那珂川の背後に国土なし!

Historia Magistra Vitae est. twitter : @hms_compassrose

翻訳短編SFプラス50リスト


 昨年「翻訳短編SFベスト50リスト」という記事を上げたが、もうその直後から「あ、あれ忘れてた」「迷ったけど結局こっちの方がよかったんじゃ」という作品がぼろぼろ出てきてうんうんうなっていたのだが、このたびその数がキリよく50作品に達したので「プラス50」として記事にまとめることにした。

※ベストから外れたのは「自分のストライクゾーンからはボール半個分アウトコースより」であったり「単に忘れてた」「あの記事を上げた後に読んだ」とかそんな理由であって作品のレベルが落ちるからではない。
※著者五十音順である。
※収録書籍は現在最も入手しやすいであろうものを挙げている。続きを読む

ベスト50作品紹介その5:ジョン・ヴァーリイ「さようなら、ロビンソン・クルーソー」

ジョン・ヴァーリイ「さようなら、ロビンソン・クルーソー」(1978) Good-bye, Robinson Crusoe
ハヤカワ文庫SF『逆行の夏』収録




ピリは二度目の幼年期を過ごしていた。冥王星の地下に、南太平洋を模して造られた巨大ディズニーランド「パシフイカ」で。若いクローンに意識を移し、記憶の一部を抑圧して少年になりきって過ごす長い休暇。ある日ピリはパシフィカにやってきた年上の観光客の女性リーに淡い恋心を抱く。しかし、リーの登場はこの偽りの「楽園」の終焉を告げるものだったのだ…。続きを読む

天冥の標 考察の続き:なぜ「僕」が怪しいと考えているのか

きのうのつづきである。続きを読む

天冥の標 −複数のノルルスカイン、その識別法−

 いちどプライベートモードで書いたのだが、考え直してネタバレ警告をしたうえで全ユーザに公開することにした。わざわざDMでパスワードを聞いていただいた方には申し訳ないのだが。あといろいろ書き足りなかった部分を追記しました。

 さて、以下のエントリには『天冥の標』の物語の根幹にかかわる重大なネタバレが含まれています。最新刊まで読了していない方はここで引き返すことを強く推奨します。

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ベスト50作品紹介その4: ローレンス・ワット=エヴァンズ「ぼくがハリーズ・バーガーショップをやめたいきさつ」

ローレンス・ワット=エヴァンズ「ぼくがハリーズ・バーガーショップをやめたいきさつ」(1987) Why I Left Harry's All-Night Hamburgers 
ハヤカワ文庫SF『80年代SF傑作選 下』収録
1988年度ヒューゴー賞ショートストーリー部門受賞作






さて、きみはどうしてベナレスなんかへ来たんだい?


 ハリーのバーガーレストランは、ウェストヴァージニアのド田舎の国道沿いにある誰がどう見ても何の変哲もない終夜営業のトラックドライバー相手の店。近所に住む主人公もそう思っていた。…そこに勤め始めるまでは。
 昼間は外見通りの普通のバーガー屋だが、夜中になると得体のしれない連中が店に姿を見せる。宇宙服やてかてか光る妙な制服姿だとか、肌が青かったり緑だったり、おっぱいが3つついていたり…。そう、ここはパラレルワールドの間を行き来する次元の旅人達が集う店だったのだ!

 最初は異形の旅人達の接客にびびっていた主人公も次第に慣れ、フレンドリーなお客からさまざまな異世界の驚異について聞くうちに、旅への憧れの気持ちが頭をもたげ出す。こんなウェストヴァージニアのなにもない山の中で年を取るのはゴメンだ、世界を、しかもいくつもの世界を見たい…主人公はある夜マシンに1人分の空きがあるという旅人に同行をせがむのだが…。


 
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