2017年11月11日

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小著 2012.3.8発刊 

実践するドラッカー【事業編】
実践するドラッカー【事業編】

小著 2011.3.3発刊
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実践するドラッカー【チーム編】

小著 2010.4.1発刊       

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実践するドラッカー〔行動編

 

小著 2010.1.28発刊

実践するドラッカー【思考編】
実践するドラッカー〔思考編〕


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pfd at 11:11|Permalinkはじめに 

2016年12月11日

トクビルの見たアメリカ その32 権力の中心地

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


初め人間の産業的努力が集中されたのは、この居心地のよい大西洋岸の岸辺の上であった。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.50(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは北米大陸全体の南北の違いを記述し、ミシシッピ川が東西の境界であることを示した。東西をさらに細分し、アレガニー山脈の東斜面つまり、大西洋側のいわゆる東海岸の様子を記述した。土地がやせ細っていることを示すと同時に、産業が育ったという歴史的事実を述べた。

「そこには今日権力の中心がある」。しかし後背地である西部には、そのときヨーロッパなどから諸民族が集まっていた。トクビルは「殆ど気づかれないままに集まっていた」と述べた。

いよいよトクビルは自然の描写から人に関わる記述を始めた。自然に人間がどのように関わってきたかを表現した。社会はいまだ登場していない。   



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2016年12月10日

トクビルの見たアメリカ その31 自然と人間

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


フランス人たちはこの河を遠く離れさった故国を偲んでサン・ルイ河とよんでいる。そしてインディアンたちは、その華麗な言葉で、水の父としてミシシッピ河と名づけている。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.48(講談社学術文庫)

1のコメント
アレガニー山脈とロッキー山脈の間の空地をフランスの面積の6倍と述べるなど、フランス人の理解を深める記述が続く。2つの山脈の間を流れるミシシッピ川を「二大地域の境界線上」とし、ミシシッピ川に関する記述が続く。

「右岸には、農夫がローラーを使って平らにした畑の表面のように、滑らかにされた巨大な平野がいくつも広がっている。これに反して、山々に近づくにしたがって、地球はますます凹凸をまし、やせ細っていく」

また「ミシシッピ河の谷間は、全体としては、神が人間の住家として用意した最も偉大なものである」と自然と人間の関わりを記述した。

一連の記述は自然と人間の関わりにとどまり、社会の存在は今しばらく待たねばならない。



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2016年12月09日

トクビルの見たアメリカ その30 北アメリカの地形

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


北アメリカはその外形において、一見しただけでたやすくわかる一般的諸特性をあらわしている。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.46(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは本論第一章を「北アメリカの地形」として、冒頭を上記文章で始めた。一方は北極に向い、他方は赤道に向っている二大地域に区分される北アメリカ―トクビルは衛星写真を見ているかのごとく北アメリカ大陸の全体の地形から説明を始めた。

第一の地域は現在のアラスカとカナダについての地形を説明している。トクビルが第二の地域としたのが現在のアメリカの中核的な地域である。「第二地域はもっと変化にとんでいて、人間の永続的な住地になるよう一層よく整えられている」と自然の地形と人間の住処という関係を記述した。



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2016年12月08日

トクビルの見たアメリカ その29 未来のことを考える

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


諸党派が明日のことに専心しているのに反して、わたくしは未来のことを考えたいと思った。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.44(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはこのように序論を終えた。本書を著した1835年当時、王制がしかれるも、共和派、帝政派のほかカトリック教会を背景とした教義派など国内は分裂していた。

これら諸党派は今日明日のことに追われ、つまりフランス全土がそうであったのだが、一人トクビルは不党の姿勢で混乱の母国を救う何かを提供しようとしていた。フランスの民主主義のあるべき姿を描き出せたらという思いで本論に入っていく。



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2016年12月07日

トクビルの見たアメリカ その28 第二巻

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしの目的は、第二巻では、アメリカにおいて、地位の平等と民主政治とが、市民社会に、習性に、理念にそして道徳に、はたらきかけている影響を描写することであった。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.41(講談社学術文庫)

1のコメント
第一巻と第二巻は1835年に出版された。第一巻では第一巻では民主主義を用いるようになった原因を明らかにしようとした。これに対して第二巻では民主主義が及ぼす影響を明らかにしようとした。

しかしこの後、トクビルは次のように述べる。「けれどもわたくしはこの構想の完成については、あまり熱をもたなくなり始めている」。その理由は定かではない。同行者ギュスターヴ・ドゥ・ボーモンが『アメリカにおけるマリーまたは奴隷制』という本を出すから云々との記述がみえるがそれはさしたる理由には聞こえない。

また「わたくしは、アメリカで見たものを理解してもらえることに成功しているかどうかを知らない。けれども、わたくしは確かに心の底から、そうしたいという願いをもっている」とエクスキューズを自ら出す。真意はわからないがテーマの大きさにおののきつつ序論を終えようとしていると感じる。

このような懸念とは別に同書は出版とともに好評を博し、一躍トクビルの名を挙げた。ヨーロッパでは第二巻と第三巻の社会学的な側面がのちのテンニス、マックス・ウエーバーなどの社会学者たちに大いに影響を与えた。



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2016年12月06日

トクビルの見たアメリカ その27 第一巻の企図

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしは、本書の第一巻で、民主主義がアメリカでその傾向のおもむくままにゆだねられ。その本能に無制限に放任されて、当然のことながらそれが法律に与えた方向、それが政治に刻印した前進、そして一般に、それが事業に上に獲得した力を、明らかにしようとつとめた。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.41(講談社学術文庫)

1のコメント
『アメリカの民主政治』第一巻の制作意図である。アメリカはフランスとは異なる形で「地位の平等」を手にした。最も平和的で完全な形で民主主義を手にする革命を成し遂げた。

アメリカの民主主義から何か役に立つものを手にしようとしたトクビル。第一巻では、その断片を明らかにしようとした。「わたくしは民主主義によってつくりだされた善いものと悪いものとが、どのようなものであるかを知りたいと思った。わたくしはアメリカ人が民主主義を指導するためにどのような用心をなしたか、そして他のどのような用心をなさなかったかをさぐり、そして、民主主義に社会を支配させている諸原因を明らかにしようと企てた」。

社会生態学の基本に原因探索がある。今の結果はどのような原因が基になっているのかを探る姿勢である。



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2016年12月05日

日経電子版「仕事のツボ」第7回 札幌市交通局田畑さんの物語

言葉は道具である。

日経電子版「仕事のツボ」第7回 札幌市交通局の田畑さんの物語です。

田畑さんが使った言葉とは…

「非営利組織のリーダーたる者は成長することを知らなければならない。……(中略)……組織としての勢い、柔軟性、活力、ビジョンを失ってはならない。さもなければ組織は硬直化する

『非営利組織の経営』



pfd at 06:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)日経電子版「仕事のツボ」 

2016年12月04日

トクビルの見たアメリカ その26 アメリカ以上のもの

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしはアメリカにおいてアメリカ以上のものを見たと告白する。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.38(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルは『アメリカの民主主義』でアメリカの民主主義以上のものを表現しようとした。「わたくしは、民主主義の傾向、性格、偏見、情熱、つまるところ、民主主義そのものの真の姿を、アメリカにおいて追求しているのである」。

フランスの外からフランスの民主主義の現状を見ただけでなく民主主義一般に意識を広げた新大陸の旅。新たな視座がトクビルに不朽の名作を紡ぎ出させた。

社会生態学者に必要なもの。異なる視座を体験すること。ドラッカー教授がヨーロッパからアメリカへ移住し、日本画を通して日本を観たようにトクビルも新大陸で新たな視座を得た。



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2016年12月03日

トクビルの見たアメリカ その25 法律と道徳をみる

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


フランスでもアメリカでも法律と道徳を生む原因が同一であるために、この原因によってつくりだされている法律と道徳とはどのようなものであるかということである。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.39(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはまず「遅かれ早かれ、われわれフランス人もアメリカと同様に、地位のほぼ完全な平等を達成することは、疑うまでもないように思われる」と「地位の平等」についての今後の認識を示した。そのうえで「民主主義が与えられうる唯一の政治形態をアメリカ人が発見しているとは、信じていない」と述べた。

フランスンはフランスの民主主義の形態があるはずだという訳である。そこでトクビルがとった行動が法律や制度、道徳と表現した習慣や習俗を調べることであった。これらが生まれる原因を突き止めるためである。トクビルはアメリカを賛美するためではなく、「われわれが利用しうる教訓をみつけたい」のだと明言する。

社会生態学の観察領域として法律や制度があることをドラッカー教授も明らかにしている。その代表的存在をビクトリア朝時代のイギリス人、ウォルター・バジョット(182677)であると指摘し、ドラッカー教授自身の気質・思考・手法に最も近いと評した。



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2016年12月02日

トクビルの見たアメリカ その24 アメリカという国

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著

書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


わたくしが語っている社会大革命が、ほぼその自然的限界に到達しているように見える一国が、世界のうちにある。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.38(講談社学術文庫)

1のコメント
「わたくしがアメリカの滞在中に注目した新しいものごとのうちで、地位の平等ほど私の目をひいたものはなかった」。トクビルは本書の冒頭をこのよう始め、約一ページアメリカについて触れ、その後序論の大半をフランの現状の記述に費やした。

そして序論の終盤、ようやく話題をアメリカに戻した。「社会大革命が、ほぼその自然的限界に到達しているように見える一国」こそ、トクビルが「地位の平等」を発見したアメリカである。

17世紀の初めにアメリカに渡った移民の国、アメリカ。民主主義が「自由のうちで成長し、道徳とともに前進し、法律の中で平穏に発展することができた」。トクビルには祖国フランスが到達すべき姿と映った。



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2016年12月01日

トクビルの見たアメリカ その23 適応的行動

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著

書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


宗教的な人々は自由に反抗して闘っており、自由の友たちは宗教を攻撃している。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.38(講談社学術文庫)

1のコメント
「地位の平等」へと向かう社会、つまり社会は新しい現実に直面していた。そして、その社会に身をおく様々な人々が心理的な緊張下に置かれる。

人々は適応的行動をとる。宗教的な人々は自由に反抗する。逆に自由を求める人々は宗教を攻撃する。高邁な一般的な精神をもった人々は奴隷制をほめたたえる。下劣な奴隷根性をもった人々は独立を鼓吹する。

それらの様々な人々の行動が新しい社会を生む動因となる。こうして社会は変革される。革命は破壊的ゆえその振幅が激しい。

社会生態学の基本フレームは以下のとおりである。
<ー匆颪凌靴靴じ充蔵環境に身を置いたものの緊張→人間の適応的行動→ぜ匆颪諒儚廖



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2016年11月30日

トクビルの見たアメリカ その22 居場所はどこか

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


ところで、これらの人々の間にあって、わたくしどものいるとことはいったいどこなのか。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.38(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルはこの他にも多様な人々を表現した。そのうえで居場所はどこかと問う。

人間の自由を救済するために希望のもてないまま闘っている独立的な精神と一般的な心をもった人々
・奴隷制を鼓吹する愚劣な腐敗した心をもった人々
・天性的には高邁な精神をもち信頼のおける人々ではあるが奴隷根性と下劣性を褒めあげる人々
・自由について神聖かつ偉大なものであることを知ったかぶりして語りながら、自らは諸権利を要求する人々
・有徳で平和を愛し、自らの純粋な品性、冷静な習性、悠長な態度、知識などによって周囲の民衆の指導者となっており、誠実な愛国心に満ちているが新しいものを悪いものと断じている人々
・進歩の名の下に人間を唯物化しようとつとめ、正義を心がけずして効用を、信仰を離れて科学を、徳から引き離された幸福を、みつけようとしている人々

社会生態学とは人々の生態に他なりません。多様な人々の描写が社会生態学の基本である。



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2016年11月29日

トクビルの見たアメリカ その21 多様な人々

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれの間には、なお熱烈な信仰に満たされているキリスト教徒たちがいる。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.36(講談社学術文庫)

1のコメント
この時代には様々な人々が存在していた。トクビルは、その人々は「道徳的類推の法則」は働いていないと指摘した。

キリスト教徒たちは宗教的教えにより自由と平等を前提としている。したがって法の前で自由かつ平等であることに反対する理由はないはずである。しかし現実には、一部に反民主主義的な動きをする者がいる。

他方、「これらの宗教的な人々の外に、そのまなざしを天にではなく、地に向けている他の人々がいる」。これらの人々は道徳の支配なくして自由の支配を打ち立てることができないことを知っている。そのためには信仰が必要であることを認めている。しかし宗教家の中には反民主主義的な者たちがいることから宗教を敵視せざるを得ないというジレンマを抱えている。

人々の意識のギャップを見ることは社会生態学の鉄則の一つである。意識とは習慣性のあるものであり、環境変化に応じて変わりにくいものの代表格である。



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2016年11月28日

日経電子版「仕事のツボ」第6回 こぶし建設の宮脇社長の物語

言葉は道具である。

日経電子版「仕事のツボ」第6回 こぶし建設の宮脇社長の物語です。

宮脇社長が使った言葉とは…

「トップマネジメントの仕事は一個人の能力を超える」

『現代の経営』 




pfd at 04:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)日経電子版「仕事のツボ」 

2016年11月27日

トクビルの見たアメリカ その20 立ちどまるフランス

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれフランス人は昔の状態に含まれていた善なるものを捨ててしまったが、現状態が与えうる有用なものを手にいれていない。われわれは貴族的社会を破壊して、昔の建物の廃墟の中にぶつぶつ不平をいいながら立ちどまって、永久にそこに腰を落ちつかせようとしているようである。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.35(講談社学術文庫)

1のコメント
理念なき革命の後の社会の閉塞感を描写したトクビル。出口が見えす、行動はいつも無秩序な動乱である。

「支配を平和的に打ちたてるために、社会を少しずつ克服しようとはしていない」。フランスで行われた革命は理念と制度の両方を破壊する。それゆえフランスの苦闘は続く。

これに対してドラッカー教授は漸進的保守主義を改革の基本とした。理念を打ち立て制度を斬新的に進化させる。アメリカがとった方法である。日本の明治維新も同様である。



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2016年11月26日

トクビルの見たアメリカ その19 ひっそりとした社会

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


社会は、その力とその福祉とを自覚しているためではなく、逆に、自らの弱さと不安とを感じているために、ひっそりとして静かなのである。この社会は努力して死滅することをおそれている。すべての人は悪は感じてはいるが、誰も最善なものを求めるに必要な勇気と精力とをもっていない。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.34(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルが社会と表現したものの実体は、「すべての人々」、つまり人民である。彼らがフランス革命(1789)で経験したものは、人民の力である。その力が何世紀におよぶ支配階級を駆逐した。しかしその後に40数年の混沌をも経験している。

「地位の平等」を勝ち取りつつ、自らの弱さと不安を感じていた。力を尽くしてさらに混沌を招く誤りを恐れた。「地位の平等」が悪から善への道であることを知りつつ、どうすれば社会から不安がなくなるのかを知らず勇気と精力を振り絞ることを躊躇する。

それゆえのひっそりとして静かな社会。先導する指導者を待望するのはこのような時である。40数年のうちにロベスピエール、ナポレオン・ボナパルトなどが現れては消えていった。

社会の静謐さに隠された人々の心の在りかを知ることは社会生態学の重要なポイントである。適応行動の可能性を知ることができるからである。



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2016年11月25日

トクビルの見たアメリカ その18 力による保障

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


いずれの側にも、権利の理念は存在していない。そして、両者のすべてにおいて、力のみが、現在の唯一の存在理由として、そして将来唯一無二の保障として、あらわれている。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.34(講談社学術文庫)

1のコメント
貧者は先祖がもっていた信仰や美徳といったプラスのものを受け継がず、偏見や無知といったマイナスのものをもったまま社会にいる。

一方「社会は、その力とその福祉とを自覚しているためではなく、逆に、自らの弱さと不安とを感じているために、ひっそりとして静かなのである。この社会は努力して死滅することを恐れている。すべての人は悪を感じてはいるが、誰も最善なものを求めるに必要な勇気と精力とをもっていない」。

1830年に書かれたスタンダールの『赤と黒』は、フランス革命後の社会の一端を映し出す。主人公ジュリヤン・ソレルの支配階級へ嫉妬をエネルギーに戦いに勝利することに喜びを見つけ、力を得て行く様子が描写されている。彼が崇拝するのは力により頂点に上り詰めたナポレオン・ボナパルトである。同書は1830年代記の副題をもち七月革命(1830)を予見した書ともいわれている。



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2016年11月24日

トクビルの見たアメリカ その17 個人の実存の破壊

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれフランス人が圧政に対抗して個々別々に闘うことができた個人の実存を破壊していることを、わたくしは認める。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.34(講談社学術文庫)

1のコメント
フランス革命後のフランス人が捨て去ったものには少数の者がもっていた特権などのほか王権へ敬いや愛、個人の実存といったかけがえのないものが含まれていた。これまでの制度は破壊され、それゆえ次々と生まれる政権は弱みをさらけ出している。

財産は特権階級から分割され、貧者と富者の距離の差は縮まりつつある。「けれども両者は近よることによって互いに憎しみあう新しい理由をみつけているようである。そして彼らは恐怖と嫉妬のまなざしを互いにかわしながら、互いに権力から退けあっている」。

社会生態学は、社会における新しい現実を観るとともに、その環境に身を置いたものの緊張観ることである。「恐怖と嫉妬」という緊張状態を過ごしている人たちは何かの適応的行動を起こすようになる。その行動が満ちる時、新たな社会変革がもたらされる。実存の破壊とは緊張の高まりを表すキーワードである。



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2016年11月23日

トクビルの見たアメリカ その16 代わるもの

ドラッカー教授の思想に大きな影響を与えたアレクシス・トクビル。名声を獲得するきっかけとなった著書『アメリカの民主政治』からドラッカー教授の社会生態学の深層部への影響の一端を探る。


われわれは、先祖たちの社会状態から離れ去り、祖先たちの諸制度や理念や風習をむやみやたらにわれわれのうしろに捨て去っているが、一体われわれはそれらに代わるものとして何をとりいれているのであろうか。


『アメリカの民主政治<上>』 1835年 p.33(講談社学術文庫)

1のコメント
トクビルの答えはこうである。「われわれフランス人は昔の状態に含まれていた善なるものを捨ててしまったが、現状態が与えうる有用なものを手にいれていない」。

そしてその状態を次のように喩えた。「われわれは貴族的社会を破壊して、昔の建物の廃墟の中にぶつぶつ不平をいいながら立ち止まって、永久にそこに腰を落ち着かせようとしているかのようである」。

トクビルが描いた当時のフランス(1835年)が方向性を見失った社会であることが分かる。継続性は失われ呆然とする国民の姿がそこにはある。



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