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境界知能(軽度知的障害者)の自己愛性人格障害者 大学・社会人時代1の続き
山田君が大学に入学してから彼の自己愛性人格障害的な言動が何故か増えていった。それには理由があると思う。私が考えるに、彼は中学生の頃から優等生や頭のいい人に憧れをもっているようで、スポーツも勉強もできるような友達についてまわる事が多かった。しかし、山田君は彼らのようにはなれなかった為に、強いコンプレックスを抱いていたのかもしれない。
彼と友達だった人達はみんな有名大学に入学ていたが、自分だけ無名大学のそして、夜間学部に入った事は彼の中で相当な劣等感を感じていたようだ。その為、彼は夜間学部(2部)とは言わず、普通に昼間に大学に通っていると吹聴していた。
同級生の大学に進学した友達同士で集まれば、大学の講義の話やどんなサークルは入ったかなどの話題でもちきりだった。そんな中、山田君も必死にみんなに話しを合わせようとして、嘘を重ねる事になる。
自分はサークルにも入っていないし(夜間学部の学生が昼間の学生に混じって同じサークルに所属する事は稀)、第二外国語の授業も受けていないのに(山田君の大学の2部は第二外国語がなかった)、有名大学に入った友達と同じ生活をしているかのように振舞っていた。
しかし、飲み会などでみんなが学生生活の話で盛り上がっていても、話に混じりきれず、一人でボーっとしていることもしばしばだった。
彼はそのような時だけでなく、日常生活で度々、ボーっとしていたり不注意や注意散漫な事があり、バイト先で注意されたり、友達から叱咤される事があった。
いくつか例を挙げるならこんな事が頻繁にあった。
1:山田君がエレベーターを待っていても、全然エレベーターが動かない。山田君は「なんでこのエレベーター動かねぇんだよ!!!」と言っていると、エレベーターのボタンを押していなかった。
2:自動販売機でジュースを買ってくるはずが、自動販売機に金を入れてボタンを押すが、ジュースも釣り銭も取らずに帰ってしまう。
3:ずっと住んでいる家のまわりでも迷子になる事がある。
4:仮定の話しが理解できない事が多い。例えば、「もし、あのお客が帰ったら、あの席に次のお客を誘導して」という場合に「もし~」の部分が分からないのか、まだ帰っていないお客の席に次のお客を連れてきてしまう。
5:論理的な考え方ができない為、普通に考えれば当然だと思われる原因と結果の因果関係が分からない。
6:映画や本を読んでも全く内容が理解できない。しかし、勝手に自分なりの解釈をして、他人から間違いを指摘されても、自分の考えを改めようとしない。そして、自分の解釈が正しいと言い張る。
7:聞き間違いと言い間違いが多く、他人と話しが噛み合わない事が多過ぎる。例えば、漫画の「あしたのジョー」の話しをしているのに、勝手に「はじめの一歩」の話しだと思い込んで聞いている。
8:バイト等で簡単な指示が理解できず、勝手な行動をしたり、一人でボーっとしている事が度々ある。
上記のような事が慢性化しており、一時的に体調不良などで起こっているものではなかった。よくよく、思い出してみると、これは子供の頃からだった。
しかし、子供の頃はみんな多かれ少なかれ、おっちょこちょいな行動があるので、山田君の行動の特異さが目立たなかったのかもしれない。
境界知能(軽度知的障害者)の自己愛性人格障害者 大学・社会人時代3に続く
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