那珂川の背後に国土なし!

Historia Magistra Vitae est. twitter : @hms_compassrose

2007年09月

TGS

結局東京ゲームショウには行けずじまい。コンペがなきゃ土曜行ったのにな。
MSNの速報を見るに、今年のコンパニオンはいいなあ。わたし好みが多くて。

とりあえずオートポリスのGTに行けるよう仕事を片付けることにしよう。
飛行機とレンタカーと宿はすでに押さえてある。

糧を敵中に求む

ドイツ軍の話の後に読むと、なーんともいえない脱力感の広がる旧日本陸軍のお話。

長沙作戦―緒戦の栄光に隠された敗北 (光人社ノンフィクション文庫 544)


ちょうど太平洋戦争の開戦と同時期に行われ、大損害をこうむった第2次長沙作戦を、連隊本部付中尉として体験した人の回想。軍事専門誌に連載されただけあって、普通の戦記ではつかみにくい小隊〜連隊レベルの歩兵戦の実相が細かく描かれていてたいへん参考になる。
しかしまあこの本の(あくまでわたしとしての)白眉は、この作戦を指導した第11軍司令官阿南中将(終戦時の陸軍大臣)の日誌であろう。
これが近代陸軍の高級指揮官養成機関を卒業した人(しかも現役中将の)かと思うような香ばしい文章が散見される。

こりゃひどいと思うものをあげると

指揮官ノミナラズ幕僚モ万難排シテ補給ニ拘束セラレザルヲ要ス
余ハ為ニ補給困難ナドハ理由トシテ採用セズトテ進攻ヲ断行セリ
現地ニ何カアリ 餓死セルモノ一人モナシ
唐太宗ノ曰ク 二日食ハザレバ戦必ズ勝ツト

うわ。どっから突っ込んでいいのかわかんないくらい突っ込みどころが。メシだけじゃ兵隊は戦えません。戦国の世じゃあるまいし。上層部のこんな認識のせいでニューギニアの山ん中をさまよう羽目になった将兵が約10万人。

共産系軍ノ戦術的思想ノ堕落 清野空室、又ハ遊撃戦ノ如ク正々堂々ト決戦ヲナスノ勇気ナシ、斯クテハ一国否一村ノ民心モ繋グベカラズ 況ヤ民族ノ向上ヲヤ

あ、頭が痛い。割れるように頭が痛い。閣下々々、いまやってるのは戦争なんですけど。武道の試合とかじゃないんですよ?

あー大陸の西のほうの戦争と同じ年代にやってたとはとても思えん。

KriegとOparationの間に 〜『電撃戦という幻』〜

電撃戦という幻〈上〉
電撃戦という幻〈下〉


 1940年6月のドイツ軍のフランス進攻、いわゆる西方電撃戦は、なんというかいわく言いがたい戦いである。兵力においても兵器の質においても独軍を大きく上回っていた英仏連合軍が完膚なきまで叩きのめされ、たったの6週間でフランスは事実上屈服に追い込まれた。連合軍はすべてにおいて決断が遅く、しかもやっと下した決断はことごとく裏目に出てしまい、当事者じゃない人間は思わず笑っちゃうような戦史上まれにみる大惨敗を喫した。独軍は装甲部隊を集中運用し、連合軍が戦車は通過不能と(勝手に)見なしたアルデンヌ高原を突破し、ドーバーまで突っ走り、英仏軍主力はあっさりと包囲され実質的に西方における戦争は終わったしまった。空陸一体の立体的作戦・戦車と自動車化歩兵の連携と集中運用・無線通信の戦術レベルへの応用といった点で電撃戦」の典型例であり最大の成功例と見なされるのも当然のワンサイドゲームである。
しかし
この戦いはもともと「電撃戦」として計画されたものではなく、しかも作戦が進行中においても当事者には(一部を除いて)「電撃戦」をやってるつもりなどさらさらなく、さらには「電撃戦」なるものは実際には存在すらしていない幻であった、という衝撃的な事実を、本書の著者(ドイツ連邦国防軍の現役大佐)は膨大な史料を基に丹念に実証していく。
参謀本部はもう一度WW気澆燭い米挽機で万単位の兵士をすりつぶすような消耗戦をやる覚悟を決めていたし、一部の装甲部隊指揮官を除いては装甲部隊が戦場の様相を決定的に変えるなどとは信じてもいなかった。そんな状況で準備された「電撃戦構想なき電撃戦」が、グデーリアンをはじめとする独軍装甲部隊指揮官の機転、英仏連合軍の硬直した思考と官僚主義、そしてさまざまな幸運と偶然に恵まれて「電撃戦」して成功していくさまが鮮やかに描かれる。負けたほうだけではなく勝ったほうも事態の進展が早すぎてついていけずに呆然としているというのが笑える。

そしてこの「電撃戦」の成功が、結果的にドイツ軍を破滅に導くことも。「電撃戦」とはまったく新しい戦争(Krieg)ではなく作戦(Operation)の新しい手法に過ぎず、いくら「電撃戦」によって作戦的勝利を積み重ねても「戦争」に勝つことはまた別問題なのだ。ドイツ軍とヒトラーは、この西方戦役の成功で、その区別を見失い、「電撃戦」によってソビエトを打倒できると考え、泥沼へと踏み込んでいくことになる。

「電撃戦」というものがまったく新しい作戦構想というわけではなく、単に昔からある作戦レベルでの運動戦と包囲を、新しい技術によって復活させたものであるという指摘も興味深い。要は第一次大戦の塹壕と大消耗戦が、軍事技術の偏りによって生まれた例外だったわけで、西方戦役はカンネーへの先祖がえりであり、クライスト装甲集団の突進はヌミディア騎兵の突撃と本質的には変わっていないというわけだ。
そして当然戦争の勝敗は戦場のみで決まるものではないという原理もまた変わってはいない。いま中東でヒーヒーいってる某国はそのことを学んだのかね。まったく。

たいへん内容の濃いい本でありまして、出した金額分は十分におつりがくることでしょう。いえ、ネットでの反応を見ると「高い」というのが多くて。アマゾンに注文を出したときは全然高いとは思わなかったんですけど、まあ古書店で史料を買いあさっていると金銭感覚がちっとおかしくなってしまうものです。ていうかさっき来たカードの請求書をみて震えているところです。あははは。
おそろしいことにこの本は、ドイツ国防軍軍事史研究局の『第2次世界大戦の諸作戦』という叢書の第一巻であるらしく、同等の内容とお値段を持つ本が続々と翻訳されたとしたら、わが国の軍事史研究者・マニアの研究と財布の中身に対するインパクトはさぞかし巨大なものになるだろうと思われます。わーい(冷や汗をかきながら)。

"Voyage"って訳書出ないんか?

アマゾンといえばもうひとつ不可解なことが。

「Amazon.co.jpで、以前に「スティーヴン・バクスターの本」をチェックされた方に、このご案内をお送りしています。」ってそれでなんでおススメがマイクル・コナリー?
かたや理系ハードSFの大家でもう一方はくらーいハードボイルド作家、全然共通点がないわい。日本の作家で言えば大沢在昌と堀晃(あるいは林譲治)くらい存在感が違うのになー。

データベースがどこかで混乱しているとしか考えられん。

『この世界大戦がすごい!』

この世界大戦がすごい!! ハーツ オブ アイアンIIプレイレポート (4GAMER BOOKS)

4gamer.comの連載は実に楽しみに読んでたんだけど、まさか単行本になるとは思いもよらず。
スウェーデンが誇るストラテジーの雄パラドックスエンターテイメントのWWRTSであるハーツオブアイアン兇AAR(プレイレポート)集である。実際にはゲームについての本つーよか「ゲームをダシにして歴史で遊ぶ本」といった味わいで、ゲームやったことなくても楽しめる(やってたらもっと楽しめるはず)。パラドは「ヴィクトリア」なら鼻血が出そうなほどやりこんでるけどHoIは未経験の私も楽しめたんだから。
とにかくゲームのたびに生成される奇天烈歴史を追うだけで笑える。「ワルシャワ要塞」にひきこもって核開発にいそしむポーランドとか、ナチスを打倒しちゃうスペイン人民戦線とか、スターリニスト・アメリカ(ちゃんとそれらしい閣僚が用意されているのがオドロキ)とか世界革命に目覚めるスターリン親方(あのー同志トロツキーの処遇はいかがいたしましょう?)とか独立インドの戦車師団と国民党中国の自動車化歩兵師団を率いてドーバーに強襲上陸する日本海兵隊とか。
その歴史にいちいち無粋なまでに鋭いツッコミをいれる徳岡氏の筆も冴えてていい感じです。

ちなみに近所の本屋に見当たらんもんでアマゾンに注文したところ「配送予定10/7」との文字。
うわーキャンセルキャンセル、市内の本屋くまなく探したほうがまだましとアカウントに飛んでみたところ「この商品はすでに配送準備に入っているためキャンセルできません」だと。
ええと。アマゾン的には配送の準備に3週間もかかるとですか。職人さんが一冊一冊手作りで梱包してくれるんですか?
などと考えているうちに商品到着。これまで配送予定が遅れたり注文から3週間ぐらいたってから「ごめーん、やっぱり在庫なかったから許してぇ」などということは経験したけど、予定が繰り上がったちゅうのは初めてです。

ありがたいけど表示は正確にお願いいたしまする。

復活

なんだかんだで2ヶ月停滞。
ま、サイトのほうなんか7年放置状態だからこれくらい
なんてことはないわな。ははは。

・・・・・・いやせっかく作ったんだからもう少し何とかします。
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