2017年11月11日

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pfd at 11:11|Permalinkはじめに 

2017年08月23日

トクビルの見たアメリカ その283 相続法の影響

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


変化の諸要因のうちに相続法が見つかるのであるが、この原因を除外しては奴隷制というような人間制度の大変革は達成されない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.367講談社学術庫)

1のコメント
相続法が廃止されるまで南部では「相続財産の分配の不平等が南部で支配していた」。南部ではヨーロッパの貴族団の伝統を引き継ぎ長子相続がなされていた。トクビルは一族を「寄生植物と同じ」と断じた。彼らには労働という観念がなかった。それゆえこの「貴族団のうちには、労働者ではないが貧民も見つかることがあった」。

ところが「相続法が廃止された瞬間から、すべての財産も同時に減少し始めた。すべての諸家族も同一の運動によって労働が生活に必要な状態に近づいていった」。相続財産の「分配の平等に最も近い効果の一つは自由労働者階級をつくることであった」と評した。

「自由労働者が奴隷と競争し始めてから、奴隷の方が劣っていることがわかってきた。そして奴隷制はその原則そのものにおいて、すなわち主人の利益という点で攻撃された」。一つの人間制度が大きく変わる時、その背後に相続法の改正があった。こうして南部の「奴隷制が後退するにしたがって、黒人もこれに続いて後退し、初めて出てきた熱帯に向って帰っていくのである」と結んだ。



pfd at 06:27|PermalinkComments(0)社会生態学の系譜 

2017年08月22日

トクビルの見たアメリカ その282 奴隷制の後退、自由の進出

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


南部と北部とのこの比較をさらに進めてゆけば、南部と北部とのアメリカ人の特性に注意される。ほとんどすべての相異が奴隷制から生まれていることが、容易に証明されるであろう。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.366講談社学術庫)

1のコメント
しかしトクビルは探求の範囲を限定した。「奴隷制のすべての効果が何であるかということだけではなく、なお、奴隷制がこれを認めた人々の物質的繁栄にどのような効果をつくりだしているかを、探求するのである」。

そのうえで古代の奴隷制について触れた。「当時、隷従は、すべての文明社会に存在していた」。しかし、後にキリスト教は奴隷制を廃止した。この点、「利益と道徳が一致している」。

「これらの真理がアメリカ連邦で明らかになるにしたがって、奴隷制は、文化的啓蒙と経験との前で少しずつ後退していった」。南部から始まって北部に広まった奴隷制が後退している。これに対して「北部から出発した自由は、停止することなく南部に下っている」。



pfd at 04:39|PermalinkComments(0)社会生態学の系譜 

2017年08月21日

トクビルの見たアメリカ その281 南北格差の原因

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


自由労働者には賃金が支払われている。けれども自由労働者は奴隷よりも仕事をはやくする。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.363講談社学術庫)

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トクビルは労働の本質に迫る。養われている奴隷は、勤労を売るという考えがない。彼らは、仮に熱心さや知識経験をもぅていても、それらを発揮することは難しい。自由労働者は自分の労働を売るが、その労働は有用なときにのみ買われる。熱心さ知識経験は買われるための基本条件である。労働にお金がかかっていることは同じである。しかし生産性の違いは歴然である。

自由労働者は、「その生活の主要項目を物質的幸福においている。彼の住んでいる国は彼の勤勉に対して無尽蔵の至言を提示しており、彼の活動に対して常に再生する誘惑の手を差し出しているので、彼の熱烈な一攫千金の欲望は、普通の人間的貪欲の限界を超えている」。

これに対して奴隷制を用いている諸州の「アメリカ人は、労働を軽蔑しているばかりでなく、労働によって成功がえられるすべての企業をも蔑視している。彼は閑のある安楽な生活をしていて、ひま人の好みをもっている。(中略)彼は情熱的に狩りと戦争を好んでいる。彼は肉体の最も烈しい使用を楽しんでいる」。

このような違いが2世紀も続けば、「商業能力」の差は莫大である。「今日、船舶、製造業、鉄道、そして運河をもっているのは北部だけである」。



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2017年08月20日

トクビルの見たアメリカ その280 2つの州の比較

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


ケンタッキー州は、1775年に創設されたが、オハイオ州はそれから12年後に創設されている。アメリカでの12年は、ヨーロッパでの半世紀以上に相当する。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.362講談社学術庫)

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トクビルはオハイオ河の左岸と右岸を比較した。地勢や気候的にはほぼ同一条件である。しかし右岸のオハイオ州と左岸の左岸はケンタッキー州である。その環境にあってケンタッキー州が先行して創設された。このような状態では先行するケンタッキー州が発展しているように思われる。

事実は逆である。「この河の左岸では 、人口は希薄である。そこでは奴隷たちの群れが半ば荒地のままになっている畑には無感心な態度で、絶えず歩き廻っているのが認められる。原始林は絶え間ないほどに姿をあらわしている。そこでは社会は眠っているといえよう。人間は閑であり、自然だけが忙しい」。

 これに対して右岸の「オハイオ州では産業が盛んであり、豊かである」。この差は奴隷制の有無だけであると結論づけた。ケンタッキー州における「労働は二グロの骨折りに寄らねばならない」。しかしオハイオ州では「人々は閑を見つけようとしても無駄であろう。そこでは白人はすべての労働にその活動とその知性とをひろげ傾向し傾倒している。



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2017年08月19日

トクビルの見たアメリカ その279 南北の格差

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


諸植民地が創設されてから、すでに1世紀が経過している。その一つの異常な事実がすべての人々の眼につき始めた。いわば奴隷を所有していなかった諸地域は、これをもっていた諸地方よりも、人口と富と福祉を増大した。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.360講談社学術庫)

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「最初の二グロたちは1621年頃ヴァージニア州に輸入された」。その後、アメリカ南部に拡がった。しかし奴隷制は北部に向うほど少なくなっていった。

こうした南北の違いは植民地創設から1世紀経って人口、富、福祉の違いとして表れた。奴隷をもたない北部では「住民は自ら土地を耕作するか、または他人の勤労を借りるか」だった。「奴隷をもっていた諸地方では、住民は努力に対して報酬を支払わなくてよかった労働者たちを自由に駆使した」。

「それゆえ前者には労働と費用があったが、後者には閑暇と節約があった。けれども利益は前者にあった」。「人々は進歩するにしたがぅて、奴隷に対して非常に苛酷な隷従が主人にとって有害なものであることを予感し始めたのである」。(続く)



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2017年08月18日

トクビルの見たアメリカ その278 矛盾するように見える現実

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


アメリカ連邦では、二グロを排斥する偏見は、二グロが奴隷でなくなるに比例して増加しているようであり、不平等はこれが法律の中で姿を消してゆくにしたがってひどくなっている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.359講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは一見矛盾する現実を描写した。「南部では、二グロを引離すことはあまり気にされていない。二グロには時として白人の仕事も白人の快楽も分与される。ある程度まで白人と混合することも認められる」。これに対して「白人は二グロがいつしか白人と混合するようになることを恐れれば恐れるほど、一層用心して二グロから遠ざかる」。

トクビルは問う。「なにゆえアメリカ人は連邦の北部で奴隷制を廃止しておきながら、南部ではこれを保存しているのであろうか。そして南部でアメリカ人が奴隷制度の苛酷さを増しているのはどういうわけであろうか」。

その答えは簡単であるという。「アメリカ連邦で奴隷制が打破されているのは二グロの利益のためではなく、白人の利益のためである」。(続く)



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2017年08月17日

トクビルの見たアメリカ その277 3つの偏見

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


現代人は奴隷制度を廃止した後に、奴隷制度よりもはるかにとらえどころのないそしてはるかに強靭な3つの偏見なる、主人の偏見、人種の偏見、そして最後に、白人の偏見を打破しなければならないのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.355講談社学術庫)

1のコメント
トクビルの言明は未来を予見している。「法律は従属を打破することができる。けれどもその痕跡を消滅させることができるのは神のみである」。つまり法律により奴隷に自由を与え開放することができる。しかし偏見を打破するには困難が伴うと見とおした。

繰り返すが奴隷解放まで30年弱を要する時点の発言である。当時の状況は「人種的偏見は、奴隷制がまだ存在している諸州においてよりも、奴隷制を廃止ししている諸州では一層強いようである」。「奴隷制が廃止されているほとんどすべての州では、二グロに選挙権が与えられている。けれども彼が投票しようとするほど、彼の生命はあぶないのである」。トクビルの予見は180年経った今も続いているのである。



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2017年08月16日

トクビルの見たアメリカ その276 古代の奴隷制度

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


古代人でもっともむつかしかったことは法律を改正することであった。現代人では風習をかえることがむつかしいのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.354講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは古代の奴隷制を引き合いに出した。「奴隷制によってつくられる直接の害悪は古代人においては現代人におけるとほとんど同じであったが、これらの害悪の後続は異なっていた」。

その違いについて記述した。「古代人では、奴隷はその主人と同じ人種に属していたし、しばしば教育と知識経験では主人よりも秀れていた。奴隷と主人とを引離したものは自由だけだった。奴隷に自由が与えられると、奴隷出合った者も主人もたやすく互いに混合したったのである」。

古代人は奴隷解放という手段を一般に用いて奴隷に自由を与えていた。これに対して当時アメリカの奴隷制度は人種の相異という物質的な永続的事実と強烈に結びついていた。それは風習となり根づき、「奴隷制の記憶は人種を不名誉なもの」にしている。これは現代まで続いているといえよう。



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2017年08月15日

トクビルの見たアメリカ その275 アメリカを脅かす災厄

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


インディアンたちの孤立の状態で生活しているが、またその状態で死滅するであろう。けれども二グロの運命はいくらかヨーロッパ人の運命に組みあわされている。両人種は互いに結ばれてはいるが、そのために互いに混合し合うことはない。これらの両人種にとっては、完全に離れることも完全に結合することも、ともに同じようにむつかしいのである。 


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.352講談社学術庫)

1のコメント
出版当時(1835年)のアメリカの2つの人種がおかれた現状を示した言葉である。第3節でインディアンの存在について述べ、本第4節で黒人の存在について記述した。

トクビルは「アメリカ連邦の将来を脅かすすべての災厄の中で最も恐ろしい災難は、連邦の土地に黒人が存在していることから生じている。連邦の現在の困惑と将来の危機との原因が探求されるとき、どこから出発するにしても、ほとんど常にゆきつくところは、この第一の主要な事実である」と述べた。

このような現状を前提にトクビルは次の様に述べる。「人々は一般に持続的災厄をさけるために大きな、そして絶えまない努力を払っている。けれどもこっそりと世界にしのびこんでくる災厄もある。初めにはその災厄は権力のありきたりの濫用のうちにやっと見つかるくらいである」。

その様なささやかな悪徳が「自ら栄養をとって、努めることもなく、ひろがり、これをうけいれている社会とともに自然に増大してゆく」。こうして社会の害悪として奴隷制は世に根を張った。リンカーンの奴隷解放宣言までなお30年近くの年月を要する。



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2017年08月14日

トクビルの見たアメリカ その274 文明化するインディアン

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


北米のインディアンは森の自由のうちに生活しながら、みじめであった。けれども彼は誰にも劣っているとは感じなかった。彼は白人たちの社会層のうちにはいりこもうとする瞬間から、そこでは最下層の身分しか占められないであろう。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.326講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは文明社会に溶け込もうとしているインディアンの種族チェロキー族について記述した。彼らは混血によって徐々に「社会状況を改善し、そしてその風習をも変化させている」。

しかし「チェロキー族のいくらかの成功は、インディアンたちが文明化する能力をもっていることを証明はしているが、彼等が文明化に成功することができることを少しも証明していない」。

未開の民族が文明化された民族に武力で権力上の優位に立つとき未開の民族も文明化された被征服者から科学や技術、文化を吸収することができる。インディアンが征服者になることはない。したがって彼等の運命は決まったも同然である。



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2017年08月13日

トクビルの見たアメリカ その273 インディアンの価値観

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


北米のインディアンたちは、労働を悪いものと思っているばかりでなく、不名誉なものとも考えている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.322講談社学術庫)

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トクビルは「インディアンたちは、文明化に不可欠な前提条件をもっていない」と述べました。すなわち、「いったん狩猟者たちの暇の多い、そして冒険的な生活になれた人々は、農耕に必要な持続的な規則正しい労働にはとても耐えきれないほどの嫌悪を感ずるものである」。

トクビルはもう一つの有力な原因をインディアンの価値観に求めた。「自分たちの樹皮の小屋の下で、自分の個人的価値を最高なものだと思いこんでいるインディアンほどに、みじめな者はいない。彼は産業への配慮を堕落的な懸念だと考えている。彼は、耕作者を鍬道を辿っている牛に比較する」。

インディアンが文明社会に組み込まれることはないことは、これまでの彼らの振舞いで明らかである。トクビルは滅びつつある中世の貴族の精神性にインディアンをなぞらえヨーロッパ人に理解を求めた。



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2017年08月12日

トクビルの見たアメリカ その272 絶滅予見

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしは筆舌につくしがたい災厄を沈思黙考している。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.314講談社学術庫)

1のコメント
「彼等の本能的な愛郷心は、彼等をその生まれた土地に結びつけているのであるが、彼等はそこには惨禍と死だけを見出しているにすぎない。」。トクビルがアメリカをつぶさに見て歩いたときすでにインディアンは絶滅を予想される状態にあった。インディアンたちは西へ西へと追いやられていた。

しかし白人も西部を開拓しつつあり、野生生物を狩り尽くし、インディアンの食料源を奪っていた。しかも「インディアンたちの所有権剥奪は今日ではしばしば規則正しく、そしていわば合法的に行われている」。

このような状態はトクビルに「北米のインディアン種族は、滅亡の運命にあるとわたくしは信じている。そして、ヨーロッパ人たちが太平洋岸に住みつく頃には、この種族は存在しなくなってることだろうと、わたくしは考えないではいられない」と言わしめた。



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2017年08月11日

トクビルの見たアメリカ その271 インディアンの行動の変化

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


インディアンたちだけが、今日では彼等がそこから追われている荒野に住んでいたとき、彼等の欲望は少なかった。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.314講談社学術庫)

1のコメント
インディアンは「自ら自分たちの武器をつくったし、河水は彼等の唯一の飲料であったし、そして彼等は動物の皮を衣服とし、その肉を食料としていた」。

ところが「ヨーロッパ人たちは北米の原住人たちの間に銃と鉄と火酒とをもちこんだ」。ヨーロッパ人は彼らに新たな欲望をもたらした。

「狩猟は彼等の必要な欲望ばかりでなくヨーロッパの軽佻浮薄な情熱をも満足させる」べく、交易品として狩猟を行うようになった。野生の動物とともにインディアンの居住地は西へ西へと追いやられた。



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2017年08月10日

トクビルの見たアメリカ その270 境遇と姿勢の違い

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


二グロの隷従は彼を奴隷状態に陥れているが、インディアンの傲慢は彼を死に追いこんでいる。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.309講談社学術庫)

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トクビルはアラバマ州の森の中で白人の幼女を抱くインディアン娘とその後に続く二グロの女性が泉の縁に腰を下ろして子供をあやしている場面に出くわす。そうして二グロとインディアンの境遇の違いに思いを馳せる。

「二グロは自らの身体の所有権までも失っていて、一種の盗みを犯すことなくしては、自らの生存をまかなうことはできないであろう」。「二グロは、彼を拒絶している社会に入り込もうとして、大変な努力を払っているが、結局それは徒労に終わっている」。

「これに対して、インディアンは自らの民族の出自が高貴なものであることを堅く信じている。彼はこの誇り高い夢を抱いて、その中で生き、そして死んでいる。彼はその風習をヨーロッパ人の風習に屈従されるどころか、その種族をはっきり識別させるしるしとしての野蛮状態に執着している」。

このような正反対の境遇と姿勢が彼らの未来を決した。未来はすでに起こっていたのである。



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2017年08月09日

トクビルの見たアメリカ その269 インディアンへの圧制

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


ヨーロッパ人はインディアンたちを破滅させる力をもってはいても、彼等を従属させる力をもってはいなかった。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.307講談社学術庫)

1のコメント
「圧迫はインディアン種族に対しても二グロの場合と同じように影響を及ぼしてはいるが、その効果は異なっている」と圧迫の性質の違いをトクビルは明らかにした。

「インディアンたちは森の中に平穏に生活していた」。しかし「ヨーロッパ人は荒野の中のインディアン諸民族をばらばらにして遠くに追い払った後に、言語に絶する惨禍で充たされた漂泊放浪の生活を彼らに強いた」。

「ヨーロッパ的圧制は、北米のインディアンたちの間に、祖国愛の感情を弱め、その諸家族をばらばらに分散させ、その伝統を見失わせ、その欲望をむやみに増大させた。そしてこの圧制は、彼等がかつてあったより以上に彼等を無秩序の状態に陥れたし、またより一層未開化した」。こうしてインディアンは破滅への道を歩まざるを得なかった。



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2017年08月08日

トクビルの見たアメリカ その268 不幸を感じない不幸

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


この害悪の深淵に陥れられている二グロは、自らの不幸をほとんど感じていない。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.305講談社学術庫)

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「極端な惨禍に対して人間を無頓着」にしている。トクビルはこのような状況を「神のめぐみとよんだらよいであろうか。それとも神の怒りの最後の呪詛というべきであろうか」と嘆いた。

「暴力が二グロを奴隷状態においており、隷従の習慣が二グロに奴隷の物の考え方と野心とを与えている。彼は圧制者たちを嫌うよりもむしろ尊敬」している。「彼らは自らにとって無用な欲望も快楽ももたない」。

さらにトクビルは彼等の現実を描写する。「彼が自由になれば、そのときは独立は彼にとって、しばしば隷従そのものよりも重い鉄鎖となる。なぜかというと、彼はその生存の過程で、理性を除いてはすべてのものに従属することを学んでいるからである」。

トクビルが奴隷の現実を描写してから約30年後、リンカーンが奴隷解放宣言を行う。彼らの不幸はなおしばらく続くのである。



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2017年08月07日

トクビルの見たアメリカ その267 中途半端な位置

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


圧制は、アフリカの子孫たち(二グロ)から人間のほとんどすべての特権を一撃の下に奪ってしまった。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.305講談社学術庫)

1のコメント
トクビルは「白人、ヨーロッパ人、殊にきわだって秀でている人間である。この人種の下位には二グロとインディアンが姿を現わしている」と述べた。そして「不幸なことにこれらの2人種は、出自をも容貌をも風習をも共通なものとしてはもっていない」。

先ず二グロから記述した。「アメリカ連邦の二グロは自国の追憶までも失ってしまった。この民族はその祖先たちが話した言葉をもはや知っていない。この民族は宗教をすててしまっており、その風習を忘れてしまっている」。

一方で「このようにしてアフリカに属することをやめた民族は、そうだからといってヨーロッパの文明にあずかる何からの権利を獲得しているわけではない。この民族は2つの社会の中途半端なところに立ちどまらされている」。トクビルはこのような現実を描いた。



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2017年08月06日

トクビルの見たアメリカ その266 同書の目的

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしが自分で企図した目的は、今やはたされたのである。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.302講談社学術庫)

1のコメント
1835年に発行された同書は上巻と中巻としてまとめられた。トクビルはアメリカ的民主政治の法律がどのようなものであるかを明らかにした。またアメリカに根づいた風習を説明した。

「わたくしは、ここで筆をとるのをやめてもよいのである」とまで述べた。この後に続く最後の章は、第10章「アメリカ連邦領土に住んでいる3人種の現状と予想されうる将来とについての若干の考察」である。

イギリス系アメリカ人とインディアン、二グロの3人種について1章を設けた。トクビルは独立の章とした理由を「これらの2人種がどのような地位を占めているかを、途中でたちどまって説明するだけの余裕は、わたくしにはなかったのである」とした。次回からこの点に触れていく。



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2017年08月05日

トクビルの見たアメリカ その265 人類の未来

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくが提出した問題は、アメリカ連邦にばかりではなく、全世界に、一国民にだけではなく、全人類に、かかわっている。


『アメリカの民主政治<中>』 1835年 p.293講談社学術庫)

1のコメント
「民主的社会状態をもっている諸民族が荒野に住んでいるときだけ自由でありうるとすれば、人類の将来の運命は絶望されねばならないであろう」。人類の未来―それがトクビルの問題意識の原点である。

「人々がはやい速度で民主政治に向って前進してゆけば、荒野はまもなく民主的な人々で一杯になってしまうであろう」と理想の姿を思い浮かべる。「法律と風習とが民主制度の維持に不十分であることが本当だとすれば、唯一者の独裁政治以外に諸国民にとって他のどこに避難所が見つかるであろうか」。

自由と専制権力を巡るヨーロッパの経験にアメリカ連邦で進んでいる民主政治が与える影響が人類の未来にどのような影響を与えるのか。トクビルはそれを見極めようとして本書を著した。



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