滅びかけているようで人々には活気がなく、セリアはここから抜け出したいと願っている。そのトーンの基調となっているのが、ニュージーランドの荒野。この光景は見もので、美しい風景と言うよりは壮絶な風景と言った方がいい。ポールの過去の記憶ではどちらかというとこれに色が付けられているのだけれども、現代の風景はすべてが灰色がかっている。

主演のMatthew MacFadyenはここまでTVなどを中心に出ていた人で現時点ではあんま知名度はないけれども、まもなく公開の大作「高慢と偏見」(ブリジット・ジョーンズの元ネタの文芸大作)で主役のダーシーを演じているので、まもなく世界的に有名になるでしょう。これが映画デビューの新人、セリア役のEmily Barclayはお世辞にも美少女とは言い難いけれども、一目見たら忘れられない強烈な印象を残す。「指輪物語」などのミランダ・オットーがペニー役で出ているけれども、この人は本当にこういう神経質で幸薄そうな役が似合うねぇ。

正直、事前の情報からは地味な人間ドラマだと思って見に行ったので、中盤以降の怒濤の展開には少々戸惑いましたね。ドロドロの過去とか、けっこうえげつない主人公の過去と彼が故郷を去った理由なども含めて、あまりにもトーンが変わり過ぎなような気がする。一応全部最後には解決するんだけれども、なんか映画館を消化不良で出てきてしまった気がしてしょうがない。

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August 18, 2005

太陽はひとりぼっち

原題 L'Eclisse

イタリアの巨匠、アントニオーニの白黒時代の代表作の一つ。ニュープリント版でリバイバル上映されたので見に行ってきた。

若い女性、ヴィットリアはちょうど長年の恋人と特にこれという理由もなく別れたばかり。そんな彼女が、株に熱を上げる素人投資家の母に会うために訪れた株式取引所で若い仲買人のピエロと出会う。まったく異なる性格の二人ながらも、関係を深めていくが・・・

ストーリー自体は愛の不毛というか、最初からうまく行かないことが暗示されている二人の関係や、また彼らの周りの人々の空しい行動を描いていく。ただ、おそらくこの映画の主題や見所はそこにはなくて、空漠とした現代都市の描写にあるような気がする。白く乾ききった、人気のないコンクリートの住宅地。その中を空しく行き交う人々。そんななか人々は時に出会って恋に落ちたり馬鹿騒ぎをするけれどもそれも空しく。その象徴となっているいるのが主人公の二人で、初対面から惹かれあっているにも関わらず、お互いの世界や思想は混じることがない。逆にそれ故に二人の愛の切なさも伝わってくる。フェリーニの「甘い生活」にも通じる、戦後の現代社会、生活空間のなかで根無し草となった自分たちを描いていると思う。

主演のヴィットリア役のモニカ・ヴィッティはそんなアンニュイな気分の自我の不確かな女性をコケテッシュな魅力を出しながら演じている。昔のイタリアとかフランス映画の女優さんっていうのはこういう何とも言えないオーラみたいな物を纏っている人が多いね。相手役を演じるのはアラン・ドロン。彼女に惹かれながらも物質主義・現実主義の彼には決して彼女のメランコリーを理解することは出来ない。

それなりに長い上映時間にも関わらず、ストーリー的にはシンプルで、これといった大事件も起きず、時間はゆっくりと、本筋に関係のない風景や通りがかりの人々の行動を執拗に描いていくので、こういった映画が好きな人でないと途中で居眠りしたくなる可能性は大だと思うけれども、それでもいくつかのそんな本筋に関係ない、それでいて印象的なシーンの方がより記憶に残る可能性が高い映画だと思う。いい映画だけど人を選ぶなぁ。

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August 17, 2005

Me and You and Everyone We Know - 僕とあなたと世界のみんな(仮邦題)

原題 Me and You and Everyone We Know

パフォーマーで小説家でもあるらしい女性、ミランダ・ジュリーが監督・主演・脚本を兼ねたデビュー作。各地映画祭で高い評価を得ている。アメリカの郊外都市を舞台に少し風変わりな市井の近所の人々の姿を描く。

売れない芸術家のクリスティーンは、糊口をしのぐために老人専門の介護タクシーの運転手をしていたが、客の老人の付き添いで行った靴屋で店員のリチャードに一目惚れする。リチャードには離婚したばかりで2人の息子がいるが、息子たちには無視されている。思春期の長男は性的好奇心が旺盛な同級生の女の子二人に目をつけられる。まだ幼い次男は怪しげなネット上のチャットで遊んでいる。クリスティーンの作品は冷たい美術館員に受け付けてもらえそうもなく、また離婚の傷を引きずるリチャードは、クリスティーンからのストーカー紛いの風変わりな愛情表現に戸惑うばかり・・・・・

登場人物達はみんな、かなり変わっているけれども、ごく普通の人ばかり。どこにでもあるような町を舞台にそんな10人近い人々が関わり合い、ちょっとだけ人生が変化しいく。こう書くと地味な良作に見えるけれども、この映画の特徴となるのはその人々の妙なオフビートなセンスと行動。何気なく自分の手に火をつけちゃうリチャードとか、かなり変わった作品を制作し続けるクリスティーン、思春期に悩んだり冒険してみたくなる子供達。ただ、そんな登場人物達の奥底にあるのは誰かと繋がりたい、愛されたい、関係を持ちたいという切ない思い。息子達と仲良くなりたい父親や一見冷血な人物の寂しさや。この映画ではかなり風変わりである意味悪趣味な笑いと、そんな哀しさ、人生の真実のような物が同時に描かれている。

監督・脚本・主演を兼ねたミランダ・ジュリーはいかにも世間知らずのちょっとずれた女性アーティストを好演している。決してアメリカ的美人ではないけれども、知性を感じさせる魅力的な笑顔。ていうか個人的に何か昔ちょっとだけ付き合った人にそっくりなんで何か見ていて居心地悪かったりするんですけどね。この映画で特筆するべきはリチャードの幼い次男を演じたブランドン・ラトクリフ。まさに天才子役というか、出るシーン全てでとにかく場をさらいまくる。かつてのカルキン君やオスメント君みたいな可愛い一辺倒ではなくて、もっとこう天然な感じ。

この映画、評論家筋での評価は高いようで、実際に多数の映画賞にノミネートされているようだけれども、imdbとかを見るとその少々悪趣味なギャグ(特に幼い少年がネットで怪しいセックス系のチャットを意味も分からずに楽しむシーン)などのせいで一般からの評価は二つに分かれているように見える。ポール・トーマス・アンダーソン監督作品(「マグノリア」等)が好きな人なら間違いなく気に入るでしょう。あとはこのちょっとズレた笑いのセンスを受け入れられる人とか。個人的には非常に気に入った映画。

perfectkiss at 07:21|PermalinkComments(0)TrackBack(1) 映画 

August 12, 2005

Untold scaldal - スキャンダル

原題 Joseon namnyeo sangyeoljisa

日本では既に公開されてDVDも出ているらしい作品。こちらではやっと先月公開になったので見に行ってきました。日本で大人気らしいペ・ヨンジュン主演の恋愛&歴史物でこれまでに何度か映画化されているラクロの「危険な関係」を舞台を18世紀の韓国に変えて映画化。

あらすじは、”18世紀末の朝鮮で、政府高官ユ長官のチョ夫人は、従兄弟でプレイボーイのウォンとある約束をする。それは未亡人のヒヨン夫人を落とすこと。彼女は結婚前に急死した夫に9年間も貞節を守り続けているのだ。ヒヨンを落とせたら、褒美として、自分を彼に差し出す、失敗したらウォンは僧侶になると言う。その日からウォンはヒヨン夫人を振り向かせるためにあらゆる手をつくす…”(以下上のアマゾンより引用)ってもので、要するにプレイボーイが気軽に賭をするが、やがて本気になってしまい・・・って話でどろどろした愛憎渦巻くお話。

お話自体はもう知っているのであまり驚きっていうのはなかったけれども、やはり見所は忠実に再現されている(らしい)当時の韓国の宮廷文化や衣装。似ているようでなかなか日本にはない色遣い、風習なんかが興味深い。少し可笑しかったのが、いかに綺麗に華麗な衣装を着飾っていても、宮廷人の食事っていうと今でも韓国でごちそうって事になっているあの大量の小皿料理盛り合わせなんだね。いや、見ていて美味そうなんだけども、でもなんか焼き肉屋で見たことあるような物が多すぎて、それと華麗な十二単みたいな服装のギャップが変。あと、何か上流階級の男の人がみんなかぶっているあの変なバイザーみたいな帽子もなんだかなぁ。

役者陣だけれども、日本で去年ぐらいから圧倒的な人気らしいペ・ヨンジュン。聞いてた話では甘いマスクの優男らしいけれども、この映画ではどちらかというとマッチョなむんむんするようなエロ親父を演じている。悪くはないけれども特に印象には残らないなぁ。むしろ印象に残るのはチョ夫人役のイ・ミスク。なんていうか大人の爛れた魅力と威厳と色気が同時に現れている。これを捨ててお堅い未亡人に主人公が触れるって無理がないかな、設定的に・・・ラストでの全く違う雰囲気の彼女も印象的。

かなり大時代的な話なんだけれども、それが韓国の宮廷の世界の中にうまくハマっている。時代物の韓国映画っていうのは初めて見たし、それなりに面白かったかな。ただ、何度も映画化されているだけに新鮮な驚きってのはないね。


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August 11, 2005

「ホテル・ルワンダ」日本公開

少し前の投稿で書いた「ホテル・ルワンダ」、いつまで経ってもなかなか日本で公開されないなぁとか思っていたらこういうページ(「ホテル・ルワンダ」日本公開を求める会)を発見しました。そこを見ると、いろいろ事情があるみたいで。評判が良いせいで逆に映画の値段が上がって上映しにくくなっているっていうのは想像してなかったけど、確かにアレだけ映画賞取りまくっているとすれば、映画会社側としても出来るだけ高く売りつけたいんだろうけどねぇ。

ていうことで、興味のある人は署名ページに行って署名してみるといいんじゃないですかね。少なくとも今年のアカデミー賞ノミネート作品の中でももっとも同時代性があって見られるべき映画だと思うから。サイドウェイズも良かったけれども、やはり箱庭的な感じは否めなかったし。この映画の迫真性や逃げ場なしの緊迫感とは比べにくいし。

過去にこのブログで「ホテル・ルワンダ」について書いたときの投稿はこちら

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Kinga and Queens - Rois et reine

原題 Rois et reine

離婚した夫婦それぞれの生活と危機の物語をパラレルに対照させて描くフランス映画。

現代、パリ。かつて夫婦だったイスマエルとノラは別々の生活を送っていた。美貌の元妻のノラは一見なに一つ不自由のない素晴らしい生活を謳歌していた。成功している彼女自身の画廊、安定した生活、まもなく裕福な婚約者との結婚も控えている。一方の元夫、売れない音楽家のイスマエルはふて腐れて酒浸りの日々を送り、税金も滞納している。そんなある日、それぞれの生活に変化が起きる。故郷に帰省したノラは老父が末期ガンに犯されていることを知る。いっぽうイスマエルは正体不明の第三者の同意により、生活不能者として精神病院へと収容される羽目になる・・・

上のストーリーだけ見るとイスマエルのストーリーの方が悲惨なものに見えるかもしれないけれども、この映画では一見幸せの絶頂のノラのストーリーを悲劇、人間の醜さを描く物として扱い、逆に一見悲惨なイスマエルのストーリーを逆に希望の見えるダーク・コメディとして演出している点。要するに一見幸せなノラの偽善や闇の部分を描いていき、そしてイスマエルが一番あり得ないような場所で幸せを見つけていくという。

ただ、不満が残るのは、二つのストーリーはいつ交差してくるのかと思っていたけれども、基本的には両者のメインストーリーは交わらないまま終わる点。もちろん何度か顔を合わせて競演するシーンとかもあるんだけれども、お互いのストーリーに決定的な影響を与えないんだよね、それが少し残念。そしてこの映画最大に欠点が、エピローグが長すぎの上にタルイ、しかもテーマを主人公の口から直接延々説明させるっていう失敗をしでかしている。このエピローグをもっと短くしてテーマを匂わすような上手い見せ方をすれば後味が良かったのに、これだと最後がどっちらけ。いつこの映画は終わるんだろうって思わず時計を見てしまったよ。

主演のノラ役の Emmanuelle Devos はいいね。なんかこう神経症的な危うい感じが。この人はヴァンサン・カッセルと競演した リード・マイ・リップス の難聴で社会的・性的に抑圧された中年OL役の妙な色気が記憶に残っているけれども、ここでも一見幸せそうながらも中に闇を抱えた女性を上手く演じている。

テーマや構成としては面白いんだけれども、上にも書いたようにエンディング(エピローグ)が長すぎる上に説明過多なのでかなり減点せざるをえないのが残念。でも悪い映画じゃないよ。

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August 04, 2005

宇宙戦争

これまで何度かラジオ化や映画化されたことのある、H・G・ウェルズの名作SFをスピルバーグがトム・クルーズを主演に映画化。これもストーリーは有名だし日本でも大々的に公開中だから省略ということで。平和な町に突如火星人が降ってきて人類を皆殺しにしようとするっていう話。

スピルバーグ&クルーズっていうことで、映画としての出来そのものには全く期待していなかったけれども、とにかく火星人とあの三脚ロボットが大迫力で見れるっていうところだけに引かれて見に行きました。結論から言うと、本当にそれだけの映画だった・・・ ひたすらに逃げまわっているだけの主人公は原作通りだからいいんだけど、最後でとってつけたようにアメリカンでヒロイックなシーンを入れるのはどうか。あと中盤以降ダレすぎ。特に地下室シーン引っ張りすぎ。劇中休みなくずっと叫んでいるダコタ・ファニングがひたすらにウザイ。あまりにもご都合主義なエンディング(おい、息子お前何で・・・)。

とはいえ、そうした欠点を埋めてあまりあるのが大迫力の火星人の多足殺人マシーン。大昔のSFとか特撮によく出てきたアレ、アレが本当に本物としか思えない迫力でがんがん動きまくっている。ジュラシックパークを初めて見たときと同じでかなり感動する。また、この初めてのマシーンの登場シーンの演出の上手さとスケール感、この辺はスピルバーグならでは。桟橋襲撃シーンもかつてショボイ特撮とか合成で見た記憶のある怪獣映画のパニックシーンが初めて現実になった代物。山の上を闊歩する火星人マシーンを見て燃えない奴は男の子じゃないな。レトロなSFが好きな人や昔の怪獣映画が好きな人、センス・オブ・ワンダーって言葉が好きな人ならこのシーンのためだけでもこの映画は映画館のスクリーンで見る価値があると思う。必見。

ただ、映画としては本当にグダグダな出来なので、この桟橋襲撃シーンを見たら映画館出ても何も損しないと思う、個人的には。トム・クルーズは相変わらずいつも通りのトム・クルーズでした。


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August 02, 2005

スターウォーズ エピソード3 シスの復讐

さて日本でも公開して大ヒットしてる映画を2つほど。ストーリーとかは今沢説明する必要もないだろうから省略で。


スターウォーズ エピソード3 シスの復讐


ついに完結のスターウォーズ6部作、正直エピソード1は史上最大の期待はずれだった上に、エピソード2の学芸会並みの恋愛ストーリーに腰砕けになってしまった後なのであまり期待しないで見に行ったけど、結論から言うとそんな思っていたほどにはつまらなくなかったという感じですか。とにかく異世界の再現度が凄まじい。CGで作られたモノとしてはたぶん現時点での最高峰かも。アクションシーンや殺陣なんかもそれなりに迫力があっていい。ストーリーもさすがに前作の恥ずかしい少女漫画的恋愛モードよりはまし。

でも、やはり普通に映画としてみると完成度はかなり低いかな。とにか強引なストーリー展開。何で普通の青年のアナキンが恐怖のベーダー卿になったのか、映画を見た後でもどうも納得いかない。唯々諾々と皇帝に屈従するし。裏切るのにもっとそれなりのテンションと理由が欲しかった。その原因となるパドメの妊娠だけど、まるで昔の映画の中の悲劇の女性みたいにいつも家でメソメソしてアナキンを待っている彼女は正直見ていてイライラしてくる。ナタリー・ポートマン以外はみんなちゃんとした演技の出来る俳優をそろえているのに、脚本のせいで書き割り的なものになっている。

これを言い出せば、旧作でもキャラクターは類型的、というよりは古き良き冒険活劇のお約束的なものが多かったとも言えるんだけれども、旧作の場合はそのシンプルさが痛快冒険活劇というフォーマットにとって最上の形で働いていたのに、今作は下手にシリアスな古典悲劇的なモノを目指した(と思う)ために、薄っぺらいキャラクターが浮いてしまう。

あと、無理矢理旧作のエピソード4に繋げたために設定上の穴が多すぎるような・・・ベーダーはあのロボット2体をどうして覚えていないのか、レイアの母親は、オビワンが4までの20年間で老けすぎ、トルーパー弱体化しすぎ、何で時系列的には20年後の旧作のテクノロジーよりもこのエピソード3のほうが進歩しているのか、などなど。

旧3部作は未だに自分の中では生涯最高の映画の一つなので、このシリーズが終わってしまうと言うことにはそれなりの感傷はあるけれども、なんていうか欲求不満のまま終わってしまったような・・・ルーカス、本当にもう作らないのかなぁ、エピソード7〜9。結論からいうと、なんだかんだ言って旧作のファン、そしてSF映画好きなら見た方がいい映画であることには変わりはないと思う。ただ、薄いファンの人には勧めないなぁ。

ちなみにオフィシャルからリンクが張ってあったレゴブロック版スターウォーズ。なかなか良くできているじゃないですか。最後のオーケストラは可愛い。


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July 31, 2005

Inside Deep Throat

Inside Deep Throat

1972年の公開と同時に全米に狂乱のブームと大論争を巻き起こした伝説のハードコア・ポルノ映画、ディープ・スロート。その制作前後の事情や公開によって起きた全米の社会的恐慌を関係者へのインタビューによって掘り起こすドキュメンタリー。

自分も名前だけは知っていたこの映画、初めて一般に映画館で公開されたハードコア・ポルノでストーリーは単純で(この先少々話が下品になるのでよろしく)、性的不満を持つ主婦が自分の持つ能力を発見する−男性の長大なペニスを喉の奥まで飲み込んでフェラチオできる−という主演女優リンダ・ラブレイスの特技だけをネタに作った艶笑コメディ・ポルノ、らしいです。凄いのはこの映画の制作費・興収で数万ドルの予算で撮影されたこのほとんど自主撮影並みの映画、全米で挙げた興収が何と6億ドル。映画史上もっとも儲かった映画として記録されているそうです。

このドキュメンタリーではむしろこの映画のヒットによって人生が大きく変わってしまった出演者達、そしてこの映画によって全米の社会が如何にショックを受け、また70年代の性革命がはじまっていったのか、というところに焦点が当てられています。主演男優のハリー・リームスがおそらく一番悲惨で、この映画に激怒した当時の保守的な政府によってターゲットとされ、法律の穴を付くような強引な法解釈により起訴され・・・このドキュメンタリーではその訴訟を担当した検事にもインタビューしているのだけれども、恐ろしいのは平気で「アレは間違っていなかった、彼は社会に悪影響を与えた」と未だに自信を持って語っているところ。この映画自体はたわいもないエロ・コメディ映画なのだけれども、ちょうど巻き起こった性解放の流れの性で保守派や宗教派のターゲットとなったそうで、映画の中でもその全米での抗議運動の様子が見れます。一番皮肉なのが、制作者が語るとおり、この大々的な弾圧キャンペーンが最大のプロモーションとなって、本来は細々と公開されるはずだった映画が全米中の話題の種となって人々が押しかけたということらしいです。

この映画、映画関係者やその弾圧者などにインタビューしていくのだけれども、肝心の主演女優、リンダ・ラブレイスが全然登場しない。やっと最後の方でちらりと出てくるのだけれども、通り一辺倒。彼女はこの映画で一躍有名になった後に、「アレは騙されて暴力で強制的に出演した。自分は被害者だ」としてなんと弾圧側に回るったらしいけれども、このドキュメンタリーを見る限りでは、今ひとつ信用できない・・・・。興味深いのは、性解放とフェミニズムという一見反体制的に見える二つの流れが、ここでは反発し合ったこと。フェミニズム団体は全国の劇場前で上映反対のデモを行い、上映を阻止しようとしたらしい。性に関しては保守・革新と単純に分けるのは難しいのは今も変わらないと思うけれども。

以上のように非常に面白く、その当時の世情、性意識の変化や保守派から進歩派に揺れたアメリカの当時の世情(保守派ニクソンの失脚−これは奇しくも「ディープスロート」と名乗る情報提供者に端を発したものだった)、そう言ったものが見えてくるいい題材。・・・なのだけれども、残念ながらこのドキュメンタリー、どこにストーリーの基盤とか焦点を置けばいいのかが今ひとつはっきりしない。この驚異の映画の制作秘話を描きたいのか、この映画によって人生を狂わされた関係者を描きたいのか、それとも当時の政治・倫理的温度を描きたいのか、それとも性革命の流れを描きたいのか。あれもこれもと欲張って全部を語ろうとして、逆に詰め込みすぎでテーマというものがつかみにくくなっているのが残念。

例え事実の記録であるドキュメンタリーといえども、監督がちゃんと焦点を絞って描いているか、それを如何に上手く編集して一本のテーマを観客に提出するのか、と言う点で劇映画と同じような才能というのは必要不可避だと思う。劇映画に例えれば、最高の脚本を監督が無駄にしたという気がしないでもない。題材が面白いのでそれなりにこれでも楽しめる分、より残念な気がしてならない。

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July 29, 2005

何かの陰謀かなぁ?9・11事件の検証

派手なツインタワーの崩壊のせいで忘れ去られがちだけれども、あの時にペンタゴンにもジャンボが突っ込んだのを覚えているかなぁ。

今日、こんなものを海外の掲示板で見つけたんだけど、どうだろう(英語だけど難しくはない)。

確かにあの事件の時に、ジャンボが飛び込んだにしては被害少なすぎだし、そもそもなんでジャンボの残骸が影も形も見えないのかとか不思議に思ったんだよね。ちゃんとチェックする気はないけど、一応このページの最後に「全てはオフィシャルに撮影・発表された写真です」って写真のソース書いてあるし。

perfectkiss at 22:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々雑感 

或る殺人

原題 ANATOMY OF MURDER

1959年の法廷映画の古典的名作がニュープリントでリバイバル上映されていたので見に行ってきました。

貧乏弁護士、ビーグラーの元に非常に困難な事件が持ち込まれる。殺人事件の被告、軍人のマニオンの妻、ローラからの依頼で、衆人環視の中で酒場の主人を射殺した夫を弁護して欲しいというものだった。彼女の話では被害者のバーニーが彼女をレイプして、それに怒り狂ったマニオンがバーニーを射殺したというのだ。ビーグラーがこの話を元に、レイプの被害者であるローラの夫による我を忘れた怒りの上の行動という線で弁護を計ろうとするが、検察側は切れ者検事を呼んできて、被害者バーニーと彼女が愛人関係にあったと主張する・・・・

1959年という半世紀近く昔の映画だけれども、法廷シーンの迫力は今でも十分に通用する迫真の出来。無実の罪の人を救うというありがちな筋書きではなくて、現行犯で捕まった人間の弁護(動機の面で論争する)というひねった設定。なんていうか戦前の古き良き映画のテイストと、70年代以降の病んだアメリカの萌芽のようなモノの両方がここには混在している。古き良きアメリカの良心、ジェームズ・スチュワートが主演の弁護士を演じているのだけれども、被告とその妻は決して好感の持てる人物ではなく、いわゆる後のホワイト・トラッシュと言われるモノを連想させる人々して描かれている。彼らの住むトレーラー・パークなどは現在のアメリカ映画でも貧困層を代表させるものとされているし。

そう言った時代の過渡的な要素を感じさせるものとして、彼の弁護の主題に上がってくる「被害者による被告の罪の強姦事件」があるのだけれども、この時代だけにダイレクトにこの言葉を法廷で使うことが出来なかったり、証拠として引き裂かれた下着が登場してきたときの人々の困惑など、未だに健全なアメリカとその下から浮かんでくる来るべき混沌の時代を予感させる。いわば絶滅寸前だった黄金時代アメリカ社会と、犯罪や麻薬がはびこる現代アメリカとの接点ともいうべき位置か。

主演のスチュワートはこの時点で結構いい年なんだけれども(49才)、それなりに若く見える。ここでも彼の持ち役、自由・公正・楽観的というアメリカの良心を体現した役を演じている。この映画を撮ってしばらくして60年代の中頃から50才半ばという今ならまだ全然一線級の年齢ながらだんだんと華やかな舞台から去っていく。被告の妻ローラ役のリー・レミックは娼婦的な魅力を振りまく(後に「酒とバラの日々で」でオスカーを獲る)。退廃的な魅力が出ていて本当にセクシー。堅物のスチュワートとの対比は面白い。

古典ながら現在の法廷もの映画と比較しても全く法廷シーンの迫力や掛け合いの魅力では負けていないし、ずらり揃った名優陣の演技も素晴らしいし(主演のスチュワートはこれで多数の映画賞にノミネートされる)、かなりお勧め。ジャズの巨匠、D・エリントンが手がけた音楽も印象に残る。

perfectkiss at 03:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画