パーソナリティ障害 ブログランキングへ 久しぶりの投稿です。

 自分を天才と思い込み、まわりは馬鹿ばっかりだと言う人は以外にも多い。

このようなタイプは幼稚な万能感をいつまでも克服できていない事と社会経験が少ない、若しくは仕事や社会で虐げられ続けてきた人で過剰な自尊心を持っている人が陥りがちな性格も特徴に思える。

私が出会ってきた中でも数人はいる。「世間の奴らは馬鹿ばっかり、なんにも考えていない。マジで低俗で救いようがねぇーよ。」と露骨に言ってしまう。そして、彼らの事を褒めておだてると、途端に調子に乗って少し照れながら「そうなんだよぉ~、俺、すげーだろ?俺って天才なんだよぉ~」と言っていたのを聞いた事がある。しかし、そう言っている本人は何者なのかというと、全くの凡人でこれと言って、光る才能などないように思えてしまう。

要するにこれも幼稚な自己愛の為せる業ではないだろうか。

ここで、一つ具体的なヨシヒコ君のエピソードを紹介したい。

もう子供の頃からの付き合いで20年程の知人である。小学校の頃はマイペースで少し変わった程度で、特に目立つような少年ではなかった。しかし、中学校の2、3年生になる頃から過ごしずつ、現在の彼になる片鱗を見せ始めていたと思う。高校受験のために学校へは行かず、自宅と塾で勉強し学校の活動には殆んど参加しないようになった。
 その甲斐あってか、県内ではまあまあ優秀な高校へ入学することになった。高校では普通の少年として過ごしていたとはず。しかし、対人関係では少しぎこちない感じがあり、おそらく今に至るまで女性とは付き合ったことがないと思われる。

彼が大学生になった頃から少しづつ自己主張をするようになるのだが、印象としては自己弁護の多さを感じた。ヨシヒコ君は昔から時間に極端にルーズだった為、待ち合わせなどに遅刻をしては、周りの人をうんざりさせることが度々あったからだ。彼曰く、「待合せとはお互いの契約であり、待合せをするという契約を結んだ以上、例えどちらかが遅れたとしても・・・ナントカカントカ」。
 そういうヨシヒコ君だが、自分が待たされるのは許せないらしく、遅刻をした相手に不貞腐れるような態度をとってしまう。

そこら辺から自己愛の萌芽を感じる。結局、現在は名ばかりの自営業をしているが、いつも「直ぐに億万長者だよ、今はまだ利益は少ないけど、もうちょっとだね。まあ、俺の考えてることを他の人が理解できればだけど」。
これをもう2年程、言っている。しかし、彼がこれからビジネスで伸びそうな気配は今のところ感じられない。
 
決して悪い人間だとは思わないのだが、彼の他人を蔑視するような発言と自分を天才だと言ってしまう幼稚さには正直言って不安を覚える。また、彼に関しては前述の浜川さんのように実際に小学校と中学校までは他の子と比べて少しだけ賢かったのは事実である。まあ、賢かったと言っても、中の上あたりだったはず。
 しかし、ヨシヒコ君の中では幼い頃に賢かった自分が余程、特別な存在に感じたのだろうか。幼馴染みの集まりに行って、子供の頃の成績の話になると「俺、頭良かったもんなー」と頻繁に口にする。今でも自分の中では、幼い頃にやや賢かった為に褒められたり、少しだけ特別視されるべきだと思い込んでいるのだろうか。

今後の彼の動向を観察していきたい。

補足

私だけでなく、多くの人が認める事だが、強い自己愛を持った人が社会的に成功する例は非常に多い。何か大きな業績を成し遂げるには、まわりの人が何と言っても、やり通す程の負けん気や意志の強さが必要なのだろう。しかし、自己愛性人格障害の身近にいる人はいつも迷惑している事が多い。自己愛性人格障害の人と一緒にいられる人は彼をカリスマだと思い込み、何でも世話をしてくれるような従順で主体性の少ない性格の人が合っているのではないだろうか。