真愛の百合は赤く染まる(まなかし) 感想

グロ×百合というコンセプトに惹かれて購入。
和泉万夜氏がシナリオ担当ということで、ある程度質の保証はあったが…。
予想以上の完成度だった。


manakashi

テンポは良いし展開は変わっていくしで全く止まらなかった。
間違いなく今年の新作の中ではトップレベルの良作
というより、記憶に残るという意味ではトップではないだろうか。


プレイした人の心に様々なリョナシーンが鮮明に残るのが、このまなかしという作品である。
なんといっても百合、という点が最大限に活かされていた。
果たして、これが百合でなかったとしたら、この作品はここまで面白いものだったか?
否、そうではないと断言できる。
男×女、つまり通常のリョナでは表現することのできない何かがそこにはあった。
そこには、狂気とも言えるが、愛、もしくは偏愛とも呼ぶべきものが鮮明に描き出されていたのだ。
自分はこうも思う。
愛、とは、女性が見せて初めて顕現するものだと。
数あるエロゲの中でも、感動するシーンというのは、多くが女性が愛を見せた時なのだ。
例えば、Maggot baits。例えば、マブラヴ、君望。
主人公の行動や言動によって、我々が感動することというのは、あまりないのではないか。
それはエロゲーマーの大半が男性である、ということは関係なく、むしろエロゲがヒロインに焦点を当てていることが多い、ということだろう。
だからこそ、主人公がカッコよく描かれているエロゲというものにある種新鮮味を感じ、惹かれるのかもしれない。
そのことに自分は、このまなかしという作品をプレイすることによって気づかされた。
なぜなら、この作品は主人公もクソもないのだ。
真奈美が主人公なのか?愛美がヒロインなのか?
そのどちらでもないだろう。
どちらも主人公であり、ヒロインなのだ。
百合ゲーは、我々が完全に客観的視点から視ることができるものである。
したがって、常にお互いの愛、というものを深く観測することができたように感じる。


シナリオについて

序盤にプレイヤー側を騙してきた時には本当に驚いた。
あの描写、展開、普通に考えて名前すらも思い出せないが、教師だと考えるだろう。
よくある展開だ。
しかしながら、あのようにプレイヤー側の予想を裏切ってくると、より深くはまっていくものである。
選択肢の一つ一つが、間違えてはならない、と思わせるものだった。
百合シーンについては、特に愛美の思うがままであったが、ここがこの後の選択肢のミソになってくるのだな、と。
やはり片方だけが押していく恋愛というものは、上手くいかないものだ。
このあたりを理解していれば、選択肢にそれほど難易度は感じない。

優子

優子監禁ENDについては、この子正直狂っているな、としか思わなかった。
だが、このENDも、他のENDを終わらせてからプレイすれば良かったと後悔している。
優子の異常性だけではなく、もっと愛美に対して生まれる感情があったはずなのだ。
特に、愛美監禁ENDを終わらせてからの方がより楽しめたはずだ。
それを抜きにしても、シーンはこのENDが一番エグかった。
眼姦はまだ見たことがあるが、脳姦というのは初めて見た。
果たして気持ち良いのだろうか…?
優子はかなり気持ち良さそうにしていたが。
めっちゃ緩そう…とだけ感じた。
また、このENDは、全ENDを解放した後からが本番である。
追加シナリオが解放されるので、絶対に視なければならない。
愛美の偏愛の深さが窺える。
「愛の対象が真奈美から麻薬に向かっただけ…」
結局彼女?は愛美の何をも得ることはできなかったのだ。
この作品において、一番悲しい人物であると言える。

自殺END

ここにきてようやく、愛美、というより姉妹の異常性に気づくことができた。
全く優子だけではなかった。
処女を散らしたことを知って吐いてしまう愛美…最高だね。
だがそのあとが流石ともいうべき展開。
そこまではまだ良い…が、女性が女性たらしめる部位を切り取る、とはね。
もはやこれは愛ではなく執着の域に達していると言えよう。
ラストの、おそらく夢、なのであろうが、愛美の絶望は想像に難くない。

監禁END

なぜ、家を出た方の分岐だと、ラストCGが全てあのように美しく尊いものであるのに、あそこまで狂気に満ちているのか。
ライターと絵師の力量がすさまじいまでに作品のクオリティを押し上げていた。
首絞めセックスはやっぱりよくないね。
だが、あれはあれで一つの幸せの形なのではないかと思う。
CARNIVALで瀬戸口廉也氏も言っていたように、「幸福はガラクタ」なのだ。
あのような展開、愛美にとっては幸福でしかないだろう。
が、真実に気づく、あるいは気づかされた瞬間、彼女は発狂、狂死するはずだ。
まさに、そのひとにとっての幸福とは、脆く儚いものなのである。

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個人的TRUEEND

あのマスターアップイラストのCGね。
個人的には究極の愛のカタチだと思うんだよ。
双方合意の下、ああすることが理想だと、そう思ってのことなのだから。
誰によっても、二人の愛というものについて干渉することは許されない。
だからこそ、このENDに関して、何人たりとも文句を言うことは不可能である。
愛する者のために手足を差し出す、これに何の問題があろうか。
このENDをBADENDというものは全く違う。
この作品のタイトルを思い出してほしい。
真愛の百合は赤く染まる
である。
この作品において、血を流すことなくして愛はあり得ないのだ。
世話をしたい、世話をされたい、全てを委ねたい、全てを捧げたい。
何と素晴らしい二人の愛であることか。

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TRUEEND

綺麗にまとまったという印象が強い。
全体を見ればやはりTRUEなのだろう。
二人が対等になる、という意味での抵抗の選択肢。
ウェディングドレスを着た二人。
紛れもなくTRUEだったと言える。
海外に逃げる、という話は他のENDでも出ていたが、ここで現実化した。
その前の個人的TRUEを視ていなければ最高のENDだったと断言できる。
自分はその前により素晴らしい展開を目の当たりにしてしまった。
だが、あのラストCGは心にいつまでも刻まれる類の稀に見る美しさだったことは間違いない。

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Hシーンに関して

正直あまり抜けない(抜いたが)。
今月はエロアプリ学園という素晴らしい抜きゲがあったためかもしれないが、あまり抜けなかった。
おそらく、百合シーンに際して、汁が足りなかったためだと思っている。
汁の描き方、というのは抜き要素で重要な位置を占める。
だが、その汁がおろそかになっている印象を受けた。
サクラノ詩の百合シーンではかなり抜けたので、やはり汁だな。


全体として

期待以上で今年トップレベルの作品。
リョナ・グロ・百合の要素を超越する愛を見せてもらった。
リョナ、という意味ではマゴベくらい抜けると良かったのだが...。
そこは重要なファクターではないけども。
にくにくまだやっていないのでプレイしていく。
SaDistic BlooDも楽しみなの。