重度の自己愛性人格障害者 ある会社の上司編5

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重度の自己愛性人格障害者　ある会社の上司編4の続き

その会社での河田の出世ぐあいはジグザクながらも調子が良かった。仕事では基本的にリスクは全く冒さず、大胆で大きな取引はしない代わりに確実に上司から文句が言われないように小さい取引をしっかりとこなしていった。

しかし、彼はいつも不安定で何かに怯えながら過ごしていたのかもしれない。なぜなら、部下への度重なるパワハラで河田の下についた新人や中堅の社員は軒並み辞めていくし、時に暴力を振るって怪我をさせてしまい、部下から「訴えるぞ」と脅されていた事もある。

また、プライベートでも様々な問題を抱えていた。河田の嫁が他の男と歩いていたのを他の社員に見られ、その事を社内で噂として広められ、その話に尾ひれがついて、「河田が嫁に浮気されている」など陰口を叩かれていたりもした。プライドだけは高い河田はそのような噂をどのようにとらえていたかは図りかねるが、相当に屈辱的だっただろう。

Uは河田の表情が特徴的だったと言っている。Uがもくもくと作業をしていると、Uは視線を感じて河田の方を見ると、河田はふてくされた子供のような顔をしてUを凝視していたり、部下をいびっている時はなぜか自信満々の笑みを浮かべているが、その目は遠くを見ているような感じだったという。




重度の自己愛性人格障害者　ある会社の上司 完


 



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