2018年11月11日

はじめに・・

 最新の記事はカレンダーの日付をクリックしてご覧ください。

 

世にドラッカー・ファンが増え、一流の経営者が続出することを願ってブログランキングに参加しています。是非このアンダーバーのワンクリックにご協力をお願いします。

 

はじめて手にするドラッカー

 

◆あなたにもある

     「人生を変えた七つの経験」

 

【ポリシー】

ドラッカー博士の一ファンとしてビジネスを行ううえで影響を受けた一言などを中心に思いのまま書いています。他の経営者やエグゼクティブの皆さんにもお役に立つことができれば嬉しく思います。

 



カテゴリー別にお読みいただくことをお奨めします。


最新の記事は次の次に掲載されています。

読書会とドラッカーに関するwebサイト<Dラボ>を2018年4月に開設しました。

 



pfd at 11:11|Permalink はじめに 

2018年06月24日

トクビルの見たアメリカ その586 大戦を予見 

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


そこでは戦争はまれになってゆく。けれどもそこでは戦争が勃発するときには、戦場は大規模なものとなる。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.499(講談社学術文庫)

1のコメント 
「今日ヨーロッパに見られるように、平等の原則はある一つの国民においてと同時に、その隣接の諸民族にも発展している。このときには、これらの種々の国々に住んでいる人々は、言語、習慣、法律には差異があっても、等しく戦争を恐れ、そして平和を同じように愛しているという点では互いに似かよっている」。

また平等が進展すると、そこに住む多くの人を商工業に向わせ、人々の利益は相互依存的になっている。このような社会では大きな災厄として戦争を考えるようになる。このような状況では戦争が起こることは稀になる。

一方で「すべての民族の利害は非常にからみあっており、それらの民族の意見と欲望とは類似している」のでもし戦争がおこれば大規模なものとなる。トクビルは後の2つの大戦を予見していたことになる。



pfd at 07:17|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月23日

トクビルの見たアメリカ その585 軍隊の規律

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


その規律の根元は、服従者の意志自体のうちにある。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.497(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは、第25章で「民主的軍隊における規律について」述べた。貴族社会においては、「最も緊密な命令服従の紐帯が確立され易い」と指摘しました。貴族社会では、士官が貴族で兵士が農奴であり、社会的隷従関係が軍隊にもちこまれただけである。

これにたいして民主的社会においては、士官と兵士は社会的隷従関係にはなく、教育や教養の差も小さい。それゆえ「民主的民族では、軍事的規律は兵士たちの魂の自由な飛躍を抹消しようと企てはならない。その規律は兵士たちの魂を唯、指導しようと願うことができるだけである」。



pfd at 07:48|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月22日

トクビルの見たアメリカ その584 民主的軍隊が力を発揮するとき

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


長い間平和が続いた後に、戦闘に入るあらゆる軍隊は敗北するおそれがある。長期間戦闘を続けているあらゆる軍隊は、勝利する大いなる機会に恵まれている。この真理はことに民主的軍隊に当てはまる。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.489(講談社学術文庫)

1のコメント
民主的社会で平和が続けば、階級は固定化され、年齢だけが上がっていく。老齢の士官が退職するまでまっても昇進の機会を手にするものは少数だ。このような軍隊がいざ戦闘を行うと脆弱である。

貴族社会では、士官は貴族である。壮年を過ぎれば士官の座を譲っても彼らが失うものは無い。こうして一定の新陳代謝がもたらされる。

一方、いざ戦争が始まり、長期化すると、「ついに市民たちのすべてがその平和的労働から引き抜かれて、その小さな企業にたずさわることができなくなるときには、平和に全力を傾倒していた情熱は、戦争に向けかえられることとなる」。「戦争は、すべての産業を破壊した後に、それ自体が巨大な唯一の産業となる。そしてそのとき、平等によって生み出されている熱烈な野心的願望は、この軍事的産業のみに向って、集中的に導かれるのである」。こうなれば民主的軍隊は力を発揮し、偉業をなしとげることがある。



pfd at 13:47|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月21日

トクビルの見たアメリカ その583 下士官の好戦性

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


下士官は、変わることはありえないその職務の性質によって、人目につかない窮屈な貧しい不安な生活を営まざるをえないのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.486 (講談社学術文庫)

1のコメント      
トクビルは第22章で民主的軍隊の好戦性を指摘した。しかしその第23章を「民主的軍隊において最も好戦的な、そして最も革命的か階級はどのような階級であろうか」と特定の階級に注目した。まず徴兵された兵士と士官を比べ、徴兵された大多数の兵士は一般市民に戻りたいと常に思っていることからその好戦性を否定した。この章ではさらに士官と下士官を比べた。

士官について次のように述べた。「国民の第二階級を出て、軍隊の下級的地位を通過して、士官級に到達した人は、すでに大変な地位の上昇を達成している」。このような人は「大変な努力をなして高い地位を獲得した後、自らこの地位に自発的に停止し、このかちとった地位にからまっている特典を、楽しもうと考えている」。「最も平和的なそして最も非革命的な部類の人々は、常に最上階級の人々である」。

これに対して下士官も「軍事的身分を、自らの生涯の地位としている」が、「士官のように、高い安定のある地位にはまだ達していない。したがって彼は士官のように自らの地位に停止して、もっと高い地位にのぼることを期待しながら、泰然自若として気楽に休息していることが望ましいと思ってはいない」。



pfd at 05:02|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月20日

トクビルの見たアメリカ その582 士官の熱望

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主的民族では、士官になる人は、彼を市民的生活に結びつけているすべての紐帯を断ち切って、そこから永久に離脱するのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.484(講談社学術文庫)

1のコメント    
トクビルは第23章を「民主的軍隊において最も好戦的な、そして最も革命的か階級はどのような階級であろうか」とした。

「民主的軍隊では、士官は国民の嗜好と願望とは、全く別種の嗜好と願望とを身につけることがしばしば起こっている」。徴兵制で集められる民主的軍隊を構成している大多数の兵士たちは、「自分の意志いかんにかかわらず軍務に服せしめられ、常に帰宅しようと身がまえている」。「真剣に軍事的生活を送ろうなどとは考えていないので、その軍事的生活をできるだけ早く離脱することばかりを考えている」。

これに対して職業軍人である士官は「軍隊の運命に服従し、栄枯盛衰を軍隊と共にする」。「したがってまた、彼らが自らの希望をかけているのは、軍隊に対してのみである」。「そこでは士官は、国の欲望とひどく異なった欲望をもっているのでので、国民が最も安堵と平和とを熱望しているときにも戦争を熱烈に望み、そして革命のために活動することにもなりかねないのである」。



pfd at 06:05|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月19日

トクビルの見たアメリカ その581 民主的軍隊に潜む悪癖

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


常にいらいらしていて、騒動の起こるのを好んでいる精神は、民主的軍隊の構造に固有な害悪であって、しかも癒すことのできない害悪である。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.479(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルが害悪と呼んだものは民主的軍隊に顕著に表れる民主的社会の特徴である。「民主国の市民たちの間で支配的になっている精神の動揺そのものは、軍隊にも同じように同じように見出されるからである。そこでは、軍隊で臨まれていることはある地位を得ることではなく、常に昇進することである」。

それゆえ民主的軍隊の人数を増やし、新しい地位をつくっても、その野心に際限がないため無駄な行為となる。それは社会一般の特徴である。「最初の野心家たちで、願いをかなえられた人々でも、まもなく不平をいい始める」。

このような特徴は大衆には良いエネルギーであるが、民主的軍隊においては悪弊になる。したがって彼らを統制することは民主政治の必須の要点である。それゆえ「民主的民族の市民たちが、ついに自由を平和的に有用に行使することを学び、そしてそのような自由の行使による恵福を感ずるようになり、そして強力な秩序愛を身につけ、自主的に規律に従うようになる」。「民主的民族では、市民たちが啓蒙されており、規律正しく秩序に服従しており、堅実であり自由であれば、兵士たちも規律正しくなり、服従的になるのである」。



pfd at 05:41|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月18日

トクビルの見たアメリカ その580 軍事的革命のリスク

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


貴族制の下では、殆ど恐れられることのない軍事的革命は、民主的国民では常に恐るべきものとなっている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.476(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルの危惧は現代では軍事クーデターと呼ばれるものである。先に挙げたように軍隊での昇進は平時には極めて限定的である。平時から戦争へという潜在的期待が常にある。このような状況では、さらに平時から革命へというリスクも存在する。

階級社会が終わった直後は、「民主的社会では、殆どすべての市民たちは、財産をもっていて、それを保存したがっている。けれども民主的軍隊では、一般に貧民によって指導されている。貧民の多くは、社会的混乱で失うべきものを殆どもっていない」。

このような環境下では、「軍隊の指揮官たちは、革命をこれらの大衆ほどには恐れていない」。唯一の武力をもつ民主的軍隊は、「民主的民族の将来が含んでいるすべての災厄のうちの、最も恐るべきものの一つであるにちがいない。そこでは政治家たちの注意は、この災厄の救治策をみつけることに油断なく傾倒されるべきである」。現代の文民統制の必要性をトクビルは早くも指摘したことになる。



pfd at 05:31|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月17日

トクビルの見たアメリカ その579 奇妙な状況

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主的軍隊では、そこに含まれているすべての野心によって、戦争が熱烈に求められるのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.473(講談社学術文庫)

1のコメント
「民主的軍隊では、昇進の願望は、殆ど普遍的である。そこでは昇進の願望は熱烈で、粘り強く、持続的である」。「ところで世界中の軍隊のうちでは、平時において昇進が最も遅いはずの軍隊は、民主的軍隊であることは、たやすく分かることである。そこでは軍隊における地位の数は、当然のことながら限られているので、競争者たちの数は、殆ど無数になっている」。

つまり民主的軍隊では、貴族的軍隊と異なり、誰でも士官になれる機会が平等にある。しかし平時には、昇進の機会は少ない。彼らの意識は勢い戦争に向けられる。そこには昇進の機会があるからである。

これは「奇妙な結果」であるという。「すべての軍隊のうちで、戦争を最も熱心に願う軍隊が民主的軍隊であるということ、そして諸民族のうちで、最も平和を愛している民族が民主的民族である」。トクビルはこのような奇妙な状況を「平等が同時に相反する矛盾的諸効果を生む力をもっている」と評した。



pfd at 06:47|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月16日

トクビルの見たアメリカ その578 社会における軍隊の違い

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


貴族的軍隊で生存の付属物であったものは、民主的軍隊では、生存自体の主要物、全体となっている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.472(講談社学術文庫)

1のコメント
貴族的民族では、軍隊の階級も身分、門閥で決められていた。「貴族は士官であり、兵士は農奴である」。貴族間でも「上位者は、門閥によって自然的に連帯を指揮するように、下位者は、中隊を指揮するように求められる」。

貴族的民族では、「軍隊での身分は、社会での身分の付属物と見られている」。「軍隊生活での彼の主目的は、利益や敬意や権力を手に入れることはできない」。

これに対して「民主的軍隊では、すべての兵士は士官になることができる」。そこでは昇進の野心に限界を設けるものではない。「彼の社会における地位は、殆ど常に軍隊における彼の身分に従属している」。このように両社会における軍隊での階級のありようは全く異なる。



pfd at 18:42|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月15日

トクビルの見たアメリカ その577 軍事的精神

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


軍事的精神と革命的精神とは、同時にそして同一原因によって弱まるのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.470(講談社学術文庫)

1のコメント
民主的民族がもつ軍隊に目を向けた。この章のタイトル「民主的民族は何故に自然的に平和を願望し、そして民主的軍隊は何故に自然的に戦争を願望するのであろうか」がそれを物語っている。つまり民族と軍隊は相反する行動をするというのである。

民主的民族は革命と同様に戦争を遠ざける。その原因は、戦争によって動産の富の発展、寛容な風習、柔軟な心、憐憫の性情、冷静な理性などが失われるからである。したがって「文明民族においては、地位が平等化されるにしたがって、軍事的情熱は冷めてまれになってゆくことが、一般的な恒久不変な法則として認められうるのである」。

しかし、このような事情をもっていても戦争は偶発事である。トクビルは言う。「平和を実現するためには、これらの民族が戦争を、換言すれば、軍隊をもつことを、排撃し拒絶する覚悟をもっていることが必要である」。おおよそ100年後、紛争の解決手段として武力の放棄をうたった民族がいる。この民族の未来はどうなるのか。



pfd at 05:22|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月14日

トクビルの見たアメリカ その576 廃墟の中で...

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしをとりまいている廃墟の中で、わたくしは一体何をあえて言おうとしているのであろうか。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.467(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはフランス革命から50年ほど経った1840年にわれわれは「廃墟」にいるという認識を示した。続けて言う。「わたくしがきたるべき諸世代のために、最も恐れているものは、革命ではない」。

そしてこれまで述べてきたことを仮定としておいた。「市民たちは、家庭的な小利益の狭い範囲内にますますとじこめられ、そこでは休む暇もなく民族を発展させ改善してもいる」。トクビルは、このような中で起こることを恐れた。

第一に、「家庭的な小利益」ばかりに意識が向き、「重大な強力な公共的情緒」を喪失することを恐れた。第二に、財産所有欲が増し、あらゆる革新を革命の第一歩と誤認し、危険なものとして身動きすることを拒むことを恐れた。これらの結果、「現在の享楽に臆病にも耽るだけのものがもてればよいと思うようになるかも知れない。そしてまた、自分たちの境遇を改善するための急速な精力的な努力をなすよりも、自分たちの運命の流れに無気力に屈従することを好むようになるかも知れない」。

「ぞっと身ぶるいする」とトクビルは状況を評した。換言すると「人類は停止し、ゆきづまり、精神は新しい理念を生み出すことなく、永続的に自らの限界内にとじこもり、その屈従を続けるのである」。「人類は、絶えず動いていながらも、少しも前進しないのである」。



pfd at 06:34|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月13日

トクビルの見たアメリカ その575 安定化する民主主義

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれフランス人は、人々の精神のうちに、最も急激な変化が行われつつある時代に生きている。けれどもまもなく人々の主要な意見は、われわれの歴史の以前の時代における意見よりも、はるかに安定あるものとなるかも知れない。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.466(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはフランス人未来を予見した。それは民主的社会一般の未来でもあった。

「民主的民族のうちの多数者が、意見を変えるとき、知性の世界に自らの意のままに、奇妙な当然の変化を起こすことができる。けれどもその多数者の意見が変わるということは、とてもむつかしいことであるし、そしてまた、その意見が実際に変わっていることを証明することも、殆ど同じようにむつかしいのである」。

平等は孤立する大衆、忙しく動き回る大衆をつくりだす。普段は団結することもなく、それぞれが意見を交わすことも少ない。自分の意見を変えるきっかけには乏しい。その結果として社会は安定的になる。トクビルは母国フランスに向けて発信した。それから170年余が経ち、世にはSNSなどの個人の意見を発信するツールを人々は手にするようになった。民主化を求めてアラブの春が起こった。まれに民主国でも一人の発言が世の中を動かくことがある。トクビルの予見は基本的には現代にも当てはまるように見えるが、前提に変化が起きていること間違いない事実である。



pfd at 06:49|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月12日

トクビルの見たアメリカ その574 意見の永続性

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


地位が平等であるときにはいつでも、世論は各個人の精神の上に巨大な重圧を加え、そして各人の精神を蔽い包み、導き、圧迫する。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.464(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは「民主的民族の諸教説のうちに、大変化を起こしにくくしている理由」について言及した。一つは、大衆の時間のなさである。彼らは仕事に忙しく、立ちどまって考える時間がない。同時に、耳を傾ける方も新たな意見に耳を傾ける時間がない。こうして自分がもっている古い意見は長く生き続ける。

さらに民主低社会の構造により、人々の意見は一層似かよったものとなるにしたがぅて、多数者の中の一人であることに対して、自らをますます弱いものと感じるようになる。「多数者は各人を束縛しようとはしていないが、各人に確信をもたせようとしている」。そのような中で異質な意見を表明することは重圧である。

「このような状態は、新年の安定には非常に好都合である」。「ある一つの意見が、民主的民族においてしっかりとした地位を獲得し、そして多数者の精神のうちに確立されるとき、誰もこの意見を攻撃しないので、この意見は自力で生きつづけ、そして努力することなく永続してゆく」。



pfd at 06:52|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月11日

トクビルの見たアメリカ その573 考える暇がない

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


人々はあまりに活動ばかりして忙しすぎるので、考える暇がないのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.462(講談社学術文庫)

1のコメント
「民主国には暇が殆どない」とトクビルは記した。活動に忙しく、立ちどまって考える暇がないのである。「そこでは人々は仕事に没頭しているばかりでなく、仕事がそれらの人々を熱中させている」。その結果、「仕事に情熱を打ち込んではいるが、思想に熱中することはできなくなっている」。

このような状態なので「民主的民族の熱狂的情熱を、何らかの理論に対してかきたてるに当たっては、その民族の生活の日々の実践に、直接または間接の眼に見える関係をもっていない理論では、都合がわるいのである」。そのようにしなければ「自らの古くからの信念を、たやすくはすてないのである」。

時間への欠乏感。実践の必要性。当時と今、状況は何も変わっていないかのようである。



pfd at 07:45|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月10日

トクビルの見たアメリカ その572 知的革命は稀である

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


そのような社会では、突飛な知的革命はまれである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.460(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは知的革命の起こり方について言及した。「民主的社会に生活している人々は、互いにどのような紐帯によっても結びつけられてはいないので、説得するとなると、ひとりびとりを全部説得しなければならないということになる」。

これに対して「貴族社会では、説得する場合には、数人の精神に働きかけるだけで十分であって、あとの人々はこれらの数人についてゆくのである」。

それゆえ民主的社会では知的革命は稀である。「人々が互いに一層類似したものになってゆくにしたがって、知性の平等の信条が、人々の信念のうちに少しずつ忍びこんでゆく」。「知性の平等」が進めば、誰か声の大きな人、影響力の大きな人などの話を無自覚に受け入れることはなくなるからである。



pfd at 09:05|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月09日

トクビルの見たアメリカ その571 知的無政府状態

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれフランス人が目撃している知的無政府状態が、多くの人々の想像しているようには、民主的民族の自然的状態ではないことを、わたくしは一層よく悟るようになるのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.459(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはアメリカに来て、その国の民主主義を目撃し、母国フランスの民主主義が過渡期にあることを悟る。そして、その状態を知的無政府状態と呼んだ。

「その無政府状態は、人々相互を結びつけていた古い紐帯を、人々がすでに破ってはいるが、まだ出自、教育、風習によって著しく互いに異なっている、その過渡期にのみ現れるのである」。「その場合に、人々は非常に多種多様の理念や本能や嗜好などを保存してもっているので、それらのものが生まれてでないように防止することは、どんな力をもってしてもできないのである」。

人々の経験に蓄積されたものは、消し去ることはできない。しかし「地位が似かよったものなるにしたがって、人々の主要な意見も、類似したものになってゆくのである」。そのためには世代が変わるほどの時間がかかる。その意味は蓄積された経験が変わるということである。



pfd at 09:37|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月08日

トクビルの見たアメリカ その570 精神の不動性

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


人々は絶えず動いているが、人々の精神は殆ど不動のように思われる。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.457(講談社学術文庫)

1のコメント
「アメリカ連邦では、次の2つのことがわれわれを驚かすのである」とトクビルは述べた。「一つは、人間的活動の大部分のものの動きが激しいことである」。そして二つ目が上記の精神の不動性である。

トクビルはこのことを次のように表現した。「ある一つの意見が、アメリカの土地の上にひとたび広がってそこに根をはると、地上のいかなる権力も、これを根絶させることはできないといえよう」。「民主国の性格からしても、習慣からしても、そこではいつも感情と思想とが変化するとよくいわれている」。しかし「このことは古代の民主的国民のような、小民主的国民にあてはまるかも知れない」。

「大民主的民族(アメリカ)のうちには、このような古代の小民主的国民に起こったものは、全く見出されないのである」。彼らの理念や信条を変えようとすれば「当事者が経験によって悟る以外に、どうにもならないのである」。そして「このような経験でさえも、反復されねばならないのである」。



pfd at 06:12|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月07日

トクビルの見たアメリカ その569 革命から遠ざける

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主的国民が革命から保護されているとはいわないが、唯次のようにいうのである。民主的国民の社会状態は、その国民を革命に導かないというよりも、むしろ革命から遠ざけると。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.456(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはアメリカをみて革命と民主的国民の関係性について述べた。たとえば具体的に次のように指摘した。「もしアメリカが大革命の必要を感じ、これに遭遇するとすれば、それはアメリカ連邦における、黒人の存在によってもたらされるであろう。すなわち、そこに革命を生むであろうものは地位の平等ではなく、逆に地位の不平等である」。

「地位が平等であるときには、各人は自ら進んで孤立し、そして公衆を忘れる」のである。トクビルの予見は100年を経た1950年代から60年代にかけてのアメリカの公民権運動という形で出現した。孤立していた各人は公衆化し、差別撤廃を叫んだ。



pfd at 06:26|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年06月06日

トクビルの見たアメリカ その568 民主主義の違い

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


フランスで民主的と呼びならわされている大部分の理論は、アメリカ連邦の民主主義によって無効を宣告されるであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.455(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは米仏の間で民主主義に関する常識に差があることを指摘した。たとえばヨーロッパに存在する財産と人間関係を完全かつ突然に変えるという革命理論がアメリカで実現する可能性はゼロである。大衆が忌避する。

アメリカ人は「公の騒動が危険なものになり始めるとき、そして激情が刺激されて最高潮に達しそうになるとき、彼等は動きをやめて静かになる」。フランス人とは逆である。

この違いをトクビルは端的に表現する。「アメリカでは、民主的な理念と情熱とがもたれているが、ヨーロッパでは、まだ革命的な理念と情熱とがもたれているということである」。



pfd at 06:25|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜