2018年11月11日

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pfd at 11:11|Permalinkはじめに 

2017年12月18日

トクビルの見たアメリカ その398 新語の使用

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


イギリスの教養ある人々は、アメリカ人が多くの新語を使用していることを嘆いていた。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.128(談社学術庫)

1のコメント
トクビルの耳にイギリス人の嘆きが届いた。それらの声の傾向は次のようなものである。

新語の源泉が諸党派の隠語や機械的技術と事務に関するものだった。
イギリスの古い言葉が、しばしばアメリカ人によって新しい意味に解された。
アメリカ人は諸文体を奇妙に混ぜ合わせている。
イギリスでは回避されるならわしになっているいくつかの言葉を用いている。

これらのイギリス人の嘆きからもたらされる事実からトクビルは一つの仮説に至る。「貴族団では、言葉は、あらゆるものが結びついている休息と平安とに、自然的によりかかっているにちがいない。そこでは新しいものは、殆どつくられないので、新語も殆どつくられないのである。そこでは、よしんば新しいものがつくられても、その新しいものは、既知のそして伝統的に意味の決まっている言葉で、彩られるようにされるであろう」。



pfd at 05:09|PermalinkComments(0)社会生態学の系譜 

2017年12月17日

トクビルの見たアメリカ その397 言語への影響

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


思想の第一手段である言語そのものに、民主的な社会状態と諸制度とが、どのような種類の影響を及ぼしうるものであるか、ということについては、わたくしが文学一般に関してすでにのべたことを、読者がよく理解していれば、たやすく了解されるであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.127(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは言語を「思想の第一の手段」と評した。そして言語自体が社会状態と諸制度に影響を受けていることを明らかにした。

アメリカの著者が模範とするのはイギリスの作家である。しかしアメリカの読者は新大陸にある。ここにギャップが存在する。「貴族的民族の慣用語が、民主国の言語になるに際してうけるかも知れない修正を知るために、注意されるべきものは、文字で書かれた言葉ではなく、話される言葉である」。

トクビルは話し言葉に言語の受容の変遷を見ようとした。「アメリカ連邦の教養ある階級は、大ブリテンの教養ある階級とは、ことにその言葉によって異なっている」。「イギリスの教養ある人々は、アメリカ人が多くの新語を使用していることを嘆いていた」。



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2017年12月16日

トクビルの見たアメリカ その396 古典に学ぶ

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


古典はわれわれの民主主義時代の特有な欠点に対抗して、これを平衡させるのに驚くばかりに役立ちうる特別の美点をもっている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.122(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは第15章のタイトルで「民主的社会では何故にギリシア的並びにラテン的文学の研究が有用なのであろうか」と問いかけました。古典とは古代ギリシア語とラテン語で書かれた古典である。

アテネやローマでは貴族政治が行われていた。文学は高価で希少な存在であり、少数者の趣味の対象だった。それらの作品は多様性と多産性に欠けるが理想美の探求を目的にしている。

トクビルは、民主国の作家たちに欠けている美点を研究すべきとした。なぜなら文学を学ぶ機会は限られているからである。「民主的社会では、最大多数の人々の教育が文学的なものであるよりも、科学的なもの、商工業的なものでなければならないことは、諸個人の利益からいっても、国家の安全からみても必要なことである」。「民主的国家において、文学で秀でたものになりたいという野心をもっているすべての人々は、しばしば古典の教養を身につけねばならない」。トクビルはこれを「教養上の衛生学である」と評した。



pfd at 18:07|PermalinkComments(0)社会生態学の系譜 

2017年12月15日

トクビルの見たアメリカ その395 文学産業

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主主義は、文学の趣味を産業的階級に滲透さているばかりでなく、文学の内部に産業的精神を導入している。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.122(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは文学産業について一章を設けた。民主的な活動は第一に、新しくできた産業階級に文学を普及させた。第二に、文学を産業化せたというのである。

貴族制の国では本を読む人は少数である。しかも彼らは評価にうるさい。これに対して民主制の国では読者は多数である。読者のそこそこの評価と愛好を得られればよい。

その結果、民主的な国では巨富を得ることも可能である。それは偉大な作家はまだ少ないがそれを目指す者で溢れかえる。こうして文学が産業化していく。



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2017年12月14日

トクビルの見たアメリカ その394 社会状態からの影響

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


文学的作品にある特性を与える原因は、まだ他にも沢山ある。けれども国民の社会状態と政治構造とは、わたくしにとっては文学的作品を特性づける主要原因である。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.121(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは社会と文学の関係に言及した。社会状態と政治構造が文学作品に影響を与えている主要因であると。

社会と人間の相互作用を観察することがドラッカー教授のいう社会生態学である。トクビルは人間の営みとしての文学は社会の影響を受けることを思考実験(前3日の投稿)で明らかにしようとした。

社会生態学の祖の一人であるトクビルからドラッカー教授が学んだことであろう多様な視点である。




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2017年12月13日

トクビルの見たアメリカ その393 移行期

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


この移行は徐々にのみ、そして程度の無限の差異を少しずつ埋めながら達成されるであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.121(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「わたくしは以上において、2つの極端な状態を描写したのである」と述べ思考実験を振り返った。しかし「諸国民は、第一の状態から第二の状態に直ちに移りゆくということは決してない」という。

「この移行は徐々にのみ、そして程度の無限の差異を少しずつ埋めながら達成されるであろう」。そしてトクビルは移行の決定的瞬間を次のように描写した。「文化的民族を一端から他端に導く過程において、民主的民族の文学的天稟が貴族階級の天才と遭遇して、両社がともに人間精神に対して、協同一致して支配しようとするように思われる一時期が、殆ど突然にやってくる」。

そのような時期が18世紀のフランス的文学界に起こった。貴族階級の崩壊は文学に多産性と混乱のない運動をもたらした。トクビルの思考実験の原点にある体験である。



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2017年12月12日

トクビルの見たアメリカ その392 思考実験2

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主制時代の文学は、全体としては、貴族的時代においてのようには、秩序、規則性、科学そして技術などのイメージをあらわすことはできないであろう。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.120(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「文学を開発するある貴族的民族があるとする」と逆の場面を思考実験した。つまり民主国における文学の開発についてである。

民主国では「諸身分はいりまじり混合しているし、知識も権力も限りなく分割」されて分散している。それは雑然とした民衆として存在している。彼らの「知的欲求は満たされねばならない」。しかし彼らは、同一の教育を受けていないし、同一の文化的啓蒙も持っていない。さらにいつも自らを変貌させ、自分たちの先祖とは似ていないから伝統や習慣を共有していない。

作家が生まれるのはこのような騒然とした民衆からである。そして作家はこれらの民衆から収益と栄光を得なければならない。「民主的国民では、一つ一つの新生代は新民族である」から規則にしばられて文学的表現をなすことは極めて少ない。そこでは「一時的なそして必要な気晴らしとして文学的娯楽を考えている」。すぐ楽しめ、やさしい華麗な美を好み、新奇で、急激な衝動などを好む。

形式は無視され、文体は突飛、乱雑で、重苦しく、たるんでいて、猛烈トクビルが表現した民主的な民族が生み出す文学のイメージである。そこでは「大作よりも小作が、博学よりも精神が、深慮よりも想像が多いであろう」。「楽しますことよりも、むしろ驚かすことに努力が向けられる」。「趣味をひきつけることよりも、情熱をかきたてること」に努力が向けられるであろう。



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2017年12月11日

トクビルの見たアメリカ その391 思考実験1

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


文学を開発するある貴族的民族があるとする。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.115(談社学術庫)

1のコメント
トクビルの思考実験が面白い。誰が文学をつくるかでその性格が変わることを明らかにしようとした。

貴族的民族とは貴族に代表される階級が社会を支配する国に住む人々である。そこでは知性の労働も政治も上層の階級が行う。「少数の常に同じ人々が、同時に同一の対象に専念しているとき、これらの人々は、これらの人々のひとりびとりを導くべき、若干の主要規則をたやすく了解しあうし、そしてまた、共同で決定する」。「これらの人々が国で世襲的地位を占めているとすれば、彼等は自然的に幾らかの固定的規則を自ら採用するようになるばかりでなく、彼等の先祖たちに課されていた諸規則にも、従うようになる、彼等の法制は、厳格であると同時に伝統的でもあろう」。

このような階級では何世代にわたって物質的なものに没頭することはなく、精神労働に関することしか意識が向かない。それゆえ彼らは純文学を理解し、自らのために純文学を愛好するようになる。彼らの興味の対象は享楽的なもの、精巧優美な快楽へと向かう。こうしてできた文学作品は階級特集の規則や理念に基づき文体などの形式が重視される。こうして彼らは「自分たちの仲間だけの間で生活し、自分たちだけのために作品を書き、他の残りの世の中の人々を全く無視してしまうことがあるであろう」。こうして貴族階級における文学は「自然的暗礁」に乗り上げ停滞する。



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2017年12月10日

トクビルの見たアメリカ その390 ジャーナリストの存在

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしがアメリカ人のための著者たちとして認めている人々は、唯ジャーナリストだけである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.114(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「アメリカ連邦の住民たちは本来、いまだに文学をもっていない」と評している。存在するのはジャーナリズムという物書きのみであると。それゆえ書店には無数の政治的パンフレットが並ぶ。

「ジャーナリストは偉大な作家ではないが、自国語で語り、そして自分のいうことを聞いてもらっている」。それ以外には外国の作家と外国模倣の作家がいるだけである。

トクビルはその模倣のあり方を文芸復興時代のギリシア人とローマ人とのヨーロッパ人との関係に相当すると考えた。そこには一般的共感はなく、あるのは好奇心のみである。精神をもてあそんでいるだけで、風習になることはない。トクビルは文学と固有の文化についてこのあと考えを巡らす。



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2017年12月09日

トクビルの見たアメリカ その389 文学作品

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


彼等は、モデルを貴族的国民からとりいれているのである。そして彼等は、この貴族的国民に流通している文学的な理念と慣習とを、民主国のうちに移植しているのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.113(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「アメリカはおそらく今日では、文学に最も無関心な文明国であろう。けれども、そこには精神の事象に関心をもっている非常に多数の人々がいる」と評した。

それゆえアメリカ人は多くの文学作品を生み出さないが「自分たちの閑暇を費やすだけの魅力をこれに感じている」。彼らに書物を提供しているのは主としてイギリスである。

このような状況下で少数の作家がアメリカにも存在する。モデルはやはり貴族的国家イギリスである。「この貴族的国民に流通している文学的な理念と慣習とを、民主国のうちに移植しているのである」。異質なものを異なる風土、風習に適用して書いているためその多くは好評を得られないとトクビルは評した。



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2017年12月08日

トクビルの見たアメリカ その388 出版事情

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ連邦で書店に入っていって、その書棚に並べてあるアメリカ的書物を見ると、書物の数は非常に多いようである。ところがこれに反して、有名な著者たちの数は非常に少ないらしいのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.112(談社学術庫)

1のコメント
トクビルはアメリカの出版事情を描写した。そこは人間精神の一つの発現の場だからである。

いくつかの特徴がある。.茵璽蹈奪僂琶埆犬気譴真傭里僚虔眦概念を与えるための多数の基本的概論書が目につく、∪蚕顱解説書、信仰逸話、宗教論などの無数の宗教書がある、B真瑤寮治的パンフレットがある、ぬ疑瑤量橘召丙酩覆涼罎縫茵璽蹈奪僂任睛名な、もしくは有名になろうとしている少数の書物がある。

そしてトクビルは文学に目に目を向け、「アメリカはおそらく今日では、文学に最も無関心な文明国であろう」と評した。



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2017年12月07日

トクビルの見たアメリカ その387 遺構の意味

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


自民族の有為転変の痕跡としては、地中のいくつかの鉛管と地表のいくつかの鉄棒とだけを残すであろうような民族は、ローマ人たちよりも、すぐれた自然の主人公であるかも知れない。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.111(談社学術庫)

1のコメント
「巨大な建造物の残骸は、その雄大さ、その文明、そしてその真実の繁栄を認識させるのに、少しも役立つものではない。このことについては、わたくしの主題からは横道にそれても、次につけ加えて説明しておきたい」。

トクビルはあえて持論を付け加えた。16世紀スペインがメキシコに進出した際、アステカ帝国の首都は「豪華な諸神殿と広大な諸宮殿とで充満していた」。その帝国は600の歩兵と16騎とをもって征服された。ローマ人の壮大な水道遺構は水力法則を知らなかった結果。石を敷き詰めたローマへ続く道路は他に交通手段を持たなかった結果。

「彼等の偉大さのすばらしい証拠でもあるが、また同時に、彼等の無知の著しい証拠でもある」。壮大な遺構に無知という意味を与えたトクビル。時代ともに変貌するテクノロジーから見れば遺構は陳腐化されたものの象徴となる。



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2017年12月06日

トクビルの見たアメリカ その386 巨大な記念物

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主政治は人々に多くの小事業をやらせるようにしているばかりでなく、少数の巨大記念物を建設させるようにしている。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.110(談社学術庫)

1のコメント
美術が民主的な社会状態と諸制度の下で小作品化するように記念碑や建造物も小型化するとトクビルは指摘した。しかし一方で異なった傾向もあることを明らかにした。

「民主的諸民族では、諸個人は非常に弱いのである。けれどもこれらの諸個人のすべてを代表し、そしてこれをその手中に握っている国家は、非常に強力なものである」。それゆえ国家事業は巨大化するとトクビルはいう。

その典型として首都をつくりたいと思っている場所をいずれ百万人を擁する都市となることを想像して40里四方の土地を確保している事実を挙げた。そしてこの「都市の中心に国会の開催場所に役立てるために、巨大な公館を建設して、これにキャピトールという大げさな名称を与えている」。



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2017年12月05日

トクビルの見たアメリカ その385 美術という技術

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主的な社会状態と諸制度という原因は、美術が開拓される様式に強く影響する。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.106(談社学術庫)

1のコメント
ドラッカー教授が日本美術を研究したようにトクビルも美術と社会について言及した。「このように話してくると、技術のうちでも、ことに美術と名づけられている技術のことを、話さなければならなくなってきた」。技術に最大の関心を抱いてきたドラッカー教授もこのような領域の関係性を意識していたのかと考えさせられる指摘である。

トクビルは社会環境が美術に強く影響を与えるという。民主的社会では美術家のパトロンとなった貴族階級が力を失い、他方まだ裕福になっていない多くの人々には彼ら芸術家を支える力はない。

美術愛好家の数は民主的社会の方が増えるが非常に富裕で非常に優雅な消費者たちは少ない。トクビルはこのような社会状態であるから技術で起こったことが美術でも起こると考えた。すなわち美術家は多数の作品をつくるがその作品の一点一点は値打ちを伴なうものではない。大きな絵画ではなく小品化し、青銅像ではなく石膏像がつくられる。



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2017年12月04日

トクビルの見たアメリカ その384 物質主義の源泉

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主主義は、人間の心にとって、」あまりに天性的であるような感情までをつくりだすものではない。ぇれども民主主義は、この感情を物に適用するのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.106(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは民主主義が物質主義を招くという。「偽善はあらゆる時代に共通なものである。けれども奢侈欲は、民主主義時代に特に属している」と述べた。

「すべての諸階級が混合する状態においては、各人は今の自分ではないものになれるかも知れないという希望をもっており、そしてまたその目的を達成するために大いに努力するのである」。

「民主主義的な時代に生活している職人たちは、有用な生産物をすべての市民が入手できるようにしようとつとめるばかりではなく、市民たちがもっていない優秀な品質の生産物をも、すべての市民たちに与えるようにしようと努める」。職人は技術を用いて「今の自分でないもの」になろうとする。



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2017年12月03日

トクビルの見たアメリカ その383 商品の値段

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


商品の値段を低めるために、二つの手段がある。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.104(談社学術庫)

1のコメント
貴族的社会では「生産物を幾らかの人々に、非常に高い値段で売ろうとする」。これに対して民主国では人々は生産物の値段を下げようとする。

第一の手段は生産手段の高度化である。第二の手段は大量に生産することである。このことから「労働者は一層うまく働けるばかりでなく、一層はやくそして一層少ない費用でも働ける手続き発明しようと努力する」。

「民主主義は人間の精神を有用な技術に向って導く傾向があるばかりではない。それはなお、職人たちに多くの不完全な品物を、非常に速くつくらせるようにしているとともに、消費者にもそのようなもので満足させるようにしている」。トクビルの視角はどこまでも広い。



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2017年12月02日

トクビルの見たアメリカ その382 欲望の先行

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


民主国には次のような非常に多くの人々が常にみつかっている。その人々の財産は増大することはするが、その人々の財産をふやしたいという願望の方が、財産のふえ方よりもはるかにはやくふくれあがるのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.103(談社学術庫)

1のコメント
トクビルは貴族的民族と民主的な民族と民主国の人々を比較し、その特徴を記した。貴族的民族では貴族などの特権階級以外は「不完全な物しか手に入らない位なら、自らほしくてたまらない物でも全くない方がましだ、と思っている」。

民主的な民族では、「境遇に恵まれていたときに、幾らかの特別の欲望を身につけはしたが、これらの欲望を満たす能力が、境遇の下落のために、現在ではなくなっているということがある。その場合、彼等はそのような欲望を何とかして、曲がりなりにも満たそうとして、何かいい手がかりがないかとどうかと焦燥の気持ちを抱きながら、もがくのである」。

これに対して民主国の人々は欲望が先行し、「財産を手に入れて、それによってえられる福利を物にするよりずっと以前に、財産が予約する権利を眼で見るだけで、その貪欲を満たしている」と述べた。



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2017年12月01日

トクビルの見たアメリカ その381 消費者革命

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


この民主主義的な時代には、前記の記事に対応する革命が、消費者にも起こるのである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.101(談社学術庫)

1のコメント
市民革命が消費者にも起こる。トクビルはそのように予見した。消費者主権の到来を早くも予見したことになる。

「労働者を制限するものは、消費者の意志だけである」(前日掲載)。まだ消費者は市民の経済的な別称である。権力の移行を正確に見て取ったトクビルの鋭い眼差しが光る。

社会生態学者は権力の移行を見る。そこに正統性があればその移行は本質的なであると断ずる。



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2017年11月30日

トクビルの見たアメリカ その380 消費者の意志

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


各労働者は孤立せしめられて、最少の出費で最大の収益をあげることだけを追求する。そのとき、この労働者を制限するものは、消費者の意志だけである。


『メリカの民主政治<下>』 1840年 p.101(談社学術庫)

1のコメント
トクビルの視線は消費者にまで及んでいた。アメリカ人の有用なものを追求する姿勢を指摘したトクビルは生産者の姿勢や行動の特性をも見ていた。

特権がある時代の技術の果実は特権の所有者のものであった。貴族的国民の時代でも技術は一群の職人たちに属していた。職人は自分たちの利益のために集団の規則を作った。そして集団の利益は「できるだけはやく、そしてできるだけ安いものをつくることではなく、できるだけ良い品物をつくるということ」にあった。

民主的な社会では各職業がすべての人々に開放されているときには、大衆が絶えずどんな職業にも出入りしているし、そして大衆の諸成員は数が多いために、互いに赤の他人となっており、無関心になっていて、互いに殆ど見分けられないようになっている」。それゆえ職人の社会的紐帯は破られている。そのような状態で職人や労働者は従うのは消費者である。消費者が求めるものは早く、安く、良いものである。



pfd at 08:52|PermalinkComments(0)社会生態学の系譜