2012年02月09日
第3回アニメレビュー勉強会申込開始です
予告だけして正式連絡が遅れてすみません。3月4日(日)に行う第3回アニメレビュー勉強会の詳細です。
お題:「ドラえもん のび太と鉄人兵団」(1986年版、芝山努監督)。
参加申込〆切:2月15日(水)
原稿〆切:2月21日(火)
採点〆切:2月27日(月)
2月24日ごろまでに全員分の原稿を送付しますので、採点して藤津に送付してください(採点方式はこの時連絡します)。
勉強会当日 3月4日(日)
採点表をお渡しします。そして、採点表を参考にしつつ、意見交換をします。当日は藤津以外にゲストの方もお招きしますので、その方も交えて話をします。ゲストは只今交渉中です。
FAQ
1、参加者はどんな人が多いですか?
参加者はアマチュアの方が多いですが、プロやプロ志望の方もいます。
2、レビューというのはどういう原稿でしょうか?
レビューとは、まずは「未見の人に向けたバイヤーズ・ガイド」と理解してください。長文のいわゆる批評・評論(たとえば「ユリイカ」などにのってる原稿)とは異なります。ただこうしたものに明確な線引きは難しく、批評的視点のあるレビューも当然あるわけですので、バイヤーズ・ガイドというの原則程度に受け止めていただければ。ただ、過去の高得点原稿みればわかる通り、その考えはかなり自由です。
第1回の上位3位までの原稿
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612845.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612843.html
第2回の上位3位までの原稿
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65637451.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65637450.html
3、ケナし批評的なものはアリでしょうか。
アリです。勉強会の趣旨は、おもしろい原稿を書こう、ですので、「おもしろさ」(とその裏側にある説得性)さえ目標にしていただければ。
4、レビューに書き添える想定媒体というのは?
想定媒体を書き添えるのは、本当にその媒体に載るような原稿を書くというより、レビューを「読んでほしい人」を決めるという意味で理解してください。ですから媒体は「個人ブログ」でも「もしこのアニメ誌にレビュー欄があったら」でも「一般誌・新聞のカルチャー系の欄でアニメが取り上げられるとしたら」でもOKです。
これまで2回講座をやったところ、傾向として、『「個人ブログ」としたわりにはスタンダードな紹介原稿』というケースが散見されました。それについて、個人ブログなのだからもっと乱暴な原稿でもいいのではないか、ということは何度か指摘がされていますので、「個人ブログ」と書かれる際は一度自問自答をされることをおすすめします。
お題:「ドラえもん のび太と鉄人兵団」(1986年版、芝山努監督)。
参加申込〆切:2月15日(水)
参加手続
・藤津のメアド(personap(●)gmail.com (●)をアットマークに)に以下の内容を記載して送ってください。
・件名に「アニメレビュー勉強会参加希望」と書いてください。
・参加料は1回1,500円になります(当日支払い)。
・本文には以下のことを記入してください
1)名前(ハンドル名でも可)
2)緊急時連絡先(携帯電話・携帯メール等)
3)12:00の回もしくは15:00の回どちらを希望するか
4)夕方の懇親会の参加を希望するかしないか
※以前、参加された方は名前だけでOKです。
※この時点で原稿を添付する必要はありません。
※懇親会は18:00前から近所の居酒屋で2時間ほどやります。
※緊急時連絡先は地震・台風などで急遽開催をやめる場合にご連絡するためのものです。
※一人の方が2コマ受けることはできません。人数が少なければ15時の回に統一する可能性もあります。
原稿〆切:2月21日(火)
・メールの件名は「アニメレビュー勉強会原稿」でお願いします。
・想定媒体を必ず書くこと。想定媒体についてはFAQを参照のこと。
・タイトルはあってもなくてもいいです。
・文字量は800w〜2000wの範囲で。
・一人で複数原稿書くのもOKです。
・機種依存文字(丸数字等)は使わず、かつテキストファイル(拡張子が.txtのもの)で。わからなければメールの本文欄に文章をダイレクトに貼り付けてください。
採点〆切:2月27日(月)
2月24日ごろまでに全員分の原稿を送付しますので、採点して藤津に送付してください(採点方式はこの時連絡します)。
勉強会当日 3月4日(日)
採点表をお渡しします。そして、採点表を参考にしつつ、意見交換をします。当日は藤津以外にゲストの方もお招きしますので、その方も交えて話をします。ゲストは只今交渉中です。
FAQ
1、参加者はどんな人が多いですか?
参加者はアマチュアの方が多いですが、プロやプロ志望の方もいます。
2、レビューというのはどういう原稿でしょうか?
レビューとは、まずは「未見の人に向けたバイヤーズ・ガイド」と理解してください。長文のいわゆる批評・評論(たとえば「ユリイカ」などにのってる原稿)とは異なります。ただこうしたものに明確な線引きは難しく、批評的視点のあるレビューも当然あるわけですので、バイヤーズ・ガイドというの原則程度に受け止めていただければ。ただ、過去の高得点原稿みればわかる通り、その考えはかなり自由です。
第1回の上位3位までの原稿
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612845.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612843.html
第2回の上位3位までの原稿
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65637451.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65637450.html
3、ケナし批評的なものはアリでしょうか。
アリです。勉強会の趣旨は、おもしろい原稿を書こう、ですので、「おもしろさ」(とその裏側にある説得性)さえ目標にしていただければ。
4、レビューに書き添える想定媒体というのは?
想定媒体を書き添えるのは、本当にその媒体に載るような原稿を書くというより、レビューを「読んでほしい人」を決めるという意味で理解してください。ですから媒体は「個人ブログ」でも「もしこのアニメ誌にレビュー欄があったら」でも「一般誌・新聞のカルチャー系の欄でアニメが取り上げられるとしたら」でもOKです。
これまで2回講座をやったところ、傾向として、『「個人ブログ」としたわりにはスタンダードな紹介原稿』というケースが散見されました。それについて、個人ブログなのだからもっと乱暴な原稿でもいいのではないか、ということは何度か指摘がされていますので、「個人ブログ」と書かれる際は一度自問自答をされることをおすすめします。
2012年01月17日
新連載「帰ってきたアニメの門」スタートしました
キャラクターとクリエイターの最新情報サイト「ぷらちな」(http://www.p-tina.net/)で
新連載(?)を始めました。
タイトルは「帰ってきたアニメの門」(http://www.p-tina.net/animenomon/427)
タイトルの通り、アニメ時評「アニメの門」「アニメの鍵」に続く連載です。
04年から10年まで足かけ7年連載した「アニメの門」「アニメの鍵」でしたが、連載終了して10年に連載をまとめた単行本「チャンネルはいつもアニメ」(http://www.amazon.co.jp/dp/4757142536)の後は、時評を特に書いていませんでした。
11年春から朝日新聞夕刊の「茶話」でアニメを担当していますが、こちらは「作品を取り扱う」ということが縛りなので、ビジネス系の話題はなし。今はアニメビジネスの過渡期なので、適宜動きがあるたびにそれに触れつつ、
少し長めの作品論も書きたいなーという気持ちが強くなってきたので、この連載を始めることにしました。
これから月1回のペースで、ビジネス的な話題から、気になる作品の作品論までアニメの「今」をあれこれ書いていこうと思います。おつきあいいただければ。
タイトルのところにりょっぴーという謎キャラがいますが気にしないで(笑)。
新連載(?)を始めました。
タイトルは「帰ってきたアニメの門」(http://www.p-tina.net/animenomon/427)
タイトルの通り、アニメ時評「アニメの門」「アニメの鍵」に続く連載です。
04年から10年まで足かけ7年連載した「アニメの門」「アニメの鍵」でしたが、連載終了して10年に連載をまとめた単行本「チャンネルはいつもアニメ」(http://www.amazon.co.jp/dp/4757142536)の後は、時評を特に書いていませんでした。
11年春から朝日新聞夕刊の「茶話」でアニメを担当していますが、こちらは「作品を取り扱う」ということが縛りなので、ビジネス系の話題はなし。今はアニメビジネスの過渡期なので、適宜動きがあるたびにそれに触れつつ、
少し長めの作品論も書きたいなーという気持ちが強くなってきたので、この連載を始めることにしました。
これから月1回のペースで、ビジネス的な話題から、気になる作品の作品論までアニメの「今」をあれこれ書いていこうと思います。おつきあいいただければ。
タイトルのところにりょっぴーという謎キャラがいますが気にしないで(笑)。
2012年01月15日
『ハクション大魔王』のハンバーグにまつわるエッセイ
TLで『ハクション大魔王』のハンバーグの話題が流れていた。アニメスタイルの小黒編集長のブログ(http://animesama.cocolog-nifty.com/animestyle/2012/01/post-b731.html)が話題のもとの様子。
それを見ているうちに、今はなきWEBマガジン「トルネードベース」に連載したエッセイ、「アニメ喜怒哀楽」で、『ハクション大魔王』のハンバーグの話題を取り上げたことを思いだしたので再掲。この連載は結構気に入っていたので、どこかでまた続きを書きたいなぁと思ってたりします。『フリースタイル』みたいな雑誌とかで書けるとうれしいですね。
それを見ているうちに、今はなきWEBマガジン「トルネードベース」に連載したエッセイ、「アニメ喜怒哀楽」で、『ハクション大魔王』のハンバーグの話題を取り上げたことを思いだしたので再掲。この連載は結構気に入っていたので、どこかでまた続きを書きたいなぁと思ってたりします。『フリースタイル』みたいな雑誌とかで書けるとうれしいですね。
(タイトル)
第1回 「美味そう」の理由
(本文)
アニメを通じて喜怒哀楽にまつわるつれづれを書いていこうと思う。第一回目は「喜」なので、食べる喜びについて。
もし「食べてみたいアニメの中の食べ物」を選ぶとしたら、
『アルプスの少女ハイジ』の「溶けるチーズ」
『はじめ人間ギャートルズ』の「マンモスの輪切り」
『ハクション大魔王』の「ハンバーグ」
この三つが「アニメ味の殿堂」に入るのは間違いないだろう。この原稿を書くために何人かに話を聞いたり、ネットでいろんな人の意見を見てみたが、この3つの食べ物は実に多くの人――特に一定の年齢以上の世代――から支持されていた。
とはいうものの、セルアニメという表現は食べ物を描くのは決して得意ではない。不得手といってもいいだろう。塗り分けで表現されるセル画調の事物は、質感が均一でつるつるしており、シズル感――食べ物などの美味しそうな感じ――に欠けることおびただしい。特殊効果で焼け焦げをつけ、ハイライトを足しても、「精緻」には見えても「美味そう」にはあと一歩足りない。このあたり、ブラシやハイライトを加えるだけで、グッと“リアル”になるメカとはずいぶんと事情が違う。さらに、食べるという仕草を作画することの難しさもあるのだが、それはここではひとまずおいておこう。
さて、『ハイジ』のチーズがどうしてうまく見えるのか、その理由については、DVD『『もののけ姫』はこうして生まれた。』の中でヒントが語られている。このDVDは6時間にも及ぶ『もののけ姫』のメイキング映像で、オーソドックスなメイキング映像以外にも、スタジオジブリの日常を垣間見させるような場面も多く見ることができる。
その中に出てくるのが、新人動画マンの研修風景。動画マンといっても作画ではなく、研修の最後の課題ということで研修生の皆さんは、各々食べ物の絵を描き、それをトレス、彩色するという内容に挑戦している。
そこに現れた宮崎駿監督。ある新人さんの塗り上げたステーキを見ていろいろと指摘をする。指摘のポイントはいくつかあるのだが、一番興味深かったのは「彩度が高い色のほうがうまく見えるんだ」というもの。彩度が高いと色は鮮やかに見え、彩度が低いとくすんだ渋い色に見える。
その新人さんのステーキは、肉はリアルな焦げ茶色。むしろ鉄板を乗せる木の台のほうが鮮やかな色合い。宮崎監督は同じ文脈で「肉の焼け焦げも、黒とか灰色でははないほうがいい」というようなことも言っていた。さすが、美味い食べ物を描かせたらかなうものがないといわれる宮崎監督である。
確かにこの言葉通り。ハイジのチーズは、オレンジがかった黄色で実に色鮮やか。しかもチーズだから、セル画のつるつるした質感でも違和感が少ない。さらに火にあぶられると、ハイライトも描かれる。ハイジのチーズは、まず絵が動いていない状態でも、美味そうに見える条件が既に整っていたのだ。
そこにさらに、暖炉であぶられてトロッと溶けていく「動き」が加わるのである。この動きがダメ押しとなって、多くの人が「『ハイジ』に出てきたチーズを食べたい!」と強烈にすり込まれる結果になったわけである。
では、残り二つ「マンモスの輪切り」と「ハンバーグ」はどうだろう。
「マンモスの輪切り」は、それを食べるゴンたちの食べっぷりが豪快だからでしょう。園山俊二のキャラクターが持つおおらかな雰囲気と、野性の動物をガツガツと食べるというワイルドさな動きが、組み合わさることで、「ああ、あんなふうにガツガツ食べたい」という効果を生む。『ハイジ』が「食べ物そのものが美味そう」だとするなら、こちらは「食べっぷりがいいので美味そう」だ。
ところがここで、はたと困ってしまう。『ハクション大魔王』の「ハンバーグ」。これは一体どこがあれほど美味しそうに見えたのか。ハンバーグそのものは、焦げ茶色で彩度は低め。お手玉のようにひょいひょいとハンバーグを口に放り込んでいく大魔王の食べっぷりは、ユーモラスではあるけれど、美味そうに見えるとかというといま一つパンチにかけるような……。
と、そこまで考えて、はたと思いついた。『ハクション大魔王』のハンバーグにはそもそも非常に有名な謎が一つある。
それは、大魔王がハンバーグを作る時に、油で揚げているという点である。一説には当初、大魔王の好物は「コロッケ」という設定だったが、スポンサーがレトルトハンバーグで有名な食品メーカーだったため、アフレコの段階で、ハンバーグになったのだという(ホントかどうかは知りません。念のため)。
それはともあれ、大魔王はハンバーグを作る時に必ず油で揚げているのである。
ここで最初に書いたシズル感という言葉を思い出してほしい。実はこの「シズル」というのは、もともとステーキを焼くときの「ジュージューいう音」のこと。となると、油で揚げるというシチュエーションは、ほかにないほど「シズル感」溢れるシチュエーションであることになる。しかも、ハンバーグを焼く場面をアニメで描いたことを想定すれば、「シズル感」では「揚げる」にあっさり軍配があがる。
それに『ハクション大魔王』はギャグアニメ。少々現実と違っても、それもまたよし、だ。スタッフは、ハンバーグの作り方としては邪道と知りながら、「シズル感」溢れるシチュエーションを手放すのがしのびなく、そのままにしたのではないかしら。想像だけど。
かくして、一風変わった作り方の「ハンバーグ」は、「アニメ味の殿堂」に入ることができた――と考えると、なかなか愉快である。
さて、あなたの「アニメ味の殿堂」には、どんな料理が入るだろうか?
2012年01月12日
第2回アニメレビュー勉強会/第1位
第二回アニメレビュー勉強会で高得点を集めた原稿の第1位になります。
お題は『MINDGAME』(湯浅政明監督)。ゲストはライターの廣田恵介さんと、上田繭子さんでした。
今回は投稿のあった原稿が40本あり、参加者32人は持ち点80点(40本×2点)を40本の原稿に自由に割り振りました。
第1位の方には「アニメレビューマイスター」の名前が贈られます。パチパチパチ。
さて、そして2月にやるといっていた第3回アニメレビュー勉強会ですが、藤津の予定がもろもろ重なってしまい、ちょっと無理な状勢になってしまいました。そこで翌月3月4日(日)に行いたいと考えています。現在会場交渉中ですので、決まり次第twtterやメールでご報告します。
お題は『MINDGAME』(湯浅政明監督)。ゲストはライターの廣田恵介さんと、上田繭子さんでした。
今回は投稿のあった原稿が40本あり、参加者32人は持ち点80点(40本×2点)を40本の原稿に自由に割り振りました。
第1位の方には「アニメレビューマイスター」の名前が贈られます。パチパチパチ。
第1位
原稿【27】/柿崎俊道/想定媒体:小学2年生
(タイトル)
『マインドゲーム』は7才の君たちに見てほしいけど、見てほしくないアニメ映画
(本文)
毎月、僕がおすすめのアニメを紹介しているこのコーナーだけど、今回はおこられるかもしれない。『マインドゲーム』はもしかしたらお父さん、お母さんが一番きらうアニメなんじゃないかな、と思うから。
このアニメには、君たちが出会うであろう現実の数%がちゃんと描かれている。長い人生、だれだってこわい人に脅される経験は1回や2回はあるもので、自分の力ではどうしようもない状況に追い込まれることだってある。
主人公の西くんはそうやってヤクザのこわいお兄さんにピストルをつき付けられ、バンッとあっさり撃たれちゃう。ピストルの弾はお尻の穴から頭に突き抜ける形でポンッと抜けて、死んじゃう。
ここから天国に行った西くんが神さまを振り切って、生き返ってやりなおすというアニメの本番がスタートするんだけど、僕もふくめて、たぶん君たちの多くはここで人生が終わる。西くんにはなれないんだ。
その現実をお父さん、お母さんは君たちに見せたくない。がんばってもダメな人生がたくさんある。この『マインドゲーム』にはそんな大人がたくさんいるよ。
たとえば、学生時代にサッカー選手を目指していた男・アツは、失敗の果てにヤクザの手下としてあばれん坊の男として登場する。そして、焼き鳥屋で撃たれて死ぬ。ヤクザとしてがんばっていたけど、でも、死ぬ。
トラックの運転手でイケメンの男は美人と結婚しそうになったけど、ヤクザのアツにおどされて失神し、イケメンではなくなってしまう。しかも、カツラがずれてハゲがバレるおまけ付きだよ。
小鳥が大好きだった少年は数年後にはチンピラになる。西くんを追いかけているうちに自動車とともに、かべにぶつかって爆発する。もちろん、死ぬ。
こんなはずじゃなかった……。
この世にはそんな大人がたくさんいる。才能を花開かせることが最高だと思っている人にとっては、ダメな大人だ。才能があったかもしれないけど、それを活かすことができなくて生きている。そして、死んでいる。
現実世界をやり直した西くんの前にはパラダイスが広がる。『マインドゲーム』は映画だから、そこに気持ちよさがなければ作品として成立しない。ピンチを乗り越えた先にごほうびのような世界が広がっている。だけど、それすらも捨てないと、成長はないんだよ、ってことで、さらにがんばって西くんは先へ進む。
お父さん、お母さん、ぼくは君たちのことを考えると、そういうシーンを見てモニョモニョしちゃうんだ。頑張ってもダメかもしれない。頑張った先にパラダイスが待っているとは限らない。ぼくたち大人はぶつかって失敗した思い出がいっぱいある。そんなつらい経験を君たちにはしてほしくない。だから見てほしくない。
このアニメの映画が公開されたのは2004年。君たちが生まれた年だ。生まれたばかりの君たちを抱っこしながら、『マインドゲーム』を見ていたお父さんとお母さんがいた。モニョモニョしていた大人がいた。この映画を見るとき、それを君たちに知っていてもらえると、ぼくはけっこううれしい。そして、映画を見たあとに、がんばって生きてくれると、もっとうれしい。
※一言コメント 習っていない漢字が含まれている点も含め、小学校2年生にこの原稿の意味がわかるか、という点が一番議論となったこの原稿。君が成人した時に読んでほしい、みたいなフレーズがどこかにあればそうしたひっかかりはなかったのでは、などの意見が出ました。
さて、そして2月にやるといっていた第3回アニメレビュー勉強会ですが、藤津の予定がもろもろ重なってしまい、ちょっと無理な状勢になってしまいました。そこで翌月3月4日(日)に行いたいと考えています。現在会場交渉中ですので、決まり次第twtterやメールでご報告します。
第2回アニメレビュー勉強会/2位、3位
大変遅くなって申し訳ありません。年をまたいでしまいましたが、第二回アニメレビュー勉強会で高得点を集めた原稿3本をアップします。まずは2位と3位です。
お題は『MINDGAME』(湯浅政明監督)。ゲストはライターの廣田恵介さんと、上田繭子さんでした。
今回は投稿のあった原稿が40本あり、参加者32人は持ち点80点(40本×2点)を40本の原稿に自由に割り振りました。
前回も書きましたが、もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会。今回はいりんな意味で工夫を凝らした原稿が多くて、高得点と同時に「逆」(高得点ではないがある意味で印象に残った時などに1回だけ使える投票)を集める原稿が目立ちました。
なお原稿に添えられた想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
お題は『MINDGAME』(湯浅政明監督)。ゲストはライターの廣田恵介さんと、上田繭子さんでした。
今回は投稿のあった原稿が40本あり、参加者32人は持ち点80点(40本×2点)を40本の原稿に自由に割り振りました。
前回も書きましたが、もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会。今回はいりんな意味で工夫を凝らした原稿が多くて、高得点と同時に「逆」(高得点ではないがある意味で印象に残った時などに1回だけ使える投票)を集める原稿が目立ちました。
なお原稿に添えられた想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
第2位
原稿【18】/小川びい/想定媒体:日経サイエンス・くじら特集
文芸作品では、『白鯨』『鯨神』など、鯨には怪物の意匠が強いようだが、アニメの中ではそうしたものは少ない。
逆に目立つのが「跳躍」のイメージだ。そのものずばりが、たむらしげるの『クジラの跳躍』。時間の進みにズレのある世界での、鯨のジャンプのイメージが鮮やかだ。跳躍のイメージがさらに進めば、飛翔となる。『ワット・ポーとぼくらのお話』、『くじらのホセフィーナ』等々、アニメの世界では鯨が空を飛ぶ作品がなぜか非常に多い。鯨が空に浮かんでいる街が舞台の『最終試験くじら』なんていう作品もある。『ムーの白鯨』では、最初は単なる空飛ぶ鯨だったのが、サイボーグ化し、最後には宇宙にまで飛び立っていく。その先の宇宙を舞台にした物語が出崎統の『白鯨伝説』だ。また『機動戦士ガンダムSEED』には宇宙鯨なるものが出てくるが、それがいったい何かは結局明かされずじまいだった。
鯨には一方で、巨大というイメージもあるだろう。ただ、そうした意匠を借りたアニメは意外に少ない。アニメは巨大なものを、そのまま巨大なものとして描くことが実は苦手なのだ。だから「飲み込まれる」というアクションが必要となる。歯のないヒゲクジラの存在も、丸呑みのイメージを強化しているのだろう。古典である『ピノキオ』、その本案である『ピコリーノの冒険』などが代表だ。『侍ジャイアンツ』では、鯨に飲み込まれた鯨捕りが、腹を突き破って出現、仁王立ちになるという場面がある。
戦後すぐの1953年に作られた大藤信郎の『くじら』では、3人の男と1人の女が一緒に鯨に飲み込まれ、潮吹きで脱出する。露骨に性的な描写もあるが、それ以上に、死と再生という性的なイメージがそこには重ねられている。2004年公開の湯浅政明の『マインド・ゲーム』では、飲み込まれた男女が、腹の中で性的な意味を含めたユートピアを築く。半世紀の時を超えて、大藤と湯浅が鯨という意匠を共有しているように見えるのが面白い。
※一言コメント コラムとしてのおもしろさに対して、「作品に対しての導線が弱いのではないか」という意見も出ました。あと『SEED』ではなく『SEED DESTINY』であるという指摘も。
第3位
原稿【23】/遠藤大礎/想定媒体:『マインド・ゲーム』のムック
アニメーターの初監督作品。それが優れたアニメーターとして名を馳せた人物の作品となれば注目せざるをえないだろう。原画や作画監督として監督を凌ぐ程の存在感を見せたあの人がついに、と思いは高まり期待はいつしか確信へ変わる。だが待ち望んでいた作品を目の当たりにした僕たちは当惑を隠すことができない。確かに期待通り、いやそれ以上によく動く作品なのかもしれない。ただ面白くはないのだ。これだけの人材を集めたのに、長い制作期間をかけたのに、なぜだ! その原因を探ってみるもついぞ答えは見つけられず、作画も演出も脚本も何でもこなせてしまう人間がそうそう存在してよいはずがない。と小市民的欲求を満たすことで自分を慰めてしまう。
僕たちはそんな「よく動くけれど面白くない」作品を見過ぎてしまった。だから時に「天才」とも呼ばれるアニメーター湯浅政明が劇場初監督と務めた『マインド・ゲーム』もそんな作品の一つだろうと思い込んでしまうかもしれない。クリエイターの個性を重視する制作会社STUDIO4℃と手を組んだことも、コンテやシナリオまで監督自身が担当したこともその先入観を加速させる。しかし『マインド・ゲーム』は作画を見せるために他の全てを犠牲にした作品にはならなかった。むしろ逆で、魅力的なアニメーションがなぜか説明カットによって邪魔されてしまうのだ。その点に着目すると『マインド・ゲーム』は「作画アニメ」とはまた違った姿を僕たちに見せてくれる。
問題となるのは作品のクライマックス。主人公の西たちがクジラの中から脱出する場面だ。打ち寄せる波によって筏が壊れ、投げ出された彼らは水の上を走り出す。ここで唐突に教室の風景が挿入される。先生が「アメンボは足に生えた毛のおかげで水に浮く」と説明をしている。どうやら過去に受けた授業らしい。すぐに時間は現在へ戻り、今度は足の裏のアップ。そこには毛がビッシリと生えている。なるほど西たちはアメンボと同じ原理で水面を走っていたのか。このように『マインド・ゲーム』は現実ではありえない描写を補足するために過去がエクスキューズとして挟まれる。
これはよくよく考えると奇妙だ。例えば宮崎駿の劇場初監督作品『ルパン三世カリオストロの城』で最も印象に残るシーンの一つ。ルパンが大ジャンプを決める場面。ここでルパンが靴にバネを仕込む様子や植えた麻を飛び越える日々が挿入されていただろうか。そんなことをしては台無しだろう。このシーンは本来止まっているはずの絵が動くというアニメーションの快楽に充ち満ちている。僕たちは「こんなのありえない」とは露にも思わず自然とこのウソを受け入れてきた。わざわざ説明を加えてしまうことはアニメ自体を否定するのに等しい。
では『マインド・ゲーム』のアニメーションが『カリオストロの城』とは違い説得力を持ち得ていないのかと言えばそうではない。5分を超える脱出シーンは総作画監督の末吉裕一郎をはじめとした優れたアニメーターの描写により異様な迫力を持って僕たちを魅了する。だからこそ突然表れる過去に違和感を覚えてしまう。山本精一のBGMが場面の同一性をなんとか保ってくれるが作画を楽しむ点において明らかに邪魔だ。その後も「折れた足が牛乳を飲んでいたおかげで瞬時に治る」など過去が次々と挿入されていく。
なぜこうもフラッシュバックが多用されるのか。それは過去が脱出の成否を握っているからに他ならない。このシーンは自分のそれまでの人生を賭した脱出劇なのだ。だから西は過去の力で水に浮いたり骨折が治ったりするのに対し「悪いことをいっぱいした」と語り過去を否定的に見ていたじいさんは水の底へ沈んでしまう。脱出の成否は過去を肯定できるかどうかにかかっているのだ。その構図をフラッシュバックによって作画の見せ場に持ち込んだことで、脱出シーンは映像面もドラマ面も充実した内容になっている。しかしそれだけでは終わらない。西たちがクジラからの脱出を果たすと今度は一転して未来が映し出される。そこでは幸福な未来も不幸な未来も平等に明るく描かれている。クジラの中から地上へ戻った西たちにとって、未来を選択できると言う点において不幸さえもまた輝かしい存在なのだろう。『マインド・ゲーム』は過去を受け入れた直後にまだ確定していない未来さえも肯定してしまう究極の人生謳歌映画なのだ。
すべてを肯定してしまう『マインド・ゲーム』は手描きアニメーションだけでなく3DCGや実写までも取り込み、カーチェイスやダンスシーンなど何でもアリな表現方法と絶妙にマッチしている。もちろんそのすべてが成功を収めているとは言えないかもしれない。しかしすべてを大胆に肯定する本作の力強さを見せられてしまった後ではそんなことは些事に思えてしまう。だから僕は一部だけではなく全体を指してこう言いたい。『マインド・ゲーム』は面白いと。
※一言コメント 話題になったのは「問題となるのは作品のクライマックス」以降の細部への言及でした。そこまで真面目にとらえるべきかどうか。
2011年10月28日
第二回アニメレビュー勉強会 ゲストが決まりました
第二回アニメレビュー勉強会ですが
ゲストの方が決まりました。
12時の回は ライターの廣田恵介さん。
『オトナアニメ』『モデルグラフィックス』等で書かれていて、
僕とは『グレートメカニック』で「オヤヂ酒場」という話題のアニメ・映画を
ぐだぐだ(笑)語るコーナーを担当していた相方でもあります。
15時の回は、ライターの上田繭子さん。
『Otome Continue』『オトナアニメ』等で活躍されております。
僕が関わっている「オタク大賞」の関連イベントである
「Otome Awards 2010」に登壇していただいたこともあります。
ゲストの方をお願いすることで
僕だけではないいろいろな視点から語ることが
できると思いますので、是非ふるってご参加下さい。
ゲストの方が決まりました。
12時の回は ライターの廣田恵介さん。
『オトナアニメ』『モデルグラフィックス』等で書かれていて、
僕とは『グレートメカニック』で「オヤヂ酒場」という話題のアニメ・映画を
ぐだぐだ(笑)語るコーナーを担当していた相方でもあります。
15時の回は、ライターの上田繭子さん。
『Otome Continue』『オトナアニメ』等で活躍されております。
僕が関わっている「オタク大賞」の関連イベントである
「Otome Awards 2010」に登壇していただいたこともあります。
ゲストの方をお願いすることで
僕だけではないいろいろな視点から語ることが
できると思いますので、是非ふるってご参加下さい。
2011年10月25日
明日はトークショー登壇とTV出演(ちょっとだけ)
なんか原稿仕事でないものがいろいろ固まってやってきましたのでまとめて告知をします。
■トワノクオン シークレットナイト
日時:10月25日18:30開場 19:30開演、
会場:新宿ロフトプラスワン(http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/)
料金:当日1800円
『トワノクオン』第一章から第四章をふり返るトークイベント。技術チーフ役の志村知幸さん、シリーズ構成の根元歳三さんを迎えつつ、かなりフリーダムな内容でお送りする予定。軽妙なトークでお馴染み小林治さんと一緒に司会をします。
■中居正広の怪しい噂の集まる図書館(テレビ朝日)
日時:10月25日23:15〜
「丸坊主にすると髪質が変わる!?」「川島なお美は、ホントはワインに詳しくない!?」……気になる噂の数々を検証します! さらにKis-My-Ft2も身体を張って噂を調査! というような番組です。『ガンダム』ネタがあるということで30秒ほどうつるはずです。よく考えるとちゃんとした番組だと地上波初登場かしらん。(その前に出たのはテレ東のPR番組「A×A」だったので……)
この番組来週もしくは再来週にもガンダム・ネタあるそうでそこにもちょこっと出ます。
■アニメ論・波状口撃<featuringまど☆マギ>(早稲田大学祭)
日時:11月5日(土)開場13:30予定 開演14:00(終演16:30予定)
会場:早稲田キャンパス15号館401教室
※〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1丁目6−1
早稲田大学の人物研究会が企画する公開インタビュー企画に登壇します。『まどか☆マギカ』を入り口にしつつアニメの歴史や未来についてお話することになろうかと思います。インタビューだけで2時間弱、さらに質疑応答もある長時間企画ですので、がんばりたいと思っております。ご興味あれば是非お運びいただければ。
■オタク大賞R12特殊対談シリーズ#01
「清野とおる×押切蓮介 非日常の世界」
日時:2011年11月12日(土)Open:18:00/Start:19:00
場所:阿佐ケ谷 LoftA
※前売り券完売で当日券は若干名のみです。
オタク大賞風味なおもてなしで、各界のゲストにゆるゆる話していただく新企画「特殊対談シリーズ」の第一弾は漫画家業界から!
赤羽に巣食う不思議な住人・飲食店・動植物・超常現象…にスポットを当てまくったドキュメンタリー『東京都北区赤羽』で大ブレイク中の清野とおると、『でろでろ』『ミスミソウ』『猫背を伸ばして』『ツバキ』など、多作かつ多彩な作風でホラー漫画界の若き第一人者となった押切蓮介が、オタク大賞Rにやって来る!
【司会】奈良崎コロスケ
【出演】藤津亮太
【ゲスト】清野とおる(漫画家)、押切蓮介(漫画家)
というわけで「素人/聞き役」みたいなポジションで登壇します〜。
■「アニメ映画を読む#16 おもひでぽろぽろ」
日時:11月19日(土)18:00〜
場所:朝日カルチャーセンター新宿
料金等:http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=134225&userflg=0
毎月第三土曜日に朝日カルチャーセンター新宿で開講している「アニメ映画を読む」。11月は『おもひでぽろぽろ』を読み解きつつ、スタジオジブリの90年代をふり返りたいと思います。ちなみに12月は『攻殻機動隊S.A.C. SSS』を取り上げます。
さらに予約はこれからですが来年1月〜3月は『地球へ…』『ノートルダムの鐘』『特別編「リアルの系譜 ガンダムとまどか☆マギカをつなぐ線」』の予定です。予約始まったらtwitterで告知をしますので。
■アニメレビュー勉強会第二回
日時:11月27日(日)
場所:模型塾
こちらは既に前のエントリで告知済みですので、そちらをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65618068.html
■トワノクオン シークレットナイト
日時:10月25日18:30開場 19:30開演、
会場:新宿ロフトプラスワン(http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/)
料金:当日1800円
『トワノクオン』第一章から第四章をふり返るトークイベント。技術チーフ役の志村知幸さん、シリーズ構成の根元歳三さんを迎えつつ、かなりフリーダムな内容でお送りする予定。軽妙なトークでお馴染み小林治さんと一緒に司会をします。
■中居正広の怪しい噂の集まる図書館(テレビ朝日)
日時:10月25日23:15〜
「丸坊主にすると髪質が変わる!?」「川島なお美は、ホントはワインに詳しくない!?」……気になる噂の数々を検証します! さらにKis-My-Ft2も身体を張って噂を調査! というような番組です。『ガンダム』ネタがあるということで30秒ほどうつるはずです。よく考えるとちゃんとした番組だと地上波初登場かしらん。(その前に出たのはテレ東のPR番組「A×A」だったので……)
この番組来週もしくは再来週にもガンダム・ネタあるそうでそこにもちょこっと出ます。
■アニメ論・波状口撃<featuringまど☆マギ>(早稲田大学祭)
日時:11月5日(土)開場13:30予定 開演14:00(終演16:30予定)
会場:早稲田キャンパス15号館401教室
※〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1丁目6−1
早稲田大学の人物研究会が企画する公開インタビュー企画に登壇します。『まどか☆マギカ』を入り口にしつつアニメの歴史や未来についてお話することになろうかと思います。インタビューだけで2時間弱、さらに質疑応答もある長時間企画ですので、がんばりたいと思っております。ご興味あれば是非お運びいただければ。
■オタク大賞R12特殊対談シリーズ#01
「清野とおる×押切蓮介 非日常の世界」
日時:2011年11月12日(土)Open:18:00/Start:19:00
場所:阿佐ケ谷 LoftA
※前売り券完売で当日券は若干名のみです。
オタク大賞風味なおもてなしで、各界のゲストにゆるゆる話していただく新企画「特殊対談シリーズ」の第一弾は漫画家業界から!
赤羽に巣食う不思議な住人・飲食店・動植物・超常現象…にスポットを当てまくったドキュメンタリー『東京都北区赤羽』で大ブレイク中の清野とおると、『でろでろ』『ミスミソウ』『猫背を伸ばして』『ツバキ』など、多作かつ多彩な作風でホラー漫画界の若き第一人者となった押切蓮介が、オタク大賞Rにやって来る!
【司会】奈良崎コロスケ
【出演】藤津亮太
【ゲスト】清野とおる(漫画家)、押切蓮介(漫画家)
というわけで「素人/聞き役」みたいなポジションで登壇します〜。
■「アニメ映画を読む#16 おもひでぽろぽろ」
日時:11月19日(土)18:00〜
場所:朝日カルチャーセンター新宿
料金等:http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=134225&userflg=0
毎月第三土曜日に朝日カルチャーセンター新宿で開講している「アニメ映画を読む」。11月は『おもひでぽろぽろ』を読み解きつつ、スタジオジブリの90年代をふり返りたいと思います。ちなみに12月は『攻殻機動隊S.A.C. SSS』を取り上げます。
さらに予約はこれからですが来年1月〜3月は『地球へ…』『ノートルダムの鐘』『特別編「リアルの系譜 ガンダムとまどか☆マギカをつなぐ線」』の予定です。予約始まったらtwitterで告知をしますので。
■アニメレビュー勉強会第二回
日時:11月27日(日)
場所:模型塾
こちらは既に前のエントリで告知済みですので、そちらをご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65618068.html
2011年10月22日
第二回アニメレビュー勉強会は11/27
9月に続きアニメレビューを書くための勉強会を開きます。今回は11/27日午後です。
アニメレビュー勉強会は、原稿をもうちょっとうまく書けるようになりたいという人間が集まって、無記名の原稿を前に講評しあうことで、自分の原稿を客観的に見てみようという集まりです。
前回会場のキャパシティギリギリだったので今回の募集段階では2コマ(12:00〜開始、15:00〜開始)で募集します。※募集してみて1コマでできる人数でしたら後に14:00〜のみにします。
システムは次の通りです。
1、申し込み 締切:10月31日(月)
・藤津のメアド(personap(●)gmail.com (●)をアットマークに)に以下の内容を記載して送ってください。
2、原稿執筆と送付 締切:11月14日(月)
締切までに当該作品のレビューを執筆し、藤津のメールアドレスに送付してください。
3、全員分の原稿を読み採点する 締切:11月21日(月)
11月16日ごろまでに全員分の原稿を送付しますので、採点して藤津に送付してください(採点方式はこの時連絡します)。
4、勉強会当日 11月27日(日)
採点表をお渡しします。採点表を参考にしつつ、意見交換をします。当日は藤津以外にゲストの方もお招きしますので、その方も交えて話をします。
5、藤津のブログで原稿掲載
採点でもっとも得票を集めた人を「第2回アニメレビューマイスター」ということにします(このネーミング、真面目になりすぎないようにわざとやってますので……)。得票上位3位の原稿をこのブログで発表します。
FAQ
1、参加者はどんな人が多いですか?
参加者はアマチュアの方が多いですが、プロやプロ志望の方もいます。
2、レビューというのはどういう原稿でしょうか?
レビューとは、まずは「未見の人に向けたバイヤーズ・ガイド」と理解してください。長文のいわゆる批評・評論(たとえば「ユリイカ」などにのってる原稿)とは異なります。ただこうしたものに明確な線引きは難しく、批評的視点のあるレビューも当然あるわけですので、バイヤーズ・ガイドというの原則程度に受け止めていただければ。
3、ケナし批評的なものはアリでしょうか。
アリです。勉強会の趣旨は、おもしろい原稿を書こう、ですので、「おもしろさ」(とその裏側にある説得性)さえ目標にしていただければ。
4、レビューに書き添える想定媒体というのは?
想定媒体を書き添えるのは、本当にその媒体に載るような原稿を書くというより、レビューを「読んでほしい人」を決めるという意味で理解してください。ですから媒体は「個人ブログ」でも「もしこのアニメ誌にレビュー欄があったら」でも「一般誌・新聞のカルチャー系の欄でアニメが取り上げられるとしたら」でもOKです。
5、第一回はどのような原稿が集まりましたか?
第1回の上位3位の原稿は以下の通りです。ご参考までに。
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612845.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612843.html
アニメレビュー勉強会は、原稿をもうちょっとうまく書けるようになりたいという人間が集まって、無記名の原稿を前に講評しあうことで、自分の原稿を客観的に見てみようという集まりです。
前回会場のキャパシティギリギリだったので今回の募集段階では2コマ(12:00〜開始、15:00〜開始)で募集します。※募集してみて1コマでできる人数でしたら後に14:00〜のみにします。
システムは次の通りです。
1、申し込み 締切:10月31日(月)
・藤津のメアド(personap(●)gmail.com (●)をアットマークに)に以下の内容を記載して送ってください。
・件名に「アニメレビュー勉強会参加希望」と書いてください。
・本文には以下のことを記入してください。
1)名前(ハンドル名でも可)
2)緊急時連絡先(携帯電話・携帯メール等)
3)12:00もしくは15:00のどちらを希望するか
4)夕方の懇親会の参加を希望するかしないか(※18:00前から近所の居酒屋で2時間ほどやります)
※緊急時連絡先は地震・台風などで急遽開催をやめる場合にご連絡するためのものです。
※一人の方が2コマ受けることはできません。
2、原稿執筆と送付 締切:11月14日(月)
締切までに当該作品のレビューを執筆し、藤津のメールアドレスに送付してください。
原稿の書式については以下をお守りください。
・件名は「アニメレビュー勉強会原稿」でお願いします。
・想定媒体を必ず書くこと。想定媒体についてはFAQを参照のこと。
・タイトルはあってもなくてもいいです。
・文字量は800w〜2000wの範囲で。
・機種依存文字(丸数字等)は使わず、かつテキストファイル(拡張子が.txtのもの)で。わからなければメールの本文欄に文章をダイレクトに貼り付けてください。
3、全員分の原稿を読み採点する 締切:11月21日(月)
11月16日ごろまでに全員分の原稿を送付しますので、採点して藤津に送付してください(採点方式はこの時連絡します)。
4、勉強会当日 11月27日(日)
採点表をお渡しします。採点表を参考にしつつ、意見交換をします。当日は藤津以外にゲストの方もお招きしますので、その方も交えて話をします。
5、藤津のブログで原稿掲載
採点でもっとも得票を集めた人を「第2回アニメレビューマイスター」ということにします(このネーミング、真面目になりすぎないようにわざとやってますので……)。得票上位3位の原稿をこのブログで発表します。
第二回アニメレビュー勉強会
日時:11月27日(日) 1回目:12:00〜 2回目:15:00〜
※一人の方が2コマ受けることはできません。
参加料:1500円(当日徴収いたします)
場所:模型塾
〒111-0035 東京都 台東区 西浅草1-6-17
http://www1.ttcn.ne.jp/~mokei/jj_map15.htm
対象作品は
「マインド・ゲーム」
です。
http://www.mindgame.jp/
FAQ
1、参加者はどんな人が多いですか?
参加者はアマチュアの方が多いですが、プロやプロ志望の方もいます。
2、レビューというのはどういう原稿でしょうか?
レビューとは、まずは「未見の人に向けたバイヤーズ・ガイド」と理解してください。長文のいわゆる批評・評論(たとえば「ユリイカ」などにのってる原稿)とは異なります。ただこうしたものに明確な線引きは難しく、批評的視点のあるレビューも当然あるわけですので、バイヤーズ・ガイドというの原則程度に受け止めていただければ。
3、ケナし批評的なものはアリでしょうか。
アリです。勉強会の趣旨は、おもしろい原稿を書こう、ですので、「おもしろさ」(とその裏側にある説得性)さえ目標にしていただければ。
4、レビューに書き添える想定媒体というのは?
想定媒体を書き添えるのは、本当にその媒体に載るような原稿を書くというより、レビューを「読んでほしい人」を決めるという意味で理解してください。ですから媒体は「個人ブログ」でも「もしこのアニメ誌にレビュー欄があったら」でも「一般誌・新聞のカルチャー系の欄でアニメが取り上げられるとしたら」でもOKです。
5、第一回はどのような原稿が集まりましたか?
第1回の上位3位の原稿は以下の通りです。ご参考までに。
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612845.html
http://blog.livedoor.jp/personap21/archives/65612843.html
2011年10月03日
アニメレビュー勉強会原稿/第1位
第一回アニメレビュー勉強会で高得点を集めた原稿を紹介します。当初は某サイトに掲載をお願いしていたのですが、そちらでは継続的な掲載は難しいかも……というムードになってきたので、僕のブログに掲載させていただくことにしました。
こちらが第1位の原稿になります。
採点は、投稿のあった28本の原稿に対して、参加者26人が持ち点50点で自由に点を割り振る、という方法で行われました。
もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会ですが、それでもやはり、点が集まったレビューには全体の中でも目立った特徴・魅力があると思います。
なお想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
こちらが第1位の原稿になります。
採点は、投稿のあった28本の原稿に対して、参加者26人が持ち点50点で自由に点を割り振る、という方法で行われました。
もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会ですが、それでもやはり、点が集まったレビューには全体の中でも目立った特徴・魅力があると思います。
なお想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
第1回アニメレビュー・マイスター
原稿【12】/小林大樹/想定媒体:一般誌のアニメ特集等
昨今、劇場、TVを問わず宮崎駿作品を思い起こさせるディテールを持つ、いわゆる「宮崎駿リスペクト」なアニメ作品が散見されるようになっている。新海誠監督の『星を追う子ども』、山本寛監督の『フラクタル』、村田和也監督の『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』……などなど。ぱっと思いつくだけでも、片手では数えきれない程だ。そんな折だからこそ、宮崎駿の初劇場監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』を改めて振り返ってみて、「宮崎アニメの魅力」の秘密を探ってみるのもいい機会かもしれない。
舞台はヨーロッパの小国、カリオストロ公国。人口3,500人の風光明媚な国連加盟国だが、秘密裏に幻の偽札「ゴート札」を製造していた。ルパン達はそのゴート札の秘密を探るためにカリオストロ国内に潜入し、そこでカリオストロ大公家最後の姫、クラリスと出会う。そして、秘宝を求め無理やり結婚を迫るカリオストロ伯爵の手から花嫁であるクラリスを救い出そうとする――。というのが物語のあらすじ。なんともシンプルで王道なストーリーである。
劇中、伯爵がクラリスに対して「光(大公家)と闇(伯爵家)の二つの顔が国を支えてきた」というセリフを放つ場面があるが、本作自体にも華やかで映画の顔となる部分と、その魅力を影で支える部分の二つの面がある。
まず表の面だが、これはもちろんアクション映画としての顔だ。各キャラクターの現実離れしたアニメーションならではのアクションには、「動きの快楽」がたっぷりと詰まっており、宮崎監督の十八番である、さまざまな舞台装置を使ったアイデアも満載。3コマ作画(アニメーションにおける、基本的な動かし方)をベースにしながらも巧みなレイアウトと、美術の名手、小林七郎、山本二三らによる背景によって描かれた引き締まった画面は、作画、撮影技術が向上した現代の作品と比べても、負けずとも劣らない普遍的な魅力を持っている。
そしてもうひとつ、目立たないが本作の魅力を影で支えているのが、「時間」のコントロールという側面だ。セリフのテンポやキャラクターのリアクション、さらには何気ない間に至るまで、巧みな時間の切り取られ方がなされている。本作に名セリフが多いと感じるのも、芝居とセリフとのタイミングが絶妙だからに他ならない。視聴している間は、現実世界の時間ではなく、宮崎駿の創りだした心地よくスピーディな時の流れに身を委ねることになる。また、技法的な部分に留まらず、テーマにも「時間」は深く関わっている。若かりし頃のルパンを登場させることによって「時の流れ」を感じさせ、ルパンというキャラクターに深みを持たせ、さらにはクラリスとの再会もドラマチックなものとなっている。もうひとつ付け加えると、ラストでは「時計塔」が崩壊し、400年間に渡るカリオストロ家の歴史的なしがらみによる「時」の呪縛に捕われていたクラリスを自由の身にするのである。
つまり、アニメ映画では基本中の基本である「動きの快楽」と「時間」という二つの要素を綿密に誠実にとことんまで追求して作り上げていった結果が、本作を今もなお色あせない名作にし、他の追随を許さない怪作にしているのだ……って、あら、どうやら『カリオストロの城』に「宮崎アニメの魅力」という名の秘宝を手に入れようと挑んだつもりが「コテンコテン(古典古典)」にやられてしまったようだ……(苦笑)。ということで、未見の方には是非とも、この究極的にスタンダードで王道な、純化されたアニメ映画の本質的な部分を体感してみてほしい。
願わくば、今後「本物以上と言われたゴート札」のような作品が作られることを期待したいところではあるが、『カリオストロの城』を見ると、やはり宮崎駿の壁の厚さを感じずにはいられない。
※一言補足
ダジャレの是非……はさておいて、非常にスタンダードな原稿ですが、最後の締めにでてくる、見たいという作品が「本物」ではなく「「本物以上と言われたゴート札」というレトリックをどう考えればいいのか。そのあたりが一つ焦点になった原稿でした。
アニメレビュー勉強会原稿/第2位・第3位
第一回アニメレビュー勉強会で高得点を集めた原稿を紹介します。当初は某サイトに掲載をお願いしていたのですが、継続的な掲載は難しいかも……というムードになってきたので、僕のブログに掲載させていただくことにしました。
まずは3位と2位の原稿を。
採点は、投稿のあった28本の原稿に対して、参加者26人が持ち点50点で自由に点を割り振る、という方法で行われました。
もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会ですが、それでもやはり、点が集まったレビューには全体の中でも目立った特徴・魅力があると思います。
なお想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
ちなみにこの原稿【4】、原稿【3】はどちらも着眼点と展開がかなりユニークで、話題を集めた原稿でした。
まずは3位と2位の原稿を。
採点は、投稿のあった28本の原稿に対して、参加者26人が持ち点50点で自由に点を割り振る、という方法で行われました。
もちろん点が高いからといって絶賛されたわけではなく、点が低いからといって酷評ばかりではないのが、この勉強会ですが、それでもやはり、点が集まったレビューには全体の中でも目立った特徴・魅力があると思います。
なお想定媒体は、あくまで読者層の想定をするための仕掛けでして、「文字数」「用字用語」「企画の方向性」などにまで準じたものではありませんのでご容赦を。
ちなみにこの原稿【4】、原稿【3】はどちらも着眼点と展開がかなりユニークで、話題を集めた原稿でした。
第3位
原稿【4】/安次富陽子/想定媒体:L25
ルパン三世シリーズに登場する魅惑のダイナマイトバディ女スパイ峰不二子。
アラサー女子が小中学生だった頃、あのスタイルに憧れて、「大人になったら不二子ちゃんになりたい」と思った女子は多いはず。
それから●十年。想像とは違うところのお肉が出てきたり、膨らむはずのところが膨らまなかったり。
厳しい現実を過ごす日々。ならばせめて!不二子ちゃんからモテ女の技を盗んでやろうじゃありませんか。
『カリオストロの城』に登場する不二子ちゃんの3つの行動から学んで、ルパンのような肉食男子から、銭形のとっつあんのような年上の男性、石川五ェ門のような草食男子まで、あらゆるタイプの男性のハートをがっちりつかんじゃいましょう。
(1)ここぞ!という時に登場する
「不二子の単車だ……」ルパンの相棒次元はバイクの音で不二子ちゃんだとわかった。なぜか。
それは、いざという時に彼女が登場するということを知っているのだ。
いい女は自分の出る場面をよく理解している。だけでなく、その登場で男をやる気にさせてしまう。
撤退命令をくらった銭形に「ルパンを捕まえるためなら天下御免で出動できるんでしょう?」と電話をして、やきもきしていたとっつぁんのやる気に一気に火をつけたのである。
そして、「おじさま私も一緒に連れて行って!」と抱きついてキスをせがむクラリスに太陽の下で暮らしてほしいと願ったルパンはその申し出を断腸の思いで振り切る。クラリスへの未練でボーっと車から窓の外を眺めるルパンの前に不二子ちゃんは颯爽と現れて優しく微笑みちらりとお宝を披露。このテクニック! 大事ですよ。もうルパンはクラリスのことも忘れて頭の中は不二子ちゃん一色。
(2)若いライバルには笑顔で対応
不二子ちゃんがルパンと過去に付き合い別れたのだと言うと、即座に「捨てられたの?」なんてかわいい顔して鋭いジャブを繰り出すクラリス。
おじさまー。おじさまー。とルパンにまとわりつくクラリスに内心気が気でないだろう不二子ちゃん(注:妄想)はそこをさらりと笑顔で交わすと「いいえ。捨てたの。」と一言。これぞまさにストレートパンチ。クラリスもそれ以上は詮索せず。
若いライバルのジャブにムキにならない。これぞまさにできる女の余裕である。
(3)彼しか知らない秘密を知っている
ルパンが脱出中屋根の上で狙撃されてしまい、クラリスは指輪を渡すので助けてほしいと悪の親玉ラサール・ド・カリオストロに懇願する。
指輪を渡すことを拒否するルパン。不二子ちゃんはその様子を見て「襟の裏よ。彼はいつも大切なものをそこに隠すの。」とクラリスに告げる。
恋にのめり込むだけじゃなく、彼のことをよく観察してここぞという時に他の人は知らないポイントをついてみよう。
「自分のことをこんなに知っていてくれたのか!」と感激されること間違いないだろう。ただし、熱中し過ぎてあら捜しにならないこと。
番外編:クラリスから学ぶモテ術 草食系男子には清純さをアピール
実はクラリスもおじさまーと甘えるだけでなく、しっかりモテ技術を使っている。
結婚式から脱走する場面で、さあ逃げようという時、後方を守る次元と五ェ門に、「どうぞご無事で。」としっかり挨拶するのだ。
一度行こうとして、戻るところがポイントだ。女には興味がないと言っていた五ェ門が「可憐だ……」と頬をそめ、「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ。」と一層の活躍をみせたのである。
実はこの作品、監督は宮崎駿。「実はジブリのクラシックなの☆」とジブリ好き女子アピールも出来ちゃいます。
まだ『カリオストロの城』を観たことのないあなたも、すでに観たあなたにも。女子必見の作品です。
※一言補足
この『カリ城』なのに、わざとジブリに言及する締めくくりは「アニメ好き男子が思わず反論したくなる釣り」の実践を促すために意図的に書かれているそうです(笑)。
第2位
原稿【3】/三浦大輔/想定掲載媒体:オトナファミ
1976年、「カップうどん」が歴史的進化を遂げた。カップラーメンから派生して「カップ型容器」を継承したラインナップに、現在見られる「どんぶり型容器」が加わったのだ。大発見である。「うどん=どんぶり」、人類はその真理に、やっと手が届いた。そして空前の「カップうどんブーム」到来。武田鉄矢主演のCM「戦車が怖くて『赤いきつね』が食えるか!」は1978年の流行語ともなった。
それはさておき、翌1979年に公開されたのが『ルパン三世 カリオストロの城』、通称「カリ城」である。モンキー・パンチ原作の人気アニメ『ルパン三世』の劇場長編第2弾。TVシリーズで高畑勲の演出をサポートした宮崎駿が、本作で劇場監督デビューを果たした。作画監督は、『未来少年コナン』でも宮崎とタッグを組んだ伝説的アニメーター・大塚康生。
TVアニメ『ルパン三世』の革新性の1つは、アニメの画面に「実在する銃や車」を持ち込んだリアリズムだ。TV版では豪勢なベンツだったが、「カリ城」のルパンは、小粋なフィアットに乗る。後席に山積みされた「カップうどん」は、前述したように、当時まだ目新しい存在だった。新しいジャンクフードをポップなアイテムとして歓迎する若者特有の傾向を思えば、「カップうどん」もフィアット同様、本作を彩る洒落た小道具の仲間と映ったかもしれない。一方、ルパンに「さすが昭和一桁」とバカにされるライバル・銭形警部は、劇中でカップラーメンを食べている。こちらは比較的古いジャンクフードだ。その描き分けも興味深い。
実銃に目を向ければ、ルパン三世の代名詞とも言える拳銃「ワルサーP38」は今回登場しない。ルパンの相棒・次元大介も早撃ちガンマンのキャラクターを捨て、「対戦車ライフル」で武装する。なぜ、人間相手に対戦車装備なのか?「カップうどん」、「武田鉄矢」、「戦車が怖くて……」……いや、全然分からない。うどんの話は、もう止めよう。
古典的ジャンル「漫画映画」と、ティーン向けに発達した「アニメ」とは、支持層が微妙に異なる。「カリ城」は、その両者に歓迎された特別な作品でもあった。SFブームの渦中で孤軍奮闘し、興行的には振るわなかったものの、見るべき者は見ていたというべきか。当時は、芸術指向の強い実験アニメの独壇場とみなされていた「大藤賞」を受賞、その快挙にファンは色めき立った。また、ヒロイン・クラリスの造形は、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明を世に出したアマチュアアニメ「ダイコン3」に引用されるなど、クリエイター予備軍を含むアニメファンに強い衝撃を与えた。
その後、国民的アニメ監督へと登りつめた宮崎駿。彼の健康&自然志向は有名だが、タバコとカップ麺は例外的に好むようだ。最新作『崖の上のポニョ』にもカップ麺は登場するし、『もののけ姫はこうして生まれた』では、監督本人のカップ麺を食べる姿が映っている。4ヶ月という制作期間の短さでも知られる「カリ城」当時はどうだっただろうか?宮崎は、本作完成後、映画のための調査期間が取れず、自分の引き出しの中にある物しか使えなかった事を反省している。それは東映動画時代に培った漫画映画的手法であり、愛用のシトロエンであり、もしかしたら「カップうどん」の事でもあったかもしれない。いや、うどんの話は、もう止めよう。
人間は、身体と心の二元論で存在する。まるで「カップうどん」が、容器と麺に分けられるように。一旦脱線するが、エヴァンゲリオン芸人として知られる「オリエンタルラジオ」の中田敦彦は、アイドルグループ「ももいろクローバー」が大好きだ。彼女らのデビュー曲『行くぜっ!怪盗少女』は、アニメ『日常』OPテーマでお馴染み前山田健一の手がけた曲として再度注目を集めている。その歌詞「♪今夜まるっと、あなたのそのハートいただきます!」は、「カリ城」の有名なセリフに着想を得ている。
終盤、銭形警部がクラリスに告げる「あなたの心です!」の名セリフ。あの場面が印象深いのは、セリフの強度はもちろんだが、ミステリ小説における「叙述トリック」の効果が観客に作用しているからではないだろうか。ちなみに叙述トリックとは、作品の語り口によって読者に対する情報操作を行い、何かを隠したり騙したりといったミスリードを促す手法だ。「カリ城」には、アニメによくみられる「心の声」を発声する手法、「モノローグ」が存在しない。本作は、客観的なアクションと口から出た台詞の積み重ねによってのみ成立し、キャラの内面「こころ」には常に距離をおく。隠していると言ってもいい。ところが、ラストの銭形警部のセリフによって、ベールに包まれていた「こころ」の存在が急浮上。観客は、突如目の前に現れた「クラリスの内面」へとダイナミックに肉薄する。その鮮やかな演出に、僕たちは心打たれる。うどん職人が麺を打つように、バシン!バシーン!と。
※一言補足
視点と展開のおもしろさと、細部の論理が薄氷を踏むような様子が両輪になってる原稿。もちろん当日はそこのところについて意見が出たわけです。