2017年11月11日

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pfd at 11:11|Permalinkはじめに 

2017年06月26日

トクビルの見たアメリカ その225 安定と持続

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


安定というものと、力や事物の偉大なことやその持続性とを混同してはならない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.189講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは「政府は普通には無力によって、または圧制によって滅亡する。第一の場合は[無力]には、政府に権力がなくなる。第二の場合[圧制]には政府から権力がもぎとられる」と一般論を述べた後、民主的権力の場合について言及した。

「民主的権力を滅ぼすものはほとんど常に、その力の濫用とその資源の悪用とである」。多数による安定という権力が持続性、つまり政権の存否に影響を与える。多数による専制が危険な理由である。

トクビルは権力が強力な状態では社会は安定しているとはいえず、むしろ権力が弱い時、社会は安定していると考えた。多数者のこの専制的権力は少数者を絶望に追いこみ、そして少数者が物力に訴えざるをえなくする。無政府状態が生じるきっかけはこの点にある。それゆえ民主的権力はその権力の強さによって滅びる。



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2017年06月25日

トクビルの見たアメリカ その224 アメリカの国民性

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカの革命が勃発したとき、政界の著名人たちは雲の如く輩出した。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.185講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは多数者の専制がアメリカ人の国民性に与える影響に言及した。

第一に、多数者の専制が偉大な人物の排出を制約しているという。「当時の有名人たちは、諸精神の運動に自由に協力して団結したが、彼等に特有な偉大性をもっていた。彼等は自らの光彩を国民全体から汲みとらなかった」。

第二に、精神の流通を大多数の人々の手のとどくところにおいている。「わたくしはアメリカ連邦で祖国のことが話されているのをきいている。人民には本当の愛国心がある。しかし、わたくしはしばしばこの愛国心を指導している人々をさがそうとしたが、無駄であった」。そのような指導者が不在でも精神が流通するのがアメリカの国民性である。



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2017年06月24日

トクビルの見たアメリカ その223 民主主義の専制性

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


一般に、アメリカにおけるほどに精神の独立と真の言論の自由との少ない国は他にはないのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.179講談社学術文庫)

1のコメント
一見、逆のことを述べているようである。トクビルは「ヨーロッパには唯一の権力にのみ服従している国はない」。それゆえ「自由に購読されて他人に普及されえない宗教的理論も政治論もない」という。

これに対して「アメリカでは、多数者は思想の周囲に恐るべき柵をめぐらしている」という。「この限界内では著作者は自由であるが、その限界から外に出ようとすると彼に不幸がふりかってくる」という。

多数者の意に反するということは次のような状態を意味する。「君が俺のように考えないのは君の自由である。君の生命、君の財産はすべて君のものである。けれども今日からは、君はわれわれの間では赤の他人だぞ」。これは「文明が専制政治そのものまでも完成させている」と表現した状態である。



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2017年06月23日

トクビルの見たアメリカ その222 専制と自由裁量

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


自由裁量と専制とは、はっきり区別せねばならない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.177講談社学術文庫)

1のコメント
「専制は法律自体によって行われうる。そしてそのとき、専制は自由裁量ではない」。これに対して「自由裁量は被治者の利益のためになされうるし、そのとき、それは専制的なものではない」。

トクビルは、さらにアメリカの現実を次のように表現した。「アメリカ連邦では、多数者の専制的権力は立法者の合法的独裁を促進すると同時に、役人の自由裁量をも促がす」。

本来、公務員は法律をつくり、その執行を監視する多数者の「受動的代理人」である。それゆえ公務員に執行を委ね、些事には介入しない。しかし、そのことは必ずしも予定している効果を生むとは限らない。「法律の規定の範囲から外にでること」があり、それを「多数者が許していることもある」。自由裁量は悪しき習慣を生む可能性を内包しているということである。



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2017年06月22日

トクビルの見たアメリカ その221 多数者の専制

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


政治については人民の多数者が何をしても よい権利をもっているという公理を、わたくしは瀆神的なもの、そしてとても嫌忌すべきものとみなしている。けれどもわたくしは、多数者の意志のうちにすべての権力の源があることを認める。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.171講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは第7章「アメリカ連邦における多数者の専制権力と、その効果とについて」の第3節を「多数者の専制」とした。民主政治における数の暴力の問題、あるいは民主政治がポピュリズムに陥る可能性を痛烈に批判的に述べたものである。

トクビルは問う。「国民は、普遍的社会を代表し、そしてその法律である正義を適用する責任を負った陪審員団のようなものである。社会を代表する陪審員団は社会の法律を適用するのであるが、これは社会自体よりも大なる権力をもつべきであろうか」と。

「全能は、それ自体としては悪い危険なもののように思われる」。神のみが全能であり、その他の存在に全能性を与えるべきではないというのである。「瀆神的」とはそういう意味である。トクビルは「そこに圧制の芽がある」とみる。民主主義の黎明期の先見の明といわざるをえない。



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2017年06月21日

トクビルの見たアメリカ その220 没頭する政治

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


新しいものをつくりだすという思想に没頭している多数者は、既存のものを忘れている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.169講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはアメリカの政治の特性を上記のように表現した。多数者の特性といってもよい。「多数者というものは人気を博するのに重要な唯一の権力であって、それが企てる事業には人々は熱心に協力する。けれども多数者の注意が横にそれると、すべての努力はとまってしまう」という傾向を指摘した。

この点、「行政権力が独立的存在と確固たる地位とをもっているヨーロッパの自由諸国では、立法者の意志は、立法者が他の諸目的に専心しているときでも、続けて執行されている」ことを挙げ、欧米の際立った違いを明確に表現した。

これらの違いによって「アメリカでは、いくらかの改善は、他の国々よりもはるかに大なる熱心と活気を以て行われ」「ヨーロッパでは、これらの同じ改善については、アメリカにくらべられては、ほとんどお話にならないほどの微力しか注がれてはいないが、アメリカと異なって持続的に行われている」。

これらの違いはイノベーション力の違いとなって現代に表れている。次々と新サービスを生み出すアメリカ、伝統的な産業が残るヨーロッパ。前者は多産多死、後者は生き残り。どちらも生き残りゲームである。



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2017年06月20日

トクビルの見たアメリカ その219 民主政治の弊害?

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主主義の政治につきまとっている自然的な諸弊害のことを、わたくしはすでに話しておいた。これらの弊害はすべて多数者の権力と同時に増加する。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.167講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは民主主義政治の最大の弊害として法制的不安的を指摘した。すなわち「新人たちを権力の座に据えることが民主政治の性格であるから」立法府が不安定化する懸念のである。一方で「アメリカでは、法律をつくる権威に最高権力が託される」。

このようにアメリカの「民主政治は最も不安定なものを促進するものと、最も重要な目標には不向きの変転きわまりなき意志を許容するものとを結合してもっているのである」。つまり権威を促進することと、それを支える者たちの不安定さを併せもつのがアメリカの民主政治であるとしました。

トクビルはこれらの不安定さを指摘しました。しかし一方で「アメリカの民主政治は、その性癖としての自然的不安定をたどる手段が与えられている」とその現実を描写しました。これは後世、ドラッカー教授が動態的不均衡が真の安定をもたらすと述べたことに通じています。

トクビルはアメリカの憲法が修正ばかりされていると明らかにしましたが、ドラッカー教授は「合衆国憲法は、憲法としてきわめて優れたものである」と評しました。それは「アメリカにおける合衆国憲法への敬意は、法律によって生み出すことのできない一つの社会状況である」からだ。憲法への敬意がそうさせているのです。



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2017年06月19日

トクビルの見たアメリカ その218 平等国家

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ連邦は、お互いに平等な人々によって住まわれている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.163(講談社学術文庫)

1のコメント
当時のアメリカには特権階級がなかった。この点、ヨーロッパと事情が異なる。「それゆえに、これらの人々相互の諸利益の間には、まだ自然的なそして恒久的な不一致は存在していない」。実験的平等国家といえる

アメリカは多数者が特権を握る社会であり、彼等は事実を動かし、「偉大な世論の力」をもっている。このため「多数者がある問題について一旦形成されると、多数者の前身はとても阻止できない」のである。



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2017年06月18日

トクビルの見たアメリカ その217 慣行は常に先行する

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


慣行は法律よりもっと先の方を進んでいた。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.163(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルのこの言葉は常に真実である。法律は常に後追いである。「多数者はその文化的啓蒙によって社会を支配する権利があるのだという権利の観念は、アメリカ連邦の土地には最初の住民たちによってもってこられたのである」。「今日ではこの思想は風習の中にはいりこんでいて、それはもつとも些細な日常生活の習慣にも見出されるのである」。

このような習慣は「多数者の道徳的支配も、なお依然として最大多数の人々の利益が少数の人々の利益よりもまさっている、という原則に基づいている」。このような原則は「国民が互いに妥協できない数多の大きな利益団体に分裂しているときには、多数者の特権はしばしば無視される、なぜかというと、その場合には多数者に服従することは、できにくくなっているからである」。

移民国家であるアメリカの移民がさらに多様性を生んでいる。非ヒスパニック系の白人が40年前は80%を超えていたが現在は60%台だ。2055年頃にはこの割合が50%を切るだろうといわれている。異なる価値観の持った人間が増え、多数派を形成しにくくなっている。ある程度の価値観の幅の中にあってはじめて機能してきたという側面を持つ民主的政治はこれからどのように変化していくのか。現実は論理の世界を超えて先に進む。



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2017年06月17日

トクビルの見たアメリカ その216 民主的政治の本質

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


多数者の支配が絶対的であるということが、民主的政治の本質なのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.162(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは第7章「アメリカ連邦における多数者の専制権力と、その効果とについて」の冒頭を上記のように始めた。そしてその理由を簡明に「なぜかというと、民主政治では多数者の外には、反抗するものは何もないからである」と述べた。

1835年の出版当時、それほど民主的政治というものの理解が進んでいなかったということである。また多数者の権力を人為的に増大させるものが憲法であると位置づけた。

さらに「すべての政治的権力の中では、立法議会は最も自発的に多数者に従順に服従している権力である」と立法府を位置づけた。「極めて短い任期」の間、「直接的に」人民によって任命されるからである。

さらに行政権について触れる。「法律は執行権の代表者たちに、安泰をも独立をも与えなかった。法律はこれら代表者たちを立法議会の気紛れに服従させることのよって、民主政治の性質によって行使することを許されている少しばかりの影響力までも、彼等から奪ってしまった」。

一方、司法権については次のように位置づけた。「数州では、法律は司法権を多数者の選挙に委任したし、そして裁判官の俸給を毎年きめる権利を執行権の代表者たちに与えることによって、すべての点で司法権の存在を立法権に従属させるようにしてしまった」。

アメリカ連邦における憲法と立法府による支配権はこうして確立され、今に至る。大統領といえども権限大きいといえない。



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2017年06月16日

トクビルの見たアメリカ その215 民主政治への要求・期待

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


諸君は社会とその政治とについて何を要求しているであろうか。それを理解せねばならない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.158(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは、民主主義の政治で得られるもとその他の政治形態で得られるものの違いを意識した問いを立てた。

・人間の知的道徳的活動を物質生活の必要を充たすように向け変えて、人間の福祉をつくりだすようにこの活動を用うることが有効だと思われること。
・人々の目標は英雄的な美徳を創造することではなく、平和な習慣をつくることであること。
・諸君は犯罪よりも悪徳の方がましだと思うこと。
・大悪をおかさないという条件であまり偉大な活動をなさいようにすること。
・豪華な社会のうちで活動するのではなく、反映した社会のうちで生活できれば十分であること。
・政治の主たる目標は、国民全体にできるだけ強力の力と最大の光栄とを与えることではなく、国民を構成している一人ひとりの個人に最も多くの福祉を与え、できるだけ貧困を生まないようにすること。

民主主義による政治の黎明期に民主政治に要求すること、期待することを明らかにした。現代政治にも通じる示唆に富む内容である。はたして民主政治は当初意図した方向に向かっているのであろうか。



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2017年06月15日

トクビルの見たアメリカ その214 敵対する陣営

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


 キリスト教世界の運命が不安な状態に陥っているようにみえる今世紀では、ある人々は民主政治を敵対勢力として攻撃するのに急である。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.158(講談社学術文庫)

1のコメント
キリスト教世界は社会が変わらないことを望む。いっぽう民衆は変わることを望む。その政治的変化が民主政治である。その結果、キリスト教世界とは敵対する。

トクビルは民主政治の美点を述べた。「民主政治は社会全体に、落ち着きのない活発な活動、あふれるばかりの力、民主政治なしには存在することのない精力を、はびこらし、ひろげる。そしてこれらのものは、状況が好都合であれば、驚異的なものを生み出すこともできる」。

トクビルは民主政治を「無からでてきた新しい神」と表現した。それはよく変わらないものの象徴表現だった。対立する「陣営の人々も、自分たちの嫌悪するものまたは自分たちの願望するものを、不完全にしか知っていない。彼等は互いに暗闇の中で闘争しているのであり、偶然にしか相手をなぐれないのである」と当時の状態を表現した。



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2017年06月14日

トクビルの見たアメリカ その213 人間の啓蒙

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


 社会の政治に関わりをもつようによび集められる一般民衆の人間は、自分自身に何らかの敬意をもつようになる。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.157(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは政治参加による効果を記した。政治参加により「極めて啓蒙された諸知識が彼の知性に役立つように用いられる」と個人が啓蒙されると述べました。

また「自ら構想してもいない事業に参加する」ことで「公有財をも改善したくなってくる」効果として「自分の市有財をも改善したくなってくる」ことを挙げました。このことを根本としてさらに次のように言及しました。「民主的諸制度は、アメリカ連邦で認められている巨大な産業活動の間接的原因であることをわたくしは疑わない」。

「巨大産業を生んだものは法律ではなく、人民が民主的諸制度の法律をつくることによって、この巨大な産業活動をつくることを知るようになったのである」。訳者解説によると「トクビルの社会科学上の方法に関する見解がここに明らかにされている。彼は物的な環境とか制度を無視してはいないが、それらを利由したり、つくったりするものは、人間であり、人間の欲求であり、精神であると見ている」。



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2017年06月13日

トクビルの見たアメリカ その212 政治という楽しみ

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


社会の政治に関わりをもち、そしてこれについて語ることは、アメリカ人が知っている最重大事であり、いわば唯一の楽しみなのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.155(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは当時のアメリカの様子を次のように描写した。「女性たち自身もしばしば公けの集会に出かけてゆき、政治的講演をきいて、家事の倦怠をいやすのである。彼女たちにとっては、クラブはある程度見世物の代わりになっている」。

政治が娯楽とまではいかないが、楽しみ、それも唯一の楽しみになっている様がわかる。彼等は対談ではなく討論し、談話するのではなく論争する。熱がこもってくると対談相手に「諸君」と呼びかける。

他の「いくつかの国では、住民は法律によって与えられている政治的権利を一種の嫌悪感をもってうけとる。彼にとっては、公益に関心をもつことは時間を浪費することである」。アメリカの特殊性が浮き彫りになる。



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2017年06月12日

トクビルの見たアメリカ その211 自由国の活動

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


自由国では何もかも活動と運動ばかりであり、そうでない国では、すべてのものが静かで不動である。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.153(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは、自由国からそうでない国に移る奇妙な光景にであうと述べ、上記のようにその違いを記しました。自由でない国では「社会は、すべての善なるものを手にいれたあとで、これらのものを享楽するために休息しようと願っていると」。これに対して「自由国では改善と進歩のみ問題になっている」と。

自由国の中でも王制的形態や貴族性が支配している国々よりも民主共和国がより一層、社会が進歩的である。「民主的共和国では、社会状態の改善を企てるものは人民の一部ではなく、人民全体であって、この配慮は人民全体によっておわれている。そこでは、ある一階級の要求と便宜ばかりでなく、すべての階級の欲求と便宜も同時に充たされるようにされている」。



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2017年06月11日

トクビルの見たアメリカ その210 法律への父性愛

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ連邦ではすべての人々が法律に服従していることが、とりも直さず一種の私益につながると見られていることである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.150(講談社学術文庫)

1のコメント
当時、「アメリカ連邦では、奴隷、召使、そして共同体で擁護されている原住民を除いては、選挙人でない人間はいない」。この状態をトクビルは「間接的に法律に協力しているということである」とした。

それゆえ「どんなに憂慮すべき法律にも、アメリカ連邦の住民は最大多数の人々の作品としてのみならず、自分の作品としても、何らの苦痛もおぼえずに、その法律に服従するのである」。

「アメリカ連邦には、法律を自然な敵とみなして、法律を恐怖と疑惑との眼でながめ、常に騒々しく騒いでいる多数の群衆というものはいない。これに反して、そこではすべての階級は国を規制している法律に大いなる信頼をよせて、法律に対して一種の父性愛を感じている」。

その基礎には、法律への服従は私益につながると考えていることがある。それが少数の富者から最大多数の貧民が守られる手段と考えているからである。



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2017年06月10日

トクビルの見たアメリカ その209 政治と社会

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


政治形態は滅びさるものであるが、社会は死滅することはありえない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.147(講談社学術文庫)

1のコメント
社会があって政治がある。自然があっても政治は必要ない。社会とは人間の営みそのものである。社会の中に政治的権利が生まれる。どのような政治的形態にしろ社会がなくなることはない。

アメリカでは国が生まれたとき、つまり社会が誕生したとき政治的権利が与えられた。他の民族では誰かから政治的権利を奪って手にしている。この違いがアメリカの民主主義を特別の存在にしている。

アメリカでは少数の市民から国の発展に従って徐々に多数になっていった。つまり政治的権利を身につけるための学習期間が存在した。幼児から少年を経て、青年になっていった。他の民族は幼児にいきなり大きな政治的権利が与えられた。トクビルは「生命の値打ちを知らないときに幼児に死を与えることになる」と表現した。



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2017年06月09日

トクビルの見たアメリカ その208 政治的権利の観念

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主主義の政治では、政治的権利の観念は最下層の市民たちにまで普及している。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.144(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはこのことを「財産の分与が所有権の観念を一般にすべての人々の手のとどくところにおいているのと同様である」と見なした。そして「わたくしの見るところでは、民主主義の最大の貢献の一つである」と評した。

トクビルはそこに希望の光を見出し、民主主義の時代の到来を次の様に予見した。「もし乞うような企てが試みられるべき時代があるとすると、その時代はわれわれの時代なのである」。

当時の時代背景を描写する言葉を合わせて記しておく。「諸君は宗教が衰え、そして権利の神聖な概念が消滅しているのを見ていないだろうか。諸君は風習が廃頽し、そしてこれとともに権利の道徳的概念が消失しているのを発見していないだろうか」。「諸君は理論に地位を譲っている信仰、そして計算にうちまかされている感情を、すべての方面に見ていないだろうか」。



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2017年06月08日

トクビルの見たアメリカ その207 権利の観念

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


徳の一般的観念のあとでは、権利の観念よりも秀れた観念をわたくしは知らない。否むしろこれらの二つの観念はまじりあっている。権利の観念は、政治界にとりいれられた徳の観念にすぎない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.144(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは権利というコンセプトを暴力という方法にかわるものと位置づけている。そして「わたくしは今日、人々に権利の観念を教えこんで、いわばこれを、その人々の感覚に生々としたものにする方法はどのようなものであろうかと自問するのである」として、権利というコンセプトが定着していないことを示した。

トクビルは唯一の方法として「人々すべてに幾らかの権利を平和的に行使させることである」とした。初めは何も持たない子供を引き合いにだしてこのことを説明した。アメリカでは最初から大きな財産をもったものはいなかった。彼等が所有の権利というものを徐々に身につけていくことで暴力的に平等を勝ち取るようなプロセスに替えることができるというのである。

そして「政治面においても、同様である」とし、「アメリカでは、一般民衆の人間は政治的権利の高邁な観念をもっている」とした。このような権利のコンセプトを徳のコンセプトと呼んだのはこのような理路によるものである。



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