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佐々木正洋の記事批評 第215回(2016/6/7)
心地よかった瀬戸内寂聴さんと小保方さんの問答

コメントを下さった方が教えてくれたリンク先でした。一通り読んで

なんと情けない・・・

と、ただそれだけでした。と同時に「自分も同じような誤りを犯していないだろうか?」ということはいつも気になります。

 しかし、この記事の中でいくつかより気になった部分(下記に記事全文を掲載しており、その中で赤文字で示してあります)を抜き出しますと、


・小保方さんご本人は気付いてないかもしれないが、押しも押されもせぬ公人になってしまったのだから。

・別に僕は小保方さんファンでも強烈な味方だと言っている訳ではないが

・『STAP細胞はあります!』と言った時の切なささえ感じた小保方さんの表現

・寂聴さんの思惑通り、僕は小保方さんの応援に回っていた

・小保方さんには是非オファーが来ている海外の研究機関に行ってもらいたい、と強く願っている自分がいた。


 そもそも、なぜ、小保方「さん」なのだろう?私は小保方氏としか書かないが、至るところで「さん」づけの表現が目立つ。

 しかし「押しも押されもせぬ公人になってしまった」って明らかにおかしいですよね?iPS細胞を作った山中先生がこう呼ばれるなら非常に自然ですよ。この表現は、「良いことをした結果、誰からも認められる人間になった」人に対して用いる日本語ですよね

 しかし、ねつ造だらけの論文を出しておいて、理研神戸を解体(再編成ではあったが、こう思っている人も少なくないと思う)に追い込んだ人間が「押しも押されもせぬ」って・・・日本語めちゃめちゃじゃないですか

 さらに、

・『STAP細胞はあります!』と言った時の切なささえ感じた小保方さんの表現
・寂聴さんの思惑通り、僕は小保方さんの応援に回っていた

 ここに至っては何もいうことはありません。目がハートマーク状態でしょう

小保方さんには是非オファーが来ている海外の研究機関に行ってもらいたい、と強く願っている自分がいた。

 「完成済みの博士論文」もなかなかホームページにアップされませんが、このオファーって、なんでしょうね?普通に考えたらあり得ないことです。まともな研究室ならば。常識的に考えればエアオファーでしょう。

「STAP細胞はあります!」
「オファーが来ています!」
「博士論文は完成しています!」

どれも信用できないことには変わりはないですよね。

 メディアにとっては、小保方氏の話でないと記事にならない、部数がはけないというのは理解できますが、一方で、小保方氏のおかげで、

「研究の進行が大きく妨げられた」
「研究費が激減した」


さらには

「職を失った」
「無職になった」

・・・こういう人達の情報は全く入ってきません。彼ら・彼女らからしたら、話したくもないでしょう。しかしどう考えても、救われるべきはこういった被害を受けた人たちではないでしょうか?


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(以下記事全文)

幻冬社の幹部がテレビで『こういうやり方もあるんだと気づかされた』と率直なところを語っていた。婦人公論としてみればしてやったり、である。地力のある雑誌、ということになる。僕がそんなことを思う必要などないのだが、幻冬舎の幹部と同じく“あちゃ、やられちゃった”と何故か正直思った。なかなかはまった対談である。

記者会見で色々と突っ込まれるのは仕方のないことである。小保方さんご本人は気付いてないかもしれないが、押しも押されもせぬ公人になってしまったのだから。良い時だけ大々的に報じてもらいたいと思うのであればそれは間違いであり、マスコミの仕事は何かを宣伝することではない。

むしろマスコミは厄介なことが起これば起こるほどそこに関心をもち「?」について徹底的に突いてくる。“えぐる”という言葉が当てはまる時があるほど、それは容赦ない。ただそこで、公人だから応えるのが当たり前という前提があったとしても、尋ねるのは会社でもなければ組織でもない。とどのつまりマスコミの看板をしょった“個人”である。対象者に向かって偉そうにふるまう権利はない。

にもかかわらず“早く答えろよ!”的な粗暴な迫り方をするマスコミが目につく。小保方さんが本誌の対談で述べた『この2年間、本当に命が尽きると感じていました』というのは本心だろう。違うところでは『殺されると思った』とも表現している。

あるテレビの番組では“誰に殺されるのか”ということについてそれは“理化学研究所でしょう”と言っていたが、そこにだけ彼女は相手の殺意を感じたのではない。マスコミに対しても同じ感覚だったろう。

ここで細かく述べることは避けるが、こんな、吹けば飛ぶよな自分にでさえ一部のマスコミの空気に抗えない瞬間を感じたことがある。公人の意識もなかった小保方さんにはさぞ辛いことだったであろうことは想像に難くない。

■瀬戸内寂聴さんのおかげで僕は小保方さんの応援に回った

でも世の中捨てたものではない。“捨てる神あれば拾う神あり”である。それも御仏に仕える身の瀬戸内寂聴さんなのだから、文字通り“拾う神!?”に通じる。

別に僕は小保方さんのファンでも強烈な味方だと言っている訳ではないが、どこかこの対談に安堵した。いずこかのワイドショーで『我々が知りたいのはSTAP細胞があるかないかだけです』と薄っぺらな言葉を並べていたが、果たしてそれだけだろうか。

『STAP細胞はあります!』と言った時の切なささえ感じた小保方さんの表現を踏まえた上で、彼女が答えたくない、いくつかの残酷な疑問を抱いてはいないだろうか?

僕にはある。僕なぞふた昔前だったら全てを直球で聞かないと気が済まない、と思ったものだが年を重ねた所為か今は違う。ではどう表現するのが偽善にならないのか、その一例が瀬戸内さんと小保方さんの問答にあった。

瀬戸内さん:「聞いてみたかったのは笹井さんのこと。ほとんど(「あの日」には)書かれていない。」

小保方さん:「書けなかったですね。」

で主なやり取りは終わっている。これでいいのである。

壮絶な人生を歩んできた瀬戸内さんだからこそ小保方さんとの対談は雑誌社が商魂たくましく組んだ企画だとしてもイヤな気持ちにはならない。

この対談を読み終えた頃、寂聴さんの思惑通り、僕は小保方さんの応援に回っていた

小保方さんには是非オファーが来ている海外の研究機関に行ってもらいたい、と強く願っている自分がいた。



佐々木正洋
(ささきまさひろ)
略歴:1977年慶應義塾大学法学部政治学科卒業と同時にテレビ朝日入社。「ワールドプロレスリング」「アフタヌーンショー」「モーニングショー」「気分はシャッフル」「おもしろ食通信」「ナイトライン」「CNNニュース」「テレビいま時あの時」「邦子がタッチ!」「スーパーJチャンネル」などで司会・実況・リポーターを歴任。アナウンサー歴35年の中でも、昼のワイドショー「ワイド!スクランブル」月~金コーナー「夕刊キャッチアップ!」は番組開始以来16年間担当。2012年3月、テレビ朝日退社。同年4月浅井企画に所属。
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