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境界知能(軽度知的障害者)の自己愛性人格障害者 大学・社会人時代2の続き
ここまで、山田君のエピソードを羅列してきたが、このような状況的な証拠では彼が境界知能であるかは、断定してはいけない。しかし、彼が境界知能であるという事が分かってしまう出来事があったのだ。
詳しい理由は知らないのだが、山田君の母親が彼を連れて病院に行った事があるらしく、そこで、知能検査を受けたのだ。知能検査を受けた直ぐ後に、たまたま友達で集まって酒を飲んでいた。
その時に山田君が自信満々で満足気に報告してきた。
山田君:「今日、実は対した理由はないんだけど知能検査を受けてきたんだ。こういう事って、あんまり自慢する事じゃないんだけど、俺のIQって82だったんだよね。天才じゃ~、ないけどちょっとだけ優秀だったみたいだな。まあ、IQが高い人もいれば、低い人もいる。これが世の中だよな。それでも、低い奴はちょっと可哀想だったりしてwwwww」 と嬉しそうに笑いながら言うではないか。
どうやら彼は、知能指数の平均が大体100位という事を知らないようだった。そこで、100点満点のテストなのだと勘違いして、82という数字がかなり良い点数なのだと思い込んでしまっているようだった。
彼のその発言を聞いた友達は愕然としたというよりも、「やっぱりな」と思ったらしい。そこで、友人は山田君を次のように窘めたらしい。
友人:「その事は他人にあんまり言うなよ。」
山田君は悠然としながら言う
山田君:「そうだよな。人によっては嫌味に聞こえるかもしれないからな。」
友人:「そうじゃ、ないんだよ。IQってどういうもんかお前、知ってんのか?」
少しぽかんとした表情で山田君が言う
山田君:「はぁ?分かってるよ。100点が最高だろ?」
うんざりしながら、そして優しく諭すように友人が言う
友人:「違うんだよ。IQってのは100が平均なんだよ。平均って意味分かるか?普通の人は大体100位なんだよ。だから、82ってかなり低いんだよ。俺らはお前の事を馬鹿にしたりしないけど、他人に言うと、馬鹿にされるかもしれないから、あんまり言うなよ。」
山田君の表情が固まってしまい、上手く言葉がでない様子でこう言う。
山田君:「・・・・、え?・・・・そうなの・・・? で、でも、それでも、低すぎるわけじゃないだろ。82もあるんだから。」
友人がもう一度、諭すように言う。
友人:「だからな、普通の人が100なんだよ。82って事はかなり低いって事なんだよ。でも、別にそれは、お前が悪いわけじゃないし、お前がダメだって言ってるわけじゃないから、あんまり気にするなよ。」
山田君は特有のボーっとしたような表情でたどたどしく言う
山田君:「・・・ん?あれ? よく意味が・・・・分かんないんだけど・・・82って・・・ダメって事?」
友人:「そういう事じゃないんだよ。とにかく、今日の知能検査の結果は他人に言うなよ。誤解されたり、するかもしれないから。」
山田君は返事にならないような答え方で
山田君「あ・・・、あぁ・・・。わ、分かった」
このような感じでその時の会話は終わったらしい。プライドが高く、自我の強い山田君はどのような心境だったのだろうか?おそらく、相当なショックを受けたかもしれないが、彼はそのような強いショックを受けても直ぐに気にしなくなる性格だった。
山田君は自分のプライドが傷つけられるような事や自分の意見を否定されるような事を言われるとその時だけは、怒ったり、他人の意見を拒絶するのだが、そのような嫌な事は直ぐに忘れられるのだ。これは、彼の強い自我が関係しているのかもしれない。
彼は、高校受験と大学受験に失敗しても、IQ82がどのような意味であるか分かっても、ショックを受けるのはほんの一瞬で、数日後には自信満々で自意識過剰、成功を誇大妄想する残念な人に戻ってしまうのだ。
境界知能(軽度知的障害者)の自己愛性人格障害者 大学・社会人時代4に続く




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