2017年11月11日

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pfd at 11:11|Permalinkはじめに 

2017年09月20日

トクビルの見たアメリカ その311 船荷運賃の安さ

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ人は、その商売のやり方に一種のヒロイズムを感じているのだといった方が、一層適切であろう。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.481(講談社学術庫)

1のコメント
海洋国家アメリカを支えるものが「ヒロイズム」であるという。たとえば彼らの働きぶりは「中国の茶を買いに行くためにボストン港を出帆する。彼らは広東に到着し、そこで幾日か休息して帰路につく。彼は二カ月以内に地球を一周するが、陸地は1回しか見ない」。いささか誇張気味だがアメリカ人の気質を表している。

これがトクビルがたどり着いた「アメリカ人たちが、他の人々よりも安い値段で船荷を運搬している理由」である。船舶の建造費はヨーロッパと同程度、船員の報酬はむしろ高い。それにもかかわらず運搬費用は安かった。

彼らは少々の風でも出帆したし、昼夜満帆で航海を続けた。ヨーロッパの船乗りは太陽が沈むと陸地に近づき船足を落とした。「アメリカ人は、しばし難船する。けれども、彼らほどに迅速に海を航海する航海者は他にいない。他者と同じことを短時間でなしとげる彼は、少ない費用でなすことができるわけである」。



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2017年09月19日

トクビルの見たアメリカ その310 海洋国家アメリカ

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


世界の全船舶のうちで、最上の市場をめざして海洋を横断しているものはアメリカ連邦の船である。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.478(講談社学術庫)

1のコメント
「アメリカ連合体は、ヨーロッパ人に必要で、ヨーロッパの土地では全く生産できない、あるいはまた大変な費用をかけねばつくれない諸産物をもっている。アメリカ人たちはこれらの産物の、ほんのわずかの部分しか消費していないので、残りの部分をヨーロッパ人に売っているのである」。アメリカは貿易国家として発展していた。

「アメリカの独立は、彼等をイギリスに結びつけていた商業的紐帯を破壊して彼等の海洋的天稟に自然的なそして強力なはけ口をあたえた」。人口と同じ速度で船舶数は増加した。

アメリカ人はヨーロッパからの輸入品の90%をアメリカに運び、アメリカの輸出品の75%をヨーロッパに輸出した。アメリカは海洋国家として発展して行ったのである。



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2017年09月18日

トクビルの見たアメリカ その309 不安と動揺

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


諸君がアメリカ連邦に到着したときに、諸君の眼を最もつよくひくものは、政治的社会が不安動揺のさなかにまきこまれてゆれ動いているさまである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.471(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルの見たアメリカは不安と動揺の中にあった。しかしそれは現状の政治形態を変えようとするものではないという。そこにあるのは度々変更される法律環境からもたらされる不安だという。

このような状況に関してトクビルは「共和制は、法制の持続的な変化によって、その計画の実現を絶えず妨げられているので、社会生活には不適当なものと考えられることは、困ったことである」と評した。

そして最悪の予見を記した。「今後予想されうることは、アメリカ人たちが共和制から離脱することによって、王制にあまり永くとどまることなく、大急ぎで独裁制に移ってゆくであろうということである」。事態はそこまで悪化していたということである。



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2017年09月17日

トクビルの見たアメリカ その308 連邦制と共和制

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


連合体は、状況が有利である限りにおいてのみ存続する偶然事であるが、共和制はアメリカ人の自然状態であるように思われる。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.466(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは本書の最後尾で連邦制という政治形態と共和制という政治原理を分けて考えるべきことを明言した。近代以前にも共和制は存在したが近代における共和制の端緒はアメリカである。そして当時フランスが君主制から共和制に移行していた。

連合体の危機、即共和制の否定ではない。共和制の否定は君主制の復活である。しかしアメリカに君主制は存在した過去はない。ありうるとすれば独裁者である。

連合体の根源は法律である。これに対して共和制は政治原理であり、「もっと深い根をもっている」。「アメリカ連邦で共和制の意味するものは、社会がそれ自体に働きかける緩慢な、そして平静な作用である。これは、人民の啓蒙された意志に真に基づいている、規則正しい整然とした状態である。これは決定が長い間熟慮され、ゆっくりと議論されて円熟するのを待って実施される妥協的な政治形態である」。



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2017年09月16日

トクビルの見たアメリカ その307 連合体の危殆

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


連邦政府は老朽化することによって、力を用いて諸州の主権を威嚇するどころが、日々弱くなり、そして連合体の主権のみが危殆に瀕していると、わたくしはいうのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.453(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「私が証明したいと思ったものは次のことどもである」。本書の最後尾でこう述べた。すなわち多くのフランス人は「アメリカ連邦では人々の精神の動きの中に大統領と国会との手に権力の集中をうながす傾向がある」と考えている。

しかし事実は逆である。権力は集中どころか日々弱められ、連邦政府の主権は危機に瀕している。このような事態を目の当たりにしたトクビルは次のように期待を述べた。

連合体としての連邦政府が「滅亡するであろう時は、まだずっと先のことであるとわたくしは信じている」。連合体は風習の中にあって、人々はこれをもちたいと願っている。連合体からでてくる種々の成果はあきらかであり、そしてその利点も眼に見えている」からである。



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2017年09月15日

トクビルの見たアメリカ その306 戦争準備

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


その間にサウスカロライナ州は、国民軍を武装させて戦争の準備をした。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.448(講談社学術庫)

1のコメント
「フランス革命の諸戦争と1812年の戦争とは、アメリカとヨーロッパとの自由交通を阻止することによって、連合体の北部の製造工業を創造している」。1812年の米英戦争などをきっかけとして経済的独立性が促された。

連邦政府は、この産業的萌芽を守るため保護主義政策をとった。これが関税制度の確立の契機となったが、南部諸州は反旗を掲げた。サウスカロライナ州は、国会に関税法が憲法違反であると請願した。南部諸州もこれに追随した。

国会をはれを無視、関税をさらに高めた。南部は憲法をはじめとした法律の「無効化」を主張。事態は悪化し戦争準備に。かかる事態に至ってはじめて国会が動く。10年間で完全を漸減させることを約束し、事態を収拾した。南北戦争に向う伏線がここにある。



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2017年09月14日

トクビルの見たアメリカ その305 連邦銀行への攻撃

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ連邦銀行は、非常に嫌われているものなのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.444(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルはアメリカの連邦銀行に触れ、その状況を記した。連邦銀行の理事たちと大統領は、しばしば個人的感情を表に出し対立した。「国会が連合体の大立法的紐帯であると同様に、連邦銀行は、連邦の大貨幣的紐帯を形成している」にもかかわらず。

一方で連邦銀行は、連邦政府と州政府との対立同様、「諸州を中央権力から独立させようとするその同じ情熱は、連邦銀行をも破壊させようとするものである」。

「連邦銀行は、地方的諸銀行に所属している大変な数の銀行券を、常にその掌中ににぎってもっている。(中略)地方的銀行は連邦銀行によるこのていのよい制度をいらいらしながら耐え忍んでいる」。「この銀行への敵が非常に多いことは、連邦政府の弱体化の痛ましい兆候であるといえよう」。



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2017年09月13日

トクビルの見たアメリカ その304 連邦政府の後退

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


連邦政府は、州政府と争うたびごとに、後退するばかりであった。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.441(講談社学術庫)

1のコメント
連合体はアメリカの繁栄とともにあった。それゆえ人々は連合体を離脱しようとしなかった。しかし連邦政府を邪魔者扱いし始め。州政府の権利を主張し始めた。連邦政府は法廷で権力を取り戻そうとする州政府に破れ、その権力は弱められていった。

たとえば13州かは始まった連邦政府は西へ西へと勢力範囲を伸ばし諸州を増やしていった。時に他国から土地を購入し、それを国民に売り渡し、得られた利益は連政府に入っていた。これ原資に道路や運河を作った。しかし新しい州で生まれたこれらの利益はその州に還元すべきとの声が上がり、大部分の利益をその州に帰属させる法律まで作らされた。

代議士は諸州の代表であると同時に連邦政府の命運を決める立場でもあるにもかかわらず、人民のこうした意志に抗することはできなかった。法定でも立法でも連邦政府の権力は後退するばかりであった。



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2017年09月12日

トクビルの見たアメリカ その303 人々の傲慢

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


強力な政府がもはや必要でなくなった瞬間から、人々はそのような政府が邪魔だと考え始めた。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.440(講談社学術庫)

1のコメント
1789年、連邦憲法が発布されたとき、アメリカは無政府状態だった。その後、連合体は混乱の中樹立された。中央集権的な連邦政府は当初、多くの攻撃にさらされながら、最小限の権力だけは保持することができた。

このような状態からスタートしたが連邦と地方という2つの政府の統治の仕方を受け入れさせたものはアメリカの経済的繁栄である。人々は北部から西部、南部へと移住しながら人口と富をふやしていった。地方の特異性は移住民により混合せしめられ、主に北部の優れた北部の制度が定着してい行った。

このような繁栄は連邦政府を必要として原因を見失わせ、愛国心を減じ始めた。彼らは現状に満足し、惰性の中で時を過ごし出した。こうして強力な連邦政府の存在意義を忘れ、それは邪魔なものだと考え始めた。人間の傲慢さの現れである。



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2017年09月11日

トクビルの見たアメリカ その302 分裂の様式

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


連邦をあやうくする最大の危険は、連邦の繁栄そのものから生まれている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.434(講談社学術庫)

1のコメント
アメリカの急激な発展が連邦の維持を難しくしている。「その繁栄は、連合体の諸州に財産の急増を伴なう酔い心地をつくりだすが、他の諸州には最もしばしば衰亡をひき起こすような羨望、軽蔑、悔恨をつくることである」。

その様な状況下で「すべての連合加盟州が連合したままにとどまりたいという意志の一致をもつことに、現存の連合体の存在は、全くかかっている」のである。

トクビルはこのような分裂の原因の探求を終え、分裂の様式にも触れた。第一に、どこかの1州が連連邦を脱退し、共通の紐帯を破る方法、第二に、連邦に加盟する諸州が同時にその独立の習慣をとりもどそうとことで連邦政府が無力化する方法である。



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2017年09月10日

トクビルの見たアメリカ その301 革命的な変動

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカでは社会がつくる進歩には、ほとんど革命的ともいえるほどの急激な変動がいくらか起こっている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.433(講談社学術庫)

1のコメント
ドラッカー教授はアメリカ革命を漸進的保守主義と評したが、その変革スピードは「革命的」だった。トクビルは「イギリス系アメリカ的共和国は、生まれて大きくなり30歳の壮年に達するひとりの人間のように速く成長している」と形容した。

北部諸州の目覚ましい発展が目をひくが、南部諸州もヨーロッパのいかなる王国よりも急速に発展している。しかし南部諸州の人々は自分たちが貧困化していると感じている。今から180年前のアメリカの危機の原因は格差意識にあった。現代の格差問題も根本は同じように見える。

トクビルはこうした相対的は意識の源泉を「傷つけられているものは、それらの州の利益であるよりも、むしろそれらの州の感情と情熱である」と評した。そして「そのような不快な感情も、連合体を危うくするのに十分である」と危機感を表明した。「太古以来、諸民族と諸王とが自分たちの真の利益だけを洞察していたとすれば、人類の間に戦争はほとんど起こらなかったであろう」。トクビルはまさに南北戦争を予見したのである。



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2017年09月09日

トクビルの見たアメリカ その300 対立の原因

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


弱者が強者の正義と道理とを信頼することは、まれである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.432(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「南部が北部に対してとっている敵対的態度」の原因をこのように表現した。「富と力との増大速度で他の諸州よりも遅い諸州は、幸運に恵まれている諸州に対して、軽蔑と羨望とのまなざしをなげかけている」。

南部諸州がもつ「不安と動揺」、北部諸州にみられる福祉と信頼とは対照的である。当時アメリカは二極性を国内に抱えていた。

南部人は連邦維持に最も執着するだろうが、最もその結束を破ろうとするだとうとトクビルは見ていた。年々、北部と西部の代議士は増えるが、南部の代議士は減っている。その現実にいら立ち、動揺している。



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2017年09月08日

トクビルの見たアメリカ その299 連合体の維持

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


一方の民族が力を失い、そして他方の民族が力を獲得しつつあるとき、連合体を維持することは一層むつかしくなる。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.431(講談社学術庫)

1のコメント
「連合体が2つの民族でできているとき、一方の民族は貧しく弱く、他方の民族は裕福で強いとすると、後者の力と富とが前者の弱さと貧しさとの原因でないことがはっきりと証明されてわかっているときでも、この連合体の持久性を考えることはむつかしい」。

当時アメリカの人口は北西部向って増えていた。その結果、諸州の代議士の数に変動をもたらしていた。それは権力の移動を意味した。人口富が増え続ける北部、増えない南部。それは諸州の力の均衡に変化をもたらすことを意味した。

トクビルは弱い構成員の存在が連邦維持の条件であるとした。置かれている現状は困難性を高めているように見えた。この問題は現代にも通じる。南北の分断ではなく、白人至上主義や富の偏在という分断要素により、より複雑で困難な問題に直面するアメリカ。



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2017年09月07日

トクビルの見たアメリカ その298 人口動態の予見

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


百年が経過する前に、連邦によって占拠されまたは要求されている領土は、一億以上の住民によって蔽われるであろうし、そして40州に区分されるであろう。わたくしはそう考えている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.427(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルが同書を現した1835年頃、アメリカは24州と1300万人の人口を有していた。「イギリス的植民地が創設されて以来、そこでの住民数は約22年ごとに倍加している」。

トクビルは人口動態に言及した。ドラッカー教授がいうように人口構造ほど「すでに起こった未来」を示すものはない。

トクビルの予見は当たった。1889年に40州を数え、1910年代には1億人を超えた。まさに100年経過する前にその未来は起こった。1億人の人口はさらに100年を経過した今、3.25億人となり、50州を有する規模になった。

「社会的構成員」の数は確実に増え、諸国民かならなる社会は分断を強め、存続の危機へと向かっているように見える。トクビルの予見は今も生きているようである。



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2017年09月06日

トクビルの見たアメリカ その297 存続の機会

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


諸個人からなる社会にとってと同様に、諸国民からなる社会にとっても、存続の主要な機会としては次の3つのものがある。社会的成員たちの賢明なこと、それらの社会的成員たちが個人的に弱いこと、そしてこれらの社会的成員の数の少ないこと、これである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.425(講談社学術庫)

1のコメント
トクビルはアメリカの危機を予見していた。アメリカは大きな変動期にあった。

1790年に連邦条約に加盟した諸州は13州であった。この連合体は今日では24州を数えている。1790年に約400万に達していた人口は、40年間に4倍になり、1830年には約1300万人に増えた」。またニューヨーク州のように人口200万人、面積もフランスの4分の1という大勢力になっていた。つまり強い社会的成員が出現したのである。

彼らは連邦の利益を享受しているが、危機に直面している。



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2017年09月05日

トクビルの見たアメリカ その296 特異な民族

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


イギリス系アメリカ人たちは、このように共通観念によって相互に結びついていると同時に、イギリスの感情からなる自尊心によって、他の諸民族と異なっている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.421(講談社学術庫)

1のコメント
アメリカ連邦にいる人民、ことにイギリス系アメリカ人は同じ思想をもっている。彼等の宗教は同じではないが、宗教というものを同様な見方でみている。また統治手段について了解しているわけではなが、「人間社会を管理すべき一般原則については一致している」。

すなわち「政治理念と宗教観念から、日常的な生活行動を規制し、そして行為全体を指導する哲学的並びに道徳的意見に観点を移してみても、同じ一致の状態が見つかる」。

「イギリス系アメリカ人たちは、このように共通観念によって相互に結びついていると同時に、一つの感情からなる自尊心によって、他の諸民族と異なっている」。彼らの存在は世界史上、実に特異である。



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2017年09月04日

トクビルの見たアメリカ その295 社会成立の要件

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


同一政府の下に多数の市民を維持しているものは、連合したままでとどまろうとする理性的な意志であるよりも、むしろ感情的の近似性と意見の類似性とから生ずる本能的な、ある種の無意識的な一致である。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.419(講談社学術庫)

1のコメント
連邦が瓦解する可能性を示し、その原因に目を向けてきたトクビル。彼は上記のようにもう一つの結論に達する。つまりメリット、デメリットを比較衡量して理性的に答えを出すのではないと考えた。「人々は同一の元首を認め、そして同一の法律に服従しているからというだけのことで、社会をつくっているとはいえない」と述べ、社会成立の要件を述べた。

「社会が存在するのは、人々が多くのものを同一見地で考えるときにおいてのみ、また人々が多くの主題について同一の意見をもつときにのみ、なお、最後に、同一事実が人々に同一の印象と同一の思想を生じさせるときにおいてのみである」。

そう考えると同一元首の下、同じ法律に従っているヨーロッパ諸国よりも、諸州の主権の下、連合しているアメリカ連邦の方がより社会を形成していると評価しうるのである。



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2017年09月03日

トクビルの見たアメリカ その294 連合のメリット

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれは現存の連合体諸州が分離するかも知れないかどうかではなく、それら諸州が連合全体として統合した状態に留まろうと欲しているかどうかを知るだけで十分である。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.414(講談社学術庫)

1のコメント
連邦が瓦解する可能性を示し、その原因に目を向けてきたトクビル。彼は上記のように一つの結論に達する。

諸州は独自の主権を維持続けるなかで、主権の一部を連邦政府に委ねる。そのことのデメリットがメリットを下回る以上連合体にとどまり続けるはずであると考えた。

2つの大きなメリットを挙げた。諸州間を関税なしに物品が移動することと、軍隊を持つコストを負担しなくてもいいこと。



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2017年09月02日

トクビルの見たアメリカ その293 瓦解の原因

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


個々に独立している民族は自然的に中央集権化に向かうが、諸民族の連合は分裂しやすい。上記の一般的理念を、われわれは今やアメリカ的連合体にあてはめて考察しなければならない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.406(講談社学術庫)

1のコメント
「わたくしが明らかにしたいと思っていることは、現存の連合体の瓦解をもたらしうる諸原因である」とトクビルはその意図を明らかにした。

「連盟的な諸国民は、その連合以前に、それぞれの国民自体としてそれぞれの主権をつくりあげており、そしてしまも主権者のかなり多くの部分をそれぞれ代表し続けているからである」。原点は地方的諸政府、アメリカの場合、諸州にある。しかし、戦争や外交など連合体に必要な権限は連邦政府にある。このような二元的な政府は分裂の根本原因となりうる。



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