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私が記憶する限り浜川さんは初めて出会った自己愛性人格障害者であったと思う。
高校2年生の時、居酒屋でアルバイトをしていた私は、アルバイト先で伝説的な人物として
噂されていた四歳年上の浜川さんを知った。
伝説の内容としては、幼稚舎から大学まで付属校がある都内有数の名門校の高校出身。
高校時代は同級生でメジャーデビューしたバンドの元メンバーだった。
覚せい剤や大麻など、他種類の非合法な薬物を使用した経験がある。
度々、喧嘩をし、勝つ時もあれば負けることもあった。都内の有名な不良グループや暴力団関係者、
芸能人、会社経営者等、幅広い人脈があり、それらの人達からたいそう可愛がられている。
非常に頭が良く、勉強はとにかくできた。上記の他にも、浜川さんの伝説は数多く言い伝えられていた。
私がその居酒屋でアルバイトを始めた頃、浜川さんは大学に行くため全寮制の予備校で勉強していた。
浜川さんは高校を一年留年し、高校卒業後はこの居酒屋で3年間多少のアルバイトをしながら
遊び呆けていたが、遊びにも飽きたので、いい大学に行って、科学者になろうかと思ったので、
現役の人とは4年、5年？遅れて大学に進学しようとしたらしい。
私はそれらの逸話を聞いて、素直にすごい人もいるんだな～、と思っていた。
そして、噂では私が高校3年生になった時には浜川さんは受験を終え、希望の大学に合格すれば、
また、この居酒屋で小遣い稼ぎに少しだけアルバイトをしに来そうだ、という話でアルバイト先は
盛り上がっていた。そして、私が高校3年に上がった年についに浜川さんと出会うことになる。
