パーソナリティ障害 ブログランキングへ 前回まで浜川さんの言動についてネガティブな事しか書かなかったが、
分野によっては人並み以上の能力があったのも確かだ。
実際に名門でエスカレーター式の中学と高校に行ってのは事実だし、 数年間のブランク期間が
あったものの医療分野の難関大学(医学部ではない)に合格し、大学生になっていたのも事実。
そして、容姿も背が高くハンサムな方であったと思う。
しかし、それ以上に本人の中では「自分は凡人とは違う、とてつもなくすごい人間なんだ」という
等身大を遥かに超えた自己像をもっていたのも事実。
「俺はノーベル賞だって取れておかしくない」、「まわりの奴らは俺がどれだけ凄いのか、分かってない」、
「俺が会社の社長になったら雇ってやるよ」、「俺、本当は東大に行けたんだけど、やめといた」などなど。
浜川さんはこのような自慢話をする時は人を慎重に選んで言っていた。
そして、ある日、浜川さんが少し落ち込んだように高校時代の事を暴露した事には少々驚いた。
「高1の時よ~、学校の不良達に呼び出されて、ボコボコにされたんだよ。でも次の日、一人ずつ、
逆に俺が呼び出してやり返してやったよ。」、最初はこんな内容だった。
しかし、また何かの拍子に彼が落ち込んでいる時には、「高1の時は大変だったよ。学校の不良達に
タカられてたから、財布は家に置きっ放しにしてたんだ。金持ってっと取られっからさ。」
そのエピソードを聞いて私が想像したのは、「浜川さんは多分、昔は誰にでも大法螺を吹いてて、
相手が自分よりも腕力や学校内のヒエラルキーが上の人にも同じ調子だったんだろうな」と思った。
そして、年を重ねていくごとに、自分を称賛してくれそうな人間を慎重に選んでから自己アピールを
するようになったのだと。
しかし、それでも、彼は人間関係のトラブルに巻き込まれる事は多かった。
彼が通っていた大学の知り合いと思しき人物から嫌がらせメールが度々届いていたり、
某掲示板にまで本名を名指しされて中傷されていた。
それについて浜川さんは「面と向かって、なんも言えねーチキンがいんだよ。ホントに
情けねぇ~、奴らだよ。オメェはこういう奴らのマネすんなよ」とせせら笑っていたが、
本人の目は笑っていなかった。むしろ、かなり動揺しているように見えた。
もうその頃には彼といること自体が苦痛になってきて、電話で呼び出されても、
適当な理由をつけて、一緒には遊ばないようにしていた。