那珂川の背後に国土なし!

Historia Magistra Vitae est. twitter : @hms_compassrose

スクリーンの中のスクリーン ヘプタポッドと人間を隔てているもの

「この世はなべて一幕の舞台、人はみな、男も女もただの役者に過ぎぬ。」
シェイクスピア『お気に召すまま』第二幕第七場
All the World's stage, and all the men and women merely players.

※本エントリでは映画「メッセージ」ならびにその原作小説「あなたの人生の物語」の核心に触れます。未視聴・未読の方は閲覧しないことを強く推奨します。続きを読む

翻訳短編SFプラス50リスト


 昨年「翻訳短編SFベスト50リスト」という記事を上げたが、もうその直後から「あ、あれ忘れてた」「迷ったけど結局こっちの方がよかったんじゃ」という作品がぼろぼろ出てきてうんうんうなっていたのだが、このたびその数がキリよく50作品に達したので「プラス50」として記事にまとめることにした。

※ベストから外れたのは「自分のストライクゾーンからはボール半個分アウトコースより」であったり「単に忘れてた」「あの記事を上げた後に読んだ」とかそんな理由であって作品のレベルが落ちるからではない。
※著者五十音順である。
※収録書籍は現在最も入手しやすいであろうものを挙げている。続きを読む

ベスト50作品紹介その5:ジョン・ヴァーリイ「さようなら、ロビンソン・クルーソー」

ジョン・ヴァーリイ「さようなら、ロビンソン・クルーソー」(1978) Good-bye, Robinson Crusoe
ハヤカワ文庫SF『逆行の夏』収録




ピリは二度目の幼年期を過ごしていた。冥王星の地下に、南太平洋を模して造られた巨大ディズニーランド「パシフイカ」で。若いクローンに意識を移し、記憶の一部を抑圧して少年になりきって過ごす長い休暇。ある日ピリはパシフィカにやってきた年上の観光客の女性リーに淡い恋心を抱く。しかし、リーの登場はこの偽りの「楽園」の終焉を告げるものだったのだ…。続きを読む

天冥の標 考察の続き:なぜ「僕」が怪しいと考えているのか

きのうのつづきである。続きを読む

天冥の標 −複数のノルルスカイン、その識別法−

 いちどプライベートモードで書いたのだが、考え直してネタバレ警告をしたうえで全ユーザに公開することにした。わざわざDMでパスワードを聞いていただいた方には申し訳ないのだが。あといろいろ書き足りなかった部分を追記しました。

 さて、以下のエントリには『天冥の標』の物語の根幹にかかわる重大なネタバレが含まれています。最新刊まで読了していない方はここで引き返すことを強く推奨します。

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