2018年11月11日

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2018年08月19日

トクヴィルの見たアメリカ その632 保守主義の精神

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


彼等はそれらのものの中の若干のものを、自ら進んで放棄するであろうが、他のものどもを保持して、これらのものを自分たちとともに、新世界に運びこもうとしている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.583(講談社学術文庫)

1のコメント
「社会の新しい状態が古い状態よりも秀でていることを、地上のいかなる人も、まだ絶対的にそして一般的に主張することはできない。けれども社会の新しい状態が、古い状態とは別のものであることは、誰にでもたやすく分かっていることである」。

新しい状態の社会と古い状態の社会はまったく別ものであろうか。「貴族的国民の体質に結びついている若干の悪徳と、若干の美徳とがある。そしてこれらのものは新しい民族のうちには導入されえないほどに、新しい民族の能力に反している」。これに対して「民主的民族には自然的である良い性情と悪

「貴族的国民と民主的国民とは、2つの異なった人類のようなものである」と述べたトクヴィル。両者は、それぞれに「特有な特殊な利益と不利益、善と悪とをそれぞれもっている」。それらはそれぞれの社会状態に特有なものである。しかしすべてが捨て去るべきものでもないと考える人々がいる。保守主義者である。事実、アメリカの民主政治にも貴族的な要素が残っている。残るには残るだけの理由と効果があるということである。



pfd at 06:53|PermalinkComments(0) 社会生態学の系譜 

2018年08月18日

トクヴィルの見たアメリカ その631 神の見地

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


この創造主、そして人間のこの保存者の眼を最も満足させるものが、若干の人々の特別な繁栄ではなく、すべての人々の最大の福祉であると信ずるのは当然のことである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.583(講談社学術文庫)

1のコメント
自らの弱点を告白したトクヴィル(前日投稿)。彼をしてこう言わしめる。「全能的な普及の存在たる神については、そういうわけにはゆかない。この存在は必然的にすべての被造物を全体として見ているが、同時に全人類と各人を判別している」。

神の眼をもってすれば「すべての人々の最大福祉」は当然である。さらにトクヴィルは自らの視点のいたらなさを吐露する。「わたくしに堕落と見えるものも、神の眼からすれば進歩なのである。わたくしの心を痛ましめるものも、神には快くうけいれられるのである」。

「わたくしは神のこの見地に透徹したいとつとめているのである。ましてこの見地こそが、人間的事象を考察し、判断しようとしているわたくしの見地である」。



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2018年08月17日

トクヴィルの見たアメリカ その630 トクヴィルの見た光景

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


世界がかつて極めて偉大な、極めて微小な、極めて富裕な、極めて貧困な、極めて賢明な、極めて無知な人々、すなわち両極端の境遇の人々で満たされていたとき、わたくしは後者を見なないようにして、前者のみに注目したのであるが、また、前者がわたくしの眼を楽しませたのであった。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.582(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルはアメリカに拡がる社会を見て自らの視野の狭さを告白した。「この楽しさはわたくしの弱点から出てきたものであるとわたくしは解している」と。

トクヴィルは新世界と旧世界の違いをさまざま述べた(昨日の記事)。そのうえで次のように述べた。「、これらの種々のすべての諸特性のちで最も一般的な、最も顕著な徳性と思われるものをわたくしがもとめるとすれば、それは次の特性のように思われる。それは、無数の形をとってあらわれている財産に注意される特性である」。

つまり画一的な社会である。「財産においては、殆どすべての上につき出た諸点は消え去って、適度の中位のものがそれらにとって代わっている。この中位の財産は、これまでに世界に見出されてた財産よりも、高くも低くもなく、また光り輝いてもいないし、暗く見分けがたいものでもない」。貴族の系譜に属するトクヴィルの見た光景である。




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2018年08月16日

トクヴィルの見たアメリカ その629 民主時代の美点と欠点

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


非常に広大な、非所に新しい、非常に混乱しているこの光景のうちにあって、わたくしはそこに素描されているいくつかの主要な諸特性を、すでにほかに見ているのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.581(講談社学術文庫)

1のコメント

トクヴィルは美点と欠点として見えているものを記した。

・そこでは大富は消滅し、多数の小財産が増加している
・願望と享楽物とは数多くなっている
・そこには並はずれた繁栄も、救治できない貧困もない
・野心は普遍的にもたれている感情であるが大野心は殆どない
・各人は孤立していて弱い
・社会は敏活で予見的で強力である
・諸個人は微小物であり、国会は大物である
・魂は精力的ではない
・魂の風習は穏和であり、法制は人道的である
・偉大な献身も、きわめて優美な歓楽もきわめて粗野な快楽もない
・作法の慇懃丁寧さはほとんどなく、趣味の下品さもほとんどない
・きわめて賢明な人々もきわめて無知な民衆もいない
・天才はまれになっているが、啓蒙開化は一層共通的になっている
・人道的精神は若干の人々の強大な強制によってではなく、すべての人々の小努力の結集によって発展している
・作品の完全なものは少ないが、その内容は一層多産的になlっている
・種類、階級、祖国のすべての紐帯はゆるんでおり、人類全体の偉大な紐帯が強化されている



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2018年08月15日

トクヴィルの見たアメリカ その628 残るものと消滅してしまうもの

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


人間的事象があらわしている大混乱のさなかにあって、旧制度と旧風習とのうちで残るであろうものと消滅してしまうであろうものとを、誰も区別することはできないであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.580(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは、全巻の終わりに「主題の一般的展望」という章を設け次のように述べた。「わたくしは本書でのべてきたすべての説明を終える前に、新世界の表面を特徴づけている種々さまざまなすべての諸特性に最後の注意を払い、そして平等が人々の運命に及ぼすべき一般的影響を判断することにして、本章の終わりとしたい」。

「わたくしが描写しようとして、そして判断しようと欲しているこの新社会は、まだ生まれたばかりのものである。その社会の形態はまだはっきりと定まっていない。この社会を創造した大革命はまだ持続している。そして今日起こっていることにおいて、革命そのものと共にすぎ去ってしまうべきものと、革命後に残るべきものとを判別することは殆ど不可能なのである」。

「新しくそびえ立っている世界は、没落している世界の残骸のうちに、まだ半分埋まっている」。トクヴィルは、そこに存在するがまだ見えないものを見極めたいとの強い願望を記した。これが本書のテーマでもある。



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2018年08月14日

トクヴィルの見たアメリカ その627 健全な懸念

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれの未来については、心を挫折させて無気力にするこの種の軟弱な無為無能な恐怖ではなく、健全な懸念をもつべきである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.579(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは「平等が人間的独立に加える災厄を、明らかにしたいと思っている」と明言した。「なぜならば、これらの災厄は未来がとじこめているすべての災厄のうちの、最も予見できない災厄であるとともに、最も危険な災厄でもあると、わたくしは確信しているからである」。「けれどもわたくしはそれらの災厄を、逃れることができないものとは信じていない」。

それゆえこの種の災厄を自覚しておくことは重要である。「現在の民主主義時代に生活している人々は、自然的に独立欲をもっている。彼等は自然的に規律をいらいらしながら耐え忍んでいる。この状態は恒久的な状態であるが、彼等はこんな状態におかれる位ならば、倦怠の状態におかれる方がましだと思っている」。「彼等は権力を好んでいるが、権力の行使者を蔑視し嫌悪する傾向がある。そして彼等は自分たちの微小なため、そして動きがはやいために、たやすく権力者の手から逃れている」。

「これらの本能は、変化しない社会状態から出ている」。これらの本能は独裁制にも向けられるため自己防衛本能として働く。「これらの本能は、人々の自由のために闘おうとしているすべての新しい世代に、新しい武器を供給する」。これらの本能を自覚して、健全に用いることの必要性をトクヴィルは述べたのである。



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2018年08月13日

トクヴィルの見たアメリカ その626 2つの矛盾した理念

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれの同時代の人々においては、2つの有害な矛盾した理念が見出される。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.578(講談社学術文庫)

1のコメント
一方は「平等のうちに平等が生んでいる無政府状態的傾向」を認める人々である。彼らは「自分たちの自由意志を恐怖している。彼らは自己恐怖症に陥っている」

他方は「数は少ないがもっと啓蒙されており、別の見解をもっている。これらの人々は、平等から出発して無政府状態に達する途のかたわらに、人々を決定的に隷従に導くようにみえる途を、ついに発見している」。「彼等は自由でありつづけることに絶望して、すでに心の底でまもなくやってくるべき主人を崇拝している」。

「前者は自由を危険なものとして評価しているので、自由を放棄しており、後者は自由を不可能だと信じているので、自由をすててしまっている」。人類はおおそよ100年後、社会状態に絶望し、ファシズム全体主義に自由を渡してしまうことになる。トクヴィルの懸念はあたったのである。



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2018年08月12日

トクヴィルの見たアメリカ その625 主権者への要望

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


現代の主権者たちは、人々を利用して、大事のみを遂行しようとしているといえるであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.578(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは、「新しい害悪に対しては新しい救治策をさがさねばならなくなった」とし、次のように述べた。

「社会力に広大な、しかし眼に見える不動的な限界を定めること、諸個人に若干の権利を与えて、これらの権利の確固とした享有を諸個人に保障すること、個人に残されている少しばかりの独創性を個人に保有させること、個人を社会のそば立ち上らせ、社会に面して彼を支持すること、これらすべてのことが、われわれの時代における立法者の第一の目標であるとわたくしは思う」。巨大な社会力に立ち向かう微弱な個人という構図を少しでも個人向けにシフトさせようという訳である。

「わたくしは主権者たちに、次のことどもを要望したいのである」。「すなわち、もう少し大人物をつくることを考えるようにすること、労働よりも労働者を重視すること、国民における各人が個人的に弱いとき、並びに臆病な無気力な市民たちで構成されている人民を精力的になしうる社会形態または政治組織が見出されないときには、国民が長期的に強力なものとしてはとどまりえないということを銘記することを銘記することを」。



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2018年08月11日

トクヴィルの見たアメリカ その624 政治界は変化している

 ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれは個人の利益は、常に多数の人々の利益の前に屈服すべきであるという別の理念を、自然的に誇張する傾向がある。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.577(講談社学術文庫)

1のコメント
「古い貴族的社会では、すべてのことは現代社会とは異なっていた。そこでは統一と一律性とはどこにも見出されなかった」。そこは多元社会であった。

「現代のわれわれの社会では、各個人の特殊相は共通の容相のうちに、まもなく全く失われそうになっているほどに、あらゆるものは、似かよってものになろうとしている」。

「われわれの父祖たちは、個人の私的権利は尊重されるべきものであるという理念を、常に濫用する傾向があった」。逆にわれわれの世代は社会のために個人の利益を犠牲にしようとする傾向がある。

「政治界は変化している。それ以来、新しい害悪に対しては新しい救治策をさがさねばならなくなっている」。



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2018年08月10日

トクヴィルの見たアメリカ その623 一般理念その1

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


大多数の現代国民では、主権者はその起源、その体質、その名称がどのようなものであるにせよ、殆ど全能的になっているし、そして諸個人はますます最低度の弱さと、最もひどい従属とに陥るようになってゆきつつある。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.577(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは次のように述べ締めくくろうとした。「わたくしは本章で吟味された特殊的諸理念、並びに本書が説明することを目的としている大部分の諸理念とを、すべて包含している一般的理念をここに説明して、本章を終えることにしたい」。

「われわれの時代よりも前の貴族時代には、極めて強力な諸個人がいたし、そしてまた、極めて弱い社会的権威があった。そこでは人々の心のうちで社会像は漠然としていた。そしてそこでは、この社会像は市民たちを支配していたすべての種々さまざまな権力のうちで、絶えず見失われていた」。このような中では「社会力を大きくし強めるように、社会力の諸大権をふやし確保するように、そして他方では、個人的独立を一層狭小な限界内にとじこめるように、私益を一般利益に従属させるように、人々の努力は傾倒されねばならなかった」。

民主主義時代においてはこれとは別の危険にさらされている。圧倒的主権者と弱々しい諸個人という構図の中で、さらにその関係性が悪い方向に進行する危険がある。



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2018年08月09日

トクヴィルの見たアメリカ その622 革命の否定

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主主義時代の人々は決して革命をつくりだしてはならないとは、絶対的にはいうつもりはない。けれども、そこでは人々は、他のすべての時代の人々より以上に、革命を企てる前にためらうべき理由をもっている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.575(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは民主主義時代における革命を明確に否定した。その存在を否定するものではないが、その効用を否定した。

それは革命によって「民主国は自ら必ずつくりだす偶然的一時的害悪とは別に、常に恒久的な、いわば永久的な害悪をつくりだすおそれがあるので、民主国ほどに革命が危険である国は他のどこにもないのである」。

トクヴィルは革命を「危険極まりなき救治策」と呼び、これに頼るくらいなら「現状の多くの不便を耐え忍んだ方がまし」であると述べた。フランス革命の混乱期に身をおいた者の実感といえよう。



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2018年08月08日

トクヴィルの見たアメリカ その621 習性と理念への影響

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


革命に特有な習性と理念とは、革命が終わるとひとりでに消滅し、そして国民もそのもとの古い政治的態度に復帰してゆく。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.575(講談社学術文庫)

1のコメント
貴族制の民族においても、民主的民族においても、革命は起こる。しかし貴族制の民族における「習性と理念とは、しばしばあまり強くもないし、そして常に永続きもしないのである。なぜかというと、そこには、これらの習性と理念とに逆行する習性、理念、欠点、悪癖が見出されるからである」。こうして貴族制の民族においては、古い政治的態度に戻っていく。

これに対して「民主国では、必ずしもそのようにはならない。そこでは革命的諸本能は、消滅することなく、緩和され規制されるが、これらの本能が徐々に政治的風習と行政的習性とに変えられないように、常に用心されねばならない」。「人々は、革命において提案されている一般的目的を、できるだけはやく達成するために、社会的効用の原則に執着したり、政治的必要のドグマをつくったり、各人の私益を平気で犠牲にしたり、そして個人的諸権利を蹂躙したりする」。



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2018年08月07日

トクヴィルの見たアメリカ その620 社会力と個人の諸権利

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主的民族に見出される個人的諸権利は普通、あまりに重要なものではなく、極めて最近に制定されたもの、極めて不安定なものである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.573(講談社学術文庫)

1のコメントトクヴィルは個人的諸権利に言及した。言及の訳は次のとおりである。「民主的民族はさらに越の極めて自然的な、しかも極めて危険な本能
をもっている。この本能によって民主的民族は、個人的権利を蔑視し無視するようになっている」。

「民主的民族は、個人的権利を蔑視し無視するようになっている。(中略)権利を尊重している」。一方でそれは不安的で、全体からみれば重要性に乏しいように見える。しかも「これらの権利は、しばしばたやすく犠牲にされるし、そして殆ど常に、平気で侵害される」。なぜか。

「人々が諸個人の権利に対して、自然的に軽蔑の念を抱いている民主主義的な時代と国民とにおいては、社会の権利に自然的に拡大し、そして強固なものとなってゆくのである」。それゆえ「社会力」が残り少ない「個人の諸権利」を侵害しないように「絶えず警戒し用心しなければならない」。それは専制を招き、「社会全体を危殆に瀕せしめる」ことになるからである。



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2018年08月06日

トクヴィルの見たアメリカ その619 形式の効用

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主国の人々は、形式を不便なものとみているが、形式は実をいえば、その人々にとっては自由のために有用なのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.572(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは「形式」に目を向けた。「民主主義時代に生活している人々は、形式の効用をたやすく理解しない。彼らは形式に対しては本能的に軽蔑している」。

「彼等は普通、容易な現在の享楽だけを欲しているので、その願望の一つ一つの対象に向って、烈しく勢いこんでとびつくのである。彼らにとっては、少しばかりの猶予も待ちきれないのである」。そのような彼らの性情は、形式を敵視する。形式は時間を遅らせ、自由を制限すると考えるからである。

しかし形式は自由のために有用だという。「形式の主たる効用は、強者と弱者、治者と被治者との間の障壁として、一方を遅らし、他方に自省するだけの時間の余裕を与えることに役立つということである。主権者が一層活発になり、一層強力いなるにしたがって、そしてまた、諸個人が一層無関心になり、一層弱くなるにしたがって、形式は一層必要になってゆく」。



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2018年08月05日

トクヴィルの見たアメリカ その618 司法権の本質

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


私的利益に専念し、そして人眼にさらされている小事に、ことさらに注意することが、司法権の本質である。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.571(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは、出版の自由とともに市民が手にする手段は司法権であると述べた。司法権は、「圧迫されている人々を自ら救済しには赴かないが、これらの人々のうちの最も下賤な人々の意のままに、絶えず利用されうるということが、司法権の本質でもある」。

「この最下層の人々は、そのように弱いものと思われていても、常に裁判官に不平を傾聴させ、そしてこれに答えさせる力をもっている」。「それ故に、このような権力(司法権)は、主権者の眼と手とが、人間的行動の最も微細なことどものうちにまで絶えず入りこんで干渉する時代に、そしてまた諸個人が弱すぎて自衛できなくなってもいるし、孤立しすぎて自らの同類者たちの助けを当てにすることもできない時代において、ことに自由の欲求に適切に答えうるのである」。

「あらゆる時代に、裁判所の力は個人的独立に応答しうる、最大の保障である。けれども、このことはことに民主主義時代に、最も正しく言えることである。そこでは地位が平等化されるにしたがって、司法権が大きく拡大しないならば、個人的権利並びに利益は、常に危険にさらされるのである」。



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2018年08月04日

トクヴィルの見たアメリカ その617 自衛手段としての出版の自由

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


出版の自由は、民主的国家では他のすべての国民においてよりも、限りなく貴重なものである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.570(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは主権者に対抗する手段について言及した。「貴族制の時代においては、各人はその数多の同市民たちに極めて緊密に結びついていたので、各人は攻撃されれば必ず他の人々もこの攻撃される人を、助けにいったのである」。

「ところが、平等の時代においては、各個人は自然的には孤立している。そこでは各人は、協力を要求しうる世襲的な友人たちも、確実に同情してくれる階級をも、もっていない。各人はそこではたやすく、他の人々から引離されてしまうし、人々から蹂躙されてしまう」。

平等の時代においてもっている一つの有効な自衛手段は、国民全体に訴えることである。その手段が出版である。



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2018年08月03日

トクヴィルの見たアメリカ その616 貴族制の美点の実現

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主国においても、このようにして、貴族制の不公平をも危険をも伴うことなく、貴族制のいくつかの最大の政治的美点は獲得されるであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.569(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは、「貴族制の時代に、諸個人の独立を確保するために、最も貢献したものは、主権者だけが市民に対しての政治と行政との唯一の責任者ではなかったということである」と評した。

すなわち「主権者は、貴族階級の諸成員に、一部この配慮を譲らざるをえなかったのである」。「そこではそういうわけで、常に細分化されていた社会力は、各人の上に全体として、そして同一様式で重圧を加えるということは全くなかった」。

このような状況は政治的美点である。民主主義の時代においては、「新たに貴族制が、この世界につくりだされえないことは明らかである。けれども民主国で、単純な市民たちでも団結することによって、極めて富裕な、極めて権勢ある、極めて強力な存在、要するに貴族風の団体を構成することはできる」。「政治的、工業的、商業的団体または科学的、文学的でさえもある団体は、いわば啓蒙されたそして巨大な市民である」。



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2018年08月02日

トクヴィルの見たアメリカ その615 強い社会、弱い個人

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


社会は当然のことながら、一層活動的であり、一層強力であり、個人は一層従属的で一層脆弱である。その傾向は必然的なものである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.567(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルは第7章「先行的諸章のつづき」で総括的に上記のように述べ、「そこでは社会は、一層多くのことをなし、個人は一層少しのことをするようになっている」と評した。

「それ故に民主国では、個人的独立の範囲が貴族国においてほどに大であることは、期待されるべきではない。けれども個人的独立の範囲が、そのように大であることは、望ましいことではない。なぜかというと、貴族的国民では、しばしば社会は個人のために犠牲にされているし、そしてまた最大多数の人々を繁栄は、少数の人々の偉大性のために、犠牲になれているからである」。

このような社会状態であるがゆえに、「民主的民族を統導する中央権力が、活発で強力であることは、必要でもあり望ましいことでもある。そこでは中央権力を弱めたり怠惰にすることではなく、単にその権力に、その明敏さと力とを濫用させないようにすることが重要である」。



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2018年08月01日

トクヴィルの見たアメリカ その614 没落する市民

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクヴィル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


自分を自分で導く習性を全くあきらめている人々が、これらの人々を統導すべき人々をえらぶことに成功しうるとは、とても考えられないことである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.564(講談社学術文庫)

1のコメント
トクヴィルの予見は現代まで続く。いやその度合いはますます増していると思われる。

「自由な精力的な賢明な政府が、隷従者たちからなる人民の普選から出てくることができるなどとは、とても信じられないであろう」。「被治者たちの悪徳と愚かさとは、やがて自分たちの没落をまねくことになるであろう」。

「そして自らの代表者たちと自らとに飽いて、うんざりしている人民は、より一層自由な諸制度をつくるであろうが、まもなく、唯一の主人の足下に平伏することに再びなってしまう」。これは民主主義の限界なのか...



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