2012年11月

2012年11月25日

蝶の話

RIMG0008昨日、道路を歩いていると傍らの植え込みに、11月だというのにシジミ蝶が羽を休めていました。多分ヤマトシジミという、良く目にする蝶だと思います。陽射しのある場所でしたが気温が低かったせいか動きが鈍く、カメラを近づけても飛び立つ様子は有りませんでした。気温の高い時は活性度も高く、ピントの合った写真をコンパクトデジカメで撮影するのはなかなか難しいと思います

晩秋型の雌は羽が青みを帯びるので、写真のように結構美しくなります

P8010038ミヤマカラスアゲハは庭に食草を植えている家屋などが増えたせいか、東京近辺では昔より個体数が増えたような気がします。同類のカラスアゲハに比べると、青色の部分が多く豪華に見えるので、人目を引きます

P7230035私のブログでも以前取りあげた蝶で、昔は目に入らなかったこの蝶の名は「アカボシゴマダラ」と言うそうです。本来南方の島にしか棲息しない蝶でした。誰かがその蝶の幼虫を三浦半島付近に放した所、個体数が増え私達の目に入るようになりました。幼虫はえのきの葉を食べて育ちます

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左は、この夏所沢付近を歩いていた時、初めて目にした蝶で、昔、練馬界隈にはいませんでした。「イチモンジチョウ」と言う蝶です。右は、昔、秋田に住んでいた頃、娘が訪ねて来たので、ドライブがてら青森県深浦にある十二湖に出かけた時に撮影した「サカハチチョウ」です。この蝶も初めて目にしたもので、私の目には珍しかったのでカメラに収めました。共に、タテハチョウの仲間です

P8010026一方、練馬界隈で昔良く目にしたのはモンシロチョウです。今では、食草のキャベツや大根の畑が減り、練馬近辺であまり目にしなくなりました。庭に、キャベツや大根を植えている家庭はあまり無いでしょう。つまり食草の減少は、蝶の個体数に反映します

昔は、小学校の夏休みの自由研究に必ず昆虫採集が取り上げられ、休み中に捕まえた昆虫は、即席の標本箱に入れられ教室に展示されたものです。その頃は、百貨店などに昆虫採集用品コーナーが有り、捕虫網や虫ピンなど今では専門店でしか手に入らないものが並んでいたものです

そのうち、生命を断つ事の残酷さが強調されたり、そもそも開発行為で昆虫が減った事も有り、いまでは、昆虫採集はすっかり学者やマニアの世界の話になってしまいました。どういうわけか、開発行為による、山野の減少が生物相の単純化や種の個体数減少の主因だという事は、どういうわけか余り認識されないようです

ところで蝶は、多くが昼活動するため私たちの目に入る事も多く、また色彩的にも美しいものが多いので、嫌う人が少ないようです。それに反し、分類学的には同じ鱗翅目なのに、地味で夜行性のものが多い蛾は嫌われ者が多いようです

蛾に対する一番の誤解は、毒が有ると思われているようですが、いわゆる鱗粉に毒があるものは全くありません。幼虫時代の毒毛や毒棘が残り、触れると痒くなるものがいるので、誤解されているものと思います

今日は、蝶の話を引き合いに生態系や環境の変化を意識してみました。冒頭に取りあげたシジミチョウの遺伝子の事ですが、福島県の原子力発電所近辺で捕獲されたものに変異が観察され、それが原発事故のせいではないかと騒がれたりもしています。真相は不明です

原子力利用は安い発電コストのことが主眼となり、どうしても目がエネルギー問題に偏り、エネルギーや食物を巡る経済活動およびその歴史の本質へと話が深まらないような気がします。脱原発だとか、脱原発依存などの問題だけを政治の論点にするのでなく、もっと広い視点から原子力や石油を中心としたエネルギー問題の本質を考え直してみる必要が有りそうです

では、また Bye


personofleisure at 16:09|PermalinkComments(0) 自然 

2012年11月23日

火迺用心

関東地方では、冬になると、夜な夜な子供たちが拍子木を打ちながら「火の用心!」と言いながら歩き回り、火の元への注意を喚起して歩いていたのを思い出します

あれは、自治会やら消防団が組織したものなのでしょうが、今も有るのでしょうか? 都市の住環境やエネルギー環境も私が子供だった昭和20〜30年代とはすっかり様相が変わりました。燃えにくい耐火建築や材料の普及、熱源に直火を使用しない生活も「火の用心」の子供たちの声を廃らせた原因なのかも知れません

材料の難燃化に関して、難燃性カーテンなど私たちの目に触れるインパクトの強いものは増えたように思います。しかし、2007年頃にかの有名な「武田邦彦教授」は"環境問題はなぜウソがまかり通るのか"という本の中で、難燃性の建築材料には有毒PCBの発生源となるハロゲン化合物が多く含まれ、多くの企業が環境に優しい自社のイメージアップをはかるため、こうしたハロゲン化物を追放した結果、火災数が増加し、死者も増えたと主張していた事を思い出します。これに対しての反論を含んだ武田教授に対する批判も本になるくらいです。だから、火災数や火災による死者数の増加原因は建築材料だけでは無いのだと思いますが、いずれにせよ発生した火災を早急に鎮火することや、火災の発生自体を防ぐのは大変意義の有る事です

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熱源に直火を使用しないオール電化住宅が増加しても、コンクリート製の耐火建築であるマンションでの火災は発生します。そうしたマンションのような高層建築物や大勢の人の集まる商業施設などでは消防用の水を確保するため、写真のような連結管や採水口の設置が法律で義務づけられています

P5310132ひとたび火災が発生すれば、細い路地の奥でもホースを繋いで消火活動にあたる消防関係の人達の活躍には頭が下がります。こうした消防活動の担い手も、ボランティア活動に支えられる部分が多く、防火団員数の減少を問題視する報道も増えて来ています

さて、話は大きく逸れますが、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の宣伝大臣であったゲッペルスは、集会における火の使い方の天才だったと何かで読んだ記憶が有ります。確かに暗闇の火は、私たちの心を鼓舞します。時、まさに衆議院議員選挙に向け、政党の離合集散が繰り返されています。こうした中、暗闇の中の火のようなインパクトのあるスローガンや公約が叫ばれると、目が向きがちになります。しかし、気をつけていないと大衆全体の意思がおかしな方向に流れる事が有ったことを、私たちは歴史の教訓として思い起こす必要が有りそうです

では、また Bye

personofleisure at 12:23|PermalinkComments(0) 興味深いもの 

2012年11月18日

駅で目にしたもの

鉄道の駅と言っても、駅舎とホームでは目にするものが違います。そうしたものをひっくるめても、東京山手線の主要駅とローカル線の駅とでは大層の差があるものです

最近は都心に出ないので昔のイメージのまま主要駅に出ると迷子になります。この間、東京駅の近くで高校の同窓会があったので久しぶりに東京駅に行きました。池袋から地下鉄丸ノ内線に乗り、東京駅で下車するまでは良かったのですが、地下鉄の改札を出てからが大変でした

昔、丸の内口と八重洲口を結ぶ通路は周りに何もないただの通路でしたが、現在は通路の右左が開発され、風景が一変していました。天井の案内矢印を見て歩き出してはみたもののすぐに迷子になりました

東京駅迷子になったまま目にしたのは、地上に復興した東京駅の模型でした。超近代的なコンクリートと鉄骨の建物より、レトロなレンガ造りの建物の方が人気があるのでしょうか? 外観は昔の儘です。しかし、内部は全く異なるようです。人気があるとはいえ、珍しげにこの模型を眺めている人はあまりいませんでした。通行する人にとっては、現在の東京駅の内部構造が普通なのでしょうね…

11八重洲口しばらく歩いてやっと地上に出る道が見つかり、表に出ると昔とは風景が異なりますが、そこはやっぱり東京駅八重洲口でした

駅の造作物一方、東京駅から新宿を経て西へ向かう中央線の西国分寺駅のホームの最後部には、随分と実用的な器具が置かれています。多分、東京駅の各ホームにも同じようなものがあるのでしょうが、風雨に曝されてもビクともしない頼もしい器具です

みなさま、もしゆとりがあるときに外出し、駅のプラットホームフォームに立つ時があったら、上を見上げて見て下さい。そこには無数のケーブル類が這っているのを見ることができると思います

しかし、見方を変えると、簡単に人の目に入るということは、何かしらの時には簡単にターゲットになり得るということでもあります。そうならないよう祈りながら次の話題を考えてみます

では、また Bye


personofleisure at 06:00|PermalinkComments(0) 日記 | 文化/時勢

2012年11月15日

しまなみ海道

しまなみ海道とは本州の尾道と四国の今治を瀬戸内海に浮かぶ島々を橋で結んだ西瀬戸自動車道の愛称です

自動車道としては、本州・四国間を走行する時間や、近隣する経済拠点としての基盤の規模、走行料金の高さなどから、通行量が低迷しているようです

RIMG0008しかし、徒歩や自転車が走れる道路が併設されているので、最近では自転車の聖地として人気を集めているのだそうです。遠くから、この道路を走行するサイクリストを集めているそうです。ちなみに自転車は自動車より安いものの有料で、6つの橋をすべて渡ると500円くらいかかるようです

また、尾道から向島を結ぶ旧尾道大橋には徒歩道や自転車道がないので渡船(フェリー)利用になるそうです。向島から尾道へ向かうフェリーの最終便は尾道へ戻るサイクリストで大変混雑するそうです。東京周辺発のサイクリングを目玉にしたツアー旅行もあるようで、7万5千円くらいの費用がかかるようです。

11月11日の日曜日には、尾道市長が陣頭指揮する第一回瀬戸内しまなみ自転車大会が開催されたとか…。尾道市や周辺地域では、サイクリングを中心にすえた地域活性化プロジェクトに力が入れられているそうです

尾道市長さんの話を聞いていると、すがすがしい空気を胸に風光明媚な瀬戸内海を自転車で走りたくもなります。それに、そうしたサイクリストを中心とした観光事業を地域活性化の柱に据えるのは夢のある話に聞こえてきます

しかし、ひとたび自分の現在の境遇に引き戻されると、なぜかその夢が「つわもの達の夢のあと」にならないか、心配でしょうがありません。夢がしぼみそうになる理由を挙げてみると
・いずれ橋は老朽化し、修繕や架け替えに莫大な費用がかかる
・世界中からサイクリストを集めるには実績と時間が必要

まあ、年寄りがあまり心配しても仕方ないのだから、将来の夢が実現しそうな明るい世相になることを期待しましょう

では、また Bye


personofleisure at 06:00|PermalinkComments(0) 文化/時勢 

2012年11月11日

忖度

これまで、表題の漢字を時々見かけることがありましたが、恥ずかしながらこの歳になるまで読み方と正確な意味合いを知りませんでした

「そんたく」と読み、意味は「他人の心を推し量る」ことだそうです。では、英語では何と言うのだろうかと思い調べてみました。オンライン和英辞典の英辞郎on the WEBにはのっておりませんし、Goo辞典で調べると「忖度する」と漢字を使うと何もヒットせず、「そんたくする」で検索すると英訳として、guessやconsiderがあてられておりました。そこから判断すると、それほど使い方を気にするような言葉には感じられませんが…

これまで知らなかった理由は、どうも広く一般に使われている日本語ではないからのようです。今回取り上げてみたのは、延命医療の中止を経験した救急救命医療施設数が6割を超えたという報道で使われていたからです。中止の理由に家族の忖度も含まれているとか書かれていました

BlogPaintいろいろな使われ方を見ていると、どうやら心の中の真意や言外に秘められている本音を推し量るときに使われる言葉のようです。写真のような親子が心の中で思っていることを斟酌するような場合に使われるのが適切で…

RIMG0083この写真の中の青年が、電車を待ちながら何を考えているか想像してみるような場合には使えない言葉のようです。



人と人との関係は実に複雑怪奇で難しく、それを表す言葉も難しいものです。おそらく、英語でもconnotationとかinsinuateとかを組み合わせるとかして、guessやconsiderより的をえた表現があると思います

それにしても、日本語は難しいものです

では、また Bye


personofleisure at 16:30|PermalinkComments(0) 日記 | 報道から

2012年11月02日

南京虫

「個人が貧しくなる」ということについては、イメージがしやすいですよね。
毎月カツカツの生活で、ご飯は古々米、おかずは夕方以降の安売りで調達。というか、大半はバイト先のコンビニから売れ残りの弁当を貰ってきて食べている。
300円未満のファストフード以外は外食もしないし、お酒もタバコもやらない。もちろん洋服や家電も何年も買っていないし、旅行もしない。てか電車に乗らない。
歯が痛くても熱が出ても寝て治し、携帯は6年前に買ったガラケーをまだまだ使う。冷暖房もできるだけ付けない。風呂はシャワーのみ。更に進めば、ガスや電気を止められる・・。
もちろんある程度は借金が可能だけれど、利子を含めて返済が始まれば、結局は借りる前より生活は厳しくなる。
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上記は、ある高名なブロガーの記事に書かれていた内容です。これを読んで、自分の生活と随分似ていると思いました。この記事は、貧乏人の生活を綴ったものですから、私の生活は自分が考えているよりもかなり貧乏なのだと、痛感いたしました

DSCN1190その貧乏人は、他に簡単にねぐらを変えるわけにも行かず、南京虫の猛攻に耐えつつ冬を待っています。冬は寒いので南京虫も大人しくなりますが、逆にシャワーだけで済ますのはかなりつらいものです。南京虫さえいなければ結構快適なのですが、家中を燻蒸しても退散してくれず、そろそろ限界を感じています

RIMG0002写真は、Web上に出ていたある昆虫学者の研究をもとに作成した南京虫捕獲器です。1Kgのドライアイスの入るポットジャーがスッポリ入るつるつるの容器などと考えながら材料をそろえたら、結構大がかりなものになってしまいました。ただし、中古品などを使用したりので費用はあまりかかっていません

ドライアイスを購入し、一度試してみましたが残念ながら一匹も取れませんでした。はじめは姿かたちが見えないもので、ダニの仕業と考えていましたが、ダニにしては血を吸われた跡が猛烈に痒くなります。いろいろ調べるとやはり下手人は南京虫だろうということに落ち着き、駆除法に決め手が無いのでほとほと手を焼いています

どなたか良い効果的な駆除法をご存知でしたらお知らせください


では、また Bye


personofleisure at 06:00|PermalinkComments(0) 日記 | どこか変だ

2012年11月01日

キノコの話-踊り出したくなる

暫くキノコの話を続けましたので、この辺りで区切りを付けようかと思っています

皆さんはスーパーマーケットに並ぶ栽培品のマイケタをご存知だと思います。一方、天然の舞茸は生育環境も人が容易に近づけない場所の事が多く、株も巨大になるのでそれを見つけた人は舞を踊り出したくなるほど感激的な所から名付けられたとされています

私は、天然のマイタケに関しては、いわゆる「マメ」と呼ばれる小さな株を一度だけ見つけた事があるだけです。それも一日中歩き回って…。しかし、香りも歯触りも栽培品とは比較にならぬ秀逸さでした

マイタケではありませんが、プロのキノコ採りではない私のようなアマチュアでも、最初に目にした時は感動して思わず「凄い」などと叫びたくなるものもありました。今日は、そうしたキノコの写真を紹介させてください

クリタケ1JPGクリタケ3
まずはクリタケです。このキノコは、傘の色が赤みを帯びているので「アカキノコ」などと呼ばれています。見た目は、とても美味しそうに見えるのですが、口にしてみるとそれほど感動的なものではありません。多分、ナメコのようなぬめりが無いからだと思います。そんなキノコでも、株になって生えているのを初めて目にした時は感動したものです。出たてから、腐って子実体としての役目を終えるまで、姿形がかなり変わりますから、いろいろな時期の形を見て特色を覚えるしかありません。似たキノコにニガクリタケがあります。鑑別方法は、毒キノコの項に紹介してありますから、ご参照ください

DSCN0342このニガクリタケと似ているキノコに秋田で出会いました。「コガネオチバタケ」と呼ばれるもので、発生するのは春です。当時、このキノコに毒性が無い事を知りませんでしたので、試食しませんでしたが、キノコの少ない春先に活用できる北国のキノコとして有用だろうと考えています

RIMG0099次に感動したのは「ナラタケ」です。このキノコは、里山から奥山まで発生します。見た目も豪華ですし、食味も実際美味しいので、各地で人気者です。東北では「サワモダシ」とか「サモダシ」と呼ばれてもてはやされています。林業的には木材腐朽菌として有害菌扱いです。子実体は地面に根を張ったまま立ち枯れた木にでますから(あるいは、生きているうちにこの菌に冒され立ち枯れたのかも知れません)、そんな木を探してみてください。地上から切り離された間伐材などにはでません

地下に木材があると、その地上部からも顔を出します。地下の菌糸は広大に広がり、識者によると地球で最も大きな生命体だと言われてもいます。これは、1Kmくらい離れた場所に生えたナラタケの子実体のDNAが同一であった事から確認されています

近似種が多く、たくさん食べると毒性が問題になるものもあるようです。気をつけてください。色や形がそっくりで、柄にツバが残らないナラタケモドキもたくさん発生しますが、消化が良く無いので、食べ過ぎると下痢する事が多いそうです。私の場合、キノコご飯にしたくらいの量では下痢はしませんでした。

あと、所有権の無い場所に出るマツタケとか、味の良いホンシメジ、通にはホンシメジ以上ともてはやされるシモフリシメジなどにお目にかかったら、おそらく大変感動してカメラを持っていても撮影するのを忘れそうな気がします

紹介しているときりがありません。キノコのシリーズは今回を持ってひとまず終了します。興味のある方は、成書やWebの記事を探してみてください。一昔前より格段に増えていると思います

では、また Bye

personofleisure at 06:00|PermalinkComments(0) 自然 | 日記