2011年03月08日

最近の落札公示から (Nov/2010.~Feb/2011)

 2010年10月12日のTSUBAME2.0以降、2011年2月末までに公示された、文科省関連のスパコン落札は5件ほどある。 以下に概要を落札公示日順に拾い出す。

1.公示日2010年12月21日
   名大 素粒子宇宙起源研究機構  高性能計算機システム  

  落札:  NEC (H22/9/30)
  購入:
  落札額: ¥1億6377万3225円 
  性能:   資料招請時の概要仕様にも具体的数値の記述はなし

  ・ノーベル物理学賞を受賞した益川・小林両氏を記念した新設の研究機構。
  ・今回落札したスパコンの具体的詳細は一般には公表されていない。
  ・運用開始の2011年3月2日の新聞報道
    -性能:1秒間に60兆回(つまり60Tflops)
    -171台のスパコン(ノードの意味か?)
    -費用は文科省の全額補助
  ・60Tflopsとすると、Tflops単価は270万円程度なので、CPU+GPGPU 型か?
  ・ORNLのJaguar後継の20Pflops機Titanは$100Mとか
          ・・・Tflops 単価は50万円くらい・・・
  ・東工大よりは高めなのはCPU対GPUの比率が違うからかな?(CPU+GPU型だとして)
  ・名大のセンター設置のスパコンと同程度の性能のような・・・・
  ・兄貴分の京大の基礎物理学研究所は昨年日立の90Tflopsを導入している。


2.公示日2010年12月21日
   東北大 流体科学研 次世代融合研究システム

  落札:    日本SGI (H22/9/30)
  借入期間: H23/4/01-H29/3/31  (6年)
  借入総額: ¥46億3666万6650円  (月額¥6439万8148円) 
  資料招請時の要求性能:
          Scalar A: 3.5Tflops以上
            Scalar B: 1.8Tflops以上
           Vector  : 1.5Tflops以上
          融合Interface Server: 230Gflops、Mem768GB、共有64GB
          3次可視化Server: 80Gflops、Mem192GB、共有24GB
   落札後の日本SGIの発表(2010年12月14日)
          -SGI Altix UV 1000    CPU Intel Xeon 7500番台
              32Tflops       (現行機種性能の4倍)
              総メモリ容量      10TB
              総ディスク容量     2.4PB
              グローバル共有メモリ 最大4TB
          -3次元可視化システムのアップグレード
          -3次元可視化サーバー、マルチスクリーン立体視システムの導入・構築 

   ・資料招請時の要求仕様(3システム)は落札時には1システムに統合された模様。
   ・Vector機要求は消滅?
   ・それにしても、今日この頃のスパコン相場からすると高すぎないか?
   ・東北大サイバーサイエンス・センターはVector3.2Tflops、Scalar1.5Tflopsだったかな
   ・日本SGIはNECの子会社
     (ただし最近、NECの持ち株分は米SGIへ売却との報道あり)


3.公示日2011年01月04日
   京大 数理解析研  電子計算機システム

  落札:    富士通  (H22/11/01)
  借入期間: H23/3/01-H28/2/28 (5年)
  借入月額: ¥184万4850円     (総額¥1億1069万1000円)
  性能:    資料招請時の概要仕様にも具体的数値の記述は無し
  参考:    京大基礎物理学研の場合、月額1070.6万円、期間5年、90Tflops(日立)

  ・要求性能がわからないので、落札金額だけからでは内容は良く判らない
  ・価格から推測すると基礎物理学研究所の1/5ぐらいの性能?


4.公示日2011年02月14日
   九大 情報基盤センター  スーパーコンピュータ

  落札:    富士通 (H22/11/01)
  借入期間: H23/6/01-H24/3/31 (10ヶ月)
  借入月額: ¥2100万円       (総額¥2億1000万円)
  資料招請時の要求性能:
               500Tflops以上、MainMem150TB以上
  落札性能: 不明

  ・大変奇妙な入札。500Tflopsの大型機を新規に10ヶ月間だけ借りるというのは奇妙。
  ・落札したほうも、中古とか「わけあり」機械とかでなければ、中途半端。(¥42万/Tflops)
  ・お遊びにしては総額2億円というのは如何なものか。


5.公示日2011年02月21日
   KEK (高エネルギー研究機構)  スーパーコンピュータシステム

  落札:    日立 (H22・12・24)
  借入期間: H23/6/01-H28/12/31   (5年6ヶ月=66ヶ月)
  借入総額: ¥35億1216万9990万円  (月額¥5321万4697円)
  資料招請時の要求性能:
               以下の現有スパコン群の10倍以上 (合計約600Tflops以上)
           -日立 SR11000-K1      2.15Tflops
                    -IBM BG/L 10Cabinet   57.3Tflops
  落札性能: 不明  

  ・注目点はBG系かその他か。 BG系であれば、BG/PなのかBG/Qなのかという点
     -要求573Tflops: BG/Pだと42Cabinets、BG/Qだと3Cabinets程度
  ・正式発表発売前のBG/Qを「今年6月に日本に」というのは時期的に難しいのでは。
  ・BG/Pだと42Cabinets分のスペースや、電力の問題などがある。
  ・価格: 米国内では573Tflopsは、BG/Pでは$57M前後?
              BG/Qは$6M? (20Pflops Sequoia $200M程度のはず)
  ・落札総額からして BG/Pの在庫一掃セールもどきで、通常の半値とすると、概ね符合するのでは?

 

  

Posted by petaflops at 23:09Comments(0)TrackBack(0) スパコン 04